優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

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ゾゴックって何かかわいいよね。


バーニィの兵法

とうとう4日後の決闘当日。俺は第三アリーナのピットにいた。一夏と箒さん、そして山田先生が様子を見に来てくれていた。織斑先生もさっきまで居てくれたが一夏の専用機の到着が遅れているため少し様子を見に行っている。そして先に俺が戦うことになった。

 

「バーニィ頑張れよ!見てるからな。」

 

「男だ。このくらい乗り越えて見せろ。」

 

「一夏ありがとう。箒さんもありがとう。全力を出してくるよ。」

 

そう言ってみるが、少し緊張している。こうやって皆が見ている舞台で試合するのははじめてだからだ。

山田先生も頑張って下さい!と言ってモニタールームに一夏、箒さんを連れていった。

 

「はぁ………よし。」

 

腹をくくれ。この勝負で負けるか負けないかが問題じゃない。情けない姿を晒さないことだ。気持ちを切り替えるとアナウンスが鳴る。

 

『ワイズマンくん。発進許可です。』

 

「バーナード・ワイズマン!出ます。」

 

こうして俺はアリーナに飛び出した。

 

 

 

アリーナの客席には一年生の大半の生徒が集まっている。男性操縦者がどのように戦うかを見るためである。

そしてそんな生徒の見つめる先にはブルー・ティアーズ《蒼い雫》を纏ったセシリア・オルコットが静かに待っていた。そこにラファール・リヴァイヴを纏ったバーニィが現れる。飛び方もある程度安定しているが少しふらふらしており、戦えるのかも少し不安な状態。ギャラリーからはクスクスと笑い声が聞こえる。

 

「ま、待たせたな!」

 

バーニィはなんとかセシリアの位置までたどり着く。

 

「あなた、そんなんで戦えますの?今から戦うのは国家代表候補生なんですのよ?」

 

セシリアは不機嫌そうにそう言う。

 

「いや、大丈夫だ。」

 

バーニィはしっかり彼女の瞳を見て言う。セシリアはその瞳を見てスターライトMkⅢを展開。

 

「そうですか……なら無様に地面に這いなさい!」

 

試合開始のブザーと共にセシリアはレーザーをバーニィに向けて放つ。

 

バーニィは間一髪避ける。バーニィがほっとするまもなくセシリアは次々と攻撃を繰り出す。バーニィは武器を展開、サブマシンガンで対応する。しかしセシリアにかすることなく避けられる。

 

(まだだ、まだ待つんだ。窮地に陥ったら使う。作って成功したのは一個だけ。一発勝負だ。)

 

バーニィはそう考えながら攻撃を避けていた。

 

「バーニィ……」

 

モニタールームでバーニィを見守る一夏と箒。真剣な目でバーニィの行動を見る千冬。画面ではセシリアの攻撃を受けながらも必死に反撃するバーニィ。最初は避けていたが五分たつとセシリアの自立兵器ブルー・ティアーズによる攻撃が開始される。四方八方からの攻撃に対応しきれておらず攻撃を喰らってはバランスを崩し追撃を喰らう。

 

(何だ……状況はどう見てもワイズマンが不利で負けるのが目に見えている。もうシールドエネルギーも殆ど残っていないだろう…しかし、ワイズマンの顔から諦めの色が見えない。 )

千冬は攻撃を受け地面に叩き付けられたバーニィが映る。

 

(一体何を考えている……ワイズマン。)

 

 

 

くそ!今のは駄目だ。シールドエネルギーが殆ど残ってない……。絶対防御があるから死なないけど衝撃は押さえきれない。意識が…いや、諦めてはいけない。そう、諦めては。

立ち上がろうとするとオルコットが降りてきた。

 

 

なんでですの…どうしてそこまでしますの。彼の目はまだ諦めていない。何度攻撃を喰らっても立ち向かってくる。どうして、回りの観客を見てください。皆がクスクスと笑っていますのよ。

わたくしの放ったスターライトMkⅢからの一撃が当たる。彼は地面に堕ちた。それでも立ち上がろうとする。もう、立たないで下さい。わたくしはあまりにも哀れに見えて彼のもとに降りていく。

 

「もう諦めてください。勝負は見えてますわよ。無様な姿をさらしてるのに気がつかないのですか?もう・・・降参してください。」

 

彼にはっきりと言う。

しかし彼はゆっくりと立ち上がり、そして口を開く。

 

「それは……できないな。」

 

彼はそう言った。

 

「まだ、勝負はついていない。それにここで降参したら逃げることになる。それは絶対にできない。俺は過去に一度逃げた。俺しかできないことから逃げたんだ。」

彼は何かを思い出すかのように話し出す。

 

