戦姫絶唱シンフォギア 輝ける星の聖剣   作:茶久良丸

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うん!前回より早いな!
マジでサーセン( ノ;_ _)ノ
急に担当変わったり引き継ぎ一週間でやれって言われたり新任一週間で覚えさせろって言われたりでてんてこ舞でした…。

そんな作者の切実なリアルをお伝えしつつ続きをどうぞ!


剣舞い銃踊る懺悔の時

「終わりましたか、エルフナイン?」

 

 響がミカとガリィの襲撃を受けてから翌日、S.O.N.G本部内のとある一室。何時もの黒いスーツ姿のセイバーが椅子に座り、PC(パソコン)のモニターを凝視しているエルフナインにそう疑問を投げかけた。

 

 シンフォギア(ガングニール)の破壊に成功したオートスコアラーの二人はセイバーが現場に到着すると同時に転移結晶を使用し撤退。セイバーは倒れた響と泣きじゃくる未来をバイク(V-MAX)に乗せS.O.N.G本部に帰還し、弦十郎の指示により事前に待機していた医療班によって搬送・緊急手術が行われた。

 この出来事を切っ掛けに対オートスコアラー用の対抗策[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]が本格的に始動。キャロルの野望を阻止するため動き始めた。そんな矢先の事、エルフナインがセイバーを呼びつけたのが冒頭のきっかけであった。

 

「はい、取りあえず終りました。すみませんセイバーさん、急なお願いだったのに…」

「構いません。ヒビキ達の助けになるなら安いものです」

 

 エルフナインはセイバーに申し訳なさそうな顔をする。

 

「それでどうだったのですか?[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の解析(・・)は?」

 

 セイバーのその疑問にエルフナインは少々苦い顔をする。

 

 そう、セイバーがエルフナインに頼まれたお願いとは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の解析であった。[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]の発足にあたって、破損した各シンフォギアのコンバーター修復だけでなく出力増加とアルカノイズの解剖機関による分解を減衰させるためバリアフィールドの調整を同時進行で行わなければならなかった。

 

 その際、各シンフォギアのデータとアルカノイズとの戦闘で取れた解剖器官の戦闘データが必要になった。シンフォギアのデータは旧二課が保有していたモノで済んだが、問題は解剖器官との戦闘データであった。

 戦闘をしたシンフォギアは全て破損してしまった為、データをサルベージする事は困難であった。そこでエルフナインはセイバーの[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]に目をつけた。

 幾度かの戦闘で[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]は何度もアルカノイズの解析器官を斬り裂いているのを確認したエルフナインは『完全聖遺物である[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]には解剖器官の影響を受けない何かしらの機能が備わっているのでは?』と仮説を立てセイバーに[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の解析を急遽依頼した。

 

 このエルフナインの頼みにセイバーは最初は渋い顔をしたものの、[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]の遂行の為、そしてなにより翼や響を守れなかった責任感と自己嫌悪からセイバーはこの件を了承。[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]をエルフナインに預け解析をしてもらっていた。

 

「解析自体は出来ました…。結果を総称してまとめると…『分からない』と言う事が解析結果です」

 

 エルフナインは申し訳なさそうに言い、セイバーはその答えに眉を歪める。

 

「分からないとは?」

「セイバーさんの[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]には確かに解剖器官から聖遺物とセイバーさんを守るバリアの様なモノが構築されている事は分かりました。ですがそのバリアが何なのかが分からないんです」

 

 エルフナインは淡々と解析結果を説明する。

 

「これは僕の憶測なのですが、恐らくセイバーさんの言っていた魔力と称されるエネルギー体によって聖遺物とセイバーさんをコーティングする事によって解剖機関へのバリアフィールドして機能していると考えられます。またこの魔力は聖遺物で確認されているフォニックゲインととても類似しています。ですがこれ(魔力)がどういったモノなのか具体的な解析が出来ていないんです」

「では[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の解析はヒビキ達の役にはたたないモノだと?」

  

 エルフナインの説明を聞いたセイバーはそう疑問を投げかけた。

 

「いえむしろこの解析によって解剖機関へのバリアコーティングの目安がハッキリしたので無駄骨にはなりません。錬金術の原理原則は解析からの再構築、セイバーさんの[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]で得られたデータを元に各シンフォギアのバリアコーティングの調整が行えます」

 

 その言葉を聞き、セイバーはほんの少し頬を緩める。だがエルフナインの話はまだ終わっていなかった。

 

