戦姫絶唱シンフォギア 輝ける星の聖剣   作:茶久良丸

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皆さん明けましておめでとうございます。
(もう一月の終わりですが…)
仕事や親戚関係でなかなか本編が進まずやきもきしている中なんなとか投稿することが出来た今日この頃です。
今後も投稿が遅れると予想されますが長い目で見守ってもらえれば幸いです。
今年も作者(茶久良丸)とこの作品をよろしくお願いします。

あと、今年から新しいことに挑戦してみようと思い本編でいろいろやってみました。
後書きにアンケートを貼っておくので感想をお願いします。


水面下の自分

 響と漆黒に染まったセイバーが互いの眼を交差させる。セイバーは高圧的ながらも何かを試すように。響は戸惑いと恐怖を抱いて。

 

「……っ…っ」

 

 響は声を出そうとするも喉から息が詰まり発することが出来ない。それは蛇に睨まれた蛙の如く、その眼から発せられる威圧に圧倒され、ただ何も出来ぬままそこに金縛りになっているしかなかった。

 響が答えを出せぬまま数秒が経つ。未だセイバーは響の問いを待つ。だが…

 

 バキュン! シュッ

 

 それは一発の銃声で制止させられる。銃声と同時に首を傾け弾丸を回避するセイバー。銃撃がした方角に視線を合わせるとクリスが片膝を付いた姿勢でハンドガンをセイバーに向け構えていた。セイバーはすぐさまクリスに反撃するため動こうとする。

 

「…ッ?」

 

 だが今度はセイバーが金縛りとなる。セイバーは視線を下に向ける。そこには自身の影に一本の短刀が刺さっているのが見えた。

 

影縫い

 

「立花!」

 

 身動きが取れない響の元に翼が駆け寄る。響の腰に手を回した翼はそのまま大きくバックステップし、セイバーから距離を取る。それと同時にクリスもまた大きい後ろに飛び翼達と合流する。

 

「無事か立花?」

「は、はい…何とか…」

「とりあえずバカ()は助けられたが…アッチの方はどうすんだ先輩…?」

 

 クリスの問いに難しい顔すると同時にセイバーを見据える翼。

 

 当のセイバーは[影縫い]で身動きが取れない全身から[魔力放出]を行い自身の周囲に衝撃波を発生させる。

 

 ドゴォォォォォォォ!

 

 地面がえぐり返り、瓦礫と砂煙が激しく上がる。それと同時にセイバーの影に刺さった小刀が外れ、体の自由を取り戻す。自身の手を閉じ開きさせ、[影縫い]による拘束が無くなった事を確認したセイバーは鋭い眼光を響達に向ける。

 

「それがお前達の答えか?いいだろう…」

 

 セイバーは右手に持つ[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の切っ先を響達に向ける。

 

「喜べ、一時(たわむ)れてやる」

 

 ゾッとおぞましい何かが装者達の心を襲う。それと同時に翼はギアから刀を引き抜き、臨戦態勢を取る。

 

「つ、翼さん!?」

「構えろ二人共、今のセイバーの眼を見て確信した。セイバーは私達を敵として認知している…!」

「だ、だけどよ先輩!相手はセイバーなんだぞ!」

 

 覚悟が定まらない響とクリスは翼に抗議を続ける。

 

「それにセイバーのあの状態…、もし私達がイグナイトを起動させた事に原因があるなら我々で止めねばならぬだろう…!」

 

 その言葉に響とクリスはうつ向いてしまう。しかしクリスはすぐに持ち直し翼と同じく構えを取る。

 

「クリスちゃん!?」

「お(めぇ)も覚悟を決めろ。責任(ケツ)の話されちまったら、アタシ等でやるしかねぇ…!それにアイツ(セイバー)には貸しを作りっぱなしなんだよ。ここいらで2~3個清算してぇ!」

 

 軽口混じりだがその表情は真剣なクリスを見て響は己の拳を握り絞めると、覚悟を決め構えを取る。響が翼とクリスに目配せし、互いが頷くと同時に大きく息を吸い込む。

 

「♪~♪」

 

 三人が歌い始める。[イグナイト]は単なる瞬間的な出力ブーストだけにとどまらず、ギア間にて共通に共振・共鳴する媒介である[ダインスレイフ]を駆使する事で、ユニゾンの難易度が格段に低くなる。三人のトリオ曲(RADIANT FORCE)によってイグナイトは更に出力が上昇していく。

 

 歌詞の出だしを歌い終わると同時に散開する装者達。最初に先陣を切ったのは翼であった。翼は足に付いているパーツでホバー移動を行いながら滑空し、セイバーに肉薄する。顔前まで迫った翼は軽く跳躍し、手にした刀を上段から振り下ろす。常人であれば必中の動き、さらにイグナイトで強化された事でその一撃は間違いなく必殺のものであった。

 

 バシュゥン!

