ガンドォ!   作:brain8bit

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主人公は普段はですます口調多め。キャパオーバー起こすとなりふり構わなくなります。


第3話「ホウレンソウは教師側もしっかりしろ」

 やあやあ皆の衆。春休みに傷心しきっていたわたしだ。奏しゃんだ。とてもじゃないが、傷は癒えるどころか、登校日が近づくにつれて爛れていくような感覚でした。

 

 いやだぁぁああぁあ!!! がっごういぎだぐないでずぅ!! こんなことなら辞退して……いや使えるものは使う主義なんでそれだけはないですねハイ。布団の中で現実逃避してたら麗しのお母様に引っぺがされて、そのまま床にダイブ。そのままフローリングにダイレクトキッスでございます。クッソわたし第二の生のファーストキスが無機物だとは思わなんだ。じゃあ、ノーカンですね(適当)。はいはい、分かりましたよ。行きますよ。ていうか、なんでこんな朝早いんですか。学校まで徒歩30分なのに、なぜわたしは2時間前に起こされている? え、登校が最後になればなるほど注目を集めるから、人が少ない間に教室に入っとけ?

 

 お、お母様ぁ!! そんなことまで考えていらっしゃっていたのですか!? 感激でわたしのやる気がうなぎライジングぅ!! やはり、持つべきは良き両親ですなぁ……。そういうことであれば、この不肖、萬實黎奏、一番乗りで登校させて頂きますぅ!!

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、雄英高校に到着したわけですが、早すぎたなこれ。昇降口が閉まってらぁ。1時間近く暇になってしまいました。確か敷地に入れるのはID持ってる人間だけなんですよね? 校門が開いてるってことは、少なくとも先生方はもう来てるってことでしょ。なら、少し待ってりゃ気付かれると思うし、このまま待たせてもらいますかね。

 

 

「おや、こんな朝早くに登校してくる生徒がいるとは」

 

 

 ほら、噂をすれば影ってね。いやー、これで晴れて一番乗りってわけですよ。わたしの未来は明る――。

 

 

「はっはっは! その心意気は実にGoodだ萬實黎少女! やっぱり、他者を思いやるためには厳しく己を律さければならないからね! 流石入試レスキューポイント№1だ!」

 

 

 人違いです失礼しました。

 

 アイエエエ!? ナンデ!? どうして平和の象徴がこんなところにいるんです!? いや雄英で教鞭をとるってのは聞いたけど、それにしてもなんでいま邂逅しちゃう感じなんですかね。しかも、また変な勘違いしてらっしゃるよね。拝啓お母様、お元気ですか。わたしは減気です(白目)。

 

 ……あぁ、違うんですよ。そうだよ思い出してきましたよ……うっ、この心臓に負担のかかる感じはそう! ストレス! 申し訳なさが行動原理の全てを縛ってしまったかのような感覚! そんな、安心するような笑顔で称賛しないでください……わたしの心はぼどぼどですぅ。

 

 

 

 

「むむむっ、どうしたんだいそんなに震えて……はっはぁーん? さては私を生で見るのは初めてなんだね? この恥ずかしがり屋さんめ! でも、安心したまえ! これからは私も授業を受け持つからね。学校に来てさえいれば、何度でも私を拝めるというわけさ! HAHAHA!!!」

 

 

 

 

 めちゃくちゃ自尊心の塊みたいなこと言うなこの人!?

 

 いや、でも確かにヒーローとしての実績はナンバーワンなわけですから、実際に目の前にしたら委縮しちゃう人とかいるでしょうよ。でも、残念! わたしの心には響かないぞオールマイトぉ!! むしろ、ヒビ入れてるからな? おっと心は硝子だぞ(白目)。

 

 

「おっと、ついつい長話してしまったようだ。わたしも色々準備があるからね。これで失礼させてもらうよ。君の今後の活躍に期待している! では、さらばだァ!!」

 

 

 言いたいこと言ってどっか行きやがりました。はあ、どっと疲れた。もう朝から余計な神経擦り減らすことになりましたよ。わたしの個性は神経に関係するものなので、本当にやめて欲しいですハイ。あ、ていうか結局昇降口開けてもらってないじゃないですか。いや、言ってないわたしも悪いし、自業自得なんですけどね? もっとこう、別の先生が来てくれたら良かったと思うんですよ……いや、逆に考えよう。手を借りなくて良かったんだって。これ以上、訳の分からない罪悪感を作りたくないし、寧ろ薄れた気もするから大勝利なのでは? ふっ、やはりこの奏さんに死角はなかっt

 

 

 

 

 

『私が校内放送で戻ってきたァ!!』

 

 

 

 ひぃっ!? 何事ですぅ!!?

