優しい嘘つきのIS奮闘記 《完結》   作:乙女座

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愛を込めて花束を

~優しい嘘つきのIS奮闘記 ~

 

2月13日。翌日の2月14日は恋する乙女たちにとっての運命の日である。

 

「で、できましたわ!」

 

「やったわね」

 

セシリアは鈴とあるものをつくっていた。2月14日と言えばチョコレートである。

 

「これをバーナードさんに渡して………告白します!」

 

メラメラと燃えるセシリア。鈴は少し引き気味で笑っていた。しかし、セシリアだけがこの日にチョコレートを作っていた訳ではない。

 

 

「で、できた!」

 

「箒……これでいいか?」

 

「あぁ、これなら犬が食べても大丈夫だ」

 

セシリア達とは別にシャルロット、ラウラ、箒もチョコレートを作っていた。シャルロットは勿論バーニィに、箒は一夏、ラウラはいつも遊んでいる柴犬アルへ犬でも食べられるクッキーを作っていた。

 

「これで……バーニィに想いを伝える……」

 

小さくそう呟き決意を固めていた。

 

 

翌日、IS学園はピリピリした空気で包まれていた。友チョコを渡したりする人もおり、その中ではラウラがアルにチョコレートを渡しているのを見た多くの生徒があまりの愛くるしさと癒しに倒れたりもした。そしてセシリア、シャルロット両名は放課後を今か今かと待ちわびていた。バーニィは何名かの友達に義理チョコを貰い普段と変わらず授業を受けていた。

 

「今日の授業はここまでです!」

 

真耶の声と共に生徒たちは帰り支度を始める。バーニィも鞄に物を入れて立ち上がる。そんな彼を引き留める人物が二人いた。

 

「バーニィ」

 

「バーナードさん」

 

セシリア、シャルロットであった。

 

「……………」

 

覚悟を決めた二人の表情を見てバーニィは悟る。

 

「屋上に来てほしいの」

 

「待ってますわね」

 

そう言って立ち去っていった。

 

 

 

 

IS学園全体を見回せる屋上。茜色に染まった空。少し肌寒さが残るこの時期に彼を呼び出したのはチョコレートを渡すためだけではない。彼に告白するためだ。

 

「負けませんわよ?」

 

「ぼくだって負けないよ?」

 

そう言って笑い合う二人は本当に仲が良いのだろう。恋敵でもあるが親友でもある二人。どちらが選ばれても、選ばれなかっても二人の関係はそう簡単に壊れはしないだろう。

 

そこに彼が来た。いつものように少しおどおどしながら屋上の扉を開け恐る恐る二人の前に来た。

 

「まずはセシリアだよ?」

 

「…………はい」

 

セシリアが前に出てバーニィの目の前に来る。

 

「まずはこれを」

 

可愛らしい青いリボンと水色の包みに彩られた袋を手渡す。勿論中身はチョコレートだ。

 

「ありがとうセシリア」

 

そう言って微笑むバーニィ。袋から一つチョコレートを取り出し口に入れる。ほのかな甘さと少しの苦さ、バーニィがコーヒーをよく飲んでるのを見ていた彼女はコーヒー味のチョコレートを作っていた。

 

「うまい!とってもおいしいよ!」

 

「よかったですわ………」

 

そう言ってセシリアはシャルロットの元へ。

 

「次はシャルロットさんの番ですわ」

 

「う、うん!」

 

シャルロットが今度はオレンジのリボンと黄色の包みの袋をバーニィに渡す。今度はチョコレート味のクッキーが入っており形はハートだ。バーニィはクッキーを一つ口に入れ頬張る。少しだけオレンジの味がする優しい味のするクッキーだった。

 

「ありがとうシャルロット。とっても美味しかったよ」

 

「えへへ、よかった」

 

シャルロットは照れながらセシリアの隣に立つ。

 

「バーナードさん………わたくしは………貴方が好きです。これ以上の言葉が見つかりません。本当に好きです」

 

「バーニィ……ぼくもバーニィが好き。大好き」

 

