皆さんもお体には気をつけて下さい。
では本編です
試合が終わった後、バーニィは千冬に呼び出されコンカッションの光と音の威力を減らすよう注意された。その後、自らのISのメンテナンスをするために整備室にいた。
「うーん…ぼろぼろだなぁ。大丈夫かなぁこいつ。」
カチャカチャと参考資料や設計図を広げISをいじるバーニィ。そんな作業をしているバーニィがいる整備室に訪ねてきた人がいた。
「何していらっしゃいますの?」
そう、セシリアである。
「こいつの修理とちょっと調節さ。難しいけど自分の物は自分で面倒見ないといけないしな。」
バーニィは振り向き答えた後、また作業にもどった。
「真面目なんですのね……」
セシリアが近くの椅子に座る。そしてバーニィの作業をジッと見つめる。そして
「ワイズマンさん。」
「ん?」
バーニィは一旦作業を止めセシリアの方に向く。するとセシリアは椅子から立ち上がり頭を下げた。
「申し訳ありませんでした……」
バーニィは頭を下げるセシリアを見て呆然としていた。
「あなたのことを情けないや顔色を伺っていて恥ずかしいなど失礼なことを言ってしまい申し訳ありませんでした・・・今回の試合で貴方は最後まで戦い抜きました。諦めず最後まで・・・どんだけ他人に笑われても逃げませんでした。それなのにわたくしは貴方が男だと言う理由で馬鹿にし、見下していました。」
セシリアの声が段々震える。
「馬鹿で愚かなのはわたくしの方でした。何が国家代表候補生ですか…何がオルコット家の主ですか…何が…」
そんな自暴自棄になりだしたセシリアをバーニィは止める。
「もういいよオルコット。俺は気にしてないよ。そうやってオルコットが認めて反省してるならそれでいいよ。」
バーニィはやさしくセシリアに話しかける。
「なぁ……オルコット。どうして男が嫌いなのか教えてくれないかな?」
そう、バーニィは確認しなければならない。彼女が何故あそこまで男を嫌っていたのか。何故、他人を信頼しなくなっていたのか。それがバーニィの推測通り父や過去のセシリアの人間関係によるものなら、彼女に父の真実を伝え彼女を解放してやらないといけない。
「わかりましたわ……」
バーニィはセシリアを椅子に座らせ自身も椅子を持ってきて彼女の前に座った。
そしてセシリアが自身の過去を話し出す。
情けない父のこと。それによる家族への影響。強く優しく時に厳しく、自分を愛してくれた母。そんな母に憧れたセシリア。そして最愛の人達の死。セシリアはバーニィに一つ一つ話していく。
「両親が亡くなったあと、母が残した遺産に群がる輩が現れました。それは、今まで母の近くにいた者どもでした…。わたくしは母が残したものを守ると決めたのです。そして、わたくしはISの適性がAと高くイギリスから遺産の保護を条件としてISの訓練に参加、代表候補生までに登り詰めました。」
バーニィは何も言わずに彼女の話を聞く。彼女は強い。まだ15歳というのにここまで自分一人でこなしてきた。
決して他人を頼らず、自らの力で、自分とは大違いだと考えていた。
「男性が嫌いなの父を見てきたからです。人を信じれなくなったのは遺産関係で醜い大人を見たから……そしてワイズマンさんや織斑さんも父のように情けない男性の一人と考えていました。女尊男卑で男性の立場が悪くなってその影響を受けた人たちだと。だから貴方たちに酷いことを言いました。でも、貴方たちは父とは違いました。」
セシリアはバーニィの目を見ながらはっきりと言う。
「貴方は周りの目をきにして、周りの顔色を伺って、他人が悪くても自分の責任にします……そんな貴方を見ていると昔の父を思い出して…わたくしは貴方が嫌いでした。でも、今回の試合で貴方は逃げなかった。それどころかわたくしに反撃をし、一矢報いてきました。貴方は父とは違う。貴方は情けない父とは違いました。織斑一夏さんも、今時珍しい自らの目標と覚悟を持っていて、情けなくなんてありませんでしたわ。」
セシリアは微笑みながらそういった。セシリアの笑顔をはじめてみたバーニィは思わずドキッとしていた。
しかし、セシリアの表情は暗くなる。
「ワイズマンさんたちはここまで立派なのに何で、わたくしの父は…あんなに情けなかったのでしょうか……。わ たくしは父が嫌いです。忘れようと何度も思いました。でも、忘れられないのです。なんで…なんでしょうね…。大嫌いのはずなのに。」
彼女の手の甲に涙がぽたぽたと落ちる。
肩を震わせながら泣き出してしまう。
バーニィは息を吐き、セシリアに話す。
「なぁ、オルコット。オルコットのお父さんってリチャード・オルコットって名前じゃないか?」
セシリアが驚きながら返事をする。
「そうですけど……どうして知っていますの?」
「軍にいる父さんから聞いたんだよ。君のことを話したら直ぐにオルコットのお父さんの名前が出てきたよ。」
バーニィはセシリアの目を見る。今ここで全てを伝えよう。そう考えた。
「いいかいオルコット。これから話すのは俺の父さんから聞いた話だ。聞きたくなかったら聞かなくてもいい。正直結構重い話だ。それでも聞きたいかい?」
バーニィは真剣な表情でそうセシリアに告げる。
セシリアも黙って頷いた。
そして、バーニィの口から一人の男の人生が語られた。
一人の優しい嘘つきの物語が。
感想など沢山ありがとうございます。
もっともっとアドバイスなどいただけたら嬉しいです。
ではまた次回に