ガンドォ!   作:brain8bit

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 余裕が出てきたので、再度浮上。




第20話「廻り廻ってhere now」

 人生を歩む上で、わたしたちには「断りにくいお願い」を聞く機会が訪れる。そう感じる理由は多種あれど、そこに断ることで不利になる「条件」があることは確かだ。その内容が断りたいものであれば、尚更悩ましい。どちらを選んでも、何かを切り捨てる事になる。そうなってしまっては、もう比重で考えるしかない。いわゆる妥協だが、今のわたしなら間違いなく断ることを選ぶだろう。

 

 だが、どうしようもない事実がひとつ。どう断るべきか皆目検討もつかない点だ。ただでさえ背負い難いデメリットを負うのに、これ以上胃痛の種が増えてもらっては困る。だから、なるべく穏便克つ平和的に――

 

 

 

 

 

 

 

 

『何? 学校のツートップに宣戦布告されてるけど断り方が分からない? それは君が周りの視線を気にしすぎてるからだよ。逆に考えるんだ。受けちゃってもいいさと(挑戦を)』

 

 

 

 …………出来てればより円滑な世の中になっているだろうに。葛藤で茹だる(あたま)をなんとか廻すが、答えは出ない。むしろ、変な幻聴すら聞こえてくる始末。幻聴とは分かってはいるのだが、無視を決め込むのも収まりが悪い。敢えてそれに答えてやるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 いいわけないだろ(迫真)

 

 

 

 

 

 

 

 実戦形式のタイマンとかわたしガンメタじゃねーか。断っても良いって前置きがある以上、手を抜くわけにもいかないし八方塞がりも良いところだよ。てか、そもそも今の幻聴は何です? なんか、青空をバックにしてうっすらと知らないおっさんの顔が浮かんできた気がしたんだけど……絵面怖っ。怖くない?

 

 

 

 はぁ……。否応なしに予感的中。しかも二人同時に食って掛かってくるとかなんなん? お前ら実はわたしのこと大好きだろ。その愛情表現が肉体言語とかチョットイミガワカラナイ。末恐ろしいとかいうレベルじゃねぇや。

 

 

 

『いきなりか……二人以上に指名されて受けたい場合はどちらかに絞れ。このレクリエーションの目的は他クラスとの交流を深めることだ。同じクラスでも悪いとは言わないが、建設的に行動しろ』

 

 

 

 おっ、ええこと言いますやん。

 

 そーだぞー。二人とも日常的に顔会わせるんだから控えなさいな。栄えある推薦組と筆記試験1位の実績持ちなんだから分からないはずないでしょ? A組だからとかいう贔屓じゃなくて、機会は平等に与えられるべきだと思うんです。

 

 え、却下してる割にはどこか達観してる? そこまで焦っているようには見えない? いやぁ、うん……最近は諦めることも大事かなぁって思い始めてまして。そりゃあ、やりたくないことは勿論やりたくないんだけど、ワガママが全部通るようなことって滅多にないじゃん? だから、とりあえず気乗りしないようならそれなりに手を抜いた方が楽かなって……ね?

 

 あ、今しょーもないって思ったでしょ。ちーがーいーまーすー。これは自分の精神状態を踏まえた上での自己防衛なんですぅー。ホント割り切らないとやってらんないよ。ただでさえ胃痛が止まらんのに、これ以上の面倒事は勘弁してほしい。

 

 

「とはいえ、最終的な決定権は萬實黎さんにあるわ。受けるも断るも好きになさい!」

 

 

 ミッドナイト先生。その判断を丸投げするスタンスは一番困るんですが。なんならさっきまで断れそうな雰囲気があったのに、見事に霧散したんですが。わざとやってます? ねぇ、楽しいの? サポートキャラに火力キャラをぶつける事がそんなに? あ、本当にワクワクしてる表情張り付けてら。悪気なんて一切無い純粋な気持ちなんですね理解しました(やけくそ)。

 

 

 

 

 

 

「いえ、受ける理由がありません」

 

 

「あ"ぁ!?」

 

 

「おい……!」

 

 

 

 凄むんじゃねぇ。気絶すんぞオラァ。

 

 

 やだよ。受けるわけないじゃんエキシビションマッチなんて。酷い結果になるの目に見えてるでしょ。何が楽しくて真正面からの戦いなんてするんですか。あん? 妥協して受ける流れじゃないのかよって? バッカ、お前さん方一旦ふたりの顔見てみ?

