それにしてもシンフォギアはなのはとコラボでfgoはRequiemとコラボ。忙しったらありゃしません。
まぁそんなことはさておき続きをどうぞ!
「シンフォギア装者勢ぞろい…とは、言い難いのかもしれないな…」
私を含めた響ちゃん達シンフォギア装者を前に弦十郎さんが苦い声でそう言う。
英国から日本に帰国した私達は響ちゃん達と合流して、今はS.O.N.G.の潜水艦の中にいる。モニターに映るのは英国での戦闘で破損した翼さんの
「コアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが…」
「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が、損なわれている状態です…」
「セレナの
マリアさんがポケットから半分ほど欠けたシンフォギアのペンダントを取り出す。アレが報告に合ったマリアさんの妹さんのギアか。
「もちろん治るんだよな?」
「櫻井理論が開示された事て各国の異端技術は飛躍的に振興してるわ」
「それでも了子さんでなければ、シンフォギアシステムの修復は望めな…」
その言葉に皆が影を落とす。こっちの戦力が半分も使用不可になったんだから無理もないけど…。
「現状、動けるこちらの戦闘は響君とセイバーの二人のみ…」
まぁそうなるよね。何故かって…
「そんな事ないデスよ!」
「私達はだって!」
「駄目だ」
「どうしてデスか!?」
「[LiNKER]で適合値の不足値を補わないシンフォギアの運用がどれほど体の負荷になっているのか…」
「君たちに合わせて調整した[LiNKER]が無い以上、無理を強いることは出来ないよ…」
そう、調ちゃんと切歌ちゃんの二人はギアを持っているけどその使用には適合値を底上げしてくれる[LiNKER]が必要不可欠で、現状それが無い状況。S.O.N.G.内でも[LiNKER]の開発・研究が進んでるけどあんまり
「何処までも私達は、役に立たないお子様なのね…」
「メディカルチェックの結果が思った以上に良くないのは知っているデスよ…。それでも…!」
切歌ちゃん達が悔しそうにそう呟く。
「キリカ、シラベ」
その表情に耐えられず私は二人の前に立って、肩に手を置く。
「二人の気持ちは察します。ですが今は耐えてください。S.O.N.G.でも[LiNKER]の研究は行われています。近い内に完成するはずです。むしろ二人が無理をしてもしもの事態に陥ってしまう方がとてもつらい」
「セイバーの言う通りだ。こんなことで仲間を失うのは二度と御免だからな」
私の言葉に翼さんが同調してくれる。それでも二人はどこか納得のいかない顔だった。
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その後、本部の一室に移動した私達。理由は日本で保護されたある人物と話をするためだ。
「僕はキャロルに命じられるまま、巨大装置の建造に携わっていました」
彼女の名前は[エルフナイン]。翼さんやクリスちゃんが戦ったオートスコアラーの
「ある時、アクセスしたデータベースよりこの装置が世界をバラバラに解剖するものだと知ってしまい、目論見を阻止する為に逃げ出してきたのです」
「世界をバラバラにたぁ穏やかじゃないな…」
「それを可能とするのが錬金術です。ノイズのレシピを元に作られた[アルカノイズ]を見れば分かる様にシンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にあり、その力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置、[チフォージュ・シャトー]になります」
[チフォージュ・シャトー]…。私の生前のFate知識が正確ならたしか/Zeroの時のキャスター、青髭こと[ジル・ド・レェ]がジャンヌが処刑された後に錬金術の研究って建前で男の子を
「
「はい。ですがキャロルの様に全ての知識や能力を統括しているのでは無く、限定した目的の為に作らされたに過ぎません…」
「作られた?」
響ちゃんがそう疑問を投げる。
『何だか機械みたいな言い方だな…』と私も思う。
「
「インストールと言ったわね?」
「必要な情報を知識として脳に転送・複写する事です」
なるほど確かにインストールって言い方が正しい。錬金術って言うのは
「残念ながら僕にインストールされた知識に計画の詳細はありません…。ですが世界解剖の装置、[チフォージュ・シャトー]が完成間近だという事は分かります!お願いです!力を貸してください!そのために僕は、[ドヴェルグ・ダイン]の遺産を持ってここまで来たのです!」
「[ドヴェル・グダイン]の遺産?」
するとエルフナインちゃんは膝の上に置いていた古めかしい箱の中から何かの破片みたいな物を取り出した。
