スミマセン( ;´・ω・`)
しかもほぼ終わり間際でハマるって…
ま、んなことは読者の皆さんには関係ありませんよね!
それではGX第2話どうぞ!
シャトル救出から数ヶ月後、セイバーは英国首都ロンドンにいた。
国連の画策によりアイドルを続ける事となったマリアと翼のコラボライブの為である。すでにステージでは二人の歌姫が水面を滑り抜けながら美しい歌声を響かせている。夕日とタワーブリッジを背景に踊る姿はこの世のモノとは思えない幻想的なシルエットである。
瞬く間にライブは終わり、溢れんばかりの歓声がライブ会場を轟かせる。ステージから戻ったマリアを出迎えたのは
「任務ご苦労様です」
「アイドルの監視ほどではないわ」
「監視ではなく護衛です。世界を守った英雄を狙う輩も少なくないので」
マリアの皮肉にそう答えるエージェント。
「ほぉ、貴殿方の言う護衛とはずいぶんと
すると後ろから声がかけられる。奥へと続く通路から『カッカッカッ』 と上等な革靴を鳴らしながら近付いてくる人物がそこにいた。
「エージェント
その人物とはセイバーの事である。セイバーはエージェントの前に立つと握り拳の右手をエージェントに突き出しゆっくりと開く。ポトポトと何かが落ちる。黒い長方形をした小型の機械の様であった。
「マリアに宛がわれた控え室にありました。既にそちらが
「それは我々国連に対する不信を言っているのですか?」
「分からないのであればご想像にお任せします」
セイバーはエージェント達を無視しマリアに振り向く。
「お疲れ様です、マリア」
「えぇありがとうセイバー。今日のステージの演出、中々に良かったわよ」
「いえ私は特になにも。元々お美しいツバサとマリアのお二人に花を添えた程度です」
「謙虚なのは良いけど、過ぎるのはどうかと思うわよ?自分の仕事にはプライドを持ちなさい」
「それはもちろんです。私はマリアを美しく魅せることに誇りを持っていますから」
「そう。ならそう言うことにしておくわ」
先程とはうってかわって穏やかに話すセイバーとマリア。一通りの会話が終わると国連のエージェントと共に移動を開始する。
移動途中、ステージ衣装を着たマネキンの保管庫を通り抜けるセイバー達。不意にセイバーの[直感]スキルが何かを捉える。
(何?敵意…にしては何か違和感がある…。まるで何か…空っぽ…って言うか、生気が感じられない…)
曖昧で不確かな感覚に教われるセイバーは周囲の警戒を強める。そこにそよ風が舞い込む。
「風…誰かいるの?」
「司法取引と情報操作によって仕立て上げられたフロンティア事変の汚れた英雄、マリア・カデンツァヴナ・イヴ…」
「何者だ!」
マリアと共に国連のエージェントもまた周囲を警戒する。するとセイバーの[直感]スキルが再び警告を発する。
「っ!?上か!」
セイバーが[直感]スキルの指し示す方角を見る。瞬間、マネキン達の中に紛れていたグリーンのフラメンコドレスの様な服装をした女性が国連エージェントの一人を拘束、強引に口付けする。すると国連エージェントの体と髪が徐々に白く変色し、最後には糸の切れた操り人形の様に力無く崩れ落ちる。
敵性分子と認識したもう一人の国連エージェントは懐から拳銃を取り出し迷い無くマネキンに発砲。女性はフラメンコスカートを翻すと突風が巻き起こる。エージェントとが放った銃弾は風に弾かれエージェントに向かって返ってくる。だが…
ガキュ!ガキュ!ガキュ!
それをセイバーが呼び出した[
「なるほど。マスターが重要警戒人物として名を上げるわけですね」
女性がセイバーに向け薄ら笑いをする。セイバーはその表情にどこか違和感を覚えつつ後ろにいるエージェントに声をかける。
「怪我はありませんね?」
「あ、あぁ…」
「マリアを連れて退避しなさい」
「しかし…」
「今この場で貴方にいられても足手まといです。自分の仕事を全うしなさい!」
エージェントは顔をしかめつつもマリアを先導して退避する。
「貴様は何者だ?」
「[
「何が目的だ?」
「歌姫の旋律を聞き届けに」
すると女性の周囲から竜巻が発生する。何かの攻撃かと思い身構えるセイバー。だが次の瞬間、その場に女性の姿は無くなる。それと同時にセイバーの[直感]スキルがある方角を示す。
「っ!?マリア!」
セイバーがエージェントと共に退避しているマリアに向け叫ぶ。瞬間、マリアの前方から突風が起こりその足を止めてしまう。
「ぐっ!?」
不意に両腕を顔の前に出し視界不良になるマリア。その前方には先程の女性が竜巻と共に再び現れ剣の様な武器を構え、そのままマリアに突っ込む。セイバーは[魔力放出]を用いてマリアの元まで走るが、女性の突きの方が圧倒的に速い。マリアも顔の前に出していた腕を退け、マネキンが接近していることに気付くが回避は間に合わない。
そしてその剣がマリアに突き刺さるかに思えた瞬間…
ドンッ!
