その後もみんなでお風呂に入ったり、イエイヌと誰が一緒に寝るかで揉めて結局4人で一緒に寝る事になったりとどったんばったんの一夜が過ぎて…
「ふぁあ…。少し眠りすぎてしまった気がします。おはようございます。」
とイエイヌが起き出してくる。
「おはようイエイヌちゃん。きっと疲れてたのね。昨日はぐっすりだったわよ。」
おうちの中を見渡しても、いるのは春香だけのようである。
「ええと…。ともえさんと萌絵さんは…。」
「二人は学校よ。さっき出たところなの。イエイヌちゃんも朝ごはん食べましょう?」
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
バターを塗ったトーストに目玉焼きとウィンナー。それとポテトサラダが用意されていて…。
「ああ…。ジャパリまんの他にこんな美味しい食べ物があったなんて…。」
と綺麗に完食しちゃうイエイヌ。ぽわわん、と夢見心地の表情だ。
「ところで、イエイヌちゃん。今日は私とお留守番だけどそれでいいかしら?」
「あ、はい。春香さん。今日はよろしくお願いします。ええと…。わたしは何をしたらいいでしょう?」
「そうねえ…。差し当たって何かしなきゃいけない事はないのだけれど…。よかったらカフェのお手伝いとかしてみる?制服も用意したいし…♪」
と何やら楽しそうな春香。
「じゃあ、早速カフェに行ってみましょう…。ってあら?」
と玄関に向かおうとしたところ、玄関の靴箱の上にお弁当の巾着が置かれているのが目に入る。
「あら、大変。ともえちゃんったらお弁当忘れていっちゃったのね。どうしましょう…。届けにいかなきゃ…。あ、でもお店もそろそろ開けないとだし…。」
と、オロオロ困った様子の春香。
「なら春香さん。わたしが届けましょうか。」
「ええ!?でも、この街の案内もしてないもの…。道がわからないでしょう?迷子になったら大変よ。」
「平気です。ともえさんと萌絵さんの匂いなら覚えましたから。帰り道だって匂いを辿ればバッチリです。」
「そうねえ…。じゃあラモリさんも連れていって。何か困った事があったらラモリさんがアドバイスしてくれると思うわ。」
と、それを聞いた赤いカラーリングのラッキービーストがイエイヌの胸に飛び込んでくる。
「ヨロシクナ、イエイヌ。」
「わっとっと。わかりました。ラモリお父さん。」
と胸に飛び込んで来たラモリさんをキャッチして抱えるイエイヌ。どうやらすっかりこれがお父さんというものだと思っているらしい。
「あらあら、すっかりラモリさんがお父さんって勘違いしちゃってるわねえ。じゃあ車に気をつけて。無理しちゃダメよ。」
「はい、春香さん。いってきますね!」
「いってらっしゃーい。」
ラモリさんを抱えたイエイヌはお弁当入りの巾着袋を口に咥えると猛烈な勢いで駆けだすのであった。
の の の の の の の の の の の の の の
周囲の人たちが驚いた表情を見せる中、ラモリさんを小脇に抱えたイエイヌはともえと萌絵の匂いを辿ってひたすらに走り続ける。
「イエイヌ。ストップだ。次は赤信号ダ。」
とラモリさんがストップをかけた先には赤信号の横断歩道が待ち構えている。
「あ、はい。アカシンゴウというのはよくわかりませんが止まりますね。」
キキーッと音がしそうな勢いで横断歩道の前で一時停止のイエイヌ。
「ヨシ。イエイヌ、青信号ダ。右と左を確認シテカラ進んデイイゾ。」
で、再び土煙をあげそうな勢いでダッシュするイエイヌ。やはりあまりの速度に周囲の視線を集めてしまっているが、ともえと萌絵の匂いを辿る事に夢中のイエイヌには気が付かない。
「匂いが強くなってきました…!もう少し…!」
と辿る先に制服姿のともえと萌絵を見つけるイエイヌ。
二人ともお揃いの制服でブレザータイプの上着にリボンタイ。それに一本白のラインが入ったスカートという制服だ。なお少しだけともえの方がスカート丈が短い。
