ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~目覚めるその魂~   作:シエロティエラ

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えー、ハイ。
一年待たせて申し訳ありませんでした。

いろいろあって今年から新社会人となり、ようやく初めの忙しい時期から脱したので執筆を再開しました。
ああ、安心してください。ちゃんと大学は卒業できました。

それではリハビリがてらで拙くはなっておりますが、どうぞごゆるりと。




55. 迫る暗雲・序Ⅱ

 

 

 謎の二人組との邂逅から早二日、ベルは再びウラノスから召喚要請を受けていた。前回のように探索ついでにエイナから言われるのではなく、いつの間に廃教会の入口にいたフェルズによっての呼び出しであった。

 

 

「……フェルズさんが直接来たということは、それなりに急を要するということですか?」

 

「うむ。つい今朝、とある冒険者パーティーの数名が行方不明となった。たまたま近くにいたリドが交戦したが、下層に逃げられたとのことだ」

 

「リドが? 彼は無事なんですか?」

 

「彼奴は軽傷で済んだ。そして一人だけ救出できたそうだ」

 

 

 ウラノスの言葉に、ひとまずベルはため息をついた。敵の情報が一切ない状態ならば先は暗闇しかないが、救助者が一人いるだけでも犯人にたどり着くための情報量が違う。

 

 

「では僕の召喚理由は、その事故があった場所の調査ですか?」

 

「その通りだ。ダンジョンで己の実力を見誤り、命を落とすことは残念ながら以前からあった。だがここ最近は事故以外での行方不明数が多すぎる」

 

「確かに、このひと月の事故数は不自然に多いですね。どの階層でしょうか?」

 

「場所は第20層、中層の中でも下層のほうだ。ソロではいくらお主でも困難だろう。リドたち以外にも、必要ならパーティを組むといい」

 

「わかりました。ではこの後すぐに向かいます」

 

 

 ウラノスの話も終わり、ベルはその足でエイナにソロでの探索を報告してダンジョンに向かった。さすがに危険なクエストになるため、ポーションなどは十二分に準備していく。

 今回ベルはダンジョンに行く前から勘が働いており、以前アレスの襲撃を受けた時のような警鐘が頭の中で鳴っていた。本来ならば他のファミリアメンバーに一言告げるべきであるが、彼の勘が非常に危険だと知らせている。

 そのため、エイナにも上層でソロ潜りとだけ報告し、下手に詮索されないように仕向けた。

 

 ダンジョン20層、少し進んだ先に「異端児」の蜥蜴人(リド)歌人鳥(レイ)の二名が待ち構えていた。既にウラノスから話を聞いていたのか二名とも、特にリドはフル装備で待っていたようである。

 

 

「おっ、ベルっち来たな?」

 

「ベル・クラネル。待ってたヨ」

 

「うん、お待たせ」

 

 

 軽く挨拶を済ませて、全員が警戒したまま更に下層へと足を進める。自然とお互いに口数は少なくなり、周囲に視線を向ける。現在のところは特に異常はなく、ちょくちょく普通のモンスターが来たり、他の異端児に出会ったりと足止めを食らうことはなかった。ただやはりというべきか、階層を降りるにしたがって、空気は重くなっていく。

 

 

「ベルっち。今回のことは聞いてるか?」

 

「うん。リドのおかげで一人だけ助けられたって」

 

「そうね。でもそれでも手がかりが少ない」

 

「今はともかく自分の足で歩くしかないな。ベルっちには悪いけど、あの冒険者は体が治っても二度と迷宮には戻れない」

 

「ならその冒険者から情報を聞き出すのは……」

 

「心が壊れかけてるわ。だから聞き出せても相当先になるはず……」

 

 

 結局地道に積み重ねる以外、今回の問題解決はできないということなのだろう。最近の怪人騒ぎと言い、冒険者と異端児の拉致行方不明といい、迷宮都市(オラリオ)もベルが来た時に比べて物騒になったものである。

 とそのようなことを考えてながら第27層にたどり着いたとき、ベルは背筋に薄ら寒いものを感じた。具体的にどのような感買うとは説明できないが、悪寒がしたというのがこの場合正しいだろう。

 突如足を止めたベルに、リドもレイも怪訝そうな顔をして振り向いた。だが途端にそれぞれ武器や戦闘態勢に入り、最大限の警戒態勢をとった。

 

 

「……ベルっち」

 

「うん。誰かが戦ってる」

 

