年末に原付で盛大にこけましたが原付も作者も傷ひとつついていませんでした。なんともないぜ!
では本編どうぞ!
『ワンワン!』
「………ここにいるね。」
「あぁ」
「でもどうやって入る?」
「ノケ………ハナレテイロ……」
黒いオーラを纏った千冬がドアの前に立つ。
「タテナシ………イマスグアケロ……」
ドスの効いた千冬の声を聞き、バーニィ達は震え上がっていた。真耶に関しては気絶している。
『えーっと……織斑先生?凄い殺気を感じるんですが?』
「キノセイダ……サァ、カエシテモラオウカ!」
どこから取り出したのかIS用のブレードて生徒会室の扉を切り刻む。
千冬さんこわいっす。
生徒会室が無惨にも崩れていく。つかつかとオーラを纏った千冬が部屋に入り中を確認するが誰も部屋にはいない。
「ドコダ?」
怒りに呑まれた千冬はいつものように冷静ではない。その隙をつく楯無。天井に子犬を抱えて張り付いていた楯無が千冬の手から逃れる。
「てやぁ!」
「クッ!」
千冬を振り切り部屋から脱出する。
「脱出路まで確保してもらってわるいわね。」
外に出ると代表候補生が待ち構えていた。
「仔犬を返してくださいまし!」
セシリアは子供を奪われた母親のように悲痛な声をあげる。箒は目を閉じて何かを考えていた。
「そう簡単に返せないわねぇ」
楯無はそう言い放つと仔犬を抱えて突っ込んでくる。
「な!?」
「くるわよ!」
予想外の行動に度肝を抜かれる代表候補生達だがすぐに仔犬を奪還するために身構える。
楯無は身構える代表候補生達の目の前で踏み込み、跳躍した。
「な、なに!?」
代表候補生達を越え、見事に着地する。
「人呼んで!たっちゃんスペシャル!」
楯無はしてやったりといった顔で仔犬を抱えたまま走る。
。
「今日の私は阿修羅すら凌駕する存在よ!」
彼らを見ながらいい放つ。しかし、これがいけなかった。
彼女が幸運だったことは、この日千冬が冷静でなかったこと、代表候補生達がまだ未熟であったこと。しかし、彼女はあることを忘れていた。それはある人物が自分をカンカンになって血眼で探していること、それに重なる不幸は………
ドン!
「あぅ!」
「………………」
前方不注意だったこと。
「いたたた……ごめんね。前見てなかっ…………」
「…………………」
楯無はぶつかった相手に謝罪をするがぶつかった相手を見て顔を青くする。ぶつかられてもびくともせず腕を組んで立つ姿、顔を般若にしている人物。
「オジョウサマ??」
のほほんさんの姉、布仏虚が立っていた。
「ち、ちがうのよ。ね?とりあえず話を聞いて!」
「………………」
「お願い☆」
「………終始」
「い、いやああああああああああ!!!!!」
その時の光景を見た生徒はこう語る。
圧倒的な戦力の前になすすべなく蹂躙されるような様であったと。
◇
「会長が迷惑をかけてごめんなさい。」
虚は仔犬をセシリアに返す。因みに楯無は首根っこを掴まれて引きずられる形となっている。
「い、いえ………大丈夫ですよ。」
「フフ……では仕事がありますので失礼します。」
楯無を引きずりながら生徒会室に戻っていく虚。
そういえばいつの間にかドアが直っていることが気になるバーニィであったがそこは突っ込まないでおこうと考えた。
「よかったですわ…」
腕の中で寝ている仔犬の頭を優しく撫でるセシリア。
「とりあえず戻ろうか。」
バーニィの提案にのりバーニィ、シャルルの部屋に戻ることにする一行であった。
◇
「そう言えば名前はどうすんのよ?」
部屋に戻り女性陣は仔犬と戯れ一夏とバーニィは雑談をしている時に鈴がそう言った。因みに千冬と真耶は仕事がまだあるので職員室に戻っていった。
「確かに………どうする?」
「はいはーい。ケーキって名前にしようよ~。」
「あんた本気でいってんの?」
本音の提案を呆れながら否定する癒子。
「うーん。難しいね。」