 

「何ッ!?」

 

 しかしそれはセイバーには届かなかった。翼の刀はセイバーの左の首筋に当たりはしたものの、セイバーが身に纏っていた黒い霧がその身を守っていた事で肌には届いていなかった。

 

「浅い…」

 

 その一言と同時に翼の顔面に向け左の裏拳をくり出す。翼は咄嗟に左腕でガードの体勢を取る。

 

 バゴンッ!

 

 しかしその威力は凄まじく、威力を殺しきれなかった翼は軽々と殴り飛ばされてしまう。

 

 パシッ

 

 翼を吹き飛ばした瞬間、セイバーは右のこめかみに迫っていた物を左手で捉える。手の中に収まった物を一瞬グッと力を加えるセイバー。

 

 ペキッ

 

 手の中で何かが折れる音が響き、ゆっくりと握っていた拳を広げる。パラパラと赤い色をした結晶の様な物が地面に落ちる。

 

「ンナッ!?」

 

 それに驚愕するのは膝立ちの姿勢でスナイパーライフルを構えるクリスであった。セイバーが握り潰したそれはクリスが放ったライフルの弾丸であった。

 

(もろ)い…」

 

 セイバーは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]に黒い霧を取り込ませ、漆黒の斬撃をクリスに向け放つ。

 

 ドゴォォォン!

 

「ウォッ!?」

 

 間一髪避けることが出来たクリスであったが、斬撃が着弾した爆発によって吹き飛ばされる。

 

「オォォォォ!!」

 

 間髪入れずに今度は響が右腕のハンマーパーツを変形させたバンカーをセイバーに向け一直線に突っ込んで来る。

 セイバーは響の拳を悠揚(ゆうよう)に左手で受け流すと同時にその手首を掴む。

 

「何より…軽い!」

 

 掴んだ手首をそのまま回し、響を地面に叩き付ける。

 

 ドゴンッ!

 

「ガハッ!?」

 

 イグナイトで強化されている体にも関わらず、響は叩き付けられた衝撃で一瞬意識が朦朧(もうろう)とする。

 再起動した響が次に目視したのは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を突きの構えを取り今にも自分に向け放とうとするセイバーの姿であった。響はすぐさま横に回転し緊急回避を行う。同時に…

 

 ドスンッ!

 

 セイバーの[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]が地面に深く突き刺さる。

 それを目の当たりにし響は恐怖を感じながらもそのままセイバーから距離を取る。それを許さないセイバーは追撃をかけようと両足に魔力を集中し、[魔力放出]の準備に入る。

 

「…っ」

 

 だがそれを中断し全身からの[魔力放出]に切り替え、放出するセイバー。

 

ドゴォォォォォォォ!

 

 漆黒の魔力がセイバーを包み込む中、エネルギー状の小刀とミサイルと銃弾が迫り来る。

 

千ノ落涙

MEGA DETH INFINITY

 

 小刀とミサイルと銃弾が魔力の障壁によって全て弾かれていく。攻撃が収まった事を確認し、セイバーは[魔力放出]を解除する。それと同時に…

 

「ヤァァァ!」

「ハァァァ!」

 

 響と翼がセイバーを中心に挟撃をする。前から迫る翼と後ろから迫る響にセイバーは冷静に対処する。顔前の翼が振り下ろす刀を[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]で受け止め鍔迫り合いに持ち込み、後ろから拳を構えて迫る響に左手を伸ばし手のひらから高密度の[魔力放出]を行う。

 

 ドゴォォォ!

 

「ウワッ!?」

 

 予想だにしていなかった反撃に響は対処できずそのまま魔力に押し流され飛ばされていく。それと同時に鍔迫り合いになっている翼の刀と[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の打ち合いが始まる。

 

 ガキュイ!ガキュイ!ガキュイ!

