お前のハーレムをぶっ壊す   作:バリ茶

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のんびり回  

↓これは今回出番が無い良いやつそうな蓮斗くん

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あなたが好きだから

 

 

 

 

 

 リアに促されて海夜をトイレに連れ込んでから、約数十分後のことだった。

 

 ようやく行為が終わってホッと一息つこうとしたその瞬間、俺の背後から物音がした。海夜は便器に座っていて、俺はその前に跪いている。ということは、俺の背後にはトイレの出入り口があるというわけで。

 出入り口から物音がしたという事は、とどのつまりトイレのドアが開かれたという事だ。

 

 扉が開けられた瞬間心臓が飛び跳ね、恐る恐る後ろを振り返ってみれば、そこには『あわわわ……』と口をパクパクさせながら狼狽している高月の姿が。

 

「……」

 

 沈黙が流れた。

 

 リアは額に手を当てて溜め息を吐いて。

 高月は立ち往生しながら視線を右往左往させて。

 海夜は出したばかりだから放心していて状況を理解できていなくて。 

 

 

 情事の場を見られた当の本人である俺は───顔全体から耳の先まで、リンゴもビックリなくらい顔を真っ赤に染め上げていた。

 

「り、リアさん……」

 

「っ~~っっッ!!?」

 

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 ぎゃああぁぁ!! うわああぁぁっあっあぁっ!! こっちを見るなぁ゛ーッッ!!!

 

 

 

 ……

 

 …………

 

 ………………

 

 

「んぷぇっ」

 

 洗面台で水を流しながら、口の中に残っていた白濁色の液体を吐き出した。飲み込むわけにはいかないので、こういう場合はティッシュに出すか洗面台にペッてして流すしかない。

 

 ……ったく、俺の頭掴みやがってあいつめ。何かの拍子に飲み込んじゃって残機減ったらどうするつもりだよ。今度また頭押さえてグリグリって押し付けてきたら睾丸握りつぶすぞって脅しとかないと駄目だな。

 

「ぐじゅぐじゅ……ぺっ」

 

 口の中を濯いだり嗽をしたりして、ようやく口内にあった粘っこいアレが綺麗さっぱり無くなった。とりあえずはこれで一安心だ。

 

 

 とりあえず後処理は終わったので、二階の小春ちゃんの部屋へ移動することにした。トイレで海夜から引き剥がされた後『お話があります!』と高月に言われたため、彼女が待っている部屋に行かなければならない。

 

 恐る恐る扉を開けると、そこにはカーペットの上で正座している藤堂と高月の姿が。俺が入ってきたことに気がつくと藤堂が座布団を置いてくれたので、俺もそこに正座した。

 

 すると、眉を顰めている高月が一番最初に口を開いた。

 

「こほんっ。あのですね、リアさん。途中で口を挟んだりはしないので……そ、その、先程の事について詳しくお聞かせ願えますか?」

 

「……は、はい」

 

 ただならぬ雰囲気に圧されて敬語になってしまった俺は、海夜の性欲処理についてのアレコレを二人に語り始めた。

 

 

 どうやらこの二人はクロノにこの世界や俺の秘密こそ暴露されていたものの、海夜の淫紋の事については話されていなかったらしい。秘密の全てをクロノに言われてしまったと思っていたのだが、そういう訳ではなかったようだ。

 

 嘘偽りなく真実だけを事細かに説明し終わると、藤堂と高月は呆れたように溜息を吐いた。今までやってきた日数、回数、プレイの種類……それら以上に、俺とリアが彼に対して体の一部を許しているという事実そのものに呆れているのだ、と言っているようにも俺には見えた。

 

 ……しょうがないじゃん。オカマにやれって言われたんだもん。そうしないと君たちが襲われてた可能性もあるし……。

 

「リアさんの言い分は分かりました。しかし相手があのお人好しな蓮斗さんとはいえ、殿方にそこまでしてあげてしまうのは……見過ごせません」

 

「リアさんが気負う気持ちも分からなくはないが、負担が大きすぎると思うぞ」

 

 神妙な面持ちで、諭すように語りかけてくる二人。

 

 これ、もしかして俺の心配してくれてるのかな。それは確かに嬉しいんだけども、今更やめるわけにもいかないんだよな。アイツが暴走したら元も子もないし、それで他の子に手を出されたら最悪詰む可能性もあるわけで。