 

 

 

「…………ッ!!」

 

 

 

 どう見ても中指突き立てながら「屋上」って言ってる表情だよネ! 冷静さを失ってる奴らの相手なんかしたら間違いなくヤバいに決まってらぁ! ふたりともその辺のヴィラン程度だったら悠々と制圧するような実力持ってるし、バトったら絶対に怪我するじゃんよ!? リカバリーガール緊急出動からのザオラルとか洒落にならんし!! 妥協するとは言ったけどそこに自分の命が関わるなら、世間体かなぐり捨てても尻尾巻いて逃げますからねっ!!

 

 

 

 

「なんだ、受けないのか?」

 

 

「A組のトップなのに……まあ、オレも断るけどな」

 

 

「試合って言ってもレクリエーションだろ? ビビりすぎじゃね?」

 

 

 

 

 ぐぬぬ……好き放題言いよってからに……だが、山は越えた! 後は何も言わないで耐えていればいいんだ! 参加は自由なんだから、わたしは何も悪いことしてないし! 空気読めとか言われても背に腹……命に雰囲気は変えられないでしょ!!

 

 

 

「あら残念ね。でも、受けない理由もないんじゃない?」

 

 

 

 が、ダメ!!

 

 

 痛いところしか突いてこないなホント! そういうとこだぞミッドナイト先生!! ドSキャラが売りなのは分かるけど、無神経なのはちと違うんじゃないかなぁ! あーたさっきは受けるも断るも自由にしろっつったじゃぁん!! そんなだから三十路手前でいきおくr「今、失礼なこと考えたかしら?」いいえなんでもございません(滝汗)。

 

 と、とにかく! こうなった以上、今はどうにか状況を打開する言い訳を考えねば! いや、言い訳も何も本当ならする必要がないんだろうけども! 流石にやりたくないってだけで断っちゃったら雄英の面目が立たんし! けど、あるのか!? わたしがダメージを負わないでこの場を諌める方法が!? んな都合の良い策があったら苦労しないんだよぉ!!(ヤケクソ)

 

 

 

 

「ば、萬實黎さん……どうしたの?」

 

 

 

 

 どうしたも何もちょっと絶体絶命な感じなんですよ。どうしようね……うん、心配してくれてサンキューな緑谷少年。直感的に困った人に寄り添おうとするその行動力。さすがヒーロー志望の主人公だよ。まったくこんないい子だっているってのになんでわたしはやべぇ奴に目をつけられているんですかね? ふたりとも少しは緑谷少年を見習っていくべき……いくべき………………あ。

 

 

 

「えっと……大丈夫?」

 

 

 

 閃いた。閃いちゃったけどこれは流石に人としての何かを失いそうな気がする。そんな善意につけこむようなことヒーローの卵がやったら絶対イカンことだと思うんだが。いやでも待て実際に言質あるし? なんならあっちから頼んできたことだし?? むしろ問題ないのでは??? そう思えばなんか感謝されるべきな事な気すらしてきたそうすべきうんうんよぉし覚悟(いいわけ)完了!