「それと解析したことで別の可能性も見ることが出来ました」

「別の可能性?」

 

 エルフナインは頷くとPC(パソコン)のキーボードを操作しモニターに[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の解析結果を表示する。

 

「解析した結果、[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]のうち把握することが出来たのは全体の2%以下です。殆どがブラックボックスと化していて今の現代技術・錬金術ではほぼ解明出来ません。ですがほんの一握り、砂漠の中の一粒程度のモノですが、こんな発見がありました」

 

 モニターには[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を中心に何かしらのエネルギーの様なモノが微かに集まっているのが表示されていた。

 

「これは?」

「[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の魔力とその周囲にあるフォニックゲインを視覚化したモノです。見てもらえれば分かりますが響さん達が歌う事で空中に漂っているフォニックゲインが僅かながら[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]に吸収・変換・集束しています。これを簡単に説明しますと、[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]には響さん達の歌によって発生するフォニックゲインを取り込み、魔力として蓄える機能が備わっている事が判明しました。これは恐らく聖遺物が歌によって発生したフォニックゲインで起動するメカニズムが関わっているのだと考えられます」

 

 その言葉にセイバーは目元を鋭くする。

 

「では…?」

「はい。もしかしたらシンフォギアの改修だけでなくセイバーの戦力強化も可能かもしれません。この機能のメカニズムを解析し僕の錬金術で擬似的に解放することができれば…。[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]と並行するのでかなり困難ではありますが、キャロルに対抗する手札は一つでも多い方がいいと僕も考えます」

「この事をゲンジュウロウには?」

「すでに報告して許可を貰っています」

「では頼めますか?」

「はい!」

 

 こうして[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]と並行して[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の能力アップ案が進められる事になった。

 

 だがこれが後に悲劇となることをこの時のセイバー達は知るよしもなかった。

 

━━━━━━━━━━

 

 それから一週間の時間が流れた。

 

 「響…」

 

 放課後の時間、未来はトボトボと重い足取りでS.O.N.G本部に向かう。あの日以来、未来は一日も欠かすことなく響の見舞いに訪れている。しかし親友()は未だに目覚めずただただ時間だけが過ぎていく日々に未来は不安を募らせる。

 

「クゥ~…」

 

 未来の暗い表情を見て、足元で並走していた[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]が悲しげな声を漏らす。

 

「あ…、ごめんねカヴァス君。私は大丈夫だよ」

 

 [従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]の声にハッとなり笑顔を作る未来。だがその笑顔は誰から見ても無理をして作っているモノであった。

 [従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]は未来を元気づける為、自身の頭を未来の足に擦り付ける。

 

「も~くすぐったいよカヴァス君。でもありがとう」

「ワンッ」

 

 [従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]の行動で気が紛れたのか先程よりも少しだけ自然な笑顔になった未来はその場でしゃがみ[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]の頭を撫でる。

 

 [従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]に元気を貰い気を取り直した未来はS.O.N.G本部がある港へと再び足を進めた。

 

━━━━━━━━━━

 

 一方、そのS.O.N.G本部では[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]の現状報告がなされていた。

 

「[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]。現在の進捗は89%。旧二課が保有していた第一号(天羽々斬)及び第二号(イチイバル)聖遺物のデータ、セイバーさんの[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]から得られたアルカノイズとの戦闘データとエルフナインちゃんの頑張りのおかげで予定よりずっと早い進行です」

「各動力部のメンテナンスと重なって、一時はどうなることかと思いましたが、作業や本部機能の維持に必要なエネルギーは外部から供給できたのが幸いでした」

 

 現在、S.O.N.G本部が寄港している港は自衛隊が所持しているとある基地のソーラー発電施設であった。動力部のメンテナンスとなると各機関を停止させなければならない為、必然的に本部内の電力は低下する。そうなった場合、目下最優先とされる[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]に大幅な遅れが生じる。それを危機した弦十郎は日本政府の協力のもとソーラー発電施設から電力を間借りし作業の遅れを未然に防いだのであった。

 

「それにしても、シンフォギアの改修となれば機密の中枢に触れるという事なのに…」

「状況が状況だからな…。それに、八紘兄貴の口利きもあった」

「八紘兄貴って誰だ?」

 

 弦十郎から口から出た見知らぬ名前に疑問を浮かべるクリス。

 

「限りなく非合法に近い実行力を持って、安全保障を陰から支える政府要人の一人。超法規措置による対応のねじ込みなど彼にとっては茶飯事であr」

「とどの詰まりが何なんだ?」

 

