だけど、ほとんど飛ばし決めと言う罠
「おお、勇者様方!どうかこの世界をお救いください!」
結論から言おうか。
これは神剣がらみだ。
「「「「はい?」」」」
「はぁ・・・」
突然の言葉にみな驚いているが、俺は転移してからすぐに周りを見る。
一番は俺の周りに同じように転移したのだろう、3人の青年と尚文達がいた。
みな一様になにかを装備していた。
永遠神剣、その欠片と言うべきか?
例えるなら第11位くらいの力と意思の薄さを感じる。
俺が考え込んでいる間に話が進んでいき、最初に居た部屋を出るようだ。
「ソラ」
尚文が声を掛けてくるので俺も歩き出す。
それにしても、強制召喚か。
神剣の力を借りたとは言え、契約も無しにそんな事が出来るのか?
俺が聞いた話じゃ、契約の名の元に、契約を結んだ者を呼びつけるぐらいだったはずだ。
黙って着いていくと、たぶん玉座、いわゆる謁見の間に来た。
たぶん王だろうじじいがなんか喋ってるが、これだけは言いたいことがあるのだ。
あのじじいなんか狂ってそう。
「ソラ、お前の番だぞ」
尚文に小突かれて顔を上げた。
「どうも初めまして王様、俺の名は『明石 空』、こう言うのには慣れてるから気にしなくていい」
全員が何を言ってるんだ?と顔をしかめたが、とりあえず先に進むようだ。
その後この世界の事を教わった。
そして話を聞けば聞くほど、どこかで聞いた様な内容だ。
あれはどこだったか?
ユーフィー関連だったか?
それともノゾムと再会してからだったか?
あまり自分に関係無さすぎて覚えてない。
だが、どんなことが起きたかは覚えている。
そしてその事でとても凄惨な事件だったのは知っている。
故に、この件は不味いかも知れない。
あの事件には、時間樹外の神と同等の存在『エターナル』が関わっていた。
今回もそうとは限らないが、警戒して損は無いだろう。
と、考えている間に明日まで休むように言われ、部屋へ案内される。
どうやら、自分以外の4人は、先の説明通りに何かしらの武器の勇者らしい。
確か・・・、レンとか言うガキンチョが剣で、イツキとか言う坊っちゃんが弓、モトヤスって言うチャラ男が槍、そして尚文が盾か。
「それで、アカシさんは何故こちらの世界に来てしまったんですか?」
どうやら召喚された時の話をしているらしい。
まぁ、四勇者召喚の儀式で、武器も何も持ってない奴が一緒に召喚されりゃあなぁと、自分としても頷いて返事をする。
「結論から言えば自分で介入してだ。あぁ、だから尚文は巻き込んだとか勘違いするなって」
また何を言ってるんだ?って顔をする一同。
溜め息が出る。
先程から考え事をしながら眺めていたが、こいつらは真剣みや現実感が欠けているな。
「あぁ、はいはい。じゃあ勇者諸君に説明しようか」
ニコニコ顔で4人に向き直り、
「どうも初めまして、君達の出身世界とかを色々守っていた神様のオーデオスだ。前世の名前なので、今はソラと呼んでくれ」
尚文以外は鼻で笑ったな、いい度胸だ。
「なに?そう言う設定なの?尚文、お前の幼馴染みこの年で中二病か?」
モトヤスが言ってくるが、まったくもって不愉快だ。
だから、間違えれば死ぬとわからせよう。
「我が未来を照らせ『灯火(トウカ)』」
神剣の名前を呼ぶ、これが俺の前世からの神剣の名前だ。
赤い光と共に異空間を裂いて俺の手元に柄がズリズリと出てくる。
握って引き出すと、紅玉を思わせる宝玉が柄にあしらわれた巨大な大剣。
それと同時に俺の私服が上書きされて、軽装の金属鎧が装備されていく。
「はいはい、もう一度言うけど、俺や他の神が統括する世界から来た人間諸君、俺の名前は『明石 空』前世の名はオーデオス、戦の神と呼ばれていた、よろしくな?」
全員がポカンと呆ける、その復帰を待つのはバカしかいないと思うので、アスカを呼び出す。
「御身の前に」
真っ赤な光と共に現れた大鷲が、女性の声で返事をする。
「え?えぇぇーーーー!?!?」
最初に声をあげて驚いたのは尚文だ。
まぁ、ホントの事言ってないしな。
とりあえず、エヴォリアに連絡連絡。
「あ!エヴォリアか?そうなんだよ、すまんすまん、新婚旅行は帰ってからゆっくりと、もちろん埋め合わせするさ。とりあえず、ノゾムに伝えてくれ、あいつじゃないとダメな敵が出るかも知れない。」
「わかった、伝えておくわ。あなたもあまり無茶しちゃダメよ?またね、チュ」
音だけでキスをしてくる、可愛い奴め。
「いや、いやいやいや!誰と話してるんだよ!」
モトヤスが突っ掛かってくる。
「誰も何も嫁さんだが文句あんのか?」
「あ、あなたはまだ20ですよね?け、結婚してるんですか?」
今度はイツキか、
「逆に聞くけど結婚に年齢関係あるか?あと坊っちゃん、これでも俺は30だ。覚醒してからあんま年取らなくなってな、ガキに見られてかなわん」
「おい、俺と同い年だろ!?」
次は尚文ですかいな、
「正直、お前がこんな事に巻き込まれなければ、俺だって話すつもりがなかったけどよ。この状況じゃ説明するしかないだろ」
「・・・どういう事だ?」
神妙な顔をしてレンが聞いてくる。
「そうだな、俺も当事者からの又聞きだから、詳細は覚えてないが、ご都合解釈してそうなガキンチョどもに説明してやる」
そこで、先程うろ覚えだった話と、時間樹エト・カ・リファの説明を始めた。