 

 

『学校長に頼んで、昇降口のロックは解除しておいたからね! 心置きなくヒーローとしての一歩を踏み出してくれたまえよ! それじゃこれから3年間共に研鑽を積んでいこう!! HAHAHA!!!』

 

 

 わー、しごとはやーい。人が口に出さなくても、抱えてる問題を解決してくれるなんて流石平和の象徴だぁ……。ちくしょう涙で前が見えねぇ。嬉し涙は甘いっていうけど、バリバリにしょっぱいじゃねぇか。ん? 本当に嬉し涙かって? 馬鹿野郎! 人に助けられて恨み節ぶつけるやつがヒーロー科入れるわけないだろいい加減にしろ!! これは嬉し涙だ……誰がなんと言おうと嬉し涙なんだ……!(血涙)

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 教室1-Aに到着しました。音声案内を終了します。

 

 なんかドアデカい。あ、でもそんなに重くないんですね。めっちゃバリアフリー。教室の様子は……割と一般の学校と変わらないデザイン。少し安心しましたよ。でも、外からの様子だと完全に高層ビルだったからね。廊下とかも壁が全部ガラスだったりしたし、最新鋭の学校ってのは間違いないっぽい。敷地も広すぎて下手すりゃ迷子ですよ。まあ、広すぎて寧ろ本能的に「あ、ここ行ったら間違いなく帰れなくなるわ」って察する場所とかあるし、逆に迷子にならない説ありますね。

 

 と、さっさと席について読書でもしてようか。あ、その前に今着ている学校指定の制服で魔術回路を通しておこうか。春休み中に届いて1ヶ月程度しか馴らせてないからさ。ある程度調整しておかないと、発動もままならないし。本当なら1つの礼装に対して1年はかかるんですけどね……。ちょっと前まで一般人だった奴に魔術の本質を理解しろとか無茶ぶりすぎんよぉ。

 

 

 

 

Load personality( 個性起動 )......Mystic code:Interact(礼装魔術回路:接続)...」

 

 

 

 

 ……んっ。やっぱりいつになっても通した時の感覚は慣れない。正確にはあまり使ってない魔術回路のときは慣れない、だけどね。馴染んでない証拠です。さてさて、この礼装で使える魔術の再確認をするわけですけど。

 

 

 

 

Landing Circuit:Full Open(回路循環:開始)...ッ」

 

 

 

 

 あっづぅ!!? 毎回覚悟してるけどやっぱり馴染んでいない回路に魔術を無理やり流し込むのはキツイ……。でも、学校(ここ)じゃ細かな調整は効かないからしょうがないんだよね。学校指定の服を改造するわけにもいかないから……。イメージの問題なのは分かってるんだよ。わたしの中にFGOの礼装だとあれが使えるっていう明確なイメージがあるからどうしても引っ張られる。服装は言わば土台。そこからイメージされる事象がその時の魔術回路の構成に直結する。だから、制服っていう中途半端なイメージが原作を引っ張ってしまって、その差異が魔術回路のアラに繋がっている。でも、人が抱いた固定観念ってのはそう簡単に払拭できるもんじゃない。わたしが最初に抱いてしまった所感はどれだけ忘れようとしても無理なんです。だって、それがわたしの個性の原点(オリジン)だから。

 

 

 

 

「...Battle cord:Install(概念固定:承認)!」

 

 

 

 

 ……ふう、なんとかなったぜ。でも、こんなちぐはぐな回路じゃ、大した魔術は発動できないな。一番似てる制服にイメージ引っ張られたけど、これは多分『アトラス院制服』っぽい何かだなぁ。共通点はブレザーっぽさとネクタイだけ。色合いやらヒラヒラとの整合性が低すぎる。発動できる魔術は――。

