「えぇっと、山田先生が模擬戦相手なんですか?」
鈴は少し不服そうに千冬に尋ねる。
「そうだ。凰とオルコット二人で山田先生を相手してもらう。いいな?」
千冬はそう告げる。回りの生徒も本当に大丈夫なのかという空気になる。山田真耶。生徒たちからの評価はあまり高くない。いい先生ではあるが頼りになる先生と言われればそうではない。何もない廊下でこけたり、眼鏡をよくなくしたり、授業中の説明中によく噛んだりなど真耶自身も自分に自信がないために過小評価している節がある。しかし、操縦技術を生徒たちは見たことない。
(山田先生か…IS学園に入学試験の模擬戦で戦った以来だな。ぼろ負けしたけど。)
バーニィはIS学園に入学する際に真耶と一戦まじえている。その時はローガンにISの操縦技術を習ってはいたが戦い方はまだだったためぼこぼこにされたのだった。しかし、それでも彼女の戦闘技術は高かったと記憶していた。
(多分…山田先生の圧勝かな。)
バーニィはそう考えていた。
ちなみにバーニィは同じラファールを使う山田先生の戦いを参考にするためにシャルルの説明を聞かずに戦いをみていたのは内緒だ。
◇
「あんたねぇ!いいようにやられてんじゃないわよ!」
結果は山田先生の圧勝だった。
「うぅ…………申し訳ございません鈴さん。」
山田先生の技術もあったと思われるが、いかんせ二人の息がまったくあっていなかった。
「さて、今のでわかったように山田先生は昔代表候補生にまで登り詰めた猛者だ。」
「いやぁ~。候補生止まりでしたけどね。」
少し照れながら謙遜する山田先生。やっぱり凄い人なんだなぁ。山田先生並みに動けるようにならないと将来が危ないからな。
「これからは敬意をもって接するように。いいな?」
「「「はい!!!」」」
「よし。ではグループに別れて練習を行う。織斑、凰、オルコット、デュノア………それと扱いにある程度慣れてるワイズマンを代表としてグループを作れ!」
その掛け声と共に女子生徒の大半は一夏、シャルルのところに集まる。しかし、織斑先生の一声で綺麗にバラバラになる。
俺のグループには
「バナナァ~よろしくねぇ~」
「よろしくねワイズマンくん。」
「頼むぞ!バーニィ!」
上からの布仏さん。相川さん。そして箒さん。
ってか箒さん一夏のところにいかなくていいのかなぁ?
そんなことを考えていると箒さんが鼻息を荒くして近づいてくる。
「さぁバーニィ!打鉄、ラファールどちらでもいい!早く私にその極意を教えてくれ!」
「ほ、箒さん!落ち着いて!」
箒さん!近い近いよ!
うぅ……………いい香りがするし箒さんスタイルがいいからISスーツでボディラインがくっきりしてるし……………ぐぬぬぬぬぬ。
そんなことを考えていると悪寒が走った。
後ろを見るとセシリアがこちらを見ていた。よく見ると口パクで何かいっている。
えーっと、な・に・を・し・て・い・ら・っ・し・ゃ・る・の?
「………………………………………。」
「どうしたんだバーニィ?」
「よし!打鉄を持ってくるよ!皆はここで待っていてくれ!」
逃げるようにその場を後にするしかなかった…………。
◇
「そうそう。右左右左…………」
打鉄を纏っている相川さんの手をとりゆっくりと歩く練習をする。
「け、結構難しいね。」
「最初はみんなそうだよ。俺なんか立つことすらできなかったからな。」
「え?!そうなの?」
そう。立つことすらできなかったんだよ。
イーリスさんには感謝しないと……………
『何してんだ!早くたつんだ!』
『ちょ!待ってください!』
『ほらほら。早くしないとどうなるか。』
『ヒィッ!』
『イーリス。完全に怖がられてるわよ。』
『ナターシャ。ローガン教官に頼まれたんだ。それに教官の訓練はこんなもんじゃなかっただろ?』
『そうだけど……………』
『さぁ………バーニィ………はじめよっか?』
『いやぁあああぁ!!』
ふふふふ。あの時はがんばったなぁ
「ワイズマンくん?」
「ん?あぁごめん。じゃあ交代しよっか?方膝をついて次の人が乗れるようにするよ。」
「うん。わかった。」
相川さんはゆっくりと方膝をつく状態にする。そしてISからゆっくりと降りるように促す。
「じゃあ次は箒さん。」
「よし!よろしく頼むぞバーニィ。」
箒さんはやる気満々。
「よし。じゃあISにのっ…「乗ったぞ!」……早いな。」
早い早いよ箒さん!
そのあとの歩く作業、少し飛ぶ作業、その他の練習を簡単にこなしていく。
「よし。じゃあ「なぁ、バーニィ。」どうしたんだ箒さん?」
とても真剣な雰囲気で聞いてくる。
「専用機が欲しいとか思ったことはないのか?」
「…………なぁ、箒さん。もしかして君は専用機がほしいの?」
「…………かもしれない。ラファール、打鉄は所詮量産機。専用機より能力や性能が低いのは当たり前だ。なら
専用機のほうがいいんではないか?時々そう思ってしまう時があってな。」
「それは……間違いだよ。」
箒さんの言うことは正しい。前の世界でも量産機より専用機のほうが性能もよく強かった。でも…………
「箒さん。昔聞いた言葉なんだけどな。」
「??」
「『性能の違いが戦力の決定的差ではないなということをおしえてやる。』」
「………………………。」
「この言葉はあるエースパイロットの言葉なんだよ。どれだけ優れていてもどこかに付け入る隙が必ずある。相手がどれだけ強力で強大な力を持っていてもね。それを体現したのがさっきの山田先生だよ。」
そう。俺はこの言葉に救われた。あの赤い彗星のシャア。この言葉がなければ俺はザクで新型のガンダムに立ち向かったりしなかっただろう。
「それに俺はこのラファールを気に入ってる。こいつはある意味俺の専用機なんだよ。」
「………………なるほどな。ありがとうバーニィ。すこしばかり自信がついた。それにお前の考えが正しいと確認できたし、強さが何なのか分かった。」
箒さんはそういって片膝をついてISから降りこちらを向く。
「なぁ…………よかったら一緒に放課後訓練していいか?」
「もちろんOKだよ。」
返事を聞いて箒さんはありがとうと言って待っている人たちの輪に戻っていった。
今月はガンプラではなく戦闘機を買いたいと考えるが何を買ったらいいかわからない。
零戦とかかなぁ。
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