 

「必要な、ことだから」

 

「……ふぅ。難儀なものだな、プレイヤーというのは」

 

「で、でもリアさんが全て背負う必要はないと思います! 淫紋の件に関してはリアさんだけの問題ではありません!」

 

 そう言ってズイッと俺の前に詰め寄ってきた高月が、俺の右手を握ってきた。……ぉ、女の子の手、柔らかい……(童貞)

 

「私もお手伝いしますわ!」

 

「へっ?」

 

「それなら私にも手伝わせて欲しい」

 

「えっ、ちょっ」

 

 この子たち急に何をおっしゃってますの!? そんな「大変そうだから手伝うよ!」みたいなノリで協力できるものではなくない!?

 

「大切なお友達が大変な目に合われてるのに……それを見過ごすことはできませんっ」

 

「あなたはもう他人ではない。当然、見て見ぬふりなど私にはできないよ」

 

「……なんで、そこまで?」

 

 どうして俺に対してそこまで真剣になってくれるのかが分からない。

 俺の正体も目的も、その全てを彼女たちはもう知っているのに。軽蔑し、距離を取ってもおかしくない関係性であることは間違いないはず。

 

 高月から見れば俺はパンツを奪ったただの盗人だし、藤堂からしても俺なんて戦闘中邪魔にしかならないお荷物だった筈だ。クロノからゲームの話を聞いたのなら、ハイパームテキが俺の力ではないことも分かっていると思う。

 

 

 それなのに、何で俺を助けようとしてくれるのか。

 

「リアさんがどのような存在であろうと、街で怪人から私と小春さんを助けてくださったのは事実です。それにフィリスちゃんをも救ってくれたあなたは、もう他人なんかではありません」

 

「ああ。リアさん、あなたはもう私たちの仲間で、大切な友達なんだ。助けてくれた恩返しもしたいが、それ以上に友達の力になりたい」

 

「……あ、ぅ」

 

 二人に手を握られたまま真剣な眼差しで真っ直ぐ気持ちをぶつけられてしまい、思わず怯んでしまった。トイレの時以上に顔が熱くなってるのがよく分かる。

 

「い、いい……の?」

 

 半信半疑な上目遣いで聞いてみると、高月と藤堂は明るく笑ってくれた。

 

「もちろんですわ!」

 

「任せてくれ!」

 

「……あり、がとう」

 

 そんな、心の底から安心できるような声音で言われてしまったら、俺だって甘えたくなってしまうというものだ。

 

 

 ──しかし、具体的にはどうするのか。隠す必要が無くなったのでヒロイン関係の事を詳しく説明すると、二人は意外と早く結論を導き出した。

 

「私たちが蓮斗さんに干渉しすぎるのは、確かに少々危険かもしれませんわね」

 

「なら、こうしないか。リアさんは今まで通りに、そして無理のない範囲で続けていく。そしてリアさんが疲弊したりして動けないときや、別行動をしている時は私たちがあなたの役を担う。もちろん、気分が乗らない時や単に休みたい時も遠慮なく言ってくれていい」

 

「リアさんを手助けする為、という明確な理由があれば……恐らくゲームの判定も緩くなるでしょう。もしそれが容認されずリアさんに全てを背負わせるように仕向けられたとしたら──」

 

 そこまで言いかけて、高月がニッコリと笑顔になった。

 

「そんな運営の人間たちは私が全員ぶっ殺して差し上げますわ」

 

「うむ。リアさんにだけ負担を強いる奴らなど肉片にしてしまうのが丁度いいだろう」

 

 二人とも笑ったまま怖いこと言ってるぅ……。そりゃデスゲームなんて開催する運営には腹が立つだろうけど、予想以上にこの二人がパワー系でびっくりしてますよ俺は。

 

 

「蓮斗だけじゃない。私たちも絶対にリアさんを元の世界に帰すと誓うよ」

 

「たとえこの世界に反旗を翻す事になったとしても、必ずあなたを!」

 

 

 ──だから、頼って。

 

 

 二人はそう言ってくれた。自信に満ちた瞳と、柔らかな笑顔で。

 

 ……嬉しい。とても嬉しい。信じられないくらい嬉しい。この二人がまさかここまで協力的に接してくれるなんて想像もしていなかった。

 真実を知れば知る程悪い部分しか出てこない俺に、こんなにも厚意を……うおぉ、まって、普通に泣きそうでヤバイぞ。

 

 ちょっとこの人たち良い子すぎない? 割と本気で好きになっちゃうんだが?