「[アルカ・ノイズ]に…錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物…。魔剣[ダインスレイフ]の欠片です…!」
[ダインスレイフ]の欠片を片手にそう言い放つエルフナインちゃん。この聖遺物がこの戦いの勝敗を分ける物だと感じた。
それと同時に、[ダインスレイフ]を見た私は言い知れぬ悪寒を感じた。それが[直感]スキルによるモノなのか、それとも私の危機感知によるモノなのかは分からないが、何か不吉な事が起こる…そんな予感が頭に過った。
私はそれをただの杞憂だと流した。
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話を終えた後、念のためエルフナインちゃんの体を
「念のために彼女の…、えぇ彼女の
「身体機能や健康面に異常はなく、また、インプラントや高催眠と言った、怪しい所は見られなかったのですが…」
「ですが?」
「彼女…、エルフナインちゃんに性別はなく、本人曰く『自分はただのホムンクルスであり、決して怪しくは無い』と…」
と説明してくれた。それを聴いた私と響ちゃん達は…
「「「「「「「あ、怪し過ぎる(デース)…」」」」」」」
そう声が揃った。
いやそもそもただのホムンクルスって何だよって話だよ…。
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一通りの報告が終わったので響ちゃん達はとりあえず帰宅させる事になった。状況が状況だけど、翼さんとマリアさんを覗いたメンバーはまだ学生だ。明日も学校がある。一度しかない青春を戦いなんかに潰されるなんて許さないからね。特に弦十郎さんはその事を重々思ってる筈だ。
「ゲンジュウロウ」
響ちゃん達が帰った後、私は弦十郎さんを呼び止めた。
「ん?どうしたセイバー?」
「実は一つ、検討していただきたい事がありまして」
その後、私と弦十郎さんの話は夜が更けるまで続いた。
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そして翌日。
ビー!ビー!ビー!
けたたましいアラート音が本部内に響き渡る。昨日から本部に泊まり込みだった私は急ぎ司令室に向かう。
「[アルカノイズ]の出現を検知!座標絞り込みます!」
「エルフナインちゃんからの情報で、捕捉精度が格段に上がっている!」
前面のモニターに映像が写る。
下校中の響ちゃん達がアルカノイズに囲まれていた。
やっぱりか…。昨日の時点で予想してたけど首謀者のキャロルって子の狙いはシンフォギアだ。恐らくこっちの戦力を削って自分達の計画を円滑に進める為に差し向けたんだろう。今響ちゃんの
「急ぎ装者たちに対応w…あっ!?」
「調ちゃんと切歌ちゃんのコンディションで戦闘行為は無謀です!使用可能なギアが無い以上、翼さん、クリスちゃん、マリアさんだって出せません!」
「まともにギアを運用できるのは、響君ただ一人…!」
未だにS.O.N.G.内で[LiNKER]が無い上、切歌ちゃん達は昨日のメディカルチェックの結果から検査入院している状態で出撃せず、翼さん達はギアが無い。そして響ちゃんは…
『聖詠が…胸に浮かばない…。ガングニールが応えてくれないんだ…!』
「歌わないのではなく…」
「歌えないの…?」
「セイバー!
「既に手配済みです!」
「よし!緒川!」
「心得ています!セイバーさんも!」
「向かいます!」
私と緒川さんは現場に向かう為、司令室の扉に走る。
プシュー
「っ!一体何が!?」
扉が開いた瞬間マリアさんと鉢合わせる。
危うくぶつかる所だった。
「響さんの援護に向かいます!」
「マリアは
「いえ、私も行くわ!」
そう言って私達を後ろを追いかけるマリアさん。ギアが無いとはいえマリアさんも訓練を受けてる人間だ。今は人手が欲しいし付いて来ても問題ないだろう。実際、緒川さんも何も言わないしこのまま一緒に来てもらう。
大丈夫、間に合う。その為に昨日弦十郎さんと対策を練ったんだ。
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「何で…聖詠が浮かばないんだ…」
(
だがそんな事を悠長と考えてる時間が無いのも事実であった。響達を襲ったオートスコアラー[ガリィ]はマスターであるキャロルの命の元、響の持つガングニールを纏った状態で破壊する策として響の友人達にアルカノイズをけしかけようと指示を出す…その刹那、
「ワンッ!」
緊迫したこの状況に不釣り合いな鳴き声が響く。
「あぁ?」
自身の後ろから聞こえたその鳴き声を確認するため後ろに首を回すガリィ。響達もまたその声の主に目を向ける。
ガリィと響達の目線の先に手入れの行き渡った白くモフモフとした毛を持った中型犬がそこにはいた。
「わんこぉ~?」
疑問に思うガリィ。だがその表情は直ぐに
(哀れなわんこが目の前で砂になれば少しは歌う気になるか?)
