R-18版ことえっちシーン集の方も更新されてます
先にあっちをみるとネタバレになるのでご注意くださ
海夜が氷の能力でデビルを拘束して能力全開の小春が『爆砕パァァ──ンチッ!!』と高らかに叫びながら電流を纏った拳でラスボスを跡形もなく粉砕してから、約六時間後。
陽がすっかり落ちて夜に切り替わるそんな頃、俺は海夜の家で田宮と剛烈の二人と話をしていた。
今回クロノが本腰を入れてきたことで警戒を強めることにしたので、彼らやフィリス達といった俺の知り合いは全員、しばらくこの家で暮らすことになった。基本的に単独行動は禁止とし、特に戦闘ではお荷物になるしかない俺と田宮は必ず強い人の傍から離れてはいけない……と、少し過保護なくらいが丁度いいというのが剛烈の意見だ。
戦闘面に関しては一理あるどころか全力で肯定するレベルなので、皆での共同生活は意外と早く決まった。住まう場所が海夜家な理由は、剛烈が張れる防衛用のバリアの大きさがこの家を覆うサイズで精一杯だったからだ。九人が生活するので広さで言えばロイゼのお屋敷の方がよかったのだが、完全にバリアで防衛できる家はここしかないので仕方がない。
とりあえず海夜と小春が他の皆を連れてくるまでに、俺たちは情報交換を済ませておくことにした。
俺を膝の上に座らせている剛烈と、目の前で麦茶を飲んでいる田宮と一緒に話を進めていく。
何やら外の世界の情報があるらしく、俺と田宮は剛烈の声に耳を傾けていた。
「……というわけで、今デスゲームの運営は外の世界でもデスゲーム紛いのことをやってるの」
「あいつらエンターテイナー過ぎるだろ……」
剛烈の説明を聞き終わった田宮は深い溜め息を吐き、額に手を当てた。俺も彼同様に呆れているので同じことがしたいのだが、剛烈にぎゅうっとされているので腕が動かせない、離してー。
「じたばた」
「リアくん抵抗しちゃやだー。もうちょっと抱かせて」
「むむむ……」
強面のおっさんの姿で女の子っぽい喋り方されると落ち着かないんだよ。話を聞く限り剛烈は本当に女性っぽいけど、今のこの状態は『こわい顔のおっさんが少女を膝に乗せて抱きしめてる』とかいう、親子じゃないと許されないような事案だからね? もうちょっと自分の使ってるアバターの姿自覚してください。
……話を戻そう。剛烈から聞いた話をまとめると、こうだ。
どうやらオカマと剛烈は特殊な組織に所属しているらしく、このデスゲームに参加したのも調査の一環だった。デスゲーム運営の手先を捕まえても情報は得られず、運営本部の場所が特定できないので、あえて内側から調査することにしたとか。
まずオカマがこの世界に様々な仕掛けを施したうえで、最速クリアをして解放される。そして内側に残った剛烈と連携を取りながら、運営本部を突き止めるという作戦だ。
難しいことは分からなかったのだが、なんやかんやあって彼らの作戦は上手くいったらしい。すごいっすね。
そして運営の場所を突き止めていざ突入──といったところで、事件が起きた。
運営の本部はとある場所の地下にあるらしいのだが、なんと運営はその地下を即死トラップだらけの迷宮に変えてしまったらしい。それのせいで一気に管制室までたどり着くことができず、足踏みしながら少しずつ攻略を進めているのが外の世界の現状だ。
放送を止めたければ命がけで運営の本部を攻略して見せろ……という挑戦状である。しかも地下攻略の様子すらも生放送で配信しているのだから手に負えない。ハッキリ言ってあいつら馬鹿だ。
なんとか俺たちの肉体がある部屋は取り戻せたらしいのだが、予想通り俺たちの体は変な機械に接続されているらしかった。無理矢理その装置を外せば脳が壊れるし、変な装置は外部からの干渉を受けつけない。天才ハッカー集団が頑張っても手も足も出ないシステムとのことだ、運営の技術力の高さが窺い知れる。
つまり、未だ俺たち三人……いや、クロノを含めた四人のプレイヤーはデスゲームの真っ最中ということだ。
「ちゃんとクリアするしかないってなると、リアくんも大変だねぇ。まだまだポイント足りないし、しっかりヒロインにならないと厳しいんでしょ?」
「……うん」
「私と田宮くんは明らかに適当な選択肢でポイントいっぱい貯まってるけど、リアくんは運営に目付けられちゃってるもんね……」
そこまで言いかけると、剛烈はようやく俺を解放した。そして彼女に向き直ると、剛烈は笑顔で俺の手を握った。
「でも安心して! 絶対先にクリアしたりはしないから!」
「おう、お前だけ置いて帰る訳にはいかないからな」
「ふ、二人とも……」
ちくしょう、ちょっと泣きそうになったぜ。二人ともクリアしようと思えば直ぐにでもできるのに、わざわざ俺の為に残ってくれるなんて……うぅ、嬉しい! 友情! 俺たちデスゲーム仲間!
