優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

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今回は賛否両論になりそうな描写が多いかもしれません。作者にアクシズをぶつけたいかもしれませんが…

ではどうぞ!


「ぼく」を『わたし』を………

「……………」

 

沈黙が続く部屋。

シャルルは顔を俯かせ、バーニィは目をとじて何かを考えていた。アルは部屋の隅にある犬用の布団で丸まっている。

 

「ごめん…………」

 

沈黙を破ったのはバーニィだった。

 

「その、あれだよ。あられもない姿を見ちゃったし………はは……はははははは……………はぁ」

 

空気が重すぎて笑える雰囲気ではなかった。

 

「ごめんね?バーニィ……騙してて……」

 

シャルルは俯きながら謝罪した。

今にも消えてしまいそうな声。

 

「どうして男の子の格好を?」

 

知ってしまったからには聞かないといけない。なぜ男性の格好をして入学してきたのか。バーニィは優しく問う。

 

「お父さんの………命令だったから。僕ね………愛人の子供なの……」

 

「ッ!」

 

「5年前まではお母さんと暮らしてた。でもね。お母さん病気になっちゃって…………。日に日にお母さんは衰弱していって……僕は何もできなかったの。」

 

シャルルは淡々と話していく。

 

「それでね。お母さんが亡くなって、1ヶ月後に……お父さんの会社の人が迎えに来たんだ。」

 

「お父さんって、確かデュノア社の社長……」

 

「うん。そのあとは衣食住には困らなかったかな。でも………義母には毎日のように嫌がらせされて叩かれて……ISの適性が高くてテストパイロットとなってから毎日訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練!!」

 

だんだんと声をあらげる。後半は泣き叫びながら頭を抱えていた。

 

「なんで!僕は普通でいたかった!お母さんと暮らして!学校に行って!友達と遊んで!仕事をして!親孝行して!好きな人を作って結婚して!子供を産んで…………贅沢なんて言わない。ただ普通の人生でいたかった!ねぇ………バーニィ……辛いよ……苦しいよ。どうして僕なの?何かしたの?愛人の子供だから?」

 

大粒の涙を流す。今まで我慢していたもの。少女には重すぎる現実。確かに10歳から5年間過酷な運命に従い続けた彼女の心はもう限界だったのだろう。

 

「もう嫌だよ…………皆を騙して生活するの……皆に瞳の奥を覗かれる度にいつも怯えてた。皆で話をするときもいつも罪悪感でいっぱいだった。恐かった!不安だった!いつかこの幸せで楽しい一時が終わっちゃうんじゃないかって……でも……もう終わりだ。バレちゃった。」

 

張り付けた笑顔でバーニィを見るシャルル。だが涙は止まっていない。

 

「自首するよ。今までありがとう………みんなで過ごした日々は僕の宝物だよ………織斑先生に報告「ちょっと待てよ!」!?」

 

バーニィが声をあらげた。普段大人しく弱気な彼が出す声色ではなかった。

 

「なんで………なんで逃げようとしてるんだよ!戦えよ!抗えよ!何で諦めてるんだよ!」

 

前世の自分に似ている。そう思ったのだろう。

ガンダムを破壊することもできず、核が撃ち込まれるのを知り何もせずにコロニーから脱出しようとしていた自分に。

 

 

嘘を貫く勇気がなかった自分に。

 

 

「バーニィに何がわかるの!戦っても抗っても無駄なんだよ!逃げるしかないの!」

 

シャルルも腹が立ったのか泣きながら反論する。

 

「いいかい?昔は逃げるしかなかったかもしれない。しかたなかったのかもしれない。気持ちはよくわかる。でも今は違う!回りをよく見てみろよ!逃げようとするなよ!……いや逃げてすらない!現状にとどまり流れに身を任せようとしているだけなんだよ!そして終わらせようとしているんだ。普通でいたい人生を………己自身の手で!」

 

そういった瞬間シャルルがバーニィに掴み掛かかる。

 

「違う!僕だって逃げたくない!なんでそんな言い方するの?!できれば普通の生活に戻りたいよ!女の子として生活したいよ!」

 

泣きながら叩いてくるが力が入っていない。

 

「教えてよ!どうすればいいの?義母にやり返せばいいの?お父さんの言うことを聞かなければいいの?…………もうやだ………こんなに辛い人生ならいっそ死んで

 

 

 

お母さんのところに行きたいよ!」

 

 

パァン!

 

乾いた音が部屋に響く。

叩いたのはバーニィだった。

 

「馬鹿だよ………大馬鹿だよ…何で一言俺達に『助けて』って言わないんだよ!」

 

そう言ってバーニィはシャルルを優しく抱き締めながら頭を撫でる。人は誰しも一人では何もできない。それを知っているから……一人になってしまったときの絶望を知っているから。どうしようもないほどの状況に陥ったことがあるから……そんな自分に手を貸して助けてくれた一人の少年がどれほど勇気を与えてくれたか知っているから…………だから今度は自分が手をさしのべる番。

 

「助けて……くれるの?」

 

力のない声を出すシャルル。

 

「もちろんだ!」

 

「騙してたのに?みんなを……」

 

「あぁ!一夏もセシリアも箒さんも鈴さんも布仏さんも相川さんも夜竹さんも谷本さんも鷹月さんも助けてくれる!だから一歩踏み出せばいい!」

 

優しくだが力強く抱き締める。

 

「………ねぇ……バーニィ……」

 

シャルルもバーニィを抱き締め返す。

 

一歩踏み出し

 

ただこの一言を

 

たった一言を言えばいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願い『わたし』を 助けて…」

 

 

孤独と絶望を味わってきた少女からの悲痛なSOS。

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ!任された!」

 

 

バーニィは優しくそして安心させるように返事をした。

 

 

 

 

 

 

 




みなさん!
感想ありがとねぇ!(某天才パイロット風)

いやぁ…バーニィがシャルロットぶったよ!
なんじゃとて!(お前のせいだろ)

さて、バーニィはシャルロットを救えるか


感想、評価、アドバイス、侵略の花火だよ!
お待ちしております!


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