マリアの隣にいた国連エージェントがマリアを押し退ける。そして…
ザシュ!
女性の剣がエージェントの心臓を貫く。
「ふぅん…」
女性はどこかつまらなさそうな顔をするとエージェントの腹に蹴りを入れ、強引に剣を胴体から引き離す。蹴りを入れられたエージェントとはとても人間の力とは思えない程の威力で後ろに飛ぶ。セイバーは飛んできたエージェントを全身を使って受け止める。
「しっかりしなさい!ここで死ねるほど安い命ではないでしょう!」
「あっ……がっ………ご…」
セイバーが受け止めたエージェントにそう激励するが、エージェントとは一言も返すこと無くセイバーの腕の中で事切れた。その事実にセイバーは唇を噛みしめた後、エージェントをその場に寝かせ瞳孔が開いた瞳の目蓋をゆっくりと閉じた。
「セイバー!」
そこに
「待ち焦がれましたわ」
「あれは…?」
「[
「貴女の歌を聞きに来ましたのよ」
女性が剣を構えセイバーと翼に突っ込んでくる。セイバーと翼はお互いの得物を使い迎撃に入る。剣と剣が激しくぶつかり合い火花が飛ぶ。女性は右手に剣を持ち左手でスカートを上げ、まるでフラメンコを踊るように戦う。見る人が見ればまるで美しく舞っているような様である。
さりとて優勢に立っていたのはセイバーと翼であった。数的優勢もあるが二人の息の合った連結によって確実に女性を追い込んでいた。
だが女性には何故か余裕のある表情が浮かぶ。その表情に触発されてか、翼が大技を繰り出すため一旦後ろに下がる。セイバーもそのいとを理解し[
「風よ、荒れ狂え![
[
「風鳴る刃…和を結び…寡欲を持って斬り
回転する双刃刀の炎は蒼く染まり更に威力を増す。
それと同時にセイバーも[
「月よ煌めけ!!」
【風輪火斬・月煌】
翼とセイバーが女性をすれ違い様に斬る。女性は衝撃でライブ用の資材が入ったボックスに勢いよく突っ込む。
「二人ともやりすぎだ!人を相手に…!」
マリアが余りにも過剰な攻撃をするセイバーと翼にそう言う。だが…
「やり過ぎなものか…!」
「えぇ、剣を交えて良く分かりました…」
二人は振り返り再び得物を構える。何故なら…
「アレはどうしようもなく…」
「「化物だ(です)!!」」
ドゴォォォン!
まだ敵が健在だからだ。
「聞いてたよりずっとショボい歌ね。確かにこんなのじゃ、ヤられて上げる訳にはいきませんわ」
女性はボックスを風で吹き飛ばし再び姿を表す。先程の翼達の攻撃などまるで効果無いと言いたげに無傷で立っていた。
その姿を確認した直後、セイバーが動く。
「はぁぁぁ!!」
霞の構えから繰り出される[
「ツバサ!」
セイバーが翼に叫ぶ。翼はセイバーの目を見てその意図を理解し、手にしていた刀を投げる。回転しながら宙を舞う刀は女性の頭上まで到達すると同時に巨大化する。
「っ!?」
女性が動揺した瞬間、セイバーは[魔力放出]で瞬時に後退。女性は剣で巨大化した刀を防ごうとするも重量に耐えきれなくなった床が抜け、そのまま下に落下する。
「やった!」
「この程度では下に叩き落としたに過ぎない!」
「足止めにしてもほんの僅か程度のものでしょう…」
ふとセイバーは手にしている[
(それにしてもさっきあの人の剣を止めた時、何か
そこまで考えてセイバーは頭を降った。
(いや、今はそんな事よりもこれからどうするかだ!あの女の人はまた直ぐ襲ってくる。だけどここじゃ人的被害が出るかもしれない。出来るだけ離れないと!そしてあの人の目的は恐らく…)
セイバーは思考を一旦止めマリアを見る。
「マリア!ツバサを!」
「っ!分かったわ!」
ほとんど説明も無い会話であるにも関わらず、マリアはセイバーの考えを理解し翼の腕を引き走り始める。それを見送ったセイバーは懐から通信機を取り出す。
「本部応答願います。こちらセイバー。現在―――」
S.O.N.G.本部に現状を報告するセイバー。それが終わると同時にマリア達の後を追って走り始める。
やがてエントランスから外に出た所で緒川と鉢合わせる。
「セイバーさん!」
「シンジ!マリア達は!?」
「先ほど車を使い会場から離れました!しかし、この状況は一体!?」