 つらつらと並べられたその人物(八紘)の摘要を語る翼に要約を求めるクリス。

 

「内閣情報官、[風鳴八紘]。司令の兄上であり、翼さんの御父上です」

 

 そんなクリスの要望に緒川が答える。

 

「だったら初めからそう言えよな!蒟蒻(こんにゃく)問答が過ぎるんだよ」

「私のS.O.N.G.編入を後押ししてくれたのも確かその人物なのだけど…。なるほど、やはり親族だったのね」

「私が英国に身柄要求をされた際も彼の尽力により難を逃れました。出来うるなら一度お会いして感謝を述べたいのですが…」

「…」

「どうした?」

 

 実の父親の話をし初めてから翼の顔か暗くなる。そんな翼を弦十郎はただ頭を掻いた。

 

 プシュー

 

 そんな時、指令室のドアが開き未来と[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]が入室してくる。

 

「響の様子を見てきました」

「響さんは生命維持装置に繋がれたままですが、大きな外傷もありませんし心配ありませんよ」

「ありがとうございます」

 

 未来と緒川がそんな会話をしている中、[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]はセイバーの元へと向かう。

 

「ワンッ」

「ご苦労様です[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]。道中異常はありませんでしたか?」

「ワンッワンッ」

「そうですか。では引き続きミクの事を頼みましたよ?」

「ワンッ!」

 

 [従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]から異常無しの報告を受るセイバーは[従順たる魔猪を狩りし猟犬(カヴァス)]の首を撫でながらそう答える。

 

 それから数十分後であった。

 

 ビー!ビー!ビー!

 

 突如アラート音が本部内に響き渡る。

 

「アルカノイズの反応を検知!」

「座標絞り込みます!っ!?」

 

 藤尭と友里が状況確認をする中、本部内が揺れる。メインモニターにはS.O.N.G本部が寄港しているソーラー発電施設がアルカノイズによって攻撃を受けている様子が映し出される。

 

「まさか、敵の狙いは我々が補給を受けているこの基地の発電施設…!?」

「何が起きてるデスか!」

 

 緒川が敵の目的を思議している中、本部内で待機していた切歌と調が指令室に駆け込む。

 

「アルカノイズにこのドックの発電所が襲われてるの!」

「ここだけではありません!都内複数個所にて同様の被害を確認!各地の電力供給率、大幅に低下しています!」

 

 切歌達の疑問に友里が答え、そのの説明に藤尭の補足が入る。メインモニターが切り替わり日本各地にある火力・水力・風力・原子力などの発電施設がアルカノイズに攻撃されている映像が流れる。

 

「今、本部への電力供給が断たれるとギアの改修への影響は免れない!」

「内蔵電源も、そう長くは持ちませからね…」

「それじゃあメディカルルームも!?」

 

 現在、S.O.N.G本部は外部からの電力で運用している。もしここで電力供給が断たれれば[Project (プロジェクト)IGNITE(イグナイト)]によるシンフォギアの改修は遅れ、響が治療を受けているメディカルルームにも影響を及ぼしかねなかった。

 

「迎撃に向かいます!」

「頼むぞセイバー!基地の防衛隊と協力して発電施設を死守してくれ!」

「はい!」

 

 セイバーは指令室を飛び出し施設内で破壊工作を行っているアルカノイズの迎撃に向かった。この時、セイバー以外にも密かに指令室から抜け出した人物達がいたことに弦十郎達は気付かなかった。

 

━━━━━━━━━━

 

「新型ノイズの位相差障壁は従来ほどではないとの事だ!解剖器官を避けて集中集射!」

 

 基地内の防衛隊が陣形を作り、自動小銃と無反動砲を使用してアルカノイズを迎撃していた。

 

「やぁぁぁ!!」

 

 ザシュ!

