ガンドォ!   作:brain8bit

1 / 20
 8割ノリで書いたので過度な期待はしないでネ!


第1話「入試を頑張れない」

 自分が恵まれていたかと考えたとき、わたしは十分そうだったと答えられる自信がある。そんなことを思いながら、走馬灯って時間を過ごしていた。あぁ、死ぬんだなっていう確信めいた想いが頭の中に浮かんでいた。

 

 そして、暗転。次の瞬間には、天井を眺めていた。あぁ、助かったんだって先ほどとは真逆の思いを抱いていた。そこで手を動かそうと力を入れてみて気付く。

 

 

 

 

 

 全く動かない。いや、どちらかと言えば力の入れ方が分からないと表現するのが慣用だ。動かないのではなく動けない。かと言って、不快感があるわけでもない。寧ろ余計な力が出ない分、水の中にいる様な感覚だ。状況が全く読めないために、困惑していると、わたしの体全てを黒い影が覆った。目を凝らすと、そこには巨大な人の姿が映し出される。それが、女性であるということを認識できた瞬間に事件は起こった。

 

 

 

 その人物は徐に衣服をはだけさせた。

 

 

 

 ちょっと待とう。いや、ほんとに待って。意味が分からん。動けない上に目の前で女性の上半身が露になっている。さらに、混乱するわたしを差し置いてその女性はその上半身をわたしの顔面へと近づけくるときた。抵抗しようにも前述したように体は動かない。わたしは成されるがままに、受け入れるしかなかった。

 

 そこで、ふと思った。

 

 

 

 

 

 

 あれ? 今のわたしって、もしかして赤ん坊じゃね?

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ 

 

 

 

 

 

 おっす! オラ萬實黎(ばんみり) (かなで)! どこにでもいる、個性持ちの中学1年生だ! トラックにぶち当たって死んだと思ったら赤ん坊にトランスフォーム! 訳わかんねーまま生活してたら、3歳のときにマミーと思わしき人物の傷を治してたぜ! そこでピンときちまったんだなぁ! ここは僕ヒデの世界線だってなぁ! 普通ヒロアカって略すって? うるせぇわたしの仲間内では僕ヒデだったんだよホモ好きばっかかよぉ!

 

 

 

 

 はい、落ち着きました。そんなこんなで転生ってやつです。そこはどうでもいい。とにかく、第二の人生を記憶在りきでコンティニューした訳なので、当然ご両親には驚かれました。だって、3歳児の癖にめちゃくちゃ大人びてるんだもの。まあ、このご時世個性のせいって言っとけばいいみたいな風潮あるし。正直十年以上研究してても明らかになっていない事象だからね。仕方ないね。

 

 ともかく、第二の人生でわたしがやるべきことはひとつ。身の安全を守るってやつだ。コミックもびっくりなスーパーパワーが蔓延るこのご時世、犯罪の質もパウァアゥップしてるわけです。いつどこで何が災禍として降りかかるか分かったもんじゃない。幸い、個性持ちとして生を受けたらしいので、それを伸ばして生きていこうと心に決めました。

 

 

 

 なので、わたし雄英高校に入ります!

 

 

 原作ではヴィランの襲撃とかあったと思うけど、それはしゃーない。だって、どこいても結局ヴィランは湧くものだから。そして、そのストーリーはわたしが雄英に入らなくても覆るわけでもじゃない。だったら、間近で状況を確認できていたほうがいいと思うんですよ。それに、雄英はヒーロー育成機関なわけですから? 個性や身体能力が強化されればおのずと安全に近づけるって寸法でして。

 

 そもそも、わたしの原作知識は友人が話してるのを耳にしてたことだけなんで、正直詳しい動きとかさっぱりなんですわ。知ってることと言えば、主人公君が私が来たマンから力受け継いで、四苦八苦しながらも雄英高校で成長していくこと。私が来たマンが途中でヒーローじゃなくなること。そして、雄英高校にヴィランが何度か襲撃してくること。そんなもんです。他にもヒーロー育成する高校はあるっぽいけど、情報が少なすぎるからね。なら、最高峰の教育機関狙ったほうが安全でしょ。

 

 

 

 

 

 え? そもそも入れるのかって?

 

 まあ……試験が筆記と実技があるってのは公式ホームページで知ってる。筆記は前世パワーでどうにかなるだろう。ただ実技がなぁ……。うん、それは実際にわたしの個性を紹介したほうが分かりやすだろうね。

 

 

 

 ――わたしの個性は『魔術礼装』

 

 相手の個性を一時的底上げ、もしくは弱体化する個性。着こむ服によって、その効能は変化する。

 

 

 

 

 

 うぉおおぉぉい!!! なんで別作品が混ざってくるんですかねぇ!!? どこの型月ドル箱ゲームだよぉぉおおおぉ!!!!

