戦姫絶唱シンフォギア 輝ける星の聖剣   作:茶久良丸

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今回一言だけ…

沖田さん大勝利いいい!!!

…では続きをどうぞ!


知らず心とは通じ会うモノ

  赤色の子を逃がした後、心配になって町を探してみたけどそれらしい姿は見つからなかった。

 あのノイズ、確かに赤色の子を狙ってた。何で言うか制御されてるって感じだった。でもノイズは自然現象だから…待てよ、たしか赤色の子が白色の鎧を着てた時に杖みたいなのからノイズが出てたよね?もしかしてアレってノイズを出すだけじゃなくて制御出来たりもするのかな?だとしたら今までのノイズ被害も杖の所有者が意図的に出してたと考えられるかも…。でも赤色の子はノイズに追われてたし杖を持ってなかった…。

 てことは、赤色の子は誰かに利用されて杖を持たされてたってこと?そして用済みとなって口封じされそうになっていた。なら赤色の子に指示を出していた黒幕がいr

 

筆竜(ひがみ)さ~ん、四番テーブルにこのコーヒーお願いにゃ~」

 

 はっ!?いけない、いけない。仕事(バイト)中に関係無いこと考えて気が散ってた。

 

「はい、分かりました」

 

 私はトレーにコーヒーを乗せて四番テーブルに向かう。

 

「お待たせしました。コーヒーでございます」

 

 トレーの上に置いていたコーヒーを音を立てないようにそっと机に置き、コーヒーの横にミルクとガムシロップをそれぞれ一つ置いておく。

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

 そして営業スマイルと同時に45度位にお辞儀をする。

 今居るここはバイト先だ。日夜食費に悩まされている私の唯一の収入源。で、その仕事内容は…

 

「いや~、筆竜(ひがみ)さんがメイド(・・・)の求人受けて助かったにゃ~」

「いえ、こちらこそ私のような者を雇って下さってありがとうございます」

 

 そうメイドだ。ただしメイド喫茶店の様な受け狙いのアレではなく普通のカフェの給仕役のメイドだ。最初は抵抗があった。支給されたメイド服もミニスカで背中なんでほぼ丸見え。だがなんだかんだ慣れてしまえば楽しくもなっていた。店長もいい人で働きやすくて助かった。助かったんだけど…

 

「も~ね、最近ドイツだかボイスだかのせ~でバイト子み~んな辞めちゃってね~、ダメ元で英霊の座に求人出してみたら筆竜(ひがみ)さんが受けてくれ本当に助かったにゃ~」

 

 …喋り方で気付いた方もいるだろう。そう、店長はネコなのだ。しかも二足歩行して服も着て、日本語もペラペラ。なのに体のサイズがほぼ三頭身くらいの謎の生命体。

 

 いっっっっっっっみわからん!!!

 

 今までのずっと(意図的に)気にせずにいたけどやっぱりおかしいよね!?何か存在自体がこの世界にいちゃいけないような…人?…だよね!?なのに入ってくるお客さんは皆なんか「別に?」みたいな感じでスルーしてるし!しかもこんなんなのにコーヒー淹れるのうまいし、賄い飯も美味しいし何なの?

 てか今さらっととんでもないこと言った気がする!

 

「フッ。若者よ、迷いとはけして慚愧(ざんき)な事ではない。時として迷いは己を見つめ直し心身を洗練するもの。そしていずれ来る選択の時、どれほど磨きあげられたか…それによって世界は終焉への時を刻むのだ」

 

 なんか無駄に意味深な事を無駄に渋い良い声で言っているのはこの店の常連である[カオス]さん。常連って言ってもコーヒー一杯頼んでタバコ吸いながら閉店まで入り浸っているただの迷惑な客である。ちなみに店長と同じ3頭身のネコである。

 

「良いわよね~迷いって。私が若い頃もたくさん迷ったわ~。ねぇ~知ってる?女ってね、迷えば迷うだけ良い女になるのよ。あぁ~私もあの頃に戻りたいわ~」

 

 これまた無駄に意味深な事を無駄に色っぽい声で言っているのは同じくこのお店の常連である[デスティニー]さん。たまにお店のヘルプでレジやってくれる。ただしツケがあるので時給はでないらしい。そして三頭身のネコ。

 

「うんうんうんっ!」

 

 隣で私と同じく料理を運んびながら(たぶん)肯定の意味で頷いてるのは[バブルス]さん。私の同僚(の様な人物?)だ。喋れないのかこうして頷く事しかしない。店長から聞いた話近々リストラする予定らしい(理由は一番の下っ端がどうのこうのって言ってたが覚えてない)。で、三頭身のネコ。

 

「あっあっああのさ、こっこここのオムライス、ケチャップではっハートつ作って、萌え萌えky」

「すみませんお客様。当店ではそのようなサービスは行っていません」

 

 なんか挙動不審にそんなサービスを求めるのは常連の[エボリューション]さん。見るからにザ・オタクって感じの格好(バンダナ+1眼レフカメラ+リュック)をしている三頭身のネコだ。何かにつけて私にサービス(メイド喫茶のアレ)を求めてくるので二~三回店の裏で説教をしたのだが懲りずにまた頼んできたらしい。

 

 …もうボコっていいかな?

 

 はっ!?いかんいかん!私としたことが冷静になれ!

