バーニィを捜索しに出た5人。バーニィが戦っていたであろう海域に到着し、捜索を開始してから1時間以上が経過していた。しかし、一向に手がかりどころか何も見つからない。だが、彼女たちの目には諦めは見えなかった。必死に探す5人に迫る1つの影。
「気を付けろ!………この感覚…福音か!」
いち早く気づいたのはラウラだった。ラウラは冷静に各自迎撃体勢を取るように指示をする。
「くっ!こんなときに!早くバーニィを探さないといけないのに!」
「泣き言は後だ!今は目の前の敵に集中しろ!」
迫り来る福音。
「墜ちろぉ!」
先制攻撃を仕掛けたのはラウラだった。レールカノンから放たれる攻撃を福音は避ける。
「貴方が………貴方がバーナードさんを!」
セシリアは怒りに燃え上がり福音に追撃の攻撃を開始した。福音はブルーティアーズからの攻撃をまるで踊りを踊っているかのような軌道で避け、5人に接敵する。このままでは不味いと考えた5人はすぐさま散開。しかしそれがいけなかった。福音はまずラウラを追う。ラウラはAICで動きを封じた。
「箒!」
「切り捨て!ごめえええええええええん!」
箒の打鉄から放たれる斬撃が福音が襲う。
「いっけええええええええ!」
続いて鈴の龍砲が轟音を上げながら福音を襲う。ラウラは巻き込まれぬように着弾直前に回避し距離をとっていた。煙に包まれる福音を睨み付ける3人。
「やったか?」
そう箒が言った直後、箒に無数のレーザーが襲い掛かる。箒は防御体制を取ることなく直撃。吹き飛ばされる。
「箒!」
ラウラは箒を助けようと行動するが目の前に福音が現れ、ビームサーベルの一閃を喰らい、吹き飛ばされた所にレーザーが襲いかかる。
たった一瞬で箒、ラウラが無力化された。
「ふざけんじゃないわよぉ!」
鈴が激昂し青竜刀、双天牙刀を連結し白兵戦を開始。セシリア、シャルロットも援護攻撃を開始した。
◇
「た、隊長?」
「何だ?その間抜け面は?少しはましになったかと思ったんだがな………」
笑みを浮かべながら俺に話しかけてくる人。間違いない。シュタイナー隊長だ。
「へへへ、どうだバーニィ?女の子に囲まれて生活するのは?」
それにガルシア
「はははは、お前はやっぱりまだまだエースにはなれんな」
ミーシャまで………俺は嬉しさとそれと同時に申し訳なさで涙が止まらなくなってしまった。
「何を泣いてるんだバーニィ。腹でも痛いのか?」
「ち、違います。隊長達に会えて嬉しくて……申し訳なくて……」
そうだ。ずっと謝りたかった。俺のオーストラリアは今は冬と言う発言で部隊は全滅した。あの時何も言わなければ良かったと何度後悔したか。
「馬鹿野郎が。お前の責任じゃねーよ。あの時気づけなかった俺達にも非はある」
そう言ってそっぽを向くガルシア。そんなガルシアを茶化すミーシャ。そうだ、この感じだ。このやり取り………心地いい。
「それにしてもバーニィ。こんなところで油を売っていていいのか?」
隊長が表情を変える。
「え?でも俺は死んだんじゃ………」
「バカだなお前は……あんなガンダムもどきの攻撃で死ぬわけないだろ……お前が大切に整備していたラファールリヴァイヴはそんな簡単に壊れちまうようなもんだったのか?」
……………。
「なぁ、バーニィ。お前が居るべき場所はここじゃない。お前は居るべき所はあの大切な仲間がいる場所だろ。いつまでも過去に囚われず今を生きろ。いいな?これはサイクロプス隊隊長としてワイズマン伍長に命じる。お前は生きろ」
隊長………
「バーニィ。俺が最後に言った言葉を覚えてるか?威張れる相手がいなくなるから死ぬなって言った筈だ。だからお前はいきなくちゃならない。いいな?」
ガルシア………
「あと一機落とせばエースなんだろ?意地を見せてみろ。お前はエースに成れる素質がある。こんなところで端づくな」
ミーシャ………
「………そろそろか。あの小僧と小娘では荷が重い。お前が居ないから尚更だ。行け………」
