クロスシンフォニーシルエット紹介
名称:アフリカオオコノハズクシルエット
パワー:C スピード:S 防御:D 持久力:C
特徴:飛行能力 隠密性
必殺技:ステルスダイブ
博士との合体戦闘シルエット。パワーにはやや劣るもののその隠密性や機動力は中々のもの。
必殺技のステルスダイブは上空から隠密性を発揮して視認しづらい一撃を加える。
さらに、実は非常事態にのみ使える隠し技もあるが、大きな負担がかかる為今までに使った事はない。
能力的には助手と似た部分もあるが、空中戦が必要な場面では頼りにされてきた。
「おおー!こっちもこっちで大盛況だねえ!」
ともえ、萌絵、イエイヌと春香+ラモリさんは色鳥町ショッピングモールcocosukiへとやって来ていた。
商店街のみんなには申し訳ないのだが、服だとやはりこちらの方が品揃えがいいのだ。
ともえ達くらいの年齢層向けの服だと特にその傾向は顕著だったりする。
そして夕方を回って夜へと向かう時間帯ではあるが客足はまだまだ途切れる様子もない。
「はぁ……。商店街もそうでしたがすごい人ですね。」
はじめて訪れた大型ショッピングモールをきょろきょろと見回すイエイヌ。
吹き抜け構造で1階から全てのフロアが見渡せたりする。
全3階建てて様々な専門店のテナントがひしめいている。
1階が食品売り場+フードコートにファストフード店にレストランなどの飲食店。洋菓子や和菓子の専門店などもある。
2階、3階に様々な専門店やシネマコンプレックス、書店や生活雑貨店などなど。
ここに来て揃わないものはないのではないか、と思える程に様々な商品が立ち並んでいた。
さらに大型立体駐車場も備えられており、たくさんの買い物客を受け入れるだけの施設も整っている。おかげで町外からのお客さんも多いのだ。
今日のお目当ては3階の服飾専門店……ではない。
まずは2階の暮らしと生活のフロアだ。
2階フロアはざっくりと言うと衣食住のうち“住”のコンセプトになっているのだ。
「だって、イエイヌちゃんにパジャマとか欲しくないかしら?」
春香の言葉に確かに!!と言わんがばかりに頷くともえと萌絵。
今まではけものプラズムで出来たイエイヌの服の万能さであまり気にしないでしまっていたが確かに部屋着やパジャマなど生活着も欲しいと思える。
「せっかくだから可愛いヤツを選びたいね。」
「うんうん、じゃあまずはそこからだね!」
と張り切って気合を入れている萌絵とともえの二人。むしろイエイヌ本人よりも張り切っていた。
4人とラモリさんはエスカレーターで2階フロアへ移動する。
目指す暮らしと生活のフロアは言わばホームセンターのような場所だ。
「ふぉおおお!?新型っ!新型のドリルがあるっ!?」
と萌絵が早速目移りしていた。
ちなみに萌絵が見ているのは電動インパクトと呼ばれるヘッドを交換することでドライバーにもドリルにもなる品だ。
「萌絵お姉ちゃん…。それっておうちにあるじゃない…。」
もちろん遠坂家の地下工作室、通常『工房』には様々な工具もある。
なので当然電動インパクトどころか各種のドリルヘッドだって揃っている。
だが新作が出てる以上つい欲しくなってしまうのは仕方がないのだ。
「こっちっ!こっちのラチェットとか可愛くない!?」
珍しくテンションマックスの萌絵。ちなみにラチェットとはL字状のねじ回しだ。
ドライバーの入らない狭い箇所のネジを回すための工具で意外と重宝する。
性格的には似た者同士の二人ではあるが、姉のこういうところは未だによくわからないともえである。
だが、好きな物を見るとついついテンションあがっちゃうその気持ちはよくわかる。なんなら姉と一緒に暴走する事だって結構ある。
「ふふ、萌絵ちゃんの工具好きはお父さん譲りかしらねー。」
言いつつ春香は寝具コーナーへと移動していく。
寝具コーナーにはパジャマも取り揃っていた。
フレンズ用のものの中には耳つきフードだったり、尻尾穴が開いていたりときちんとフレンズそれぞれに合わせた作りになっている。
「うーん…。このフードつきとかピッタリかしらねー。もうすぐ夏だから涼感素材ので、あと可愛いのがいいわねえ。イエイヌちゃんはどういうのがいいかしら?」
パジャマコーナーのいくつかのパジャマをイエイヌに当ててみる春香。