 

 その最前線でセイバーがアルカノイズに[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を振るう。

 

「くっ!数が多い!」

 

 だが基地施設全体にアルカノイズが広がっているため[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]で一体ずつ倒すのはかなり非効率だった。かと言って[転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)]の様な広範囲を攻撃出来る宝具では施設の被害を上げてしまう可能性があった為使えずにいた。

 セイバーはその事実に歯噛みながらも[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]でアルカノイズを倒していく。

 

「Various shulshagana tron」

「Zeios igalima raizen tron」

 

 その最中、二つの歌声が響く。

 

「やぁぁぁ!」

「デェェェス!」

 

【α式 百輪廻】

【切・呪リeッTぉ】

 

 叫び声と共に無数の小型の円盤状ノコギリと三日月の刃がセイバーの周囲にいたアルカノイズを蹴散らしていく。セイバーは後ろを振り向く。そこにはギアを纏った調と切歌がいた。

 

「シラベにキリカ!?何故ここに!?」

「私達も戦います!」

「強化型シンフォギアの完成まで持ちこたえるデスよ!」

「しかし貴女達はっ!」

 

 現状[S.O.N.G]内で[LiNKER]が製造出来ない以上、長時間の戦闘が出来ない調と切歌。そんな二人をセイバーは止めようとする。

 

「わかってます!」

「でも今は一人でも多い方がいい筈デス!」

 

 調と切歌はセイバーの制止を振り切り、アルカノイズの群れへと向かう。セイバーは二人を止められなかった悔恨と主張の正当性から顔を歪めるも不承不承ながらそれを認めざるを得なかった。実際、手が足りないのは確かであるし基地施設内のアルカノイズを迅速に処理するには基地内の防衛隊だけでは不足であり逆に解剖されてしまう危険性もあった。さらに二人が参戦した事のメリットはセイバーにもあった。エルフナインが発案した[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の強化案、装者達の歌よって得られるフォニックゲインを魔力に変換しセイバーの力とする。実際に切歌達の歌によってセイバーは魔力の上昇を感じていた。

 

「はぁぁぁ!!」

 

 セイバーはアルカノイズを[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]で切り裂く。それはまるで不甲斐ない自分を払拭するかの様に荒々しく凄烈であった。

 

(今はとにかくアルカノイズを倒さないと!)

 

 しかしそれでもセイバーの頭は冷静であった。自身の鬱憤をアルカノイズに叩きつけるも目的である基地施設の防衛はしっかりと遂行している。

 

 だが流れと言うのはほんの少しの弾みでも変わってしまうものである。

 

 調と切歌が戦闘に参加して数分…

 

「そぉりゃー!」

 

 切歌の背後から高圧縮カーボンロッドを右手に持ったミカが上空から襲いかかる。切歌は咄嗟に手にしていた鎌を上に構え防御の姿勢を取る。

 

 ガキュン!

 

 鎌とカーボンロッドがぶつかり合い火花が飛び散る。出力差で負け膝をつく切歌。だがそんなことお構い無しにミカは左手にもカーボンロッドを射出し、薙ぎ払うかの様に振るう。

 

 ドゴン!

 

「きゃあ!」

 

 上から押さえつけられ膝をついた切歌は身動きが取れずまともに喰らい吹き飛ばされてしまう。

 

「切ちゃn、きゃっ!」

 

 さらに切歌の援護に入ろうとした調も共に巻き込み、施設の外壁に叩きつけられる。

 

「シラベ、キリカ!?」

 

 アルカノイズの戦闘に集中していたセイバーは切歌達のフォローに入れなかった。セイバーは直ぐに標的をミカへと切替、[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を構える。

 

「おっ?また会ったな蒼いの。でも今回はお前の相手をしている暇はサラサラ無いんだゾ」

 

 何時もながら不適な笑み浮かべるミカは小脇から何かを取り出す。

 

「っ!?」

 

 セイバーは驚愕する。ミカの手には負傷した自衛隊員が頭を鷲掴みにされていたからだ。

 

「さっきじゃりン子共を襲うついでに拾ってきたゾ」

「人質とは卑怯な!」

「何とでも言えだゾ」

 

 ミカは自衛隊員を軽くスイングしてから明後日の方角に天高く投げ捨てる。

 

「なっ!?」

 

 セイバーは一瞬動揺するも[魔力放出]で一気に跳躍し自衛隊員を空中で受け止めから着地する。

 

「ついでにオマケだゾ!」

 

 だが着地地点の周囲にミカが召喚石を投げ入れ、セイバーはアルカノイズに囲まれてしまう。

 

「くっ!」

 

 襲い来るアルカノイズを[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]で迎撃するセイバー。だが内心では焦りが出ていた。切歌と調の二人だけでは一体でも脅威であるオートスコアラーの相手をするには無理があり直ぐにでも加勢に向かいたいが、自身はアルカノイズに囲まれ負傷した自衛隊員までいる。セイバー一人であるなら中央突破で強引に向かう事も出来たが自衛隊員を抱えたままでは難しかった。そのためセイバーは不本意ながらも向かってくるアルカノイズを一体ずつ倒していくしかなかった。

 

 やがて周囲のアルカノイズを全滅させたセイバーは負傷した自衛隊員を抱え味方の部隊に預けに向かう途中…

 

 ドガーン!