 

 

 

 

 

 すまない。取り乱した。

 

 いや、本当に困ります。そっちは知ってるんです色々。でも、この個性が発現したときには、あれだったよね。自分の個性を割り出すのにスゲー時間がかかった。自分も周りも。だって、着てる服によって、効能変わるんだもん。けれども、個性は体の一部。精密検査でなんとか突き止めた。でも、それが相手の個性に影響を与えるっていう点しか医者も分からなかったらしいです。四六時中その個性と付き合わなきゃならないわたしは流石に気付きましたが。5年ぐらいかかったけど。

 

 そんで、この個性だけどその名の通り、TypeMoonが誇る日本屈指のノベルゲーム。Fateシリーズに登場する魔術礼装。そして、その能力はFate作品の1つ。スマートフォンアプリゲーム『Fate/Grand Order』に出てきた魔術礼装に酷似している。ただ、原作通り魔術礼装を着なきゃいけないわけじゃなくて、着た服によってFGOの魔術礼装の魔術のどれかが発動できるって能力に置き換わっている。まあ、決して悪い個性じゃない。寧ろ、強いとも思います。ただですね?

 

 

 

 この個性で発動した魔術は自分には働かないってこと。

 

 

 前述したとおり、相手の個性に影響を与える魔術故に、自分の身体能力や思考能力に影響は一切与えない。故に、自分にバフデバフはできないんですよ。後ろで鯖にバフまいてるマスターも自分に使ったことないでしょ? それと一緒。

 

 試験の内容によっては、かなり難しいかもしれない。けど、実際やってみないと分かんない。なるべく、自分にできることを探して最善を尽くすしかない。とにかく、今やれることは自分の強化。ヒーローは体が資本。身体能力は素のままでしか挑めない以上、普通以上に仕上げる必要がある。だからここから3年間、体を鍛えつつ、個性を伸ばしていくしかない。え、どうやって伸ばすかって?

 

 

 そうだねぇ。個性発動の仕組みを簡単に説明すると、服を着ることによってわたしの体に特殊な回路が浮き上がる。おそらく、Fate世界の魔術回路と同質のものだと思う。そして、その魔術回路1種類ごとに発動できる魔術は3つ。これはFGO準拠の能力だろうね。で、まあ当然発動したらクールダウンが必要になる。それは同じ。FGOのときは大分重いターンが課せられる、連続使用はできない代物だった。ターン制のバトルで10ターン以上かかるものがほとんどだ。ターンという曖昧な表現をこちらの現実では秒単位に変換される。だから、割とクールタイムは短い。

 

 ……訳がないんだなーこれが。

 

 FGOにおけるターン数はおそらく魔術の才能がないマスターがバックアップを受けたときの限界値。このバックアップってのが恐らく超デカい。行使したときの調整も供給される魔力も、想像を遥かに超える代物だったらしい。いやまあ、あの稀代の天才(ダ・ヴィンチちゃん)が仕上げたものだしな。それだけで信憑性は十分だ。

 

 とにかく何が言いたいかって言うとだ。わたしが今、発現できる個性の効能上限はゲームの10分の1以下。クールダウンに所要する時間は10倍以上。詰まる所、使い物にならない!

 

 

 

 

 

 ……字面にすると結構ヤバいかも。

 

 今までは、なんとなく検証で使ってきた力だけど、これからは力を伸ばすために使わなきゃならない。使えるものにしなきゃ、意味がないんだ。とにかく、使い続けて伸ばすしかない。具体的には、魔術回路の強化だ。おそらくこの体組織が個性の根幹。Fate世界で魔術回路の強化ってのは代々で魔術の研鑽を積み、次世代に受け継いで成し得るもの。ということは、最良の状態になるまでには自分は生きていない可能性がある。

 

 

 

 

 

 ま、でもぶっちゃけ強化は無理でも問題ない!

 

 だって、恐らく魔術回路のガワ自体は既に整ってるだろうから。じゃなきゃ、なんの研鑽もなく魔術の発露があるわけないんです。じゃあ、どうすればいいかって? 使い続ければ多分強化されると思う。強化っていうか馴染ませるって言ったほうが正しいかな。某正義の味方を目指していた彼も、自分の魔術の本質を理解したら普通に使えてたでしょ? だから、服装によって得られる魔術を正しく理解した上で、なるたけ使いまくる! 恐らく、これが一番効率がいいと思います(ドヤァ

 

 

 

 

 

 てなわけで、これから3年間死に物狂いでトレーニングして、雄英に入れるよう研鑽しようと思います!その過程はひたすらに地味だから、ダイジェストもびっくりまるまるカットだぁ!