 

 しかし、圧倒的なまでの力と技量を前にたった三度の打ち合いで翼の刀は天高く舞い上がる。動揺の隙すら与えずセイバーは翼の顔面を鷲掴み響が飛ばされていた方角へ投げ飛ばす。

 

「翼さん!」

 

 迫る翼の体を空中で体を立て直し受け止める響。

 

「フンッ…」

 

 それを見たセイバーは右手に持つ[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を左手に投げ渡し、下段の構えを取りつつ魔力を送る。やがて[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]は魔力の大剣へと変わり、地面を抉りながら響と翼に向け振り上げられる。

 

「クッ!?」

 

 空中で響に受け止められている状態の翼は咄嗟の判断で迫る魔力の大剣を避ける事が出来ないことを直感し、天から巨大化した刀を出現させ盾の代わりにする。

 

 ドギャァァァン!

 

 魔力の大剣と巨大化した刀が衝突し、刀が意図も簡単に切り裂かれ、切断部は高熱で溶解するほどであった。しかしその一撃自体は響達に当たることはなかった。

 だがセイバーはこれでは終わらんとばかりに右足を軸にその場で右回転、再び[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]に魔力を送り大剣状にする。

 

 二撃目が来ることを察する事が出来た翼であったが再び天から巨大化した刀を出現させるには時間が足りなかった。

 

「コンチキショォォォ!」

 

 そこに割って入ったのはクリスであった。クリスは跳躍し翼達の前に出ると腰のパーツからエネルギーリフレクターを展開し防御の姿勢を取る。

 

 ドギャァァァン!

 

 二撃目の大剣とエネルギーリフレクターが接触する。たったの一撃で全てのリフレクターが消滅したものの翼達を守ることに成功したクリス。

 だがセイバーは二度(にたび)右足を軸に右回転を行い魔力の大剣を再度出現させる。

 

「三点バースト!?」

 

 クリスだけでなく翼と響の顔も驚愕に染まる。あれだけ強力な攻撃を三発連続で撃ち込む事が可能だと知ったのだから無理もない。

 

「風よ…吼え上がれ!!」

 

卑王鉄槌(ヴォーティガーン)

 

 三度目の大剣による攻撃。最早回避も防御も取れない響達はその一撃をまともに受けてしまう。

 

 ドサッ

 

 地面に無造作に叩き落とされる装者達。最早全員が満身創痍の状態であった。

 

「くッ…ぐぅ……」

「チッ…キショ…」

「何故だ…出力が落ちているとはいえ…、イグナイトに私達のユニゾンが加がった連携が…こうもあっさりと…」

 

 響とクリスが痛みに耐えながら再び立ち上がろうとするなか翼は疑念を持ち始めた。

 

「簡単な事だ」

 

 それに答える者がいた。装者達は顔を上げる。そこにはセイバーが先程と変わらぬ冷酷な目付きで響達を見下ろしていた。

 

「お前達が歌う事で力を得ている様に私もお前達の歌で力を得ているからだ」

 

 セイバーから告白されたそれに目を見開く装者達。

 

「私の聖剣(エクスカリバー)はお前達から発せられる歌を魔力に変え力にする。お前達がより高く濃密な歌を歌えば歌う程その力は私にも付与される」

「私達の歌が…」

「逆に私達の首を締めているだと…!」

「ンなのありかよ…!」

 

 驚愕の事実に動揺を隠せない装者達。それが命取りとなった。

 セイバーは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を翼に向け下段から振り上げる。地面を削りながら放たれた一撃を翼は為す術無く受けてしまう。

 

 ドゴォン!

 

「ガッ!?」

「先p」

 

 クリスが翼に気を取られた瞬間、セイバーは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]をクリスに向け水平に撫で切ろうとする。

 クリスは両腕を前に出し防御姿勢を取る。

 

 ガキュイ!

 

 腕のアーマーが直撃を避けてはくれたが威力を抑えきれず、クリスはそのまま後方に吹っ飛び瓦礫とかした外壁に衝突する。

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

 チャキッ

 

 響が翼とクリスの安否を心配する中、セイバーは[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の切っ先を響に向ける。

 

「選べ。ここで聖剣(エクスカリバー)にかかるか、私に反撃し死以上の死を与えられるか。どちらを取るかは貴様次第だ」

 

 暗に「死に方を選ばせてやる」と口にするセイバー。響は拳を握り絞めると両腕のハンマーパーツを起動させ、地面に向けバンカーを打ち込む。

 

 バゴンッ!

 

 両腕の反動により上半身が起き上がった響は腰のブースターを起動させセイバーに肉薄する。

 

「だと…してもォォォ!!」

 

 右腕を伸ばしセイバーの顔面に向かいストレートを繰り出す。

 

 バシンッ!

 

 しかしその一撃はセイバーに届かなかった。響の拳は直前でセイバーの左手で受け止められしまった。そのままセイバーは右膝を響の腹に打ち込む。

 

 ドゴッ!

