魔法科高校の妖精遣いだよ……え?そんなにチートかな?   作:風早 海月

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今回はただのネタ回です。

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シスコン達也、小さい女の子なら誰でもいいの?

 

 

 

元来、達也の睡眠時間は短い。

なぜなら、体と脳が休めれば睡眠を終えて良いから。

 

九校戦初日の朝も早かった。

 

だが、もっと早く起きていれば、もっと早く寝ていれば、あんな事にはならなかったと後悔することになるのは達也はまだ知らない。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

「うーん、お腹空いた。」

 

栞は閉まっているパーティ会場の前を通り過ぎながら、呟く。

 

あいにく、妖精たちにはしばしの休暇というバカンスを与えているので、料理担当の瑞葉もいない。

 

前に達也が深雪にご飯を作ってもらっていると聞いて、深雪の部屋に行くも、空。

 

ホテルのカフェも既に営業を終了している。

 

とりあえず何かないか探すのに、一高の作業車の方へ向かう。

 

ちなみに、もう夜なので、サンシェードフィルムは剥がしてある。さっきまでの色んなことでの汗で通気性高いもののはずなのに気持ち悪いと感じていた。

 

「あれ?御巫さん?どうしたの?」

 

作業車には五十里啓がいた。

 

「さっきのパーティでは何も食べられなかったから。」

「そっか…あ、司波君の部屋にインスタントの食料があるよ。僕たち技術者が夜食にする分だけど、多めに持ってきてるはずだから司波君に分けてもらうといいよ。」

「本当ですか、ありがとうございます。」

 

再びホテルに戻り、達也の部屋へ。

 

 

 

達也は荷物の管理も仕事で、2人部屋に1人で入っている。ちなみに栞も1人で少し広い部屋を使っているが、これは車椅子への配慮である。

 

チャイムを鳴らすと、達也が出てくる。

 

「栞か。どうした?」

「ご飯をちょうだい?」

「…?ああ、パーティでは食べれなかったのか。人も多かったからな。」

 

そう言いながら、達也は外に出てきて昨今のホテルでは珍しくない幅広の外開き扉を支えながら中に迎え入れた。

 

「…!深雪たちもここだったからいなかったんだ。」

「ええ、お兄様が1人部屋だと聞いたから。」

 

深雪、ほのか、雫の3人は達也の部屋にある2つのベッドに腰掛けていた。

 

「それより、栞はどうしたの?」

「ご飯食べ損ねた。深雪も居ないし、作業車行ったら啓先輩からここに食料が備蓄してあるって。」

「…出来たぞ。」

「「「「早!?」」」」

「レトルトを温める訳でもない。お湯ならポッドに沸かしていた。フリーズドライにかけただけだ。」

 

達也は一通り揃ったトレーを机の上に置き、椅子を退かす。

 

「こっちの方が食べやすいだろ?」

「ありがとう、達也。」

 

小ぶりな丼に白いご飯がよそられていて、その上にはたまごと鶏肉と玉ねぎのパレード。味噌汁も具沢山豚汁で、漬物にはたくあんが厚めに2枚切られていた。(1人分でパッケージされたものを開けただけだが。)

 

「相変わらず日本のインスタント事業は凄まじい完成度だよね。正直、軍が未だにくそ不味いレーションを使う意味がわからない。旧海軍でさえ戦闘食糧は握り飯に牛缶にたくあんだったのに。」

「栞、くそなんて女の子が言うセリフじゃないわよ?」

「ごめんね深雪、今の私はやぐされもーどだからさ。」

「そもそも、軍の施設で、そんなこと聞かれたらまずい。」

「あ、そう言えばここって陸軍の施設だったっけ。」

 

 

 

 

 

栞が食べ終わる頃には、達也は何か調べ物をしていた。

 

