合州国のとある病院の一室。
そこでターニャは、二度目の人生を終えようとしていた。
体が動かない。
声も出せない。
目も見えない。
今となっては耳でしか周囲の状況を把握できない。
ヴィーシャが付きっきりで面倒を見てくれいているが、もはやそれも必要なくなるだろう。
自分でもわかるのだ。
死が、すぐそこまできている。
抗いようのない、どうしようもない死が。
ふふふ・・・・・。
数多の地獄から生き延びてきた私が病死とは、人生わからないものだな。
だがまあ、後悔はしていない。
退官後に創設した会社はヴァイスに引き継がせたし、前世の世界を顧みても、暫くは仕事には困らないだろう。
ルーシー連邦の崩壊もすぐだ。それだけ締め上げてやった自信がある。
ふふフフフはははハハハ!!!!!
素晴らしい!
あれだけの困難を、逆境を、理不尽を、私は乗り切った!!!
見たか存在X!!!
終ぞ私に信仰心なんてものは芽生えなかった!
貴様にとっては何千億分の一つにすぎないだろうが、私にとってはそんな矮小で非力な人間一人自由に操れない貴様の無能さを心の奥底から笑ってやれる!
ざまあみろ存在X!!!
私の勝ちだ!!!
あははははははハハハハハハハハハハ!!!!!!!
「・・・!!!ターニャ!!!」
「ヴィーシャ!?どうした!?」
「笑った、今ターニャが笑ったんです!」
はは、は、は、はあ・・・。
疲れた・・・。
今の野太い声はヴァイスか・・・。
他にも何人かいるな・・・。
そろそろか・・・。
まさか私が先に逝くことになるとはな。
ま、気長に待つことにするさ。
君たちは精々長生きしたまえ。
今更ながら、ありがとう。
私は本当に幸せだった。
優秀な部下を持てて。
素敵な得意先を持てて。
そして、
何よりも、誰よりも素晴らしく、美しい女性を迎えられて。
あぁ、ヴィーシャ。
愛している。
さようなら。
そのころ、知覚外領域における神域では人の形をした何かが不敵な笑みを浮かべていた。
「・・・・・・・・逝ったか。最後の最後まで愚かな者であった。だが、ふふふ。面白い」
ある人間の人生を道楽のように見物したソレは何かに感心したように何度も頷く。
「あれほどまでに合理的だったあやつが人を愛するようにまでなるとはな」
そしてまた、人の人生を、心を、身体を弄ぶ。
「面白いぞ、実に面白い」
「確か、あやつは私を悪魔だのなんだのと言っておったな」
「ふふふふ。ならば本物の悪魔と対峙したらどうなるのか」
「ふむ。ではここで試してみよう」
「ついでだ、その世界でもその娘を守り、信仰の糧となる愛を育め」
ターニャの終わりなき戦いの人生が、再び始まる。
読んでいただきありがとうございました!!!!
御意見、御指摘、御感想お待ちしてます!
勢いだけで書いているので、読みにくいところが多々あるかもしれませんが何卒宜しくお願いします!!!!
「なんか青エクの世界にターニャいても違和感ないんじゃね? 」
「いろいろ唱えるし?」
「誰か書いてないん?」
「無いんか......(絶望)」
「うおおおお書いたらああああああ(やけくそ)」みたいな感じです。さーせんwwww