 

 てな訳でこれが私のバイト先の実態だ。…うん分かるよ。訳分からんモノのオンパレードだよね…。でも転生したあと調べたらここがバイト先だった訳で…、他のとこ(バイト先)行こうにも見た目がこれ(セイバー)じゃなかなか見つからないのも事実で、なによりここの時給割と良いのでここで働き続けている。

 

「さ~て、そろそろお昼のラッシュの時間になるから気を引き締めていくにゃ~」

 

 おっともうそんな時間か。やっぱりカフェと言えど昼時は混む。目が回る忙しさとは正にこの事だ。気合い入れて行くぞ!

 

 と、思ってた所で[直感]スキル。

 

「すみません店長。今から休憩に入ります」

「ファ!?いやいや、筆竜(ひがみ)さん!さっき言った通り今からラッシュの時間だから抜けられると困r」

「休憩に入ります…!」

「は、はいぃ~!!」

 

 私は[カリスマ]スキルを使って店長を黙らせて休憩(ノイズ退治)に行く。ごめんね店長、こんな時間に抜けちゃって。だけど文句はノイズに言ってくれ。

 

━━━━━━━━━━

 

 アタシが生き倒れて[小日向未来]ってヤツに匿われた後、ノイズが現れた。

 バカだアタシは…。戦争を、火種を無くしたい、その思いでフィーネに協力していた。なのに今ではアタシそのものがノイズを呼ぶ火種になってやがる。アタシが原因で関係ねぇヤツか戦禍に巻き込まれてる…、アタシが大人達の捕虜になったあの時と同じように。

 

「アタシのしたかったのはこんな事じゃない! けど…、いつだってアタシのやる事は…!いつも、いつも、いつも…! 」

 

 畜生…、畜生…。こんな本末転倒があってたまるか…!

 悔しさと不甲斐なさ、そして自分の軽率さに涙が出てくる。

 その間にも迫ってくるノイズども。アタシには自分を戒飭(かいちょく)する時間すらねぇのか…。

 迎撃するため聖詠を歌おうとした時…

 

「っ!――ゲッホ、ガッホ!」

 

 生き倒れてからの疲れが抜けきっておらず途中で咳き込んでしまう。隙が出来たアタシに上空にいたノイズが強襲をかけてくる。

 間に合わない!っと思ったその時。

 

「どぉりいゃあ!!」

 

 目の前に赤髪のおっさんが現れた。コイツ…、フィーネに渡された特機部ニ(とっきぶつ)の資料で見た気がする。たしか特機部ニ(とっきぶつ)の最高司令官[風鳴弦十郎]だったか?

 おっさんは地面を踏みしめるとコンクリートがせり上がり即席の壁が出来上がった。ノイズはそれに突き刺さり、おっさんはそれを殴りノイズを撃退する。続いて右から突撃してきたノイズを迎撃しようとしたところでその動きが止まった。何事かと思ったがすぐに疑問はなくなった。

 

 ザバァン!!

 

 突如発生した激しい突風がノイズを粉微塵にした。この風をアタシは知っている。

 

「セイバーか?」

 

 おっさんそう言うと何もない所から布状の何かが取り払われ、その場に都市伝説野郎(セイバー)が現れる。

 

「ここは私が。彼女の事をお願いします」

「すまん、助かる」

 

 おっさんはアタシを抱き寄せその場で跳躍、雑貨ビルの屋上に降り立つ。

 

「大丈夫か?」

 

 アタシは答えない。あれだけ毛嫌いしていた大人に助けられたからだ。たがら返答の代わりに聖詠を歌う。

 

「Killter Ichaival tron―――」

 

 シンフォギアを纏い、両手に武器を構える。

 

「ご覧の通りさ! アタシのことはいいから他の奴らの救助に向かいな!」

 

 おっさんにそう叫び、ビルから飛び降りるアタシ。下では都市伝説野郎(セイバー)がノイズと戦っていた。

 

「コイツらはアタシが狙いだ!エサになって誘導してやっからテメェもスッコンでな!」

「いえ、それなら尚の事人手がいるでしょう。誘導しつつ飛行型の処理をお願いします。私は歩行型のを食い止めます」

 

 都市伝説野郎にそう指示される。やっぱりだ…。コイツ(セイバー)に命令されると心地良く承諾しちまう自分がいる。だけど今はそれを考えてる暇がねぇ。

 都市伝説野郎(セイバー)の指示に従って出来るだけ開けた場所にノイズを誘導しつつ、空中にいるノイズも倒していく。地上のヤツ(ノイズ)も気にしたが都市伝説野郎(セイバー)がコッチに突撃してくるノイズを完璧にブロックしてくれたお陰で邪魔されることなく川辺に誘導できた。

 後はコッチのもんだ。ノイズに対してありったけの弾とミサイルを制圧射撃で叩き込む。撃ち漏らしは都市伝説野郎(セイバー)が勝手に除去してくれるので遠慮なく撃ち続けた。

 やがてノイズがいなくなりその場から離れようとした時、アタシは都市伝説野郎(セイバー)を見た。アッチもアタシの視線に気付いたのかコッチを向く。会話はなかった。だがアイツ(セイバー)の視線がこう言ってるようだった。

 

 今のうちに行きなさい。

 

 アタシの思い込みかもしれない。たがけどアタシはそれに従ってその場を離れた。

 その後アタシの中に残ったのはアイツ(セイバー)の命令に従った時にある謎の心地よさと貸しをまた作ったばつの悪さだった。

 

 

 

 




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