 

「……本当に、ありがとう。頼らせて、もらうね」

 

「はい!」

 

「あぁ」

 

 笑顔で返事をしてくれた二人を見て、心の中に安心感と幸福感が浮かんできた。おそらくだが、俺だけではなく中にいるリアも相当喜んでいるのかもしれない。

 分かるぞ、仲間が増えると嬉しいもんな。一人で戦う機会が多かったから、その反動もあって仲間の存在がめちゃくちゃ心の支えになるんだよな。

 

「きっとお役に立って見せますわ!」

 

「救ってくれた恩に、必ず報いてみせよう」

 

 こうづきと とうどうが なかまに くわわった!

 

 

 

 

「……と、ところでぇ↑、今日はこの家に泊まる予定なんだが……りっ、リアさん、よかったら一緒に寝ないか?」

 

「へっ? ぇ、えと、私……中身はおと──」

 

「私もご一緒させていただきますわ! 今夜は蓮斗さんからお守りいたします!」

 

「えっ、ちょ、ぁ、あわわ──」

 

 

 

 

 

★  ★  ★  ★  ★

 

 

 

 

 

 あの後俺は藤堂と高月の抱き枕にされ、大きな四つのメロンにサンドイッチされながら眠ることとなった。とっても柔らかくてフワフワしてて、温かくて良い匂いもしてました。おかげで眠れませんでした。

 

 中身が男なのに──という言い分は通らなかった。高月曰く「半分以上女の子なんだから遠慮することありませんわ」とのことで、藤堂からは「ずっとこうしたかった」と言われた。コメントありがとうございました、現場からは以上です。

 

 それからベッドで挟まれている時に話していたのだが、どうやら今日から藤堂が蓮斗の忍耐力を鍛えるための修行をしてくれるらしい。

 

 実際、本人が頑張って我慢することで淫紋の発動を遅らせることが出来るのは確認済みで、蓮斗の我慢強さが成長すれば性欲処理の回数も少なくなるので、修行の成果には期待したいところだ。

 

 

「……ふぅ」

 

 若干寝不足のまま、学園内のベンチに腰を下ろした。現在時刻は昼時なのだが、コンビニやレストランに入るのが面倒くさい。このまま昼寝をしてもいいくらいだ。

 

「……うーん」

 

 また昼寝から起きたら怪人バイオハザードになってるとか無いよな? あれ割とトラウマになってるから。バイオの件もそうだけど、レイノーラが攫われた場所もここだし、この学園にいい思い出あんまりないんだよな。

 

 

 ──う゛っ。腹の虫が鳴った……。

 

「おなか、すいた」

 

「……あ。リア、いた」

 

「っ?」

 

 空腹に苛まれてぐで~っとベンチに寝転がると、目の前にレイノーラが現れた。

 どうやら寝不足で意識がフラフラしていたせいで彼女の接近に気がつかなかったらしい。

 

 人が来たのでとりあえず起き上がると、右隣にレイノーラが座ってきた。彼女に会うのは先日の土下座ぶりなので、少々気まずい雰囲気になりそう──だと思ったのだが、なにやらレイノーラが小さく微笑んでいる。

 

「リア、お昼ご飯もう食べた?」

 

「まだだけど……」

 

「じゃあ……はい、これ」

 

 俺の返事を聞いたレイノーラは何かを包んである風呂敷を取り出し、それを自分の膝の上に置いた。そして風呂敷を解いていくと、そこには水色の可愛らしいお弁当箱が二つ重なっていた。

 

 も、もしかして……。

 

「リアのお弁当、作ってきた。一緒に食べよう」

 

 そう言いながらレイノーラが小さな箸と一緒にお弁当箱を手渡してくれた。……ああ、女の子にお弁当貰ったの初めてじゃ。嬉しいのう、嬉しいのう。男子がされて嬉しい事、女の子になってから初めて経験するの複雑な気持ちじゃのう。

 