俺の後ろには光が差していた。そこに写っていたのは福音と戦うセシリアやシャルロット。そして一夏だった。箒さんとラウラはボロボロになりながらも援護攻撃を行っていた。
俺は隊長達に敬礼をする。隊長達も敬礼で返してくれた。俺はそこから一歩づつ歩き光へ向かっていく。
光に飲まれそうになったとき耳に隊長の声がまた聞こえた。
「最後のザクでのガンダム破壊。見事だったぞバーニィ」
振り向こうとしたとき俺は意識が遠退いていった。
◇
「くそ!攻撃が届かない!」
一夏は焦っていた。目を覚ませば怪我は治っており福音が戦っている場所へと導かれるように白式を展開させ向かったら鈴たちが戦っていた。鈴と箒とラウラはボロボロだったが闘志を失っていなかった。一夏の白式はセカンドシフトしていたが福音はそれ以上のスピードで翻弄する。
「当たれ当たれ当たれ!」
シャルロットはがむしゃらにガルムを撃つが当たらない。セシリアもティアーズを展開させ攻撃するが全く当たらない。状況は最悪だった。段々と追い詰められていく一夏達。
もう持たない。
―全滅―
そんなことが頭をよぎる。
◇
「……速すぎますわ」
どれだけ敵に撃ち込んでも易々と避けられる……ここで自分も終わりなのかと……そう考えてしまう。自分の想い人を見つけることもなく……
―逃げないって誓ったんだ―
何を弱気になっているんですか!見つけるんでしょ!そして皆で旅館に…戻るんです!
自分を奮い立たせて攻撃をする。スターライトMKⅢで狙い撃つ。シャルロットの牽制に目をとられていたのか福音の羽に直撃し破壊する。
―当たった!―
その気の緩み…ほんの一瞬だった。
福音は私に瞬時に近づき気がつけば目の前にビームサーベルを振りかざした福音がいた。
「セシリアァ!」
シャルロットさんの叫び声だけが耳に聞こえる……まるでスローモーションの様にわたくしに迫り来るビームサーベル…
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
そんなわたくしの耳には聞きなれた声が聞こえた。
誰かに抱き上げられる感覚。目を開けると目の前にはフルスキンのISなのでしょうか……ピンクのモノアイ。緑の装甲。でもわたくしは知っている……
「バーナードさん……」
◇
福音に追い詰められた一夏達の目の前に現れたのは一夏が何度も夢の中で見ていた巨大なロボットと称していた緑色の機体。そうザクⅡ改だった。セシリアを抱き上げ福音から距離をとり離れる。
「またよろしく頼むぞ………ポンコツ!」
バーニィに答えるようにザクは音を発しながらモノアイを光らせる。腕の中にいるセシリアをゆっくりと腕から離す。
「………バーナードさんですわよね?」
「当たり前じゃないか………」
優しく答えるバーニィの返事を聞き涙目になりながらセシリアは微笑む。
「バーニィ……」
一夏が申し訳なさそうに近づいてくる。自分のせいで作戦が失敗した。そしてバーニィが撃墜された。そう思ったのだろう。謝ろうとする一夏にバーニィは優しく声をかける。
「怪我は大丈夫か?」
「馬鹿……やろう……」
一夏は感極まり泣き出してしまう。
慰めてやりたいとは思っているが今はそんなことをしている場合ではない。福音を無力化しなければならない。
「一夏………今度は皆で帰るぞ!」
「あぁ!」
白式とザクを攻撃対象に絞った福音はビームサーベルを両手に展開させ攻撃を開始する。
しかし、先程のセシリアの攻撃によりスピードは落ちている。
「当たれ!」
ザクのMMP-80マシンガンから放たれる弾は福音に吸い込まれるように当たる。
「一夏!」
「おう!」
一夏はトップスピードで福音に近づき残された羽を切り裂く。
「ほらよ!プレゼントだ!」
ザクの腰に装備されていたハンドグレネードを投擲し、撃ち抜く。爆発し、吹き飛ばされた福音。福音は一夏にレーザーで攻撃を開始する。一夏は雪羅を発動させシールドを展開させ攻撃を防ぐ。