 

 施設内に複数あるソーラーパネルユニットの一つから大爆発が起きる。セイバーは急ぎ自衛隊員を衛生兵へと届けると直ぐに爆発したソーラーパネルユニット付近まで急行する。

 そこには…

 

「バイナラ~!」

 

 ミカによってイガリマのペンダントを打ち砕かれる切歌の姿があった。

 

「切ちゃん!!」

「キリカ!!」

 

 調とセイバーが叫ぶ。調は切歌の元に向かおうとするもミカのカーボンロッドによって妨害されてしまう。

 

「よそ見してると後ろから狙い撃ちだゾ!」

「邪魔しないで!」

「仲良しこよしでお前のギアも壊してやるゾ!」

 

 するとミカは懐から両手一杯の召喚石を取り出す。それを見たセイバーは[魔力放出]で加速し、ミカに接近するも間に合わず召喚石をバラ撒かれてしまう。セイバーはそのままミカに[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を上段から振り下ろす。ミカもカーボンロッドを射出し防御を取る。

 

 ガキュン!

 

 セイバーの[魔力放出]によって得られた速力が勝り鍔迫り合いのままミカを後方に押し退ける。

 

「シラベ、キリカの元へ!ここは私が押さえます!」

「はい!」

 

 セイバーに後押しされ切歌の元へ走る調。

 

「思ったより早い到着だゾ」

「これ以上やらせはしない!」

「出来るかどうか見ものだゾ!」

 

 鍔迫り合いのまま無邪気な笑顔を見せるミカは髪の毛に内蔵されているブースターを起動しセイバーは[魔力放出]で対抗する。

 

「アハハハ!」

「ぐぅぅぅ!」

  

 両者共一歩も引かず鍔迫り合いの火花が過激さを増す。その最中であった…

 

「あぁっ!」

「っ!?シラベ!」

 

 切歌を守るためアルカノイズを迎撃していた調のペンダントに解剖器官が当たりギア(シュルシャガナ)が砕かれてしまう。一糸纏わぬ姿で倒れ伏す調にアルカノイズが迫る。セイバーは調の援護に向かおうとする。だが…

 

「アタシをすっぽかすとは胆が座ってるゾ!」

「ぐぅ!邪魔をっ!」

 

 ミカが更にブースターの出力を上げてパワーを強める。鍔迫り合いで押し込んでいる性質上セイバーも同様に[魔力放出]の出力を上げなくてはならず身動きが取れない。

 

「さぁお友達のバラバラ解体ショーだゾ!」

「逃げてくださいシラベ!シラベェェェ!!」

 

 セイバーの必死の叫びが響く。だが無情にもアルカノイズは解剖器官を一斉に構える。

 

「誰か…助けて欲しいデス…。アタシの友達…大好きな調を…。誰か調を…」

 

 切歌は届く筈のない手を伸ばす。親友の救いを求め涙ながらに懇願する。

 

「誰かぁぁぁーーー!!!」 

 

 切歌の無念の叫び声と共にアルカノイズの解剖器官が一斉に調に伸びる。恐怖から目を強く閉じる調と切歌。

 

 だがここで二人に違和感が訪れる。

 

 切歌は調の悲鳴が聞こえなかった事に、調は自分が炭素化されていない事に。二人が怖怖(こわごわ)と目をゆっくりと開く。そこには…

 

「誰かだなんて、連れねぇ事言ってくれるなよ?」

 

 声が響く。それは右も左も分からなかった自分達を導いてくれた学校の先輩の声。

 

(つるぎ)…?」

「あぁ、振り抜けば風が鳴る剣だ!」

 

 声が響く。それは己の夢の為世界へと旅立だった人生の先輩の声。

 

 風が鳴き、アルカノイズが散る。赤い砂が空へと飛び声の主が姿を表す。

 

 青い剣(天羽々斬)赤い銃(イチイバル)。正反対の二つのシンフォギアが並び立つ。

 切歌と調が涙を流す。そう、彼女達の戦いが無駄でなかった証明が目の前にあるのだから。

 

 

 




感想の返信書きたい…。でも時間がない…。主に仕事とボックスガチャで…。
ちなみに作者(茶久良丸)は150回目突破中。
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