しかし、イエイヌにはそれらのどこがいいのかというのがよくわからない。
「ええと…。ごめんなさい。服、というものの選び方がよくわからなくて…。」
今まで服を着替える、という事がなかったイエイヌ。当然その選び方も良し悪しもわからない。
「そうねえ。まずは直感でいいから、こういうのが好きっていうのがあったら言ってみて?」
その言葉にイエイヌは真剣な様子で考え込む。
昨夜は沢山の服を着せられたが、そのどれもがほんの少しだけではあるが身に着けると落ち着く感じがあったのだ。
だが、今自分の身体のあてられているものにはそれがない。
何故だろう。
そう考えたとき、イエイヌには一つ思い当たる節があった。
「匂い…。昨日着た服からはともえさんや萌絵さんや春香さんの匂いがしました…!」
昨日あり合わせの服で着替えまくった時には春香達がそれぞれ服を持ち寄ったのだから、その匂いがするのは当然だ。
そして、自分のそばから大好きな人達の匂いがする、というのは安らぐものだった。
つまり、それはともえと萌絵と春香の三人はイエイヌにとって側にいてくれたら安らぐくらい大好き、と言ってるも同然なのだがそこには気づかないイエイヌであった。
「んー。となると…イエイヌちゃんの部屋着コンセプトは決定ね!」
そんな何かを考えついたような春香にともえと萌絵も集まってくる。
「古着を使ってリサイクル、がイエイヌちゃんに一番だと思うの。」
そんな二人に指を一本立てると説明を始める春香。いくつか小さくなったり擦り切れたりして着れなくなった服があったはずだ。
つまり、それを再利用して部屋着に仕立て直そうというのが春香の計画だ。
ちなみに春香は家事ならだいたい万能。喫茶店『two-Moe』の制服だって彼女が作ったものだ。
部屋着なら多少冒険したデザインでも何とかなるだろうし。
「おお…!?それなら色々デザインも考えたりしないといけない!?」
「そう…。昨日萌絵ちゃんとともえちゃんが描きまくってくれたスケッチもデザイン画としてお役立ちよっ!」
「「おおおおおっ!?!?」」
昨夜筆が進むままに色々な服を着たイエイヌをモデルに描いたスケッチまで役に立つとあっては名案と言わざるを得ない。
しかも家に帰ったらデザイン画をまた描いてみてもいいのだ。
これはワクワクしてしまう。
「と、いうわけでちょっとだけ生地とか糸とか買い足して……。」
そして、この春香の案にはもう一つメリットがあった。
「それだけだと大分予算が余るから少しだけ無駄遣いしちゃいましょうか。」
と悪戯っぽい笑みを浮かべる春香。
服を買わずに古着リサイクルで作り直すのなら金銭的には大分浮いてしまう。
つまり他の物を買っても特に問題がないのだ。
「「お、お母さん…。最高過ぎだよ…!」」
そんな策士な春香の名案にテンションだだ上がりの萌絵とともえ。
イエイヌは一人なんの事かわからないで?マークを浮かべていた。
「まずはイエイヌちゃんの欲しいものから見てみようか!」
とはいえ何が欲しいのかもやはりイエイヌにはよくわからない。
キョトキョト、と周りを見渡すイエイヌ。
と…
ペット関連コーナーでやけにイエイヌの目を引くものがあった。
それは骨型のオモチャだった。
「くっ!?こ、これはさすがによくないですっ…!」
それで遊ぶのはいくらなんでも子供っぽすぎる…!という想いが湧き上がってしまう。
鉄の自制心で何とか骨型のオモチャの魅力を振り払うイエイヌ。
ふと視線を移したイエイヌの目に映ったのはフリスビーだった。
「あ…。」
そのフリスビーに目が釘付けになるイエイヌ。
それは思い出のあるものだった。
且つて出会ったヒトの子供が投げて遊んでくれた事のある品物なのだ。
一度だけだったけれど、それはとても楽しい時間だった。
「これ欲しいの?」
その視線に気が付いたともえ。イエイヌの横顔を覗き込む。
「ええと…。その…。」
そう聞かれたイエイヌの胸中は複雑だった。
果たしてこれをねだってもいいものか…。という想いも確かにあった。
それよりも何か、自身でも言葉に出来ない感情が湧き上がっている。
それは昼間、アムールトラと出会った時に感じた感情に似ていた。もしかしたらまだ気持ちが落ち着いていないのだろうか。