 ──あっ。いや、俺じゃないか。レイノーラが言ってるリアって、きっと精神体の方のリアのことだ。昨日確か話の約束もしてたし、それが今なのかも。

 

「じゃあ……リアと交代するね」

 

「あ、待って」

 

「え?」

 

 心の中のリアに話しかけようとした瞬間、レイノーラが制止してきた。

 予想外の行動に驚いていると、彼女は小さく呟いた。

 

「……えっと、そのままで、いて」

 

「どうして?」

 

「あなたと話がしたいから」

 

「わ、わかった」

 

 どういうつもりなのか分からないが、どうやら中のリアではなく俺と話をするつもりで来たらしい。

 まぁ、確かに本人の口から聞いた方が手っ取り早いかもしれない。隠し事をする理由もなくなったし、聞かれたことは全て答えよう。

 

 

「……あのね、秘密の事はもう、全部ロイゼから聞いた。渋ってたけど、無理言って聞かせてもらった」

 

「えっ」

 

「私が話したいのはその事じゃなくてね。昨日の夜、ちゃんと自分の気持ちと向き合って、答えを出したの。それを聞いて欲しくて」

 

 そう言いながら、レイノーラは俺の手の上に自分の手を乗せた。そして真っ直ぐと俺を見つめながら、言葉を続けていく。

 

「やっぱりあなたもリアなんだって、そう思った」

 

「で、でも、私は……」

 

「知ってる。全部知ってる。……でも、組織で助けてくれたあの子も、怪人から私を救ってくれたあなたも、私を抱きしめてくれた。助けてくれた裏には事情があったのかもしれないけど、それでも……あの抱擁にはあの子と同じ優しさを感じた」

 

 たどたどしい口調がすっかり消え失せたレイノーラは綺麗に言葉を繋げながら、一層強く俺の手を握った。彼女のその手や瞳からは、力強い意志がこれでもかという程伝わってくる。

 

 

 確かにあの怪人兄弟を倒した後、俺はレイノーラを安心させるために抱擁をした。弟を寝かしつけるときの要領でやったので、言われてみれば優しさも確かにあったかもしれない。

 

 だが、結局俺が行動したのは残機獲得のためだった。その為に助けたのだから、彼女を利用したと言っても過言ではない。……まぁ、すぐに淫紋で残機減ったけど。

 

 とにかく、そんな俺が許されていいとは思えない。下心があって助けたのに、無心で相手から感謝を受け取って喜んでいいはずがないのだ。

 

「リア、いろいろ考えてると思う」

 

「っ!」

 

「でも、これだけは言わせてほしい。……あなたが私を助けてくれたこと、そして抱きしめて安心させてくれたことは、全部事実。どんな理由がそこにあったとしても、私はあの時あなたに救われた」

 

 レイノーラの目に、嘘の色は無い。なにより手を握る強い力が、本心を打ち明けようとする彼女の心を伝えてきている。 

 

 

 ……許されていいのか!?(熱い手のひら返し)

 

「あなたからすれば不可抗力かもしれないけど、結果的にリアも助けてくれた。……私からすれば、あなたはヒーローなの」

 

「で、でも、そんなの……私に都合がよすぎる……」

 

「私も都合良く解釈してるからお互い様。それにヒーローってことを納得してくれるなら、嘘をついていた件も許しちゃう」

 

 そこで初めて、レイノーラがいたずらっぽい笑みを浮かべた。不覚にもその表情にドキッとした俺が、心の何処かに居る。一言で言うと「この子かわいい」になるぞ。

 

 もはや最初の無表情キャラの面影は、彼女には残っていない。最初からここにいたのは、感情豊かな普通の女の子だったらしい。

 

 なんなら俺なんて紫色の目の銀髪少女だし、おっぱいがかなり大きくて髪の色が水色程度ならこの世界じゃ全然普通のラインなので普通です。むしろ美少女なので彼女は最強です。異論はないな? 意見は求めん。

 

 ……ん? こんな子がいるのに何で俺がヒロインやってんだ?(素朴な疑問)

 

「ヒーローなんて言われたの、初めて。レイノーラ、ありがとう」

 

「本当の事だから。……あの子のことも、あなたのことも好き。だから、二人一緒のリアが大好き。それが昨日の夜、ちゃんと考えて出した答え」

 

「……ぅ、うぅ」

 

 やめて! 恥ずかしくなっちゃうから正面から好意ぶつけてくるのはやめてぇ! なんか昨日から顔赤くなってばっかりなんですけどぉ!