……って、そういえば。
「こんなこと、話してていいの? 私たちの事、運営も見てるのに」
「そこは大丈夫じゃないかな。アジトが特定されても逃げずに放送を続けてるってことは、それだけ私たちの結末にも興味があるってことだと思う。何より動画サイトの視聴者たちの期待に応えようとしてるみたいだし」
「今更俺たちをどうこうして水を差すような真似はしない、ってことか?」
「強力な敵を作ってクリアの妨害をするとか、そういうことはしてくるかも。多分……その方が面白いから」
剛烈が若干苦笑いしながら言うと、俺と田宮も再び溜め息を吐いた。
運営の意地というか信念というか、とにかく俺たちのことは最後まで放送の主役のままでいさせたいらしい。出来ればその情熱をもっと健全で別の方向に生かしてほしかったとつくづく思う。
「結局、これからどうすればいいの」
「仮想世界からの離脱については外部からの助けが期待できそうにないし、とりあえず頑張ってポイントを貯めるしかないね。当面の目標としては、まずそれを邪魔してくるクロノの捕縛かな」
剛烈が結論を導き出した辺りで、玄関から物音がした。
バリアのセンサーに引っかかると警報が鳴る仕組みになっているのだが、それが反応せずにドアが開いたという事は、身内の誰かが帰ってきたという事だ。
そのまま待っていると、俺たちがいる居間に三人の人物が入ってきた。海夜とレイノーラ、それから高月だ。
「あぁ、よかった、本当に皆さん無事だったのですね……」
俺たちが呑気に会話をしている姿を見て気が緩んだのか、高月はホッと胸を撫で下ろした。ついでに大きなおっぱいも揺れた。なんだあのスイカは……。
「リアさんに、田宮さん……えぇっと、そちらのお方は……」
「剛烈っていいます。ゴツイ顔してるけど敵じゃないから安心してね~」
強面だけど味方、ということを強調しておきたいので、彼女を肯定するように俺も何回か頷いておいた。様々な情報を持っている他、単純に戦闘面でも頼りになるので剛烈の事は皆にも知っておいてもらいたい。
各々挨拶を終えると、程なくして陽菜と藤堂を連れた小春も無事に帰ってきた。見た限り戦闘後の痕跡もないし、小春も海夜も道中クロノに邪魔をされることは無かったようで安心した。
共同生活初日ということもあって、親睦を深める為に今日はみんなで鍋をつつく予定だ。材料は海夜と高月が奮発して沢山買って来てくれたし、家の防衛準備も小春と剛烈がしっかりやってくれているので諸々の心配は無用らしい。
最近……というかずっと大変なことが続いてたし、今日はのんびりしながら沢山食べるぞー。
★ ★ ★ ★ ★
夜が更けて皆がそれぞれ寝室で休み始めた頃、俺も小春の部屋でまったり寛いでいた。ベッドに座って小春に膝枕をしながら耳かきをしている。
まず小春に特殊能力があることにはかなり驚いたのだが、今はそれよりあの能力のデメリットが気になっている。
見た限りとてつもない代償なんかは無いように見えるが、単純に小春自身の体力の消耗が激しいのは確実だ。夕食のときは元気そうに振舞っていたものの、部屋に戻ってからはずっとフラフラしている。
休ませるために膝枕をして「このまま寝てもいいよ」とは言っているのだが、どうやら強烈な眠気に襲われているわけではないらしく、ウトウトしては目を覚まして……といったことを繰り返している。
まだ眠れないのならば、とりあえず耳かきで癒してあげよう。俺のテクニックの前では何人たりとも起きていることは不可能なのだよ。
「どう?」
「……気持ちいいなぁ、リアちゃん上手すぎ……」
「小春はちょっと、頑張りすぎ。眠れるまでこうしててあげるから、無理せず寝ちゃってね」
こしょこしょっと耳かき棒で耳の内側を撫でたりしながら、小春が眠れるように敢えて囁くように小声で声を掛ける。
どう考えても今日のMVPは小春なのだし、出来る事なら沢山褒めたり甘やかしてやりたいところだ。しかし彼女は体を酷使した後なので、今日のところは早く眠って休んで欲しいのが本音である。いつ如何なる時も無理は禁物なのだぞ。
「よし、よし」
「んぁ……」
耳かきをあらかた終えたので、眠れるまで頭を撫でることにした。幼い頃母親にやってもらった方法なので多分これで合ってるはずだ。
「今日は頑張り過ぎちゃったから、明日のお昼まで寝ちゃおう」