 

 

 

 目指せ! 雄英高校ヒーロー科!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 長いようで短かった……(激寒

 

 

 

 

 はい、3年経ちました。身体測定でなんとかSランク叩き出す程度には仕上げました。で、あんまり関係ないんだけど、この3年間で前の世界との価値観のギャップに戸惑ったよ。公立・私立共々、中学校って個性使って体育とか部活とかしちゃいけないんですよ。だから、前の世界と変わらず、運動出来たらモテんのかなって思ったら、そうでもないのね。もうヒエラルキーかってくらい個性優遇。結局のところ、派手、もしくは強い個性を持った奴がチヤホヤされてた。まあ、でも当たり前だよね。言ってしまえば、個性って身体能力の延長線上なんだから、そりゃ素の身体能力よりそっちの方に目が行くわ。中学生だし、華やかなものに惹かれるのは無理ないですよ。

 

 おっと、話が逸れた。今は仕上げ具合の話だった。

 

 

 

 

 

 

 うーん、まあ、微妙。

 

 

 

 

 

 いや、頑張ったんですけどね? 開始早々に「あ、これちゃんと本質理解して使うのめっちゃムズイしかも衣服の微妙な差異によって個性の振れ幅がやべぇどうしよう」とかなって自暴自棄気味になりながらも3つの衣服の魔術回路に絞って特訓しきったんですよ。そしたらまあ、なんというか……形にはなったけど、そこそこの能力って感じです。それはまあ、お受験のときにお披露目と行きましょ。

 

 うし、じゃあとっと朝ごはん食べて、試験会場行ってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 筆記試験終わり。いやぁ、流石偏差値79のトップ校。知識にブーストがあるとはいえ難しかった。普通に解けないやつあったわ。試験中ふと考えたんだが、常時発動系の思考力向上の個性とかあったら使ってよかったんだろうか。個性を使用して、カンニング等を行わないようにっては言われたけど、割と説明が不明瞭だったし。実は、案外機転を利かせさえすれば何してもオッケーなんですかね。

 

 まあ、終わったことだしうだうだ考えてても意味がないよね。じゃ、次は実技試験だ。なんだろう、先生方に自分ができること披露するんだろうか。まあ、流石に有名校の入試試験が酷い内容とは考えにくい。わたしみたいな個性でも可能性はきっとあるような試験にしてくれるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「受験生のリスナー! 今日は俺のLIVEにようこそぉ!! Everybody Say Hey!?」

 

 

 

 ……シーン。

 

 

 

 

 おう、こいつはイカした入試説明会だぜ。みんなの緊張と真面目な空気をソフトにしようとした人選かもしれんけど、そりゃ悪手だろ雄英。空気がキンキンに冷えてやがる。犯罪的だ、辛すぎる。

 

 司会進行はプロヒーローのプレゼント・マイクです。どうやら、ラジオ番組もやっているらしいが、詳しくは知らないです。何故って? 単純に時間がなかったんですよ。特訓ばかりで青春のせの字もない汗臭い中学校生活だったぜ……。わたし一応女なのに。思い出したらつらくなってきたから、この話はやめよう。ちょうど試験内容の説明に入ったっぽいし、耳を傾けようじゃないですか。

 

 

「入試要項通りにリスナーはこの後、10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜぇ! 持ち込みは自由。プレゼン後は、各自指定の演習会場に向かってくれよな!」

 

 

 ほうほう。

 

 

「演習場には仮想ヴィランを多数配置しており、それぞれの攻略難易度によって、ポイントを設けてある」

 

 

 ……うん?

 

 

「各々なりの個性で、仮想ヴィランを行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だぁ!」

 

 

 あっ終わったわ(白目)

 

 

 

 

 

 ……い、いやでもまだわからんし? 他の人の個性にデバフかければ? ワンチャンまだ何とかなるかもだし?

 

 

「もちろん、他人への攻撃やアンチヒーローな行為はご法度だぜぇ?」

 

 

 デスヨネー。知ってた。だって我々目指すものが平和の象徴だもの。そりゃ、ヴィランを紛いの事したらあきまへん……。もう詰み詰みの詰み。無理ゲーじゃん……。わたしの必死な3年間は水泡に帰したのです……。

 

 プレゼント・マイクに質問が飛んだり、地味目の男の子が笑われてたりするけど、もう何も頭に入ってこないです。でも、定員40名だもんね。より優れた個性の子が選ばれるのは自明の理なのです。ならば、わたしのやることは一つだけ!お、説明終わったな? じゃあ、とっと試験会場に行くんだよオルァン!? 今のわたしは、阿修羅すらも凌駕する存在やでぇ!!

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ 

 

 

 

 

 

「はいスタートォ!! どうしたぁ!? 実戦にカウントダウンなんてねぇんだよぉ! ほらとっとと走れぇ! 賽は投げられてんぞぉ?」

 

 

 ッしゃあやってやらぁ!! 全員が入り口にいる今が好機だぜぇ!

 

 

Load personality(個性起動)......Mystic code:Interact(礼装魔術回路:接続)...!」

 

 

 てめぇら全力で試験に挑みやがれぇ! 手ぇ抜いた奴ぁ、始まる前から落ちることが決定しているわたしへの侮辱としれやぁ!!

 

 

 

 

 

 

All complete(魔術発動)Battle codeⅠ: Gaining All(全体強化)!!」

 

 

 

 

 お前等全員、死ぬほどサポートしてやるかんなぁ! 覚悟しとけぇ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、半ばヤケクソになったわたしの実技試験が幕を開けた。

 

 

 




 主人公の名前と詠唱はてきとうでござる。読み方もじっただけです。

 萬實←まじつ
 黎奏←れいそう

▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。