 

 

 

 

「緑谷君。この前のアレ、今返答する」

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

「――君に(・ ・)、付き合ってあげる」

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 なるほど、と俺は頷いた。

 

 ヒーローという職業柄、我々は他人の期待に応えるという責務を公に背負っている部分がある。俺のようなアングラ系は少々特殊ではあるものの、一度現場に出てしまえばそんなものは些細な問題だ。人を救える、救えない。ヴィランを倒せる、倒せない。当事者にのしかかるのは過程ではなく、その結果だけだ。一部の過程における努力や負担なんぞ明るみにはそう出るものじゃない。

 

 故に、だ。

 

 今の場面、萬實黎がふたりの申し出を断るという選択をしていたなら、俺はアイツに説教をかましていたかもしれない。

 

 自身の力量を鑑みた上での判断はヒーローに必要不可欠だ。そう、不可欠。無くては話にならない。そこまででスタートラインかつ最低限。求められるのはさらにその先なんだ。極論の良し悪しの話だけで片付けられるほどこの世は簡単に出来ちゃいない。相対評価の末に与えられる結果論に委ねられる。無茶苦茶な話かつ矛盾に満ちているがコイツが現実だ。

 

 まあ、口上をグダグダと述べたが要するに「ベスト」ではなく「ベター」な結果を残す必要があるって話だ。結果を先に言うべきだった。合理的じゃなかったな。

 

 最高のパフォーマンスを目指すことは良い。だが、それを実行不可能な場合はどうするか。最高の動きが出来ないから諦めるのか。あぁ、答えは違うとも。ならばこそ「最高」ではなく「最良」の選択をしなければならない。

 

 萬實黎の行動はその最良のうちのひとつだった。自分に出来ないのなら誰かを頼る。俺自身が指南したことでもあるな。評価としては活かせているようで何よりと言ったところだ。自己犠牲の精神がヒーローの本懐であるが、過ぎればただの傲慢に成り下がる。

 

 まあ、その点アイツは元々個性の性質上、人頼みな部分はあった。故に他人を使う事に躊躇はなかったように見える。問題視すべきは自分をも駒として使う冷淡さだ。職員室の一件以来は鳴りを潜めたが、その行動原理がアイツの心に根付いてしまっている以上監視を続ける必要がある。後から聞いた話ではあるが、俺が脳無とやらに取り押さえられている間にやらかしかけたらしいしな。13号曰く「致し方無かったとはいえ、あれは先輩の無茶も原因ですし」との事だが……だとしてもだ。USJ以降には未だアイツを追い詰めるほどの困難は現れちゃいない。その時の判断をこの目で見るまでは、変わらず見守――。

 

 

「……どの口が『肩入れし過ぎ』なんて言えるんだか」

 

「なんか言ったかイレイザー?」

 

「なんでもねぇよ」

 

 

 とにかくだ。判断は今のところ良好と言える。言うほど追い詰められているようには見えないがな。いや、部分的には追い詰められているか。萬實黎という少女を形成している内核の一片。為人(ひととなり)は極僅かながら理解できたことがある。

 

 

 

 

「かなりのものぐさ(・ ・ ・ ・)……お前、実は結構イイ性格してるだろ」

 

 

 

 

 じゃなきゃそんな判断しないだろ。飛び火した緑谷(ソイツ)の顔見てみろよ。読んで字の如く鳩が豆鉄砲を食ったみたいに固まってんじゃねぇか。流石に俺でもどうかと思ったぞ――。

 

 

 

 

 

 てか、ぶっちゃけちょっと引いたわ。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 その人は、すごい人だった。

 

 

 月並みな表現だけど、その一言に尽きた。僕に持っていないものを沢山持っていたんだ。サポート系の個性を活かしてUSJでは13号先生を治療したし、大局を見渡す判断力と奇想天外な策略で体育祭の予選では試合を放棄して勝負をものにした。嫉妬の類とか、そんなんじゃない。純粋に自分に出来ないことをこなす姿に憧れたんだ。

 

 

 

 でも、どうしてだろう。さっきは声をかけなきゃって思えた。正直、普段は顔色ひとつ変えないから、あんまり何を考えてるのも分からない人だから、僕なんかが何かを手伝えるような余地なんてないと思ってたのに。具体的な将来設計があって、そのためには努力や挑戦を惜しまない。そんな彼女に……萬實黎さんに僕が出来ることがあるとは思えない。だからあんな、中途半端な声の掛け方をしてしまった。