「モンスターじゃないわ。これは……まさか人同士の戦いなの!?」

 

「ベルっち、レイ!! 急ぐぞ!!」

 

 

 リドの声を聴くや否や、ベルたちは一斉に音に向かって飛び出した。迷宮(ダンジョン)は地下に存在するが、一層一層の天井は非常に高い。それこそ歌人鳥(ハーピー)であるレイが飛んでも問題ないほどには空間が確保されている。そのため、騒動の場所に最初にたどり着いたのは、三人の中で唯一空を飛べるレイだった。

 

 

「畜生!! 何なんだよ!?」

 

「こいつら、最近ダンジョンや地上で噂の新種モンスターよ!?」

 

「さっさと倒さないと全滅だぞ!!」

 

 

 そこでは総勢十人ほどの冒険者が、クズヤミーやレイドラグーンと戦闘を繰り広げていた。敵の数は冒険者の二倍ほど、ウジャウジャと通路の奥から湧き出している。まるで誰かに意図的に生み出されたようなそいつらは、迷うことなく場王権者たちに向かっていき、攻撃を仕掛けていた。それによって冒険者たちは決して浅くはない、大小さまざまな傷を負ってしまっている。

 

 

「そこのヒト!! じっとしてテ!!」

 

 

 真っ先にたどり着いたレイは、今にも背後からレイドラグーンに切りかかられそうな冒険者を見つけ、一息に急下降した。突然上空から声をかけられた冒険者は幸か不幸か、驚きに咄嗟に止まってしまった。それよりレイの蹴りは過たずレイドラグーンに突き刺さり、地面に縫い留めることになった。

 

 

「怪我はない?」

 

「あ、ああ。助か……モンスター!?」

 

「驚くのはわかるけど、早くポーションを飲みなさい!! 次が来るわよ!!」

 

「え? あ、ええ? モンスターがしゃべってる!?」

 

 

 レイの言葉を聞くよりも、モンスターが言葉を話しそのモンスターに救われたことにその冒険者は思考が停止してしまった。戦場において、考えることや行動することをやめることは死を意味する。それは相手がモンスターだろうが怪人だろうが関係ない。

 

 そしてこの一瞬の逡巡が運命を決める。

 一瞬のうちに近づいた新たなレイドラグーンが、二人に刃をかざした。既に敵の間合い、加えて雑魚怪人とはいえ、冒険者やモンスターにとっては非常に脅威となるその刃が振るわれる。

 

 

「せりゃあッ!!」

 

 

 はずだった。

 レイドラグーンのさらに後方、レイの飛んできた方向から銀の輝きが閃き、レイドラグーンを一刀両断した。そこでようやく冒険者は正気にも戻り、先ほどまでレイドラグーンが立っていた方向に目を向けた。

 

 視線を向けた先には、薄暗いダンジョン内では非常に目立つ銀髪と、爛々と輝く紅の目を湛えた少年が、襲われた冒険者を見下ろしていた。

 

 






はい、今回はここまでです。
改めまして、一年間お待たせして申し訳ありません。

前書きにも書きましたが、しっかりと大学を卒業をしたうえで就職をしました。
まあと言っても4月まで更新できなかった理由はまた別なのですが。

昨年の夏の時点で卒業が確定し、また後期の授業もなかったため、暮らしていたアパートを引き払って実家に戻ってました。
で、父親はいいんですが、母親がまあ傍若無人というか、自分の好き嫌いをほかの家族に押し付けるタイプの人でして。二次創作の執筆やゲーム、漫画などのサブカルは低俗と断じるほど嫌いな人なんです。
そのため、過去にお小遣いをためて買ったPSPもその日のうちに目の前でハンマーでたたき割られたり、買っていた漫画を正月のしめ縄と一緒に燃やされたりと、まぁ過激な母親なんです。
で、実家には私の自室なんてものはないですから、二次創作なんて書いているとまぁお察しのことかと。
一度だけpixivで短編を更新しましたが、それも母の目を盗み、スマホで何とか書いたものでした。
ようやく四月に社会人になり、アパートの賃料も光熱費もスマホ代も水道料金も自分で払えるようになったため、やっとのことで更新を始めた形です。

まぁ恐らく何人かは、ミラティブ配信をご覧になっていた方もいるかもしれませんが。

てなわけで、不定期ですがこれから更新も進むと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。



久しぶりなせいで、文章の書き方とか忘れてもうた(泣)
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