その思考は残虐そのものであった。
ガリィは一体のアルカノイズに指示を出し、中型犬の元へと向かわせる。
「っ!?ダメだ!ワンちゃん逃げて!」
響が犬に向け叫ぶ。だが中型犬はアルカノイズに向け吠え、威嚇をしている。向かおうにも自分達はアルカノイズに囲まれている状態であるため助けに行けない。響は再び聖詠を唱えようとする。だがやはり出ない。
やがてアルカノイズは中型犬の前に立つ。中型犬は威嚇を続けている。アルカノイズは右腕を上げ、丸め込んだ攻撃部位を展開する。そしてそれを振り下ろし攻撃部位の分解機関を持って中型犬を灰にする。
その場にいる誰もがそう考えた。
だが…
サシュッ!
「なっ!?」
「えっ!?」
ガリィと響が驚きの声を上げる。無理もないだろう何故なら…
目の前の中型犬がアルカノイズの頭部を食い千切り撃退して見せたのだから。
アルカノイズを撃退した中型犬はそのままガリィに向かって走る。
「ちぃ!」
ガリィは即座に響達を包囲していたアルカノイズの一部を中型犬の迎撃に回す。攻撃部位を振り回し中型犬に攻撃するアルカノイズ。だがその攻撃は全て
「何なんだこのわんころは!?」
目の前で起こっている出来事に困惑するガリィ。その隙が更なる失態を招く。
「今の内に!」
「ほら、早く行くよ!」
響の友人の一人[安藤創世]が未来の手を引き、包囲の穴を突きそのまま走り出す。それに続き響達も走る。
「っ!たく、ドイツもコイツも空気読めないったらありゃしない!」
ガリィは手元から小石程度の大きさの結晶を取り出し、それを地面に投げる。地面に落ちた結晶は砕け、そこから陣が形成されアルカノイズの増援が現れる。ガリィは新たに呼んだアルカノイズ達を使い響達を追撃させる。
オレンジ色の人型アルカノイズが攻撃部位を展開し、地面を削りながら響達を追う。伸ばされた腕を振るい、街灯やベンチなどを破壊しながら響達との距離を詰めてくる。
「アニメじゃないんだから!」
響の友人の一人[板場弓美]がそう文句を飛ばしつつ走り続ける。すると一体のアルカノイズの振るった腕が響の足を掠める。
「うわっ!?」
幸い靴底が分解されただけで響自身に負傷は無い。だが突然の衝撃でバランスを崩しその場で前転、背中を地面に滑らせながら転んでしまう。その時、手にしていた
「
空中で円を描く様に飛んでいくペンダント。そこに黒塗りの車が歩道をスピンしながら現れた。本部から駆けつけた緒川とマリアである。その後ろには[
車が静止すると助手席から勢いよく飛び出すマリア。
「おおおおおお!」
叫びと共に大きく跳躍し、宙を舞っていたペンダントをキャッチするマリア。それと同時に…
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
聖詠を唱えた。
かつて[フロンティア事変]にて自身が纏っていた漆黒のガングニールを纏うマリア。着地と同時に両腕のガントレットを連結し
【HORIZON†SPEAR】
エネルギー弾は地面に着弾と同時に爆発、爆風がアルカノイズを撃退していく。
(戦える!この力さえあれば!)
「黒いガングニール…」
ガングニールを纏い戦意が向上するマリア。そこに第二霊基になったセイバーが隣に立つ。
「マリア!」
「セイバー!」
「合わせます!前衛はお願いします!」
「えぇ!背中は任せるわ!」
『セイバー、マリア君!発光する攻撃部位こそが解剖器官!気を付けて立ち回れ!』
短いやり取りを終え、弦十郎の通信を聴きながらアルカノイズに突っ込んでいくマリア。彼女は今前しか見ておらず、目の前のアルカノイズを手にした
「想定外に次ぐ想定外…。捨てて置いたポンコツが意外なくらいにやってくれる」
ガリィがそう呟く。
「私のガングニールで…、マリアさんが戦っている…」
響もまた呟く。だがその
やがてアルカノイズは全滅し、残るはオートスコアラーのガリィのみ。セイバーは響達の安全を確保する為、一度戦線を抜ける。逆にマリアは大きく跳躍すると、落下の速力を得つつ
ガキュイン!
「なっ!?」
だがそれはガリィの錬金術である氷の障壁によって防がれる。
「それでも!」
マリアは
だが…
ガキュイン!