「……んー」
十分ほど囁きながら頭を撫でていると、次第に小春の声が小さくなってきた。これはこのまま続けていればそのうち夢の中かもしれない。
ふむ、弟や陽菜で経験値を積んだ俺はどうやら寝かしつけのプロにランクアップしていたらしい。これならその内蓮斗がムラムラする前に眠らせてしまうのも夢ではない。あいつが自分の性欲を自覚しなければその分本来のムラムラも減少するので、今後は寝かしつけマスターを目指して陽菜や小春で練習しておこう。
「よし……よし……」
「……」
段々声も出なくなってきたみたいだし、もう寝ちゃったか。にしても小春、髪サラサラだ。撫で心地が良いし心が落ち着く。
「……はぁ……ふぅ……」
もう寝息を立て始めた。案外時間がかからなかったようで安心した。
というか小春って口で息して眠るタイプなのか。喉を壊すといけないし今度就寝用のマスクでも買って来てあげよう。
……俺もちょっと眠いな。小春がしっかり寝たら俺もベッドで横になるか。
いや、でも小春は疲れてるんだし、俺の寝相とかで起こしたら悪いな。リビングのソファで寝た方がいいかもしれない。
「……はぁ、はぁ」
「ん……こ、小春?」
なんだか彼女の息が荒いように聞こえる。
焦って小春の顔を確認してみると、いつの間にか頬を赤く染めていた。心配になって彼女の額に手を当ててみると、すぐに分かる程熱くなっていることに気がついた。
「はぁ、ふぅ……んうぅ」
「だ、大丈夫? お水持ってくる?」
俺の言葉に対して首を横に振る彼女だったが、明らかに様子がおかしい。
──これは、能力のデメリットか。どういう症状なのかは見当もつかないが、とにかく風邪の時のように体温が上がってしまっているのは確実だ。
小春は俺を助けた後も周囲の悪魔たちを人間に戻しながら走り回っていたし、それが終わった後は休む事なくそのまま海夜とデビルの戦闘に割って入っていった。どう考えても今日一日だけで能力を酷使し過ぎている。
能力者が特殊能力を使用しすぎるとどうなるのか、以前レイノーラから聞いたことがあるのだが、彼女の場合は長時間激しい息切れをする状態に陥ってしまうらしい。
恐らく能力者ごとに過剰使用後の負荷は異なるのだろうが、レイノーラと小春は体力の激しい消耗という共通点が挙げられるので、大抵の能力者は症状の第一段階として過度の疲弊状態になってしまうのかもしれない。
とりあえず、今は出来る事をやろう。近所の薬局は閉まってるだろうから、コンビニに行って熱さましのシートとかスポーツドリンクやらを買ってこなければ。
「小春、ちょっとごめんね。いろいろ買ってくるから、少しの間待ってて」
「や……いや、いかないで……」
「ほんとにすぐ戻ってくるから。高月か藤堂はまだ起きてるだろうし、一緒に行くから私の心配も──」
彼女を安堵させようとしてそこまで言いかけた瞬間──突然小春が体を起こした。
「こ、小春、無理しちゃ駄目だって」
「やだ、やだ……!」
なにやら虚ろな目で拒否し続ける小春。これはどう見ても普通の状態じゃない。
そんな急な事態に焦っていると、不意にポケットの中から振動を感じた。
これは明らかに運営からの通知かミッションの類だ。今はそれどころでは無いので無視したいところだが、強制選択の場合は無視をすると残機が減ってしまう。
「こんな時に……っ」
タイミングを選ばない運営にうんざりしつつ、スマホを取り出した。ミッションならさっさと終わらせて小春の看病をしたい。
手に持ったスマホのロック画面を解除し、通知ボタンを押して内容を開いた。
【☆お知らせ☆:かねてより実施していた視聴者様アンケートの結果、この度リアのプレイヤー様の機能を一部アップデートすることが決定致しました】
アップデートという文字に疑問を抱きながら画面をスクロールすると、文面の続きがでかでかと綴られていた。
【相手が女の子の場合はいろいろと全てセーフということになりました。快適なデスゲームライフをお過ごしください】
……相手が女の子ならセーフって、どういう意味だ。
これ、何の話をしてるんだ? 全然説明が足りてない。あと「いろいろと全てセーフ」って日本語おかしくないか。まるで急いで走り書きした文面みたい──
──い、いや、ちょっと待って。まさかとは思うが……。
【★緊急イベント!★】
ちょ、いきなり何だ?