ズシャシャー!と滑りながらともえと萌絵のところで制動をかけるイエイヌ。その勢いに二人のスカートが揺れる。
「イエイヌちゃん?」
と目を丸くするともえ。
「ともえさん、お届けものですっ」
「相変ワラズ、オッチョコチョイダナ。」
イエイヌがお弁当入りの巾着袋を差し出す。
「うわわ、玄関に忘れて来ちゃってたのかっ!ありがとうイエイヌちゃん!助かったよぉー!」
「まぁ…あの勢いで走って来てたとしたら中身の方はちょーっと大変な事になっちゃってるかもだけど…。」
と苦笑を浮かべる萌絵。
「うっ…。いやいや、イエイヌちゃんが頑張って届けてくれたんだもん!見た目がちょっと悪くなっても大丈夫っ!」
そして尻尾を振って何か期待に満ちた目でともえを見つめるイエイヌ。
「あ、うん、あらためてありがとうね。えらいよイエイヌちゃん。」
とイエイヌの頭を撫でるともえ。とても嬉しそうな笑顔を見せてくれる。そこに…。
「おはよう遠坂さん。」
「おっはよー!ともえちゃん、萌絵ちゃん!あれれー?今日はもう一人いるんだね。」
と制服姿の女の子がさらに二人追加でやってくる。一人はちょっとくたびれた様子の2本羽根の羽根帽子を被っておりもう一人は大きな耳を持ったフレンズのようだ。
「あ、かばんちゃん。サーバルちゃん、二人ともおはよう。」
「かばん生徒会長、サーバルちゃん、おはようございます。」
ともえと萌絵も挨拶を返す。
「ねえねえ。私サーバルキャットのフレンズ、サーバル。貴方はなんのフレンズ?お友達になろうよ。」
サーバルと名乗った女の子はイエイヌにまとわりつくようにくるくるとその周囲を回りながら珍しそうにイエイヌを見ている。
「あ、わたし、イエイヌです。」
とちょっと戸惑った様子を見せるイエイヌ。
「サーバルちゃん。イエイヌさんが困っているようだからもう少しゆっくりお話しした方がいいかも。」
「そっかあ。ごめんね。驚かせちゃった?」
「いえ。お友達嬉しいです。サーバルさんもよろしくお願いします。」
早速仲良くなってお互いの匂いをすんすんしあってるサーバルとイエイヌ。かばんと名乗った少女とともえと萌絵もそれをほっこりとした笑みで見守っている。
「イエイヌちゃんはね、ウチで今仮保護中なの。」
「仮保護って事はもしかして自然発生系の生まれたてのフレンズなのかな…。ボク初めてみたかも…。」
かばんが目を丸くする。
「って事はイエイヌさんもいずれウチの学校に通う事になるかもしれませんね。その時はよろしくお願いします。」
と、かばんがイエイヌに向けてやわらかく微笑んで見せる。
「そういえば、そもそもガッコウって何なのかわたし知りませんでした…。」
「ええと、学校っていうのはね、お友達が沢山いて楽しいところだよ!あと部活したりとかー…あと…なんだっけ。」
とともえが萌絵の方を見ると
「もう、ともえちゃん…。一番大事なお勉強が抜けてるよお。」
「あはは。そうですね。学校っていうのは色んな事を教えてくれる場所ですよ。」
萌絵ががっかりと肩を落とす様子にかばんが笑いながら補足してくれる。
「へえー。楽しそうな場所なんですね。」
と目を輝かせるイエイヌ。それを見たサーバルが…
「ねえねえ。何なら見学してったら?そのくらいなら出来るよね?かばんちゃん。」
「あ、サーバルちゃん、いい考えだね。どうかな?遠坂さん。」
「うはー!学校でもイエイヌちゃんと一緒でいいの!?」
「うん、いずれは学校も案内したいと思ってたしせっかくだからかばん生徒会長にお願いしちゃおっか。お母さんにはアタシがメールしておくねー。」
とすっかりイエイヌの学校見学に乗り気の様子の4人。
「なら私たち早速学校に行って手続きしないとだよね!私、庶務だから!」
サーバルの目に☆マークが宿るほどのキラキラぶりを見せながら親指立ててみせる。
