反省はしている。
(はぁ…………何でこんなことになったんだろう。)
一人の少年が心の中で溜め息をついていた。
彼の名前はイオリ・セイ。
倉持技研のイオリ・タケシとイオリ・リン子の間に生まれた。母親譲りの愛嬌ある顔と、青い髪の毛が特徴の可愛らしい男の子である。父親がIS研究に携わっていたため昔からISに興味があり色々と調べたり、倉持にも何度も訪れたりしていた。そのため将来は父親と同じようにIS研究に携わる仕事に就きたいと思っていた。
しかし、ある事件が発生する。
セイが中学に上がってすぐの頃に世界ではじめての男性IS操縦者が発見されたのだ。
それにより世界で男性操縦者が居ないか探しだしたのだ。
それで見事セイがISを動かしてしまったのである。しかも、初めての男性のIS操縦者織斑一夏が見つかってからかなり時間がたったあとだった。
それによりセイは国から身柄を守るために通っていた中学からIS学園にへと編入させられたのである。
当然周りは女の子だらけと思っていたが、織斑一夏と同じクラスでしかも同じようにフランスでも男性操縦者が見つかった。自分と同じ時に入学するらしい。それに好きなISを実際にいじれると言うこともあり少しばかり気が楽になったセイだった。
◇
しかし、それは間違いだった。確かに男は自分を含めば3人だがセイはちょっと違う。それはセイ一人だけ年下なのだから。
同年代は居らず皆年上。
獲物を狙うライオンの如く眼光が光っている生徒たち。
(うぅ…………誰か助けてぇ~)
涙目になりながらそう思うセイであった。
「フランスから来ましたシャルル・デュノアです。よろしくおねがいします。同じ男性操縦者がいると聞いて転校してきました。」
(貴公子みたいな男の子だぁ)
隣で自己紹介をしているシャルルを見てそう思うセイ。
そんなことを考えていると教室が歓声に包まれる。
「「「きゃあぁぁぁ!!」」」「ぎゃあぁぁ!」
「今度はまもってあげたくなる男の子!」
「地球に生まれてよかった!」
「み、皆さん!まだ自己紹介の途中ですよ!」
山田先生が静める。静になりセイを一斉に見つめるクラスの人達。
「ではイオリくん。よろしくおねがいします。」
(ど、どうしよう!僕の番だ!全然考えてなかった!何を言ったらいいんだろ)
自己紹介のことを考えていなかったセイはかなり焦っていた。
(ええと、こんにちは!イオリ・セイです!…………駄目だぁ!何か普通だ!どうしよう!どうしよう!)
「イオリくん?大丈夫ですか?」
「ひゃい!」
沈黙が訪れる。
(噛んじゃったぁ…………)
赤くなりモジモジするセイ。それを見た生徒たちは
(((か、かわいい!!!!)))
この瞬間から皆のハートを撃ち抜いたセイだった。
一夏も少し赤くなっている。おい一夏。
「えっと、イオリ・セイです。13歳で皆さんより年下ですがよろしくおねがいします。」
顔を真っ赤にしながらそう言うセイであった。
◇
「こんにちは!僕の名前はシャルル………」
「挨拶は後だ。次の授業は移動になるんだ。女の子が教室で着替えるから俺達は更衣室に行かないといけないんだ。」
一夏は一通り説明を終えると二人の手を引き歩き出す。
「あ!転校生の二人発見!」
「一人は金でもう一人は青い髪の毛だぁ!」
「ま、まずい!二人とも走るぞ!」
「わわ!」
「え?」
一夏は二人の手を引きながら走り出す。
「あぁ~!待って!」
「逃げたぞ!確保しろ!」
「これは訓練ではない!繰り返すこれは訓練ではない!」
「は、はやい!何という機動性能!」
「逃がすかよぉ!」
何か混ざっているがほっといておこう。
一夏とシャルル、セイは追いかけてくる女子生徒を振りきるために走る。
「みんなどうしてあんな騒いでるんだろう?」
シャルルがそう呟く。
それを聞いたセイは何かしら違和感を覚えた。
「僕たちが男だからだと思いますよ?」
「男?………あぁ、そうだね!あははは……」
「??」
違和感があったが気にしないことにするセイであった。
◇
何とか脅威から逃げ切った3人は更衣室に辿り着いた。
「さぁ、さっさと着替えるぞ。そうだ自己紹介だな。俺の名前は織斑一夏だ。一夏でいいぞ。」
(爽やでかっこいい人だなぁ。)
セイの一夏の第一印象だった。
「シャルル・デュノアです。僕もシャルルでいいよ。よろしくね。」
「い、イオリ・セイです!セイでいいです!よろしくおねがいします!」
自己紹介を終えると一夏はすぐさま着替えにはいる。
「ひゃあ!」
「どうしたんだ?シャルル?」