 

「ガッ!?」

 

 膝蹴りを食らった響の体はくの字に曲がる。同時に[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]の柄頭(ポンメル)が響の首筋に向かい振り下ろされる。

 

 バシッ!

 ドサッ

 

 上から下に与えられた衝撃で再び地面に伏す響。痛みに苦痛の表情になるも腕に力を入れ二度(にたび)立ち上がろうとする。

 だが…

 

 ドンッ!

 

「ガハッ!?」

 

 セイバーの右足が響の背中に踏みつけ地面に押し込められてしまう。

 

「それ……でも…!」

 

 踏みつけられながらも諦めず立ち上がろうとする響。しかし満身創痍でボロボロの体ではセイバーの足を押し退ける事は出来ない。そんな響を差し置き右手の[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を高らかに振り上げるセイバー。

 

「祈れ。少しは楽になろう」

 

 それは響への死刑宣告であった。

 

「立花ァァァァァァ!!!」

「止めろセイバーァァァ!!!」

 

 翼とクリスの悲痛な叫びがこだまする。しかしセイバーの耳にはまったく届かずついに[約束されたの勝利の剣(エクスカリバー)]を響に振り下ろす。

 それを見た響は恐怖から目を固く閉じ、これから来るであろう痛みに耐えるため歯を食い縛る。

 

 しかし一向に痛みは来ない。その上、先程まであった背中から押さえつけられる感覚もなくなっている。響は意を決して 固く閉じた瞳をゆっくりと開く。

 そこには…

 

「ぐっ…ぐぬぅ…!?」

 

 左手で左目を押さえ後ずさりながら何かに苦しむセイバーの姿であった。「一体何があったのだろうか」と響は困惑と疑問を抱き、翼とクリスも同様の感情を持ちながらセイバーを見る。

 

()貴様(・・)…!主導権を奪われてまだそんな力が!?」

 

 セイバーが体をよじりながら苦しむ。左目を押さえた左手が力を増し顔にめり込む。その時響は見た。左目を押さえた左手の指の隙間からライトグリーンの美しい瞳(・・・・・・・・・・・・)があった事を。

 

「ぐぅう!抑えきれない…!ぬあァァァ!!」

 

 断末魔の様な叫びを上げながら漆黒のセイバーの体が黄金に輝く。すると漆黒のセイバーの体から何かが飛び出す。

 

 ドサッ

 

 鈍い音を立てながら地面に落ちた黄金に光輝くそれはゴロゴロと転がりやがて制止する。

 

 響達が光を見る。光は人の形をしているのが分かった。やがて光が徐々に収まり始めその正体が現れる。

 

「ハァ…ハァ…、これ以上の狼藉(ろうぜき)は…させない…!」

「セイバーさん!?」

「セイバーが…二人…!?」

「マジかよ…」

 

 それは美しい蒼いドレスに白銀の甲冑を身に纏った騎士(セイバー)。光の正体がセイバーだと知り響達は驚愕する。

 

「フッ…フフフッ…」

 

 すると先程まで苦しんでいた漆黒のセイバーが沸々と笑う。膝を付き顔を伏せているがその表情は不適は笑みを浮かべている。

 

「…なるほど。つまり私は、まだ自らの中の甘えを捨てきれていなかったという訳か」

「黙りなさい! 貴女は道を違えた私の虚像…、この手で消し去らなければ…!」

「条理をねじ曲げてまで姿を現しておきながら、何を言い出すかと思えば…。その後はどうする?後に残った貴様には、この手で小娘共に刃を向けたと言う事実を受け止められるのか?」

言うなァッ!!

「消え去るべきはオマエだ、遠い日の理想よ…。さあ、今度こそ永遠の絶望に身を委ねるがいい…!」

 

 二人のセイバーは起き上がり正面に対峙する。己の得物である[約束された勝利の剣(エクスカリバー)]を構える姿はまるで水面に反射する鏡写しの様であった。

 

「私の虚像は私自らの手で打ち倒す!」

「笑わせる。偽っているのは貴様の方だ…!」

 

 

 




それは真実の姿か
それとも虚栄の姿か

久しぶりにアンケートにご協力くださいm(_ _)m

今回特殊タグを使い色々やってみましたが今後特殊タグ有りで読みたいですか?恐らく特殊タグの編集で投稿がより遅くなると遅くなると思われます。

  • 遅くなってもいいから有りで読みたい
  • 無しの方が良かった
  • てかそもそも投稿をもっと早くやれよボケ
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