「そうだね。じゃあボク達先に行きますね。遠坂さん達が来る頃には手続き終わらせておきますから。」
かばんが軽く手を挙げて挨拶すると…
「じゃあ、急ごう、かばんちゃん!」
ひょいっとかばんをお姫様抱っこで担ぎ上げるサーバル。
「うぇええええ!?ちょ、サーバルちゃん何をー!?」
「急ぐんでしょ!任せて!私、庶務だから!」
「けどこれは恥ずかしいっていうかなんて言うか…!?」
「大丈夫ー!私、庶務だから!」
「ちょぉおお!?サーバルちゃぁあああおろしてぇええええ……」
と土けむりあげる勢いでかばんをお姫様抱っこしたままのサーバルが駆け去っていく。
「なんかかばんちゃんのところは相変わらずだねえ。」
「ほんとだねえ。」
ほっこりした笑みで手を振りながら見送るともえと萌絵。
「それじゃあ、イエイヌちゃんも一緒に学校いこ。いいよね、ラモリさん。」
「アア。イイ機会ダ。俺ガ校内デモ、イエイヌに着イテイヨウ。」
そうして三人は学校へと向かう事になったのだった。
の の の の の の の の の の の の の の
登校途中、昨日イエイヌとともえが出会った公園を通り過ぎる三人。
「萌絵お姉ちゃん、ここ、ここでイエイヌちゃんと会ったんだよっ。」
と楽しそうに萌絵の周りをくるくると回るともえ。
しかし、当のイエイヌはというと、ピタリ、と足を止めたかと思うと公園の方をじっと見ている。
「「イエイヌちゃん?」」
二人も足を止めて振り返るが、それでもイエイヌは反応を返さない。
それどころか、グルルル…、と牙を剥きそうな険しい表情で公園の方向を睨みつけるイエイヌ。
「ともえさん。萌絵さん…。わたしの後ろに。セルリアンです。」
と公園の方を向いたままのイエイヌに
「「セル…リアン?」」
と何のことかわからないのかきょとんとした顔を揃ってするともえと萌絵。
「もしかして…こっちの世界にセルリアンっていないんですか…!?」
イエイヌの頬に一筋の汗が流れる。
「うん…、初めて聞くけどセルリアンってなに?」
ともえが小首を傾げるようにする。その言葉にますますイエイヌの緊張が高まる。
セルリアンがいない、という事はそれと戦う方法も知らないということだ。
自分の勘違いならいい、と微かな期待を込めてイエイヌはもう一度鼻を鳴らして周囲の匂いを嗅いでみる。
「でもこの匂い…。間違いない…。セルリアン…。しかも囲まれてる…。」
ともえと萌絵の呑気さとは対照的にイエイヌの焦りはどんどん深くなっていく。
「ともえさん、萌絵さん、こっちです!広い場所へ!」
「ええー!?ちょ、イエイヌちゃん、学校はー!?」
「後で!」
「ええええ!?」
と思わぬ強引さで腕を引かれる二人は朝早くでまだ人気のない公園へと入っていく。
芝生の広場の中心まで進む三人。その後ろにラモリさんがピョインピョインと飛び跳ねながら着いていく。
「ここなら不意打ちはされません…。後はわたしの体力がもてばいいだけです…!」
四足獣のように四つ足の体勢で牙を剥き周囲に警戒の視線を向けるイエイヌ。その姿にともえと萌絵は戸惑うばかりだ。
やがて、物陰からピョインと青い小型セルリアンが一匹現れる。
「あれがセルリアン…?見た目はなんかかわい…」
ともえの言葉が終わるより早くイエイヌが矢のような速さで飛び出して
「ドッグバイトォ!」
あらわれたセルリアンに肉薄。そのまま一瞬で『石』を握りつぶすようにしてキューブ状の欠片へと還してしまう。
「倒しちゃった…。」
と呆けているともえと萌絵…。一匹が終わったと思えば、続けて一匹、二匹、と次々とセルリアン達が物陰から現れる。
やがて両手の指でも数えきれない程の数がともえ達を取り囲むかのように湧きだしてくる。
「ちょ…なんか数が多いとさすがになんか怖いっていうか…。なんていうか…。」
「怖いなんてもんじゃないです。そのままでいたら食べられますよ!お二人は出来るだけ中心にいてください!わたしが戦います!」