 

 

 

 

 

『えっと……大丈夫?』

 

 

 

 

 

 けれど、それはある意味正解だったのかもしれない。僕自身がたった今置かれている状況。元をたどれば、自分がそう望んだことでもあるんだ。人一倍誰よりも努力を必要とする僕にとってはありがたい事に違いない。オールマイトにも言われたんだ。ここで証明しなくちゃならない。僕が来たって事を、この体育祭で。これから訪れる試練はチャンスと同意義だから、全部乗り越えて証明しなくちゃ……僕が此処にいるってことを! だから――!!

 

 

「萬實黎さん!」

 

「ん」

 

「この機会をくれてありがとう! でも、ひとつだけ言わせて欲しいんだ!!」

 

「ん」

 

 

 

 

 

「なんで僕が此処に立ってるのかna「ぅるっっせぇぞクソデク逃げんじゃねぇカスコラァアア!!!」ひぃいいいぃぃいい!!!?」

 

 

 

 

 

 ファイアインザフォゥ(爆発するよね知ってた)!?

 

 本当に凄いことになってるよ!? なんで僕かっちゃんと戦ってるの!? まだ本選も始まってないのに!?いや、事の発端は分かりきってるんだけどね!? まあ、原因というか元凶という方が正し……んんっ、違う違う。元はと言えば僕が言い出した事なんだ。彼女を責めるのはお門違い……なはず(チラッ)。

 

 

 

「╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ」

 

 

 

 ………………うん! 応援してくれてる気持ちは伝わったかな!!(自棄)

 

 

 

 やっぱり無謀だよぉ!! 何の準備もなく個性の調整練習……しかもいきなり実戦なんてさぁ!!? しかも、相手はあのかっちゃんだよ!? レクリエーションとはいえ流石に無理があると思うなぁ!? 確かに頼んだのは僕だけど、今このタイミングでやろうとは思わないよ! 急拵え過ぎて出来たことと言えば僕の個性に対するイメージを萬實黎さんに伝えただけだし……その肝心の萬實黎さんも――。

 

 

 

 

「…………?」(首かしげ)

 

 

 

 

 何故か! 個性を!! 使う気配がない!!!

 

 てっきり僕の個性発動タイミングで弱体化の効果を着けてくれるのかと思ったんだけど、全く動く素振りとかないんですけど!? どうして不思議そうな顔して見てるの!? 僕がすべき反応だよねソレ!? いや、相変わらずの無表情だけども!!

 

 

 

 

「逃げるばかりかよそ見するたぁ……余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ三下ァ!!!」

 

 

 BOOOM!!!!

 

 

 

 うおっとっと!!? あ、危ない……というより気が抜けない……! センスの塊みたいなかっちゃんを相手にしてるんだから当たり前なんだけど、それはそれで実は他にも問題があって――。

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

 

 

 

 

 かっちゃんの爆撃から逃れるためのサイドステップ。けど、嫌な寒さが五感と六感に押し寄せるのを感じた。その勢いのまま側転、手が着くと同時に前方に力を込める。反動に体を委ねると、先程まで後ろに居たはずの萬實黎さんは僕のとなりに来ていた。

 

 

「あ、危な――」

 

 

 顔を上げながら月並みな言葉を口に出そうとして、そこで止まった。視界に先程まで一悶着あった場所が入ったからだ。予想通り、と言えばそれだけなのだろう。けど、それでも、実際に認識してしまえば怖じ気が背中に走った。感覚的なものなのか、精神的なものなのか。それを判断出来るほどの余裕は、今の僕にはない。

 

 

 

 

 

「ッッスゥー………ハァ」

 

 

 

 

 

 

 言い忘れてたけど――

 

 

 

 これは僕が最高にヤバイペア(轟くんとかっちゃん)を相手にする物語だ。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 いや、うん、何て言うべきだろうか。目の前で緑色のモジャモジャヘアーが激しく揺れるのを眺めながらただ突っ立ってるのもアレなんで何か喋るべきだと思うんだわたしは。というか、その揺れてる原因もわたしだしな。