「でも、逃げたとき自分が許せなくなった。もうあんな思いしたくないんだ。だから逃げない。二度と逃げないって決めたんだよ!」

 

彼は武器を構え直す……そうですか、それなりの覚悟はしてましたのね。

 

「申し訳ありません。わたくしは貴方の覚悟を侮っていましたわ。この勝負、きっちりと着けさせてもらいます!」

 

わたくしが武器を構えた瞬間、彼の手から何かが投げられた。そして眩い光そして強烈な音がわたくしを包み込んだ。

 

 

モニタールームからでもわかる強烈な光。一体何が起きたのか俺には分からなかった。

 

「この土壇場で……よくやるな。」

 

千冬ねぇがそう呟いているのが聞こえた。そう思ったときその光が止み両者の姿が現れる。

オルコットさんはまだ視界が回復していないのかふらふらしており、ブルー・ティアーズも空中で止まっている。そして、バーニィは反撃に出ていた。

 

「何が起きたんだちふ……織斑先生。」

 

「あぁ、ワイズマンはおそらくコンカッションを使ったのだろう。しかし、あれほどの光と音を出す物だ。恐らく手作りだろう。しかし、少し威力が強すぎる。後で注意だな。」

 

千冬ねぇが少し笑っている。久々に笑った顔を見たような気がする。そして、戦いはクライマックスに入ろうとしていた。

 

 

(作戦成功だ。でも、少し威力が強すぎる……まぁ、隙はできた!後は攻撃を続ける!)

 

バーニィはサブマシンガンをセシリアに撃つ。

 

「ッツ!まだぁ!」

 

セシリアも反撃にでる。まだ視力が回復していないにも関わらずピットを操っている。しかし、視力が奪われた狙撃主は戦場においてそれは死を意味する。ピットはバーニィにかすりもしない。

そんな中バーニィのサブマシンガンの弾が尽きる。

 

「た、弾が!こうなったら!」

 

バーニィはある武器をコールする。それは前の世界で使っていた斧の形状をしたもの。そうヒートホークである。バーニィはヒートホークを振りかざしながセシリアに接近する。

 

セシリアの視力が回復する。やっとはっきりと見えるようになるが、目の前にはヒートホークを構えたバーニィ。バーニィはヒートホークを降り下ろす。

 

「インターセプター!!」

 

セシリアがそう叫び手に小さなナイフを展開する。

武器をコールするときに武器名を言うのは初心者。しかし、セシリアはそのようなことは頭になかった。バーニィのヒートホークの攻撃を何とか受け止める。

 

「くっ!」

 

「うおおおお!」

 

競り合っている。何度も攻撃を繰り出すバーニィ。それを不得意ながらも対応するセシリア。

両者一歩も引かない。

 

 

そして、戦いは終わりを告げる。

なんと、空中でふわふわと浮いていたセシリアのブルー・ティアーズが動き、バーニィの背中を撃ったのだ。バーニィのシールドエネルギーは殆ど残っていなかったので0になる。

 

『試合終了!勝者セシリア・オルコット!』

 

「・・・え?」

 

「あーあ、負けちまったかぁ・・・」

 

バーニィは苦笑いしている。一方セシリアは何が起こったのかわかっていなかった。まさかこんな土壇場で自分が今までできなかった、ほかのことをしながらのブルー・ティアーズ操作をしたのだから。

 

こうしてセシリアとバーニィの試合は終わった。

 

モニタールームで見ていた俺は体の震えが止まらなかった。先程まで負けそうになっていたバーニィがあそこまで粘り、そして奇策をしかけ反撃に出たこと。教科書とかで勉強したが専用機と量産機には圧倒的な性能差がある。大抵の一般人は専用機が強いと考えるだろう。でも、戦いかたを工夫するとあそこまで追い込める。しかもバーニィはISを触ってからの訓練時間は殆どなかったはずなのに……。次の試合、俺の全力を尽くそう。恐らく負けるだろが、それは俺の力不足と努力が少ないと言うことだろう。

 

「織斑。専用機が届いた。オルコットの準備ができしだい試合を開始するぞ。」

 

「はい。わかりました織斑先生。」

 

俺は返事をし自分の専用機を見に行く。俺が手にする新しい力を。

 

 

 

 

結局、俺は負けた。悔しいけど俺の目標ができた。必ず強くなってみせる。俺の新しい相棒「白式」と…。




戦闘描写苦手だなぁ・・・

さて、バーニィ負けちゃいました。
だってバーニィだもの。でもきっと勝つときがくるはず・・・。


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