優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

1 / 61
どうも、新年明けましておめでとうございます。
久しぶりにポケ戦を見て書きたくなり書きました。
文才ありませんがよろしくお願いします。


ポケットの中の戦争

「アル…いいかいよく聞いてくれ。この包みの中には俺の証言を収めたテープや証拠の品が入っている。このコロ二ーが、核ミサイルの標的になった訳を知る限り喋った。」

 

U.C.0079年末期。12月25日サイド6リボーコロニーの木々の生い茂る斜面で一人の少年が走っていた。

 

「もし俺が死んだら。これを警察に届けてくれ。もし大人が本当だと信じてくれたらこのコロニーは救われると思う。」

 

自分達のため、敵でありながらこのコロニーを助けるために戦っている友を止めるためである。

 

「俺が直接警察に自首しようとも思ったんだが…

なんだかそれは逃げるみたいに思えて、ここで戦うのを止めると自分が自分でなくなるような……」

 

彼は後一機撃墜すればエースと言っていた。後に嘘だったと聞かされても嘘ではないと少年の心の中では思っていた。

 

「連邦が憎いとか、隊長達の仇を討ちたいとかそう言うんじゃないんだ……

あいつと……ガンダムと戦ってみたくなったんだ。」

 

彼は一人で圧倒的性能差のあるガンダムアレックスにザクⅡ改で挑んでいる。ガンダムなど楽勝だと彼は言っていたがどう見ても彼のザクⅡ改はもはや満身創痍だ。

 

「俺が兵士だからなのか、理由は自分でも分からない。」

 

少年の中では彼は英雄でありヒーローだ。彼は死ぬはずがない。死んでほしくない。そう願っていた。

 

「アル、俺は多分死ぬだろうが、その事で連邦軍の兵士やガンダムのパイロットを恨まないでくれ。彼らだって俺と同じで自分のやるべきことだと思ったことをしてるだけなんだ。」

 

例えそうだとしても、恨まないはずがない。自分達を核攻撃から救うために戦っている大切な友達を殺されて恨むなと言うほうが無理である。

 

「無理かもしれないけど、そのことで他人を恨んだり自分のことを責めたりしないでくれ。これは俺の最後の頼みだ。」

 

最後なんて言ってほしくなかった。また一緒にハンバーガーを食べて遊んだりしてほしかった。本当の兄のように思っていた。

 

「もし運良く生き延びて戦争が終わったらさ、必ずこのコロニーに帰ってくるよ。会いに来る。約束だ。」

 

やめて……やめて!

 

ザクとガンダムが最後の力で互いに武器を構える。

ビームサーベルを構えるガンダム。ヒートホークを振りかざすザク。最後の一撃を繰り出す。

 

「バーニィ!もう戦わなくていいんだ!バーニィ!!」

 

少年アルは戦う必要のない友達バーニィに叫ぶ。

 

 

 

止めることが出来なかった。

 

 

 

ガンダムはザクのコクピットにビームサーベルを突き刺し、ザクはガンダムのメインカメラを切り落とした。

アルはその瞬間時間が止まったように思えた。

 

「これでお別れだ。じゃあなアル!元気に暮らせよ!クリスによろしくな」

 

目の前でバーニィの乗るザクⅡ改が爆発する。ガンダムは倒れ大きな音を出す。アルは爆風で吹き飛ばされ木にぶつかり意識を失った。

 

 

 

 

目を覚ますと目の前では連邦軍の兵士が集まりガンダムのパイロットの救出作業をしていた。

一人の老人がコックピットで作業している兵士に声をかける。

 

 

「マッケンジー中尉は!?」

 

(マッケンジー中尉……まさか、そんな)

 

マッケンジー。隣に暮らす家族の苗字。ガンダムのパイロットが知り合いのはずがないと自分に言い聞かせる。

 

「生きてます!」

 

ガンダムから担ぎ上げられ出てきたのは、

 

 

隣の家の仲の良い女性。

クリスチーナ・マッケンジーであった。

 

連邦軍で仕事をしていると聞いていたがまさか彼女がガンダムのパイロットだったとは思いもしなかった。

 

「大丈夫かい?こんなところで何をしてたんだ。」

 

連邦の兵士が自分に話しかけてくるがまったく耳に入ってこない。ガンダムのパイロットが知人。その事実が彼に大きなショックを与えていた。

そんな彼に追い討ちをかける言葉が聞こえる。

 

「ザクのパイロットは?」

 

バーニィの安否。

 

「ダメだ!バラバラに吹き飛んでやがる!ミンチよりひでぇよ」

 

 

その言葉を聞いてアルは目の前が真っ白になった…。

 

 

 

 

 

一年戦争終結の日。数多くの死者を出し、ジオン公国の敗北で終結したこの戦争は、世界に、そして人々の心に大きな傷を残すこととなる。人類の半分以上を死滅させた戦争。それが終結してもなお残党軍などが活動をしている。

 

 

あれから17年。僕は家庭を持ちフリーの記者として仕事をしている。戦争の本質や、戦場の悲惨さを伝えるために、真実を伝えるために。そして町がクリスマスのイルミネーションで光輝くこの日に僕は決まってあの場所に足を運ぶ。初めて彼と会った場所の公園へ。

 

「バーニィ……もうあれから17年たったよ。バーニィよりも歳上になっちゃった」

 

目の前には2つの墓地。1つは彼の所属していた部隊の隊長のもの。そしてもう1つはバーニィのもの。

 

「この頃になるといつも思い出すんだ。初めてザクを見た日のこと。」

 

涙が頬をつたう。

 

「止められなかったあの戦いのこと……。」

 

誰にも知られることのない、悲しい戦い。

彼は手に持っていた花をバーニィの墓地に置く。

 

「忘れないよバーニィ………」

 

最後は彼が残したビデオレターのように笑顔で彼は言った。

 

「大好きだよ。バーニィ。」

 

 

誰よりも臆病で、誰よりもかっこよく、誰よりも強かった世界一優しい嘘つきな青年と、そんな彼を尊敬し、歴史に埋もれてしまった彼を決して忘れない一人の少年の物語は幕を閉じる。しかし、優しい嘘つきの戦いはまだ終わらなかった。

 

 

 

 

 




最後のアル捏造。
自分はあのあとアルは記者かフリーのカメラマンになったと思っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。