 

 はい、という訳で見ての通り緑谷少年を巻き込みました。しかも彼が8割ぐらい負担を受け持つ感じで。しかも、その加負荷を与えてくるのが轟少年と爆豪少年という難易度ルナティックっていうね。文字に起こしてみると我ながら酷過ぎて直視できねぇや(目そらし)。

 

 とまあ、なんでこんな事になったのかというとですね。わたし思ったんですよ。どっちかを選べないんなら、どっちも選んじゃえって。だって、考えてください? 片方選んでももう片方から憎まれそうですし、両方受けないってのも場の空気的に難しい。かといって、相澤先生も尺を考えろって指示してるんですから、もう一辺に引き受けるしかないじゃないですか(怒)。

 

 

 

 そ ん な わ た く し の た め に ぃ。

 

 

 

 流石に2対1は無理ってことで数日前に告白(大嘘)してきた緑谷少年を防御表示で召喚したって寸法です。「お前個性の練習したいって言ってたよなオルァン!?」的な感じで。そんで、ここからが一番重要なところ。そう、試合形態の話です。

 

 

 

ルール:

 

両チーム共に前衛1人と後衛1人に別れて戦うスタイル。基本的に前衛同士が戦いつつ、後衛がソレを援護する。前衛は相手の前衛・後衛どちらにも攻撃可能だが、後衛は自軍前衛の補助及び相手前衛のみにしか直接攻撃できない(相手後衛に対する非直接的な妨害ならば可)。

 

 

勝敗条件:

 

自軍前衛が先に相手前衛を戦闘不能にする、もしくは自軍前衛が相手前衛を掻い潜り相手後衛に攻撃を当てたら勝利。

 

 

 

 うんどう考えても緑谷少年をこき使う気満々ですありがとうございました!(残当)

 

 でも、一応真面目に考えたんですよ? 少し言い訳っぽいけど、ちゃんと緑谷少年が個性を活かせるように且つわたしの個性も十全に使えるようにするためのルールにしたつもりですし。相手? 挑んできた以上はこっちの得意分野でやって貰うのは当たり前だよなぁ!? 盟約に誓って(アッシェンテ)!!

 

 

 

 で、決めた後に思ったんですよね。この形式どこかで見たことあるなーと。なんならわたしの個性とかそこら辺の根幹に位置するナニカなんじゃないかなーと。うん、察しのいい人なら気づくと思う。

 

 

 

 これ、まんまFateの構図じゃん。

 

 

 

 理想の形態を模索したら原作に行き着いたの巻。まあ、当然と言えば当然でしょうな。マスターとサーヴァント。基本が前衛同士のぶつかり合いで、後衛はそれの補助。うむ、惚れ惚れするほどのリスペクト(パクり)具合だよ。なにこの利己的ルールはたまげたなぁ……。

 

 まあ、ルールも決まって、ミッドナイト先生と相澤先生からも許可が降りた上で、役割分担になったんですけどねぇ……こっちはともかくあっちは随分と揉めてましたよ。どっちも闘争意欲丸出しだから前衛にこだわりまくるわまくるわで中々決まらんかった。

 

 結局、個性や戦闘スタイルの都合上爆豪少年に軍配が上がったみたいです。そして、いざ実戦という場面に至っている今現在。わたしは緑谷少年の背中を見つめている。やってることは軽い指示ぐらい。え、個性のサポート? うん、最初はわたしもそのつもりでしたよ。自分への被害が滅茶苦茶軽いっていう役得状況ですし、なんなら普段よりやる気満々でした。でもですね、ひとつだけ失念していたことあるんですよ。

 

 

 

 

 

 

 すまない、緑谷少年。

 

 わたし、個性使えない(チア服着てる)んだわ。

 

 

 

 

 

 

 ………マジでどうしよう。

 

 

 






 すすまねぃ。


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