 

 い、いや、友達として好きって意味なのは分かってるけどさ……あの俺、一応男の子なんですよ。そういう風に考えそうになるのも無理ない……なくない?

 

 

 

「あー! フィリスちゃんに先越されたー!」

 

「……陽菜、遅かったね」

 

 なにやら小さな手提げを持って急に登場してきた陽菜に、レイノーラが若干ドヤ顔をしながら反応した。

 程なくして、頬を膨らませた陽菜が俺の右隣に座った。そうされたことで昨晩ぶりに美少女サンドイッチの状態が形成され、なんだか緊張してきてしまう。別にハーレムなわけではないのだが、こうも状況がそれっぽいと勘違いしてしまいそうになる。年頃の男の子なので。

 

「私もリアねえにお弁当作ってきたよ~」

 

「……あ、あの、陽菜も秘密の事は、知ってる……?」

 

 恐る恐る聞いてみると「え? うん、ロイゼ先輩に聞いた」とまるで当たり前のように返されてしまい、呆気にとられた。ここまで来て陽菜だけを仲間外れにするとは思っていなかったのだが……高月さん、ちょっとお口がお軽くおありませんこと?

 

「あ、リアにいって呼んだ方がいい?」

 

「えっ、あ、いや、別に……」

 

「じゃあリアねえでいいよね。……はいっ、リアねえ用に小さいおにぎり作ってきたよ」

 

 まるでいつもの調子と変わらない陽菜におにぎりを手渡され、慌ててしまう。

 ちょ、あの、軽すぎない? そんな感じで流していい事ではなくない?

 

「……? リアねえ、もしかしてお腹すいてない?」

 

「お腹はすいてるけど……ええと、陽菜は大丈夫、なの? その、私の事……」

 

「あー、秘密の事?」

 

 俺の質問をされ、右手を顎に添えながら少しだけ考えるような仕草を取る陽菜。

 

 

 しかしながら、彼女はすぐさま自然な表情で俺の方を向いた。

 

「一人になったあたしを見つけてくれたのはリアねえでしょ。オムライス作ってくれたのもそうだし、お風呂で洗ってくれたりとかー……あ、それから膝枕してくれたのもリアねえだよ?」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「じゃあ、別に問題なくない? リアねえはリアねえだし、私が大好きなリアねえはリアねえだけだから!」

 

 リアねえって単語がゲシュタルト崩壊しそうだ。いや問題なくない? じゃないが。きみかなり豪胆だね? ちょっとメンタルが成長しすぎてないか?

 

 困ったことに陽菜が強すぎて、それ以上彼女に対して追及やら質問やらができない。

 

「あたしお父さんがやってる女装&男の娘バーにも行ったことあるから知ってるけど、世の中十人十色だし、リアねえみたいな人も多分いっぱいいるよ! だから落ち込まないで!」

 

「う、うん」

 

 あれ? 俺いつのまにか励まされてる……? なんで?

 

「ほら、そんなことよりお弁当食べよ。はい、あーん」

 

 知らない間に弁当箱を開いていた陽菜が、卵焼きを刺したフォークをゆっくりとこちらに向けてきた。

 

「あっ、ズルい。私も卵焼きあるよ。ほらリア、あーん」

 

 それに対抗するかのごとく、左隣のレイノーラも同じくフォークで刺した卵焼きを持ち上げてきた。

 

 

「た、食べるから、ちょっとまって……!」

 

 

 

 暖かい日差しが気持ちいい昼休みに、俺はリアの体じゃ食べきれない量のお弁当を、気合いで全て完食したのだった。

 

 

 




(リアに対しての)好感度ステータス


  文香:90 《信頼している恩人で友人》

  陽菜:MAX《リアねえ》

 ロイゼ:85  《大切なお友達》

フィリス:MAX《本当はずっと一緒にいたい》


(ヒロインに対してのリアの)好感度の様子

  文香:強そう・かっこいい・すき
  陽菜:妹・褒め足りない・すき
 ロイゼ:クッソ優しい・おっぱい・すき
フィリス:かわいい・(この胸の高鳴りはいったい……!?)・すき
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