「ってかこれオスよね?男っぽい名前にしたらいいんじゃない?」
頭を捻るシャルルと鈴。
「弁慶だ。」
「可愛いげがないぞ箒。」
「強くよく育ってほしいと願いを込めた名前なんだが……」
一夏に否定されうなだれる箒。
「…………ならアルというのはどうでしょう?」
セシリアの出した名前を聞き反応するバーニィ。
「お!いいじゃないか!覚えやすいしな。」
「いいと思うな僕は!」
バーニィ以外の人間はその名前に賛同する。しかし、バーニィだけが何も言わず下を向いていた。
「バーニィ大丈夫?」
シャルルが異変に気付き声をかける。
「あ、ああいいと思う。うん。とってもいい名前だよ。」
シャルルはその時のバーニィの顔がいつもの顔ではなくどこか悲しそうだと思った。
「じゃあ、あなたの名前はアルですわ!」
「わん!」
こうしてIS学園に新たな仲間が増えた。
◇
「…………………。」
「またここにいるのか。ワイズマン。消灯時間はとうに過ぎているそ。」
いつものように中庭のベンチに座るバーニィに千冬が声をかける。
「いえ、少し考え事をしていたので。」
「そうか………バーナード。少し聞きたいことがある。」
「??」
「『ジーク・ジオン』とはどういう意味の言葉だ?」
所属不明のISが侵入してきたときに彼がいい放った言葉。前の世界での呪縛のように耳に残る言葉である。
「え、えーと小説の中の台詞で…………」
「はぁ、嘘をつくならもっとましな嘘を言え。」
「ぐっ……………」
千冬はそう言いバーニィの隣に座る。
昼間のような少し壊れた感じでも、いつものように厳しい織斑千冬でもない雰囲気を出している。素直にバーニィは綺麗な人だと思い千冬の横顔を見ていた。
「?どうしたバーナード。」
視線に気付き声をかける千冬。バーニィは顔を少し赤くなりながら謝罪し視線をそらす。
「いつでもいい。何か悩んでいるなら私に言ってくれ。私はこれでも教師なんだ。生徒をあるべき道へと導き、未来を夢を守りたいと思っている。」
「………どうして織斑先生は先生になろうと思ったんですか?」
千冬は少し考えた後、話し出した。
「私と一夏が家族であるのは知っているな?」
「えぇ、一夏も大切なたった一人の自慢の姉だと言っていました。」
それを聞き少し嬉しそうにする千冬。
「一夏と私は親に捨てられた。まだ、幼い一夏を私に残してだ。私は親を恨んだよ。憎かった。見つけたらこの手で殺してやりたいとも思ったよ。だか、弟、一夏を守るのが先に生まれた姉の使命だ。一夏を守るため頑張った。ISが登場してからもただひたすらに走り続け一夏を守るための地位を欲した。そしてやっと世界の頂点、ブリュンヒルデと言う称号を手に入れた。………だが、間違っていた。」
千冬は少し悲しそうに話し出した。
「私は一夏を守りたいと思い力を求めた。その結果、私は本来の姉としての使命を……果たせなかった。一夏は優しい。あいつのいいところだ。まだ小学生でありながら家事ができない私の代わりにあいつは手がボロボロになりながらも家事や料理をできるようにしていた。私はそれに甘え、あいつのためにと思い家にはほとんど帰らず仕事などをしていた。一夏に何も与えてやれなかった。教えてやれなかった。遊んであげたりできなかった。私は親が憎い、同じにはならないと言いながらも力を求め、あいつを孤独にしてしまった。親のことを言えなくなってしまったんだ。
そして………ある事件が起きたんだ………。」
千冬は言うか言わないか考え、バーナードなら大丈夫かと言いことの詳細を話した。
「第二回モンド・グロッソでの決勝戦前に…一夏が誘拐されたんだ。」
最近白髪が多いといわれるようになりました。
もしかしたらメタル刹那みたいになれるのかもしれない。
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今年も『優しい嘘つきのIS奮闘記』を何とぞよろしくお願い致します。