ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~目覚めるその魂~ 作:シエロティエラ
――教えてちょうだい、こんなところに呼び出した理由を。
――なら単刀直入に聞くで。自分今度は何やらかす気や?
――何のことかしら?
――惚けんな。最近よう動いとるのは耳にしとる。今度は誰をたぶらかす気や
――……見たことのない色。
――はぁ?
――白と思えば金、金と思えば紅、白金と変わりゆく色。
――本当に偶然目に入った。ただそれだけなのに、あの輝きが頭から離れないの
ベルがオラリオに来て半月。
エイナにステイタスを見せてからと言うもの、ベルのステイタスは元のスペックに合わせるように上昇していった。そして現在レベルアップ一歩手前まで来ており、あまりにも早いペースに、エイナとヘスティアは少しばかり頭痛を覚えていた。
そんなある日の昼下がり。
「
「そう。今日はオラリオで年に一度開かれるお祭り、怪物祭の日なんだ。ガネーシャ・ファミリアの主催なんだけど、これがなかなか盛り上がるんだよ」
「へぇ。それは面白そうですね」
「この祭りの一大イベントは、ガネーシャのところがダンジョンから引っ張ってきたモンスターを、調教するデモンストレーションするんだ」
「調教ですか……」
「まぁ調教があまり好きじゃなくても色々出店とかも出るから、そっちでも楽しめるよ。そういうわけでベル君、ボクと一緒に行かないかい?」
折角のヘスティアからの誘いなため、ベルも断りたくはない。正直言えば祭りとはほとんど縁がなかった生活だったため、是非とも行きたいところなのである。
「そうですね。ここ連日ダンジョンに籠ってましたし、今日は休みにします。祭りに行きましょう、神様」
「それは良かった!! そうと決まれば、早速いこうベル君!!」
「あ、ちょっと待って。落ち着いて、神様!!」
余程嬉しかったのか、元々ダンジョンに入るためにフル装備していたベルの準備を待たず、ヘスティアは武装したままのベルの手を掴んで街中に繰り出していった。
会場に向かう道中、西のメインストリートを歩いていると、
「そこの白髪頭、ちょっと待つニャ!!」
ベルを呼ぶ声に振り向くと、「豊饒の女主人」の従業員の一人である
「どうしました?」
「実は面倒ニャことを頼みたいのニャ。はいこれ」
といって渡されたのは小さな袋。どうやら誰かの財布のようである。
「白髪頭はシルのマブダチにゃ。だからこれをシルに届けてほしいのニャ」
「ごめんなさいベルさん、説明不足で。シルは祭りに行ったのですが、忘れていった財布を届けて欲しいのです」
「うちらは店番があるから行けないのニャ」
「まぁそういうことでしたら」
途中エルフ店員のリューの補足も入り、ベルはようやく理解した。酒場には世話になっているため、ベルはそれを二つ返事で頼みごとを受ける。ヘスティアは折角のデート(?)に水を差されたためか不機嫌そうだが、ベルの行動も間違っていないため、何とも言えぬ表情を浮かべている。
ベルはそのままヘスティアに引っ張られ、会場へ向かった。
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闘技場の地下、そこには今年の祭りで調教される予定のモンスターが収容されている。無論外に出ないように見張りがいるのだが、その見張りは焦点の合わない目で虚空を見つめ、地面にへたりこんでいた。
ローブを纏った人影が一つの檻に近寄っていく。檻のモンスターだけでなく、全てのモンスターが敵意をむき出しにして騒ぎ立てるが、その人影がフードを取った途端、静かになった。
フードの下から現れたのは、十人が十人振り返るだろう美女。妖艶という言葉が相応しいともいえる女が立っていた。
女の名はフレイヤ、オラリオに降り立った神々の一柱。その美貌は神々一と言われており、老若男女問わず魅了するとされている。そしてその美しさは、モンスターでさえも「魅了」してしまった。
「……もう少し様子を見るつもりだったけど……やっぱりちょっかい出したくなっちゃった」
そうつぶやきながら彼女は、檻の鍵を一つ一つ外していく。
「さぁ、小さな
やがて全ての鍵を外し終えると、彼女は姿を消した。途端にモンスターたちは動き出す。
さて描写を結構省いていますが、フレイヤにベルは目を付けられていますし、酒場の面々との交流が行われております。ただし、ロキ・ファミリアとの接触はまだされてません。
それでは次回、またお会いしましょう。