デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~   作:鈴木颯手

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お待たせしました。今回はちょっと短いです。


第五十七話「戦前」

「な、何なんですか、あれはぁ!」

 

予想外の事態、狂三の【時喰みの城】によって倒れていくファンたちを見て美九は声を上げた。天宮スクエアの管理室にて一連の様子を見ていた美九は士道が呆気なく捕まり自分の元にやって来るのを信じて疑わなかった。

しかし、実際には号令と共に駆けだした男たちは急に倒れだし遮る者がいなくなったため二人は天宮スクエアへと向かってきていた。

 

「……【時喰みの城】、か」

「!美亜さん、知っているんですか?」

 

後ろにて待機していた彼女の呟いた言葉に美九は反応する。彼女の様子から士道と一緒にいる少女の事を知っている様であった。

 

「ああ、あいつは時崎狂三。私や美九と同じ精霊であり恐らく、一番危険な奴だ」

「精霊……、どおりで。それに私の演奏に心を奪われていない様子。……ふん、厄介ですね」

「あいつの能力はかなり強いぞ。殺しきれない」

「……そんなの関係ないですぅ。あの男さえ殺せるなら」

「(……随分と、五河士道に対する憎悪を募らせているみたいだな)」

 

彼女は五河士道を思い出し眉を寄せている美九の様子を見てそう考える。美九は親指を噛みながら何か考えている。いや、その様子は思考しているより焦っているように見えた。

 

「……く、そんな事……させるもんですかぁ……!そしたら私はまた、あの頃に……!」

 

美九は憎悪の籠った瞳で画面に映っていた士道を睨む。既に士道と狂三は天宮スクエアへと侵入しており間もなくステージへと到達するだろう。

美九は勢いよく立ち上がり振り向く。その行動に八舞姉妹たちは驚く。

 

「あ、姉上様!?どうかしたのか!?」

「今すぐステージに戻りますぅ!ついてきて下さい!演奏を再開します!」

 

そう告げると歩き出すが彼女の隣までくると美九はそちらに顔を向ける。

 

「美亜さんは、どうしますか?」

「……ここで一人だけ残るのもあれだからな。美九について行くよ」

 

彼女は肩をすくめてそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……天宮スクエア強襲の準備は整っていますか?」

「勿論ですドクトル・クラーク」

 

DEM社日本支部の開発部にてクラーク・リトルトンは部下に襲撃の準備を聞いていた。クラークは武装の開発を行っておりその腕は確かであった。その証拠に欧州支部から本部直属に変更される程だ。実際、彼が開発した精霊捕縛用の武装により精霊【シスター】の捕縛に成功していた。現在も殺傷前提の武器を開発しておりエレンへと優先的に配備していた。

 

「そうなるとそこにいる一般市民は犠牲になりかねないな」

「そうですね……。でも悪しき精霊を倒すためです。仕方のない事ですよ」

 

部下の言葉にクラークは何も返さずに手元のスマートフォンを操作する。DEM社にいる者で精霊を知るものは大半が悪である精霊を倒す事に全力を注いでおりこういった多少の犠牲もやむ無しという考えの物が少なからず存在していた。

 

「でもあそこには【ディーヴァ】の他に複数の精霊がいるんですよね?」

「ああ、実際メイザースが勝てないと思っている相手もいるらしい」

「え!?それって結構不味くないですか!?」

「これまでの経験から攻撃しなければ大丈夫と言っているらしいが何を根拠に言っているのか分からんがな」

「確かにそうですね」

「……まぁ、俺たちに出来るのは精霊に勝てる武器を作る事だ。さっさとリコリス機の様な欠陥品じゃない物を作るぞ」

「は、はい!」

 

部下は返事をすると「じゃあ俺は作業に戻りますね!」と言って離れていった。この部下は日本支部にいる間にクラークに付けられた助手の様な者だがそれなりに多忙でありクラークの傍に入れるのは日に三十分も無かった。何のために付けられたのか分からない程だ。

そして、その部下が離れ近くに誰もいなくなったことを確認したクラークは一人呟いた。

 

「……天宮スクエアの精霊もそうだがここ(DEM社日本支部)にいる精霊も憐れなものだな。例え受け入れてくれる者がいようと結局は人類から見れば化け物でしかない。なら、精々俺たちの役にたってくれよ」

 

エンディング

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