イエイヌがその感情の正体に気づくよりも先に、ともえがフリスビーを商品棚から手にとってみた。
「アタシは欲しいかなー。イエイヌちゃんとこれで遊んだら面白そうだし。」
「いいかもねー。でも、アタシ上手に投げられるかなあ…。」
いつの間にか萌絵も覗き込むようにしてフリスビーを眺めていた。
「だ、大丈夫です!どこに投げたってちゃんととってきますからっ!」
ふんす、と気合を入れたイエイヌに二人は一度顔を見合わせて、嬉しそうに笑う。
「じゃあ、フリスビーはご購入だねっ!」
その言葉にイエイヌの尻尾はぶんぶん揺れていた。頭で考えるよりも尻尾の方は正直だった。
きっとこれでともえと萌絵と一緒に遊んだら楽しいだろう。想像するだけでさらに尻尾は激しく揺れるのだった。
の の の の の の の の の の の の の の
そんなこんなで楽しいショッピングタイムはまだまだ続く。
さらにイエイヌ用のクッションとかを見繕うともえ達。イエイヌ用の部屋を用意する事も出来るのだが一人になるのはあまり好きではない様子のイエイヌだった。
だいたい家ではともえか萌絵のどちらかの部屋に一緒にいてそこで三人で過ごしている事が多い。
なのでまずは専用クッションとか用意したらどうだろう、という作戦であった。
「お、おぉー…。なんだかワシャワシャって不思議な音がしますね…。」
ビーズ入りクッションを何度も手で押してみているイエイヌ。どうやらこの音のする感触がお好みなのかもしれない。
他にも低反発系やちょっと固めのクッションなんかも選んでいく…。
と、いくつめかのクッションを手に取ったとき、小さな手が同時にそのクッションを掴んだ。
どうやら同じ商品を同時にとってしまった誰かがいるのだろう。
「「ご、ごめんなさいっ。」」
と、その手の主と同時に声が重なるイエイヌ。その声には聞き覚えがあった。
「あ、あれ?ルリさん?」
「あ、えーっと、さっき会った先輩のー。えーっとえーっと…。」
それは茶道部室で出会った青みがかった長い髪を二つ結びの三つ編みでまとめた少女、ルリであった。
きっと名前をまだ覚えていないのだろう。思い出そうと一生懸命な様子を見せるルリ。
「イエイヌです。」
なにせ茶道部室では色々と混乱していて殆ど会話らしい会話もしていなかった。だから思い出せなくても仕方ないだろう。
今度はちゃんと笑顔で挨拶できただろう、と確信するイエイヌ。
そんな彼女の挨拶にルリも顔を輝かせる。
「そうだ!イエイヌさんだっ!」
「はい、イエイヌです。」
言って二人してふふ、と笑いあう。
そうしていると、ともえ達も大荷物を抱えたアムールトラとその後ろを涼しい顔で手ぶらで歩いてくるユキヒョウもやってきた。
「なんや、先輩方も買い物やったんか?奇遇やなあ。」
大荷物を抱えたアムールトラであったがそれを気にした様子もない。
「あの、手伝いましょうか?」
それでもイエイヌはそう言わざるを得なかった。そのくらい両手に大荷物を抱えていたからだ。
「お?ほんまに?助かるわぁー。なんせユキヒョウのやつ、ぜんっ!ぜん荷物持ってくれへんからなっ!」
「はっはっは。わらわは箸より重たいものは持った事がないのでな。」
「嘘つけぇ!?」
と賑やかに言い合いを始めるアムールトラとユキヒョウ。
「とりあえず、ウチはさすがにチョイ疲れたんでそこのベンチで休んでるわ。ユキヒョウ、ルリと二人で選んできたらええよ。」
「じゃあ、わたしも。少し色々見すぎてなんだか目がぐるぐるしちゃって…。」
とイエイヌはアムールトラの荷物を半分引き受ける。見た目通りに結構な重量があったがイエイヌにとってはそこまで重たいわけではない。
それでもイエイヌは、アムールトラはよく涼しい顔でこの倍の重量を持っていたなあ、と感心する。
「いやー、悪いなあ。助かるわー。」
二人でベンチへ移動。
で、色々と話し合った結果、ともえ達とルリとユキヒョウで生活雑貨品を見て回る事にしたらしい。
最初、ともえと萌絵は少しだけ心配そうにしていたがイエイヌが笑顔を向けてみたら納得したようだ。
春香は春香で生地と糸を見繕いにいった。
30分後にアムールトラのいるベンチに集合、という事で落ち着いた。