それは胴体に突き刺さる直前に氷の障壁によって防がれた。ガリィは邪悪な笑みを浮かべる。
「頭でも冷やせやぁ!」
氷の障壁が大きく広がると同時に圧縮された水が障壁から吹き出す。水に体を押し出され吹き飛ぶマリア。空中で体勢を整えなんとか着地する。
「マリア!」
そこに響達を退避させ、緒川に預けきたセイバーがマリアに駆け寄る。
「マリア、まだ行けますか?」
「問題ない!…と言いたい所だけどそろそろ限界かしらね…」
マリアの纏うガングニールは所々スパークが出ていた。適合係数不足による
「決めた。ガリィの相手はアンタよ」
マリアに対して不適な笑みを浮かべつつ深くお辞儀をするガリィ。
「いっただきまぁ~す!」
するとガリィは錬金術で地面を凍らせつつ、鋭角に蛇行しながら高速で迫る。右腕を氷で覆い鋭利な手刀を作ったガリィはマリアの纏う
ガキィン!
だがその間にセイバーが割り込み。ガリィの手刀を[
「ちょっと邪魔しないで貰えますぅ?」
「マリアに手出しはさせません!」
そのまま[
だが…
バリーン!
「カハッ!」
「っ!マリア!?」
とうとう負荷に耐えきれなくなり、砕け散るガングニール。マリアは目と口から血を流し四つん這いに倒れる。セイバーはマリアの背中に手を当て寄り添う。
「それでもこの程度…?なによこれぇ、まともに歌える奴が一人もいないなんて!聞いてないんだけどぉ?」
ガリィは心底つまらなさそうに言うと、転移用の結晶を取りだし足元に投げる。
「ちっ!クッソ面白くない!」
ガリィの足元に陣が形成されそのまま姿を消す。
静まり返るその場。セイバーは戦闘の終わりを確認し[
「マリア、立てますか?」
「なんとか…。手を借りていい?」
マリアはセイバーの手を借りながら立ち上がり、徐に手に握っていた
(もし私が…、ガングニールを手放していなければ…。いや、それは未練だな…)
マリアはそのままふらつきながらも緒川に保護された響達の元へと歩く。セイバーもまたその後を追おうとするが…
「ワンッ」
後ろから聞こえたその鳴き声に足を止めた。先程までアルカノイズと戦っていた中型犬が尻尾をブンブン振りながらセイバーに近づいていた。
セイバーは腰を落とし中型犬と同じ目線になると…
「よくやりましたね。[
と中型犬の首元を撫でながらそう言った。
[
それはアーサー王が所持していたとされる猟犬。魔猪の王[トゥルッフ・トゥルウィス]や[エスキスエルウィン]を狩るために集められた猟犬の一匹であり、その有能さはアーサー王が集めた猟犬の中でも最も気に入り、『誰にも渡したくない』と呟くほど。
セイバーは
弦十郎はこの提案に多少良い顔はしなかったものの、護衛を付けることには賛同し、今朝から響達の護衛として影でついていた。
響には放課後に本部にて報告する予定ではあったがその前にガリィの襲撃にあってしまい、仕方なく[
[
「私のガングニールです!!」
ふとそんな叫び声がセイバーの耳に入る。振り向くと響がマリアから手渡そうとした
「これは誰かを助ける為に使う力!私がもらった、私のガングニールなんです!!」
そう言い放った後、響はハッと何かに気づきうつむく。響の目の前にいるマリアの表情はどこか寂しさや悲しさを感じるものだった。
「ごめんなさい…」
小さな声で謝罪する響。咄嗟に放った言葉が体をボロボロにしてまで守ってくれた人物に対してのモノでは無い事に気づいたからだ。だがその表情にはどこか思うところがあるようにも感じる。
「そうだ、ガングニールはお前の力だ!だから、目を背けるな!」
「目を…背けるな…」
マリアはそんな煮え切らない響に渇を入れる。だがその意思とは裏腹に響はマリアから目を逸らす。
それをセイバーは遠くから見つめていた。
「クゥー…」
[
「大丈夫です。
セイバーはそう言いつつ[
※ここから先は本編でのシリアス感を台無しにする
要素があります。苦手な方は飛ばしてください。
オマケ
CMのアレ
翼「解きは~な~てす~べ~て~を~♪」
創世「まさかそんな!ビッキーが歌えない
なんて!」
弓美「しゃあない!あたしが歌うよ!」
志織「私だって歌えます!」
創世「ちょ、私だって!」
弦十郎「いいや、ここは俺に歌わせて
貰おうか!!」
セイバー「いいえ、ここは私に歌わせて
貰いましょうか!!」
三人「えぇーーー!?」
カヴァスについてはオリジナル宝具の所に追記します。