「私も正確に把握しているわけではありませんが、ともかく敵襲と言う事は間違いありません!私はマリア達を追います!シンジは
「分かりました!翼さん達の事をよろしくお願いします!」
そう言い残し緒川はライブ会場へと戻っていく。セイバーもまたライブ会場近辺にある関係者用駐車場に向かい走り。そこに置いていた
瞬く間に時速約400km/hに到達する暴れ馬を無理やり操り、マリア達との合流を目指すセイバー。やがて海上のライブ会場と町を繋ぐ橋の上で信じられないモノを目撃する。
「あれは…ノイズ!?」
そこにはフロンティアの戦いで消滅した筈のノイズ達の姿が。そしてセイバーはその向こう側にも目をやる。
「っ!?」
一糸纏わぬ姿で倒れ込む翼とそれを抱きかかえるマリアの姿が見える。セイバーは迷い無くグリップに備え付けられたニトロブーストの起動ボタンを押し更に加速する。
プシュー、バボンッ!
爆発的な加速を続け前に進み続けるセイバーの[
「まるで闘牛の様な突撃ですこと」
女性は手にした剣を構えセイバーを向かい打つ。セイバーは臆すること無く猪突猛進の如く進むのみ。瞬きの間に二人の距離は縮み、目前まで迫ると同時に女性が突きを繰り出す。それに対しセイバーは…
「フンッ!!」
[
「なっ!?」
予想外の行動に驚きを隠せない女性。宙返りを終え、着地した[
「マリア!ツバサは無事ですか!?」
「大丈夫、怪我は無い。たけどギアが…!」
セイバーは翼の胸元を見る。シンフォギアのネックレスが破損しているのが確認できた。セイバーはスーツの上着を翼に投げ渡しつつ、[
「貴様等!これだけの所業、無傷で帰れるなどとは思わないことだ!」
怒りの表情のまま[
「生憎と既にこちらの目的は達せられています。マスターからの帰還命令も出ておりますゆえ」
するとノイズの足元から何かの陣の様なものが現れそこに落ちて行くように消えていく。女性もまた手元に液体状の何かが入ったカプセルを取り出しそれを足元に投げ捨てる。
「っ!待て!!」
「それではまたお会いする日までごきげんよう」
セイバーの制止を無視し女性はスカートを上げ優雅にお辞儀をする。そして足元に陣の様なものが現れ女性の姿が消える。
「くっ!」
残されたセイバーはぶつけ所の無い悔しさに苛まれた。
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それから数時間後。
「完全敗北…いえ、状況はもっと悪いかもしれません」
翼が通信機を使って本部の弦十郎に現状の報告をしていた。ちなみに今の翼の服装はマリアのステージ衣装の飾りを使って最低限の部分を隠しその上にセイバーのスーツの上着を肩にかけている状態である。
「ギアの解除に伴って身に着けていた衣服が元に戻っていないのは、コンバーターの損壊による機能不全であるとみて間違いないでしょう」
「まさか、翼のシンフォギアは…?」
「[絶刀・天羽々斬]が手折られたと言う事だ…」
さらに通信では日本にいるクリスの[イチイバル]も破壊された事も確認されている。シンフォギア装者が揃って二人も戦闘不能となれば完全敗北以上と言えた。
すると通信途中の翼達の前に複数の車が止まる。中から出てきたスーツの男達は拳銃を取り出し、全員がマリアに銃口を合わせる。
「状況報告は聞いている。だがマリア・カデンツァヴナ・イヴ、君の行動制限は解除されていない」
保護プログラムによって指定された制約を大きく逸脱する行動に対するマリアの捕獲が目的であった。だがマリアは特に慌てる様子もなく翼から通信機を借り受ける。
「風鳴司令、S.O.N.G.への転属を希望します」
「マリア…」
「ギアを持たない私ですが、この状況に
マリアは再び戦いに身を投じる覚悟を示す。
そしてセイバーまた感じていた。新たなる戦いの幕開けを。
個人的にオートスコアラーはファラが好きだったりします。
そう言えば何ですけどウチのセイバーって皆さんにOTONA判定貰えてるんですかね?作者(茶久良丸)的には準OTONAレベル何ですけど出来れば読者の皆さんの意見が聞きたいです。