優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

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バーニィがバーニィじゃない!
誰だ貴様は!


激突

青年は一度逃げた。好きになった人も、心の拠り所の少年からも。

 

少年は嘆いた。信じていた人が自分達を救わず逃げるといったことに。

 

青年は苦悩した。女性の言葉に苦悩した。嘘を貫けなかった自分に何度も問いかけた。

 

少年は絶望の中にいた。でもきっと助けてくれると心の中で信じていた。

 

 

 

 

 

タッグトーナメント当日

候補生やバーニィのペアはバーニィとシャルロット、セシリアと一夏、鈴とのほほんさん、箒とラウラであった。

 

一回戦はセシリアと一夏ペアとラウラと箒ペア。

 

『では!開始してください!』

 

開始の合図とブザーと同時に開始される攻防戦。

 

「援護します!一夏さんは相手を撹乱してください!」

 

「任せとけ!」

 

前に出る一夏を援護するセシリア。このペアはよくバランスがとれている。長距離のセシリア、近接の一夏とよくバランスがとれていた。対する箒、ラウラペアもバランスがよくとれたペアである。

 

「いくぞ箒!」

 

「任せろ!」

 

前衛に出てきた箒。そして一夏もそれに答えるように前に出てきた。競り合う箒と一夏。

 

「やるな…箒!」

 

「あぁ、一夏もな!だが負けんぞ?」

 

箒は装備していた刀を消し、一夏の一太刀を避ける。

そのあとすぐに刀を展開し一夏に一撃を加える。

 

「くっ!」

 

「機体の性能差が勝敗をわかつ絶対的条件ではない!」

 

箒は一夏のみぞおちに拳を放つ、そしてもうひとつ刀を展開、一夏に切りかかる。

 

「ぐぅっ!」

 

「切り捨て御免!」

 

「一夏さん!下がってください!」

 

セシリアのスターライトmkⅢから放たれたレーザーはまっすぐ箒をとらえていた。

 

「どこを見ている?」

 

しかし、ラウラが放つレールカノンの弾丸がその弾道を打ち消す。

 

「正確な射撃だ。だからこそ読みやすい!」

 

そして次々とセシリアが展開していたブルーティアーズを撃ち落としていく。

そして丸裸になったセシリアにラウラは近接攻撃を仕掛ける。

 

「くっ!」

 

「セシリア?!」

 

「よそ見をしていてもいいのか?」

 

セシリアに気をとられてしまった一夏は油断してしまった。箒はその隙を見逃さず攻撃にうってでる。

 

「しまっ!」

 

「チェストオオオオオオオオオオ!」

 

箒の改心の一撃が一夏を捉えた。その一撃を喰らい停止する白式。

 

「一夏さん!」

 

「ちょいさぁ!」

 

セシリアが展開していたインターセプターを蹴る。ラウラは宙に舞うインターセプターを手に取りセシリアにとどめをさす。セシリアの目の前には絶対防御の表示がされていた。

 

『そこまで!勝者。ボーデヴィッヒ、篠ノ之ペア!』

 

試合終了の合図と共に歓声が上がる。両者には勿論だが訓練機で勝利した箒を称えるものが多かった。

 

「すごいな…箒さんは……」

 

控え室でそれを見ていたバーニィ。自分と同じように訓練機でありながらも一夏に打ち勝った箒に喜びを感じつつも羨ましいと思っている。

 

「俺にも…力があれば……みんなを守れる…守れるんだ」

 

そう呟くのであった。

 

 

『次は凰、布仏ペア対ワイズマン、デュノアペア』

 

試合が始まりのほほんさんと鈴は連携をとりバーニィとシャルロットを追い詰める。

 

「鈴、本音…目を覚まさしてやってくれ」

 

祈るように試合を見る箒。

最初は鈴の龍砲に追い詰められるバーニィだったが彼のISから煙が噴出される。アリーナは真っ白な煙に包まれる。

 

「っ!本音!大丈夫?」

 

通信が死んでいた。

 

「まさか…電子妨害?!そんなものまで積んでるの?っきゃあ!」

 

衝撃が背後から襲う。後ろにはバイザーを着けたバーニィがヒートホークを構えていた。

 

「この!卑怯な!」

 

「…………」

 

煙に紛れ消える。鈴は龍砲で辺りの煙を消し飛ばす。

 

「あーもう!いい加減にしなさいよアンタ!少しはわたしたちを頼りなさいよ!」

 

「……」

 

返事をせず攻撃だけを繰り返す。観客席から見ていたラウラは異様に感じた。

 

「…音だけが聞こえるんだが何が起こってるんだ?」

 

一夏も心配そうにしていた。

 

「戦場音楽だ」

 

ラウラが口を開く。それを聞いても何がなんだかわからない周囲の生徒たち。

 

「兵士が声と銃声を出さずに攻撃を仕掛けることだ。多くの兵士が恐怖を打ち消すためや士気をあげるために声を出す。一夏もそうだろう?声を出して攻撃をするのが多くの人だ。だが、バーナードは声を殺し、銃と言う飛び道具まで捨て煙の中から仕留めに来ている…やはりおかしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

トーナメントは順調に進んでいっていた。

箒、ラウラペアは鬼神の如きの強さを発揮、次々と勝ち進んでいく。バーニィ、シャルロットペアも鈴、のほほんペアを倒し勝ち進んでいった。

 

「順調ですな。バーナードくんは」

 

モニターで試合を見ていた轡木はそう言いお茶を飲む。

端から見れば訓練機でありながらよくここまで登り詰めたと思うだろう。

 

「大丈夫かしらあの子………」

 

しかしナオミだけは自分の息子の様子がおかしいことに気づいていた。

 

「お兄ちゃん……」

 

エリナも不安そうにモニターを見ていた。

 

 

「バーニィ大丈夫?」

 

シャルロットが心配そうに尋ねてくる。おかしなやつだな。俺はいたって快調だ。ここまで勝ち進んでるんだ。もうひよっこじゃない。俺は強いんだ。もう誰かを失ったり、傷つけたりしない強さを手に入れたんだ。

 

「ありがとうシャルロット。大丈夫だよ。次も勝てる。ラウラさんと箒さんだけど俺には秘策があるんだ。楽勝だよ」

 

そうだ。秘密兵器も作ったんだ。万全の状態。負けるはずがない。アル、クリス、見ててくれ。もう情けない俺じゃないからな!

 

負けはしないさ……もう二度と……気づいたんだ…負けない方法を……

 

 

『では準々決勝を始める!両者位置につけ!』

 

準決勝が始まる。目の前にはもうバーニィとは言えないような笑顔を張り付けた人物。多くの生徒が彼の変化を心配している。見ているだけで痛々しい笑顔。何が彼をそこまで駆り立てるかは分からない。だが…このままでは彼は壊れてしまう。

 

「バーニィ……お前が求めていたのはそんな力なのか」

 

「………そうさ。俺は間違ってないんだよ箒さん…みんなを守るためには敵となるものを叩き潰せばいい。簡単だったんだよ。今までどうして気がつかなかったのか……」

 

「違う。お前が私に教えてくれたのはそんなものではない。お前の言っていた力はそんなものよりも強かった。今のお前はもうバーナードじゃない」

 

箒は刀の切っ先をバーニィに向ける。

 

「何に惑わされているかは知らないが目を覚まさせてやる!」

 

「何も知らないくせに知った風な口を言うなぁ!!」

 

 

 

『試合開始!』

 

 

 

 

 

 

こうして試合は始まった。

 

 

 




シャルロットって聞いたらお菓子しか出てこない…
シャルロットを食べる……フフフ

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