二人からの告白。バーニィは二人が好意を抱いているのは何となく理解していた。だからこそ彼は答えを持ってここに現れた。

 

「二人ともありがとう…………」

 

こんな自分を好きだと言ってくれることが嬉しくて涙を流す。今こうして学園生活を送れているのも一夏や、箒、鈴やラウラ。そして何よりもセシリアとシャルロットが自分を支えてくれたから。だからそんな彼女たちにはちゃんとした返事をする。自分が好きなのはどちらなのかを。

 

「俺は…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~15年後~

 

「よしっ!仕事終わり!」

 

「お疲れ様だな。バーニィ。飲みに行くか?」

 

パソコンのデータを保存しパソコンを閉じると後ろからハーパーが声をかけてきた。俺はIS学園卒業後はアメリカに戻り大学に入学そしてGE社に入社した。IS操縦者をしながら宇宙進出を中心としたプロジェクトを立ち上げた。戦うためではなく宇宙という大きな世界へと人類を進出させるためだ。入社した後は結婚した。子供も二人いる。

 

「悪いな。今日は早く帰らないといけないんだ」

 

「なんだよ……いいなぁ。あんな綺麗な奥さんと可愛い子供の待ってる家に帰れるなんてよ」

 

「お前も結婚してるだろ?」

 

「お前、お前の奥さんと俺の嫁とは雲泥の差だろ?確か日本の諺で月とすっぽん」

 

「へぇ~私がすっぽんなのね」

 

ハーパーの顔が青ざめ恐る恐る後ろを向くとハーパーの奥さんがたっていた。ストレートの金髪で眼鏡をかけた美人であるが怖いらしい。(ハーパー曰く)

 

「……………いやぁ~俺のwifeは世界一だぜ!」

 

「…………さぁ帰ろっか。あとでみっちり話を聞いてあげるわ」

 

「ひいいいいいいいい!!」

 

奥さんに襟を掴まれたまま引きずられていくハーパー。

御愁傷様。

 

 

 

 

 

 

家へと続く帰り道を歩く。10年前のバレンタインの日に二人に告白され、俺は答えを出した。その日から彼女とは二人で支え合って生きてきた。今は居なくてはならない存在だ。大学卒業後にプロポーズした時には二人で涙でぐしゃぐしゃにした顔で笑いあっていたのはいい思い出だ。結婚式の日には一夏達も来てくれた。一夏のスピーチでも泣き、ハーパーのスピーチでは笑った。母さんは控えめに泣いていたけど父さんは大泣きしていた。

 

「早く帰ってきてね…………か」

 

家に着き扉を開ける。すると5才になったばかりの娘マグノリアと昨年産まれたばかりのデイヴィスを抱えた彼女が花を持って待っていた。

 

「おとーさん!おたんじょうびおめでとう!」

 

そう言って向日葵の花束を渡してくれた。

 

「ありがとうなマギー」

 

俺は鞄を近くの棚に置きマギーを抱き締める。

きゃーと可愛らしい声を出しながら抱き返してくれるマギー。本当に幸せだ。

 

「ふふふ………はい。わたしからも」

 

そして彼女も花束を渡してくれた。

 

 

 

花はライラック

 

 

 

花言葉は

 

 

 

「ありがとうセシリア」

 

 

 

 

「おめでとうございますバーナードさん」

 

 

 

初恋の思い出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Fin~




これで本当に終わりです!
色々伏線を回収しきれていない作者を許しておくれ……
さて!セシリアが奥さんになっちゃいました!最初はハーレムでもええんやで?と悪魔の格好をしたザクが囁いて来たんですが、やっぱり一人の女の子と引っ付けた方がバーニィらしくていい!と考えました。シャルロットを応援していた人ごめんなさい………


次回作ですが決まりました!
活動報告の方に良ければ目を通してください!

後、鉄血のオルフェンズ始まりましたね!作者はアトラとビスケット家族、特にさくらちゃんが好きです(笑)


ではではまたお会いしましょう!

本当にここまで読んでくださりありがとうございました!



ジークジオン!
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