「達也、ごちそうさま。何調べてるの?」

「魔法師の交流掲示板なんだが、面白いものを見つけたんだ。『魔法師の同性婚への忌避感は実はただの迷信説』だそうだ。スレ主は魔法師同士の男性同士での同性婚をしたらしく、その中で人工子宮によって子供を設けたらしい。その結果、まだ子供の段階だが魔法力を発現しているらしい。」

「へぇー。」

「さらに研究が進めば魔法力がどの遺伝子に基づいているかを見つければ、全ての人が魔法師となる未来も無いわけではない。……まあ、今のところ夢物語だが、確かにありうるかもしれない未来だな。遺伝子操作による才能の付与。さらに発展すれば親無しで子供を作れるかもしれんな。」

「そんな…」

「怖いかな、そうなると。」

「あ、こっちの女性の魔法師同性愛者の人は、人工全卵を自分のお腹で産むための準備をしているらしい。」

 

全卵というのは、精子同士・卵子同士での受精卵形成が可能になったため、受精卵という言葉を言い換えた言葉で、現代日本では比較的浸透してはいる。

なお、技術的な難しさから、精子同士の方が成功率は低く値段も高い上に、母体が無いので、代理母もしくは人工子宮を用いる必要があるが、それもかなりの高額となる。

 

「なるほど、なら魔法師に同性婚を認めるなら、国は同時に人工全卵形成と代理出産への経済的支援が必要になるからその迷信を公表にしているってことだね。」

「魔法師だけに経済的支援を行えばまた人間主義の人たちがうるさいから。」

「雫も雫で容赦ない言い方だよね…」

 

昔と大きく変わった性別への観点ではあるが、それでも、男女が普通のカップルであることは確かである。

いくら同性でも子供が出来ても、色眼鏡で見られることは変わらない。

 

雫は少しいつもよりもさらにジト目になりながら、とりあえず栞に視線を向けるのだった。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

(何故こうなった。)

 

深雪たちが話に区切りが着いたところで帰ろうとした時、栞は食器を洗ってからと言ったので、深雪を部屋まで送っていくのもあったので、達也はそれを受け入れた。

 

そこまでは良かったのだ。

 

栞は何故かきちんと食器を洗った後、わざわざ車椅子からベッドの上に移動していて、爆睡していた。

 

明日が休みとはいえ、技術者である達也は1日働き詰めであるので、普段なら徹夜してでも寝ない場面だが、1番優先すべきは深雪が喜ぶことで、九校戦で勝たせてやることだ。そのために全力を発揮するためにはきちんと仕事をその日に終わらせておかなければ後が、深雪の調整にも響いてしまうかもしれない。致し方ないと考えた達也はもう1つのベッドに横になり、深い眠り(深雪への眼はそのままだが)に就いた。

 

そして、朝、達也が起きてみれば、達也と栞が半裸でひとつのベッドで寝ていた。

咄嗟にベッドの表面を手で触ったのは男としての反射だろう。彼ならエイドスを遡ればナニをしていたかなど分かる事だ。

とはいえ、それを思いつかず物理的に確認することが頭にあった達也は自分のモノを触り、それではわからず、栞のソコを見ようと被っていたブランケットを剥ごうとした時、ガチャという音と共にドアが開いた。

 

完全に頭がいっぱいいっぱいだった達也はドアのノックが聞こえなかったのと、深雪に鍵を預けていたことをすっかり忘れていたのだ。

 

 

 

「…お、お兄様?」

 

 

達也がはっ!?と振り向くと、深雪が自らのニブルヘイムで凍りついた氷像のように固まっていた。

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、真実は、寝てる最中に冷房が切れて暑かった栞が1度車椅子に寝ぼけ頭で戻りシャワーを浴びて、ショーツだけ履いて達也のベッドに戻ってしまっただけです。(家では夏の風物詩化してる)
達也は完全に寝てたので、気づきませんでした。(ご都合主義)
達也も栞が入ってきて暑かったので無意識に脱ぎました。(ご都合主義)
結果、半裸の2人がベッド・インが出来上がりました。

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