 

 

 

ガラガラッ

 

 

「む? 一番乗りかと思ったんだが、どうやら先を越されてしまったようだ」

 

 

 っと、誰か来た。お、見覚えある人ですね。実技試験でめっちゃ足が早かった人だ。名前は知らないですけど。うーん、これまた優秀そうな顔立ちでいらっしゃる。絶対、中学では委員長とかやってたタイプと見た。まあ、これから3年を共にするかもしれないクラスメイトのひとりだ。ファーストインプレッションは重要でしょう!

 

 

「おはよう、わたしは萬實黎奏だよ。実技試験で一緒だったの覚えてる? お互い合格できてよかったね」

 

「あの時巨大ヴィランに立ち向かっていた君か……! ぼ――俺は飯田天哉。私立聡明中学の出身だ」

 

「うん、よろしく」

 

 

 うむ、こういう自己紹介も久しぶりだな。フランクな感じでクラスメイトとの自己紹介。中学3年間を特訓に捧げた甲斐があったというものです。わたくし当たり前の日常を享受できて感涙でございます。実際に泣いたりしたら、ドン引きされそうだからしないけどね。

 

 

 

 

 

「不躾なことを聞くようで悪いんだが……君は実技トップだったな。しかもレスキューポイントのみでその成績だったと聞く。君はあの試験の構造に気付いていたのか?」

 

 

 前言撤回。なぁんで人の一番闇な部分に突撃してくるんですか。わたしの貴重な感動を返せ。そもそも何故他人に入試成績が漏れているのか。えぇ、どうしよう。普通に真実を話したらいいのか、それともオールマイトが言ってたようなことで虚偽報告すればいいのか……。でも、飯田君は真面目に入試の結果を聞きたいだけなんだろうし、嘘を吐く理由もないんだよなぁ。しょうがない、正直に話すか。

 

 

「気付いていた訳じゃないよ。ただ、わたしの個性は相手が個性持ってないと効果がほとんどないものなんだ。だから、あの時は自分にできそうなことを手当たり次第にやっていただけだよ。レスキューポイントの存在も後から知ったし……まあ、棚ぼたってやつかな」

 

「なんだって!? 俺はてっきり気付いてやっていたものだと……驚いたな。でも、利己的な考えで人を助けて、雄英が合格させるわけがない……すまない! どうやら俺は君を邪推していたようだ……!!」

 

 

 なんで、ヒーロー科受験者すぐに謝るん? 別に自分悪くないやろ? 試験なんだから他人を蹴落とすのは当たり前でしょ。ん……? てか、ちょっと待てや。君その言い方はもしかして勘違いしてらっしゃいます? おい、キラキラした目でこっち見んな。キラキラしすぎてメガネ発光してるんですけど。唇を震わせながら、どんな言葉を紡ごうというのだね。別に聞きたくないから、何も言わないd

 

 

 

 

 

 

 

「感動したよ萬實黎君! やはり、実技のトップはなるべくしてなったものだったんだな……!! 自分ではなく他者を優先して動くその志!!

 

 

 

 君は僕の理想のヒーロー像に最も近しい人間だ!!」

 

 

 

 やっぱりなぁ!?

 

 だから違うっつってんだろぉ!? わたしはわたしのできる(八つ当たりの)最大限をその場で発揮しただけなんだよ……!やりました……。やったんですよ! 必死に! その結果がこれなんですよ! ヤケクソで個性使って、他人を助けて粋がって、今はこうして雄英の教室にいる! これ以上なにをどうしろって言うんです! 何と戦えって言うんですかぁ!

 

 

「君の様な崇高な人間と、研鑽を積めることを誇りに思うよ。これから3年間、よろしくな!」

 

 

 綺麗な顔してるだろ。コイツ勘違いしてんだぜ?

