2つ予約しました!
かつてISと対とされて開発されたパワードスーツがあった。それはISとは違い絶対防御など無く、コストも高い。しかし、男性も動かせることができる。少し危ないかもしれないがISと互角に戦うことができると期待されていた。
だが、採用試験のISとの模擬戦でエンジンのトラブルにより機体は暴走、搭乗者もろとも空中で分解及び爆発した。このことにより改善すると申請するが女尊男卑の世の中になりかけていたため女性議員の多い政府から改善の申請は却下。永久凍結となった機体があった。
そうその機体は力を発揮することもなく世界から見放された機体だ。
「ヅダは……………欠陥機などではない!ヅダは政治に敗れたんだ!」
しかし、凍結された力は解き放たれる。
一人の青年の手によって
これはヅダの可能性を信じ、最後まで疾りつづけた一人の青年とヅダの物語である。
~優しい嘘つきのIS奮闘記番外編
太平洋上に幻影は疾る~
「皆さんおはようございます。なんと今日は転校生が来ます!」
世界初のIS操縦者の織斑一夏のクラスである1-1の朝のホームルームで担任の山田真耶が朝の挨拶と共に転校生が来ることを告げる。
「へぇ。転校生か………どんなやつなんだろう?」
「さぁ?でもこんな時期に転校してくるんだね。僕もちょっと気になるな。」
一夏の呟きに反応して応えるシャルロット。
「ふん、どんなやつでもいい。それより嫁よ。昼休みは一緒に食事をしよう。」
「な!一夏は私と昼食を食べるのだ!」
「ち、違いますわ!わたくしとご一緒するんですわ!」
転校生に全く興味の無いラウラ。そして一夏へのアプローチする発言に反応して一夏に想いを寄せている箒とセシリアが反論の声をあげる。
「では、入ってきてください。」
教室のドアが開き転校生が入ってくる。
「え?」
一夏は驚きの声をあげる。
転校生は教壇の近くまで歩きクラス全体を見渡す。
「お前は!」
ラウラも転校生の姿を見て驚いている。
「ジャン・リュック・デュバル少佐だ。以後よろしく頼む。」
男だったのだから。
◇
「む?来たか。」
デュバルは目の前に来た少年に気付き目を通していた資料から彼の顔に視線を移す。
「織斑一夏って言うんだ。一夏ってよんでくれ。よろしく。」
爽やかに笑いながら挨拶をする一夏。そんな彼に対してデュバルの第一印象はあまりよいものではなかった。しかし、ここでそっけない態度をとってしまえば後々のクラス生活で悪影響を及ぼすと考えたデュバルは笑顔の仮面を被り挨拶をする。
「ジャン・リュック・デュバル少佐だ。ドイツのISテストトライヤル部隊ヨーツンヘイムに所属している。デュバルでいい。以後よろしく頼む。」
そう挨拶をしたあとはまた資料に視線をおとす。
「なぁ、何読んでるんだ?」
「ん?これかい?ISについての資料だよ。今度模擬戦をすることになったからね。」
「ジャン・リュック・デュバル少佐!」
そんな二人の間にラウラがわってはいる。
「これはこれは。『ドイツの冷水』シュヴァルツェハーゼ隊、隊長のラウラ・ボーデヴィッヒ少佐ではありませんか。わたしに何かようですかな?」
皮肉っぽくラウラに返事をするデュバル。しかしそんなことを気にせずラウラは言葉を続ける。
「なんで貴方がここにいるんですか!もしかしてまたあの機体に乗るつもりなのですか?止めてください!あの機体は危険すぎます!」
必死に説得するラウラの話を聞きクラスもただならぬことだと思い耳をたて聞いていた。
「あの機体は改善されたところなんてありません!前回みたいになるのは目に見えています。それをドイツ軍から押し付けられているのに気がつかないのですか?」
バン!
机を叩き立ち上がりラウラを睨み付けるデュバル。ラウラはその眼光に威圧され言葉を飲み込む。
「いい加減にしろよ小娘。お前に何がわかる?ヅダは決して欠陥機ではなかった。少しの調整さえすればISとも対等に渡り合えたのだ。それを恐れた上層部が、IS委員会の者共が裏から操ったのだ!ヅダは政治に敗れたんだ!」
デュバルはそう言って教室から出ていった。
重い空気に包まれるクラス。そんな中ラウラ一人が悔しそうに顔を歪めていた。
◇
「なぁ?ヅダって何なんだ?」
昼食の時に一夏がデュバルの言っていたヅダと言うものが気になった。あれほどまでそのヅダと言う機体に心酔しているのが気になったのだろう。一緒に食事をしているラウラに聞く。
「ems-04。IS対策機ヅダ。制作会社はツィマッド社のものだ。ISと同じように宇宙での活動を目的として作られた。だが、ISが現れてからはISと同じようにパワードスーツとして開発された。絶対防御がないがスピードは既存の兵器、ISも含めて一線を画している。それに男でも動かせるという美点がある。装備は外に取り付けだがヒートホーク、対艦ライフル、ヅダバズーカ、ヅダマシンガン、シュツルムファウストと豊富だ。宇宙開発のためのものがISのせいで兵器へとなってしまった悲しい機体だ。」
「でもそこまでの機体なら採用されるんじゃないのか?」
箒の質問に対してラウラは暗い顔で答えた。
「ISとの模擬戦で搭乗者もろとも空中分解したんだ…………」
衝撃的な返答に絶句する一同。ラウラは気にせずそのまま続けた。
「序盤はヅダの圧倒的な性能にISはついていけなかった。だがヅダがスピードを上げたとたんに………土星エンジンと呼ばれるエンジンから火をふき、炎が機体を包み空中で……「やめてくれ。」………」
食事中に聞くべき話ではないと判断しラウラを止める一夏。
「そのあとヅダは欠陥機扱い。永久凍結された。………その時にテストパイロットだったデュバル少佐が最後まで反対したが結果は覆らなかった。少佐も地獄のような生活からあの機体と共にのしあがってきたのに…………」
そう悲しそうに呟くラウラを遠くの物陰から見ていたデュバル少佐はそのまま自室に戻っていくのであった。
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