「いや、ほんま助かったわ。ユキヒョウのやつ、容赦とか手加減って言葉知らんのやないやろか。」
荷物から解放された両手をぐるぐる回して一息つくアムールトラ。
「仲、いいんですね。」
「ま、色々とルリの面倒も見てもらってるし気のええヤツやし、引っ越して来て最初に友達になったんがアイツでよかったわ。」
きっと憎まれ口を叩きあう事が出来るくらいに仲のいい間柄なのだろう。それはそれで少し羨ましいように思える。
そんな事を思っていると荷物を降ろしたアムールトラはベンチから少しだけ離れると手近にあった自動販売機でジュースを二本購入。
そのまま戻って来て…。
「ほい、荷物持ってもらったお礼。先輩はどっちがええ?」
と差し出したのはメロンソーダにオレンジジュースだった。
「あ、わたしの事はイエイヌ、でいいですよ。飲み物ありがとうございます。」
言いつつジュースを眺めるイエイヌ。取り敢えず薄い緑色の缶が鮮やかに思えたのでメロンソーダを選ぶ。
「そっか。もしかしてイエイヌ、ウチに何か話があったりしたん?」
イエイヌの隣に腰を降ろして荷物番のような格好になるアムールトラとイエイヌ。
イエイヌもちょうどいい機会だしアムールトラと話してみたかったというのはあったものの、何か特別話題があるわけでもなかった。
「いや、茶道部室でウチの事気にしてたみたいやったから…。」
ああ、本人にまでも見透かされてたか。とちょっとバツの悪い思いのイエイヌ。
「実はアムールトラさんが昔ちょっと色々あった苦手なフレンズに似てたもので驚いたと言いますかなんと言いますか。気を悪くさせてごめんなさい。」
ともかく失礼な態度になってしまったのは事実だ。きちんと頭を下げて謝る。
「ああ、いやいや、別に責めたりしてへんよ!?でもウチが知らん間にイエイヌになんかしてた、ってわけじゃなくて安心したわー。」
そう言いつつ笑って見せるアムールトラ。
やっぱりこの子はいい子だ。あのビーストと呼ばれた乱暴者とは違う。とあらためて思うイエイヌであった。
取り敢えず貰ったジュースの蓋を開けて、一口飲んでみて……。
「!?!?」
と、変な声にならない声を上げてしまうイエイヌ。口の中でシュワシュワする感覚に驚いてしまう。
「あー、もしかしてイエイヌ、炭酸苦手やった?ウチも初めて飲んだ時似たような感じになったわ。ごめんな?交換する?」
「あ、いえいえ。この飲み物は初めてだったので驚いてしまって。でも、不思議な感じがして面白い飲み物ですね。美味しいです。」
それにほっと安心したようなアムールトラ。
「そういやルリも炭酸は面白いって言ってたな。一缶は多くてお腹痛くなってまうから大体半分こするんやけどな。」
身体の小さいルリだと炭酸飲料はすぐにお腹が苦しくなってしまうのだろう。そんな事を言いつつ笑うアムールトラ。
「アムールトラさんはルリさんが大好きなんですね。」
「おう。ルリはウチの一番大切や。何があってもあの子は守らんとあかん。そう思ってる。」
そういうアムールトラの目にはそれが本気の言葉だとわかるだけの光が宿っていた。
「あ、あとな?イエイヌ。アムールトラさん、やなくてアムールトラ、や。」
「え、ええ!?」
イエイヌにとっては呼び捨てにするような間柄の相手は今までいなかった。かなり意外な申し出といっていい。
「ウチだけ呼び捨てなんて恥ずかしいやないか。それに、ウチはイエイヌと友達になりたい。ダメか?」
「も、もちろんお友達は嬉しいですが…。その…なんかはずかし…。」
「ええやないか。ほな、練習練習!呼んでみよ!ほい、アムールトラ!りぴーとあふたーみー!」
「ええ!?!?」
そんな二人の様子をこっそりと荷物に紛れて見守っていたラモリさん。
「(ドウヤラ、俺の出番は必要ナイみたいダナ。)」
表情をかえる機能があったのならきっとニヤリとしていた事だろう。
の の の の の の の の の の の の の の
一方その頃、ルリを連れたユキヒョウとともえと萌絵の4人は3階フロアへと移動していた。
3階は主に服飾品のお店が並んでいる。3階フロアのテーマは“衣”と娯楽。
服や装飾品などの専門店からシネマコンプレックス、書店、ホビーショップなどのテナントが入っている。
「だいたいの生活用品は揃ったんじゃがな…。あとはルリの私服が必要かと思ってな。」