 

 うわぁぁあああぁあ!! なんでこうなるんですかぁ!! ここまで来たら「ヤケクソでやりました」なんて言えるわけないじゃないぃ!! ていうか、他人の入試の結果勝手に発表するなよ雄英! 個人情報の守秘義務をちゃんと全うしてくださいよぉ……。握手求められてるけど、こんな取りづらい握手久々すぎる。もういいや、握手して本読みたいって言って無心になろう……。

 

 

「おっはよー! あれ? まだまだ人少ないね!」

 

 

 なんか個性の塊みたいな女子来た。見たらわかる、異形系の個性や。なんか角生えてて、肌がピンク色とかめちゃくちゃキャラ立ってますやん。その手の高尚な癖をお持ちの方々からしたら涎もんですね。女子女子してんなぁ……ま、わたしみたいな陰キャには縁のない子でしょう。

 

 

「ねぇねぇ! 私、芦戸三奈! よろしくねー!」

 

 

 めちゃくちゃグイグイ来ますねぇ!? これ最初に登校しても最後に登校しても同じだったのではないか!? ちくしょう計ったな母上ぇ……。話しかけられた以上会話せざるを得ないよこれ。テンションについて行けるか心配なんですが……。

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 やぁっと、解放されましたよ。やっぱすげぇよ三奈は。会話のタネが湯水のように湧いてくるんですもん。あれは、男をダメにするタイプですね確実に。そして、勘違いして枕を濡らす男子を大量する生産する恐ろしい娘やでぇ……。

 

 話しているうちに、クラスメイトもほぼ全員集まってたみたいです。芦戸ちゃんが賑やかなせいで気付かんかったよ。飯田少年は前の席の人と揉めてるし。ってか、前の男子ガラ悪っ!? よくその素行でヒーロー科入れましたね……。まあ、ヒーロー界隈が実力主義っていうのはずっとそうだったし、多少は見逃されてるんだろうなぁ。

 

 

 

ガラガラッ

 

 

 

 おっと、ドアが開いたぞ? あ、もっさり君やん! はえー、合格してたんですか。実技試験のときはすまなかったね。そして、ありがとう。君のおかげで女子二人が救われたぞ! まあ、わたしのせいで周りが調子がよかったことは言いませんがね!!

 

 てか、あのもっさり君どこかで見たことあるような……あれ? もしかして、僕ヒデの主人公君では!? うわぁお、なんで思い出せなかったか不思議なくらいだよ。ジャンプの見開きにも載ってたこともあるのに。なるほど、だったらあの主人公ムーブも理解できますね。それならきっと、わたしが何もしなくてもあの子を助けてたんだろうなぁ。

 

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け……」

 

 

 なんだあの芋虫

 

 あ、寝袋か。個性かと思いました。え、クラス担任? マジかよめっちゃ浮浪者みたいな見た目してるじゃなですか。しかも、先生ってことは一応プロヒーローだよね? 大丈夫かこの先生。はい? 着替えて表出ろ? ちょ、わたしさっき魔術回路馴染ませたばっかりなんですけど。って聞いちゃいないしどっか行ったぁ!? 入試のときも思ったけど、事前の説明が雑過ぎんだよ雄英ぃ!!文部科学省に言いつけんぞ!?あ、ここは自由な校風が売りでしたね。くっそ曖昧な売り文句過ぎて涙がちょちょぎれるわ。

 

 

「む? 萬實黎君、他の女子は更衣室に向かったぞ。君も早く追いかけたほうがいいんじゃないか?」

 

 

 はっはっはそんなわけ……あったわ。みんな適応早すぎでしょ。マジかよ……また、回路組み立て直しだよ。だったら、尚更行けないわ。

 

 

「ごめん、ありがとう。でもわたし準備することがあるから……飯田君も先に行ってていいよ」

 

「うむ? ……雄英の生徒としている以上、遅刻は厳禁だからな。なるべく急ぐんだぞ」

 

 

 あいよ。ったく、ここで全く新しい礼装の準備ですか。そういうのは事前に言っておいてくださいよ……うだうだ言っても状況は好転しないか。時間もないしなるべく迅速に仕上げよう。本当はやりたくないんだけど、初日から躓くわけにもいかないしね。今成し得る万全を期して挑むとしよう。

 

 

 

 目的地は女子トイレ! さっさと向かうとしますか!

 

 

 




 キャラの口調とか、正直うろ覚えです。違和感あったらすみません。

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