言うが早いかイエイヌは二人を中心に置いてその周囲を駆け回る形で次々と小型セルリアン達をサンドスターへと還していく。
「食べられ…ええ!?こいつらってそんな怖いの!?」
「はい!わたしのいた世界ではコイツらに食べられて元の動物に戻ってしまったフレンズが何人もいます!」
爪の一撃をセルリアンに食い込ませてそのまま別のセルリアンに投げ飛ばしてぶつけて二体同時にやっつけるイエイヌ。それでも…数が減るどころかどんどん湧き出してくるセルリアン。
「まだまだああああああああああああああっ!!」
ぐるぐるとともえと萌絵を中心とした大きな円を描くように疾走するイエイヌ。進路上のセルリアン達を鎧袖一触でサンドスターへ還していく。
「すごっ!?イエイヌちゃん強っ!?」
「うん…。でもあれじゃあイエイヌちゃんの体力が…。それに少しずつ押し込まれてる…。」
イエイヌの描く円が少しずつ半径を狭めていっている。あまりにも湧き出してくるセルリアン達の数が多すぎるのだ。
円が狭まった分だけセルリアン達がともえと萌絵に近づく。
「くっ……!キリがありません…!なんでこんな大量のセルリアンが…!」
とうとうともえと萌絵のいる円の中心まで押し込まれてしまうイエイヌ。
「ハァハァハァ……数が多すぎる…。」
イエイヌが振り返ると不安そうな表情で身を寄せ合うともえと萌絵。
「もういいよイエイヌちゃん!イエイヌちゃんだけでも逃げて助けを呼んできて!」
ともえの悲痛な叫びがイエイヌの背中に届くが…。
「いいえ。ヒトを守るのはわたしの使命…。絶対にここで退くわけにはいきません…!」
再び体勢を低く四足獣のように構えをとるイエイヌ。
「それにですね…。楽しかったんです。わたし、昨日の夜は本当に楽しくて、わたしはずっとこういう暮らしがしたかったんだって。そう思えました。だから、だから絶対に守ります。逃げたりなんてしません。」
「イエイヌちゃん…。」
その背中になんと声を掛けていいのかわからず手を伸ばすも言葉が出てこない萌絵。
「そんなの…。そんなのアタシだって一緒だよ!今日は一緒に学校いって帰ってまた一緒に寝て明日も明後日もイエイヌちゃんと一緒にいるんだから!」
ともえがそう叫んだとき、肩にかけていた鞄からサンドスターの輝きが漏れ出ている事に気が付く。
「へ?一体なに?」
鞄を開けると光を放っているのはスケッチブックで…パラパラと勝手にページがめくれるようにして、昨夜描いた笑顔のイエイヌのスケッチでページが止まる。
さらにスケッチブックが輝きを増してともえの身体を包み込む。
やがて、光が治まると、そこには…
イエイヌの衣装に似た服をまとったともえが立っていた。
しかし…。
「ええと…ともえちゃん…。さすがにその格好はちょっとエッチいんじゃないかなって…。」
スカートがイエイヌのものより短く、ニーソックスで絶対領域を形成しているのはまだいい。
カーディガン部分が短くておへそが丸出しだ。
「いやいや、萌絵お姉ちゃん問題はそこじゃなくない!?」
そう、ともえが突然着ている服がイエイヌの物によく似た衣装になっていて、しかも犬耳とふさふさの尻尾まで生えているのだ。
「あと…。これ、格好だけじゃないかも…!」
ともえはそばに忍び寄って来ていた小型セルリアンに綺麗な回し蹴りを叩き込むと…パッカーン!と見事にキューブ状のサンドスターへと還る。
「なんだかよくわかんないけど、すっごい力が湧いて来てるの。多分今なら一緒に戦えるよ!」
むん、っと拳を握りしめてみせるともえ。しばらく驚いたようにともえを見ていたイエイヌだが…。
「何が起こったのかよくわかりませんが、ですが助かります。でも…二人で戦っても相手がこの数じゃあ…。」
「ヨッシ、セルリアンとヤラの解析完了ダ。」
と、それまで沈黙していたラモリさんが話はじめる。
「本当?ラモリさん。」