確かにルリが今着ているのは少しばかりブカブカで大きすぎる気がしなくもない。
いわゆる萌え袖状態になっていて手がすっかり隠れているのだ。
「ちょうど良いサイズの服の一つも見繕ってやらねばならんと思っての。」
「うん、ルリちゃんならいろんな服が似合いそうだね。可愛いもん。」
「じゃろ!ルリは可愛いからの!」
そんなユキヒョウの様子にちょっと恥ずかしそうにしながら着いていくルリ。
そうしていると子供服売り場に到着した一同。
「ふわぁ……。ここもキラキラしてるね。」
とルリが目を輝かせている。
「うん。わかるよー。ステキな服売り場ってキラキラして見えるよね。」
と萌絵も早速ルリに何が似合うか、と考え始めている様子だ。
三人でああでもない、こうでもない、と次々とルリに服をあててみている。
「ルリちゃんはどういうのが好き?」
ともえもルリに聞いてみるが…。
「うーん、どれもキラキラしてて好きだよ。」
というルリ。おそらく、明るい色が好きなんだろうか。さすがに蛍光色だと派手すぎるので…。
「こんなのどうかな!」
と萌絵が選んでもってきたのはセーラー服。学生制服のものではなく元の水兵風の服をノースリーブにして子供服用に可愛らしくアレンジしたものだ。
サイズもピッタリっぽい。
「お、おおおっ!?これは…!これはいいな!」
「うん。なんだかこれ、キラキラしてる…!」
ユキヒョウもそれに目を輝かせ、ルリもかなり気に入っている様子だ。
「なら早速試着だね。ボトムはこの辺り合わせたら可愛いんじゃないかな。」
と萌絵が持ってきたのは膝丈くらいのハーフパンツ。
「いいかもしれぬな…!さ、ルリ。一人で着替えられるか?」
「もー。ユキさん。わたし、ちっちゃいけど子供ってわけじゃないから着替えくらい一人で出来るよっ。」
と可愛らしくほっぺを膨らませてから試着室に入るルリ。
程なくして出てきた彼女は先ほどまでと違って肩まで出ていて何だかますます活動的な印象だ。
「ど、どうかな…。」
と、ちょっとだけ不安そうにたずねるルリ。
「うむ!さすがはわらわの可愛いルリじゃな!あまりに可愛らしくて天使にでも出会ったかと思ったわ!」
「もう。ユキさん褒め過ぎ。恥ずかしいったら。」
一方でともえと萌絵もお互いの手がスケッチブック入りの肩掛け鞄に伸びようとしているのをお互いにガードしあっていた。
「くぅ!?こ、ここがお店屋さんじゃなかったらスケッチしてたのに…!」
「ほんとだね…!さすがにここでスケッチしはじめたら迷惑になるから自重するけど…!自重するけど…っ!」
その様子を見ただけでめちゃめちゃ似合っている、と言いたいのはよく伝わってくる。
「他にも選んでやりたいが……。むう。ちょうど時間じゃな。アムールトラのやつをあまり待たせるのも悪いか…。」
「そうだね。アムさん一人で退屈してないかな。」
ちら、と時計を確認したユキヒョウ。もうすぐ集合予定時間だ。
名残惜しいが、まずは一度戻った方がいいだろう。
「うむ。すまぬが店員殿。ルリの着ているものをそのまま着て行っても構わぬだろうか。支払いはカードで頼むのじゃ。」
「「お、大人だ……!」」
言いつつ手早く『黒より黒い光をも吸い込む本物のブラックカード』で支払いを終えるユキヒョウ。それはともえと萌絵の目にはやけに大人びた行動に見えた。
今までの服を袋に入れてもらって再び4人でイエイヌとアムールトラの元へと戻っていく。
と…。
ルリの足跡が黒ずんだ跡となって床に残る。
―ポコン
そして4人の去って行った店頭に黒い泡のようなものが一つ、床から湧き出していた。
―後編へ続く―
クロスシンフォニーシルエット紹介
名称:ワシミミズクシルエット
パワー:B スピード:A 防御:D 持久力:C
特徴:飛行能力 静粛性
必殺技:サイレントダイブ
助手との合体戦闘シルエット。能力的には博士と似たような部分がある。
こちらはより羽ばたきの音すらさせずに飛ぶ静粛性が特徴。
必殺技のサイレントダイブは攻撃の音すらさせずに上空から急降下アタックを仕掛ける技だ。
死角から放たれたこの技をかわすのはまず不可能だろう。
博士のアフリカオオコノハズクシルエットと同様、空中戦が必要な場面で多用されてきた。