【これより1分間のポイント受付を開始します! 視聴者様が追加されたポイントが時間内に500ポイントに達した場合、発情した海夜小春に以降2時間のみおち●●んが追加されます!】
いやいやいやいやちょっと待って!? 本当にいきなり何言ってんの!? 今コイツお●んち●って言った!?
【ポイントはおひとり様1ポイントまでとさせて頂きます(1ポイントにつき一万円)ので、ご注意ください。受け付けは10秒後から開始されますので、ふるってご参加ください!】
……ほ、本気か? 運営のバカ共は本気でいきなりこんなアホイベントを開催させやがったのか? ちょっと待ってもらっていい?
おち──あの、男性器の名前が記載されていましたね。なんかよく分かんないけど小春ちゃんにそれが付けられるとか意味不明な文面に出来上がってました。
──お、落ち着け。冷静になるんだ、運営の暴走なんて今に始まったことじゃない。奴らに惑わされない為にも、とにかく頭を平静にさせるんだ。
深呼吸だ、深呼吸。ふぅ、ふぅ、ひっひっ、ふぅー………よし!(よしではない)
まず小春の今の状態についてだけど、この説明文を見る限り『発情』ってことになるのか。そりゃ顔も赤くなるし呼吸も荒くなるわ。経験者は語る、ってね。………うるせーよ!?(逆ギレ)
いかん、全然冷静になれないぞ。ちょっと情報量が多すぎて混乱してるみたいだ。とにかく目の前のことだけでもしっかり分析しないと。
視聴者一人につき、一万円で買えるポイントを一回だけ応募できる。この条件なら、どんな富豪が視聴者の中にいたとしてもポイントがめったやたらに増えることはない。
まずポイントの金額が一万円ってとこが鬼門の筈だ。デスゲームが視聴できるサイトの視聴者たちがどんな奴らなのかは知らないし、今どれだけの数の人間が生放送を見ているのか、なんてのも見当はつかないが、それでも生放送のゲリライベントでいきなり一万円を課金できる人間は極端に少ないだろう。500人で達成できるとはいえ、一万円を即座に使える視聴者は多くないし運営は欲張り過ぎだ。
それに何といっても、一分という時間制限がある。これが仮に30分あったとすれば、SNSで情報を拡散するなりして人数を集めることもできたかもしれない。
しかし、与えられたのは1分だ。1分って思っているよりかなり早いし、そんな短時間で一万円を直ぐに使える有志を募ることは不可能に近い。
つまりこのイベントを完遂する方法は、今見ている視聴者たちが直ぐに一万円を溶かす他にない。
だが先程言った通り一分で一万円を払う踏ん切りが付けられる人間の数なんてたかが知れてる。集まったとしても10~20ポイントがせいぜいの筈だ。
結論、このイベントは完遂されないので小春に2時間限定のおち●ち●が生えることもない。中身がバレているとはいえ彼女からすれば俺はほぼ女の子なので、そもそも同じ性別の相手を襲うこともないだろう。それこそデスゲーム二日目の夜の海夜レベルまで暴走していたとしても、同性に興奮したりはしないと思う。
……ふ、ふふふ、どうした俺、妙に冴えてるじゃないか。
ま、冷静になればざっとこんなもんだぜ。運営のバカにも慣れてきたし、こんなことで俺が取り乱すと思ったら大間違いだからな!
ざまぁみろ運営め、500なんて欲張るから失敗するんだよ!
【集計結果:9417ポイント】
ん?
【ご参加ありがとうございました! ポイントが既定の数値を大幅に上回りましたので、おちんちんの発現時間が6時間に延長されました! 引き続き生放送をお楽しみください!】
──ちょ、ちょ、ちょっと待って。
応募の最低数は500だよね。
いま表示された数字もう一回見ていい?
【集計結果:9417ポイント】
ん??????????????