「墜ちろ!」
一閃。背後からヒートホ-クで背後から斬撃を叩きつける。体勢を崩した福音。バーニィにビームサーベルで切りつけようとするが、展開させたビームサーベルをセシリアが撃ち抜いた。
「忘れてもらったら困るな!」
今度はシャルロットが迫りシールドピアースで福音をとっつく。
体勢を崩し、ふらふらになった福音を不可視の弾丸が襲いかかる。
「よし!やられたらやり返す!倍返しよ!」
鈴はぼろぼろになってはいたが笑みを浮かべていた。
「行くぞ!箒!我々はまだ終わってないことを見せつけてやるぞ!」
「あぁ!引導を渡す!!やはり私は専用機より打鉄のほうがいい!」
レールカノンを撃ち牽制する。そこへ箒が一閃すれ違い様に切りつける。
「行け!最後だ!」
バーニィが叫び、一夏が福音に近づく。
「これで!終わりだ!」
一夏の放った一撃により福音は停止、解除され意識のない搭乗者のナターシャが海面に叩きつけられそうになるがバーニィが受け止めた。
「………よかった」
こうして福音事件は幕を閉じた。
◇
無事に帰ってきた7人を待ち受けていたのは鬼の形相で待っていた千冬だった。
バーニィはナターシャと共に近くの病院で検査を受けることになり、その日は病院で過ごすことのなった。
アメリカは7人の代表候補生及び、日本政府に対して感謝すると共に今回の事件は外部からの干渉があったことを突き止め調査を開始した。ローガンは自身の息子をそして、友達を危険に晒してしまったことに責任を感じこの一件で軍を辞職することにしようとしたが回りの強い反対とバーニィのやめてほしくないと言う言葉に男涙を流し、イーリスにいじられるのはまた別の話。
◇
IS学園に帰る日。
バーニィは一人砂浜にたっていた。手には花束を持っていた。紫と白の花。ずっと前世から逃げ続け、向き合えなかったが今は違う。
「遅くなりました………隊長……俺、やってみます。この世界で生きていきます……」
そう言って彼は花束を海へと投げ敬礼をする。
「バーナードさん!」
「バーニィ!」
セシリア、シャルロットが彼のもとへと駆け寄ってくる。
「出発の時間ですわ」
「早く!ナターシャさんも会いたいって言ってるから!」
そう言って彼の手を握り、引っ張る二人。
「あぁ、わかったから引っ張らないでくれ……恥ずかしいから」
そう言って照れ臭そうに笑う彼の笑顔。
嘘偽りのない笑顔であった。
海に投げられ、波の間に漂う花
シオン
白と紫の花びらの花
花言葉は
―貴方達を忘れない―
~優しい嘘つきのIS奮闘記~
~Fin~
優しい嘘つきのIS奮闘記を読んでいただきありがとうございました!
沢山の感想や評価、アドバイス、本当にありがとうございます!ここまで書けたのも作者一人ではなく、読んでくださった皆様のおかげです。きっと皆様が居なければ心が折れていたかもしれません。更新を待っています。や、お疲れ様、面白い!、ここをこうしたほうが伝わりやすい、この部分はいらないかも!ジーク・ジオンなど、暖かい皆様のコメントがどれだけ励みになったか……
この作品で伝えたかったことは辛いことがあっても向き合っていくことを中心に書き、一人一人の登場人物の成長も書いて行きました。それによって、少々キャラがおかしかったりしてしまっていたかもしれません。ごめんなさいね。そして恋の行方!シャルロットとセシリアを選びきれなかった……許してくれ……
ちなみに、書いていた当初、セシリアはヒロインに入れる予定はありませんでした!バーニィのよい友人として書こうと考えていましたが、書いていくうちにかわいくてかわいくて……
そしてクリス。彼女を登場させようと考えていましたが、登場させるとセシリア、シャルロットに勝ち目が無いと思い、書けませんでした。これは作者自身の技術がなかったから………
さてここまで読んでくださった皆様本当にありがとうございました!
また会いましょう!