いきなり声を出したシャルルに声をかける一夏。
「な、何でもないよ。着替えるからあんまりこっち見ないでね?」
「あ、あぁってセイは着替えないのか?」
「ハイ、。僕はデータを取るために定期的にISに触れるだけでいいので、今回の授業は見学になります。」
「そうなのか。あと敬語はいいぞセイ。これから一緒に過ごしていくんだから。」
笑顔でセイに言う一夏。
「わかりました!一夏さん!」
わかってないセイであった。
◇
生徒が全員整列しているなか。セイはジャージ姿の千冬の隣にたっていた。
「よし。これから模擬戦を行ってもらう。凰!オルコット!前に出て来い。」
嫌々前に出てくる二人。そんな二人に耳打ちする千冬。
急にやる気の出る二人。そしてISを展開するセシリアと鈴。
ブルーティアーズと甲龍。それを見たセイがいきなり興奮しだした。
「ブルーティアーズと甲龍だ!オルコットさんのブルーティアーズは第三世代型の試作機で中距離射撃特化でBT兵器の実働データのサンプリングを目的とした機体なんですよね!六機のブルーティアーズを使っての全方向攻撃ができるんでよね!」
「え、ええ。」
目を輝かせながらセシリアに詰め寄るセイ。
それに少し引き気味のセシリア。
他の生徒はセイの豹変に驚いてポカーンとしている。
「次に凰さんの甲龍!パワータイプで格闘と射撃の複合型の第三世代の試作機!燃費と安定性を第一に考えたバランスタイプに設計された実践タイプのIS!
肩の非固定浮游部位に特有の棘付き装甲を持ち中に砲門を装備してるんですよね?!」
「え、えーっと」
鈴は何を言われているかわかっていない様子。
「本物をこんな近くで見れるなんて!」
目がキラキラと輝やかせるセイ。
「落ち着けイオリ。」
ペシ
「あいた!」
千冬の出席簿がセイの興奮を静める。
「また勝手にイオリさんのデータを見たんだな馬鹿者。つくづく懲りないやつだな。」
ペシ
「あう……」
その光景を見ている生徒たち。
(織斑先生があんなに優しい顔をしてるなんて!)
そんなことを考えているのであった。
「あのぉ~。私の出番は…………。」
忘れ去られている山田先生であった。
そのあと山田先生の登場時に一夏がゴットフィンガーをかましたり。鈴とセシリアが足を引っ張りあったり、
ラファールリヴァイブのシャルルの説明にセイがまた暴走したりしながらも授業は無事に終わった。
~昼休み~
「ど、どういうことだ一夏?」
不機嫌そうに一夏にいう箒。
「どういうことだって?みんなで食べた方がおいしいだろ?それにセイとシャルルは転校してきたばかりだから
一緒にいた方がいいだろ?」
「それはそうだが」
箒はセシリアと鈴を見る。3人の間に火花が散っていた。
「あははは………同席してよかったのかな?」
「そ、そうですよね。」
シャルルとセイは少し離れて昼食をとることにした。
「シャルルさんは、フランスの代表候補生なんですよね?」
「そうだよ。」
「じゃあ!専用機とかあるんですよね!?」
「うん。」
その返事を聞いてセイの目が光る。
「いつでもいいので見せてもらってもいいですか?!」
「いいよ。なんなら今日の放課後に見せてあげるよ。」
優しくそう返事をするシャルル。
「本当ですか!?やったぁ!」
嬉しそうに喜ぶセイ。それを優しく微笑みながら見るシャルル。
(良い子だなぁ。こんな子が弟だったら………)
~シャルルの妄想~
『シャルお姉ちゃん!』
『どうしたのセイ?』
『今日のご飯ハンバーグが良い。』
『うん。いいよ。じゃあ、今日はハンバーグにしてあげる!』
『やったぁ!シャルお姉ちゃん大好きだよ!』
~妄想終了~
「いい!すごく良いよ!!」
「どうしたんですか?シャルルさん?」
不安そうに聞いてくるセイ。
「な、何でもないよ!あははは……」
そう答えるシャルルであった。
◇
放課後。約束通りシャルルにラファールリヴァイブカスタムを見せてもらいまたも興奮するセイ。シャルルはセイの反応が嬉しいのか自機の解説をしていく。
それを聞いたセイはもっとこうしたらよくならないのかなどシャルルに伝えていき、二人でラファールリヴァイブカスタムの話をして放課後を過ごしていった。
「今日はありがとうございました!シャルルさん!」
「そんなに喜んでもらえると僕も嬉しいな。部屋も一緒らしいからまたお話しようね?」
二人仲良く部屋に帰っていくのだった。
セイくんが一番かわいいよ。
は?男?知らねぇよ。
あんたもそう思うんだろ?
思わないのか?
ほんとは思ってるんだろ?
思ってないのか……