……俺っていつから数字見間違えるほど視力悪くなったんだろ。まさか三桁を四桁に見間違えるどころか、全然形が違う数字を勘違いする程疲れてるなんて思ってなかったぞ。
まぁ思い返してみれば、今日は確かに殺されかけたからな。思い切り首をぐぐぐーって。それならここまで疲弊しててもおかしくはない。脳に過負荷が来たわけだし、小春を寝かしつけたら俺も寝ないと──
「り、リアちゃんっ!」
「わっ……!」
頭の中で言い訳を羅列することで既に分かりきっている事を全力否定して現実逃避という名の精神防衛をしている最中に、小春が俺の両肩を掴んでベッドの上に押し倒してきた。
「こ、小春……っ?」
「はぁっ、はぁっ……! ごめんね、ごめんね!」
目を血走らせながら荒い呼吸を繰り返す小春。
その瞳は虚ろで、ただ口から懺悔の言葉が次々と出てくる。
「分かってるの、分かってる……! リアちゃんのスマホ覗いてたから! 自分の! 状況ッ! ちゃんと分かってるの!」
「そ、それなら……」
「でも無理なの! り、リアちゃんが……その、あのぉ……あぁぅ、あぁっ!」
何かを言いかけた小春はそれ以上言葉を続けず、押し倒した俺の上に覆いかぶさった。
そしてかなり激しい鼻息のまま、リアの体の首筋や髪の匂いを一心不乱に嗅ぎ始めている。
「ふぅふぅ! すぅぅぅ……んはァっ♡ いい匂いィ……う、うぅっ、うぁぁっ、リアちゃん!」
匂いを嗅ぐだけでは気が収まらなくなってしまったのか、小春は俺の体を強く抱きしめながらほっぺに頬ずりをし始めた。
「かわいいぃ! かわいいよぉ!! リアちゃんがかわいくて……ッ♡ お、お腹の下が熱くて止まらないのぉ♡♡」
「ぐ、ぐえ……」
頬ずりされてる頬は摩擦熱が発生して火傷しそうで、更に小春の抱きしめる力が強すぎるせいで若干息が苦しい。
暴走する彼女はとても力が強く、無理やり退かすことなど到底不可能で、俺は彼女の肩を押すくらいしか抵抗ができない。見る限り、それも無意味なようだが。
「こ、こはる、落ち着いて……」
「無理♡ 無理ィ♡ ねっ、キス、キスしよっ♡ ……あ、が、我慢できない、むり、する、もうキスする、ごめんね♡」
「ちょ、ちょっとま──んむっ!」
瞬間、唇に熱い感触が重なってきた。まるで何のためらいもなく、遠慮のえの字も感じられないほどいきなり唇を奪われてしまった。
「んちゅっ♡ はむっ、んじゅるる……れろぉ♡」
「むぐっ、ん、んー! んー!」(し、舌まで入れてきて──って、ちょっと待て!?)
いや、それだけではない。貪るようなキスをされたことでお互いの体が更に密着したことで、俺のお腹に硬い何かがグイグイと押し付けられている。
小春の顔が密着しているせいで下を見ることはできないが、その正体についてはすぐさま見当がついた。彼女が着ているパジャマのズボンは些か生地が薄く、更に言えば俺の着ているパジャマも彼女の物と同種類のため『ソレ』の感触がハッキリと此方まで伝わってきてしまう。
「んぢゅっ、ぢゅるるるぅぅぅ……っ♡」
「っ……! んんっ……っ」
それどころではない。ねっとりと粘液が纏わりついた舌を何度も繰り返ししゃぶって絡ませて……そんな行動を繰り返される内に、段々と俺の頭までボーっと熱くなってきてしまった。
「ちゅぱっ♡ んちゅ、じゅるるぅ……♡ れろっ、んふぅ……じゅぱっ♡ んぅぅ…ッ♡」
「はむぅ……うぅっ、んじゅる……ぷはっ」
少しだけ気が収まった小春に唇を解放された時には、既に頭の中が掻き回された後で。
「……ぅ、うあ………♡」
もはや俺どころか中にいるリアまでもが小春の性欲の餌食にされてしまい、体の力が抜けてふにゃふにゃになってしまっていた。
「えへへっ♡ 六時間、六時間♡ いっぱい時間あるね♡♡」
「ゃ、やめ……うぁ───」
そこからきっちり六時間、記憶が飛ぶまで俺たちは小春のおもちゃにされ続けた。
事を思い出すのは、翌日の昼になってからのことで。残機は減らなかったものの、一時間くらい小春に土下座された。
蓮斗:(流石に今のあの二人の間に割って入る勇気はない……でも俺の淫紋が光ってる……)
ロイゼ:今夜は私がお相手します(`・ω・´)
蓮斗:!?
文香:私もいるぞ
蓮斗:!!?
陽菜:リアねえは忙しいので先輩はあたしで十分です
蓮斗:!??!???
フィリス:リアに囁きのセリフ教えてもらったから試す
蓮斗:??????????????????