「アア。俺ノ言う通りニスレバ勝てるゾ。」
自信たっぷりといった様子で頷いてみせるラモリさん。
「イイカ。本体ガ小型のヤツを生みダシテイル、ダカラ本体を叩けば一発逆転ダ。」
「うん、なんかほんの少しだけ匂いが違うヤツがいる。もしかしてそれが本体ってヤツかな。」
「言われてみれば確かに…。ともえさん、よくわかりましたね。」
「なんかこの格好になってから匂いの違いもよくわかるようになってるんだよね。」
イエイヌとともえはお互いの顔を見合わせてうん、と一つ頷きあう。
「ともえちゃん、イエイヌちゃん、こっちは大丈夫だから行ってきて。」
「オウ。チョットの間ナラ試作多機能アームで萌絵を守レル。」
「わかった、じゃあ…。」
「はい!行きましょう!ともえさん!」
「うん!」
今度は二人で矢のような速度でセルリアンの群れへと突っ込むともえとイエイヌ。
その先に少しだけ匂いの違うセルリアンがいる。
「先にいって雑魚を引きつけます!ともえさんはアイツを!」
「わかった!任せて!」
「『石』を狙って下さい。それさえ砕けばセルリアンを倒せます!」
「『石』だね。うん、わかるよ。アレだね。」
イエイヌに負けるとも劣らぬ速度で疾るともえ。イエイヌはさらに速度をあげて横に逸れていく。
「さあこいセルリアン!こっちですよ!あぉおおおおおおおおおおおおおん!」
と遠吠えのように吠えてセルリアンの注意を一手に引き受けるイエイヌ。
小型セルリアン達が遠吠えしているイエイヌに殺到するが、そうすることでちょうど本体と思しき匂いの違うセルリアンまで道が開ける。
「ようし!後は任せて!」
ともえがその道を駆け抜けて一気に本体へ肉薄。
「!?」
焦ったように驚愕を見せるセルリアンがともえに反応するよりも早く、一瞬でセルリアンの背後に回りこむともえ。
「ワンだふるアタァアアアアアアアアアアック!」
サンドスターを纏った手で本体セルリアンの『石』を握りつぶすようにして砕く!
パッカアーン!
と本体が砕け散って、少し遅れて周囲に溢れていた小型セルリアン達も次々と砕け散っていく。
周囲にサンドスターの輝きが満ちる中…。
「あ。戻った。」
と元の制服姿に戻るともえ。
「うーん、残念。スケッチしたかったなあ…。」
「お二人とも。無事ですか?怪我とかはしませんでしたか?」
「それはこっちのセリフじゃないかなあ。イエイヌちゃんも平気だった?」
ペタペタとイエイヌの身体を確かめるように触れる萌絵。
「はい、問題ありません。」
「さっきのって一体何だったんだろうね…。それにセルリアンっていうのも…。」
と制服姿に戻ったともえも萌絵たちのところに戻る。
「確カニ気にナルダロウガ…ソレヨリモお前達。学校はイイノカ?」
ラモリさんの言葉にともえと萌絵はハッと顔を見合わせて
「「遅刻しちゃう!?」」
と二人して慌てはじめる。
「もっかい!もう一回さっきの変身みたいなヤツー!?あの速さなら絶対間に合うー!」
「ともえちゃん…。そうそうあんな不思議な事は出来ないんじゃ…。」
「あ、出来た。」
「って出来るのー!?」
再びイエイヌの服に似た衣装に変身したともえ。
「じゃあイエイヌちゃんはラモリさんをお願い!アタシは萌絵お姉ちゃんを抱えて運ぶから!」
「わかりました!」
「ちょ、ともえちゃん!?お姫様抱っこは憧れだったけどお姉ちゃんにも心の準備的なものがー…ってひゃあああああああっ!?」
変身したともえが萌絵をお姫様抱っこで抱えるとそのまま凄まじい勢いで駆けだすのだった。
その日、ジャパリ女子中学校では生徒会長がパートナーにお姫様抱っこされて登校してきた、という噂から
学校いちの成績優秀才女遠坂萌絵が転校生らしき謎の犬耳美少女にお姫様抱っこされて登校してきた、という噂に上書きされて
二つが混じりあってなんかえらい事になったのだった。
けものフレンズRクロスハート 第1話『パートナー』
―おしまい―