優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

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作者「お?500円のプラモ?!安いやん!買おう!」

店員「こちらの表示価格は前のやつで今は1000円になります」

作者「な!」

店員「騙して悪いが仕事なんでな!」


仲間

青年は戦った。性能差があっても、どれだけ力の差があっても戦った。

 

少年は走った。もう戦わなくていい友達を止めるために走った。

 

少女は戦った。誰かがやらねば多くの人が犠牲になるのを回避するために。

 

 

 

 

『神様お願いを叶えて下さい』

 

少年が部屋の中で祈るように目を瞑っている。まだ小学生くらいの子だ。これは夢だな。

 

『もう二度といたずらしないと誓います。本当です約束します』

 

神様にお願いするほどの事。私は妙な胸騒ぎがした。どうも関係ないように思えないからだ。

 

『カエル殺して遊ぶのやめます。ヘビやトカゲを女の子の机に入れたりしません』

 

そ、そんなことをしてたのか……この子は……

 

『だから…だからお願いです。バーニィをお守りください』

 

……バーニィだと?どういうことだ?

 

『このコロニーを…皆の命をお救いくださいアーメン』

 

そこで私は目を覚ました。

 

 

窓から差し込む夕陽。辺りは静かだった。体を起こし少しぼぉっとする頭を目覚めさせるために近くのテーブルに置いてあった水を飲む。

何だったんだ……先程の夢は……でも、バーニィの名前を言っていた。それにあれほど悲しそうに、そして不安そうに…

 

「目が覚めたか箒」

 

カーテンの外を見ると一夏や他のメンバーが並んでいた。

 

「大丈夫か?結構ダメージを負っていたらしいから…」

 

少し不安そうにする一夏……本当に私の心をここまで乱すのはお前ぐらいだ……だから私はお前が好きなんだろう。だがそれよりも気になることがある。

 

「バーニィは?」

 

 

俺は今保健室の前に居る。中々入るタイミングが分からず行ったり来たりを繰り返している。すると扉が開かれそこにはセシリアが居た。

 

「バーナードさん…」

 

セシリアは俺の手を握り部屋の中へと促す。

部屋の中にはいつものメンバーとベットに座る箒さん。

 

「なぁ、バーニィ……本当のことを話してくれ。バーニィ……バーニィは緑の大きなロボットのパイロットだったんだろ?」

 

一夏の言葉に心臓の鼓動が早くなる。

 

「戦っていた相手がガンダム。そうだよね?」

 

シャルロットの言葉で冷や汗が流れる。

 

「そして相討ちになった………アルとクリスと言う人を守るために……違うか?」

 

ボーデヴィッヒさんの言葉で確信した……もう隠すことはできないのだと。

 

「話してくれ……バーニィ」

 

箒さんが優しい声でそう言ってくれる。

自分でも分かるぐらい手が震えて体が動かない。ここで真実を話したらどうなるだろう?きっと軽蔑されるだろう。だがもう隠せないんだ。

 

「お願いします…バーナードさん……」

 

セシリアが泣きそうな顔だった。

 

話すしかない。それで彼らにどう見られてもそれは俺の罪だから……

 

「………俺は、俺は前世でザクって言う兵器に乗り、ジオン公国の軍人だったんだ……」

 

 

全てを話した。どうして戦争が起きたのか、戦局がどうなっていったのか、初めて参加した戦闘、アルとの出会い、ガンダム破壊作戦『ルビコン計画』に参加したこと、多くの罪無き人を殺めてしまったこと、初めて好きになったクリスのこと、核が撃ち込まれるのを知り全てを捨てて逃げたこと、そしてガンダムとまた戦ったこと…………

 

「俺は……戦争だからと言って人を殺したんだ。関係ない人達を巻き込んで……そしてこの世界に産まれて……どうしていいか分からなかった……ただ、今の苦しみが神様の与えた罰なんだろう……」

 

俺は目を瞑った。見たくない。皆の軽蔑する目を見たくない。夢の中のクリスの様なことを言われるのは覚悟している。でも…それでも……

心の中でそう考えているとふと俺の手を何かが包み込んだ。

「なぁ……俺はまだ信じられない。前世の記憶…しかもこの世界じゃないものなんて……でも分かることは1つだけある。確かにバーニィは人を殺した。でもバーニィはそれに心を痛めて自分を責め続けてきたんだろ?この15年」

 

目を開けると一夏が優しい声でそう言いながら手を握ってくれていた。

 

「確かに間違ったことをしたのかもしれない。俺は子供で戦争を体験したりした訳じゃないから分からない………でもそれから目を逸らし逃げてた訳じゃないんだろ?人が死んで悲しい、誰かを守りたい、その心が間違ってるなんてことはないんだと思う 」

 

一夏が抱き締めてくれる。

 

「悲しむことや人を救いたいと想う心を失ってしまえばそれはきっと心が壊れて人間ではなくなってしまう。だが、お前は立ち向かったんだろ?アルの為に、好きだった女性のために、軍人としては評価できるものではないと思うが……私は、一人の人間としては立派だと思う。」

 

ボーデヴィッヒさんが笑顔でそう言ってくれる。

 

「アンタはアンタなりに筋を通したんでしょ?立派じゃない。戦争だから仕方ない、だから人を殺していいって事が間違ってるって…関係ない罪の無い人間を助けるために戦ったんなら胸を張ってこれからの人生を生きていけばいいじゃない!せっかく神様がくれたチャンスなんだから」

 

いつもの笑顔でそう言ってくれる鈴さん。

 

「やっぱりお前は強い……お前は間違ってなんかなかったんだバーニィ。お前が私に言ってくれた言葉は間違ってなかった。それとすまない……何も知らず苦しんでるお前に無神経な言葉をかけてしまって……」

 

箒さんも……あれだけ酷いことをしたのに……

 

「ねぇ、バーニィ……バーニィは自分の過ちを認めてこうやって苦しんで来たんだよね?ならね……もういいんじゃないかな。人のために自分の命を投げ出せることは簡単ではないと思う。でも心のそこから人を助けたいって思える人じゃないとそんな行動は出来ないよ。」

 

シャルロットは泣きながら……優しい笑顔で……どうして…皆ここまで……

 

「バーナードさん……私は貴方が苦しそうにしている時……苦しかった……でもそれ以上に貴方は苦しんでいた。人を殺した事を嘆き、一人の少年の為に、また好意を抱いていた女性の為に命を掛けその結果、後の事が確認することも出来ずに…それを苦しんで苦しんでここまで来たんですわよね?そしてやっと私たちに話をしてくれた……それだけで充分ですわ」

 

そうやって微笑んでくれるセシリア。

 

初めて声を上げて泣いた。謝っても仕方のない相手にも謝った。そんな俺を皆は優しく受け入れてくれた。俺が人を殺した罪は消えることがないだろう。でももう一人ではない。こうやって共に笑い、泣き、悩んでくれるかけがえのない仲間を……見つけることが出来たのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…救われた………だから俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆に危機が迫ったら……この命を捨ててでも守ろうと。




最近ZZを見直してマシュマーが好きになってしまった。

感想、評価、アドバイス、そして皆さんご一緒に


ハマーン様!ばんざあああああああああああああああああああい!

よろしくお願いいたします!
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