いや、やっぱ説明ばっかだわ。
全員の視線がこちらを向いている。
どこから説明するかだが、
「まず始めに、お前らガキンチョに説明する。お前達の世界は感覚的に言って全員別の日本から来ている」
首を傾げてやがるな。
「いいか?まず説明するが、お前達が居た世界は分枝世界と呼ばれる世界の1つだ」
「質問がある」
レンが手をあげる、
「最後まで話を聞いてから質問しろ、同じ話をあとですることになったらバカじゃねぇか。感情で者を喋るんじゃねぇガキンチョ」
ムッとした顔で睨まれるが知らねぇよ、社会人として当たり前の事だろ、覚えとけガキども。
「いいか?俺が持ってるこの剣、永遠神剣と呼ばれ、位階が存在する。お前達の生まれた世界は分枝世界と呼ばれ、1つの永遠神剣を封印するために作られた世界だ」
ついてこれてるのか、これ?
神剣宇宙の説明を理解できそうに無いからはしょってるけど、これだけでもついてこれるか心配だな。
「その永遠神剣は、例えるなら核弾頭だ。存在するだけで汚染される危険があるために、時間樹エト・カ・リファが、創生神エト・カ・リファによって作られた。時間樹、じゅの部分は木を表す漢字だ、わかるか?その木の枝の先端に葉が存在し、その葉が一つ一つ世界を形成している、その為その世界を分枝世界と言う。ここで問題になるのが、お前達の世界がおそらく全員別の分枝世界と言うことだ」
おっかなびっくりな感じで、
「つまり、その分枝世界とは日本は日本でも、本当の木みたいな枝分かれした先の世界、分岐で枝分かれしている平行世界のパラレルワールドみたいな感じか?」
「おう、正解だ。様は歴史が変わるような選択をされた世界はそこから選択しなかった世界と枝が別れて、別の可能性のある別々の日本になるわけだ」
とりあえずそこで、レンに指さす。
「お前の世界で当たり前の事、最近起こった出来事、気になってることは?」
先程叱られたせいか、少し釈然としなさそうに、
「総理大臣が湯田 正人、俺は最近VRMMOにはまってる」
「はい、つぎ」
「総理大臣は谷和原剛太郎、自分は『命中』の能力者です」
「つぎおまえさん」
「総理は小高縁一、んー、特に無いなぁ」
「えっと」
「お前はいいよ、俺の出身世界だろうが」
こんな感じで全員に違うのだと分からせる。
「とまぁ、それぞれ気になるのはわかるがあとで好きなだけ話せ、今はこっちだ」
そういって、アスカに指示を出して空間の裂け目からホワイトボードを取り出し、図を描きながら説明を続けた。
時間樹の時間の流れの曖昧さや、神々、封印されていた神剣、そして永遠神剣の位階や簡単な説明、自分達旅団の事やその前にあった事件の事など。
「つまりだ、今お前らの暮らしていた時間樹を維持してるのが、元『旅団』の団長『サレス=クォークス』だ、どこかであったらしっかり挨拶するんだぞ?あいつ昔から創生神に任命された真の理想幹神だからな」
大丈夫なのか?こいつらついてこれてるか?いやぁ、ダメだったらどうしようか?
「さて、ここから本題だ」
「え?まだあんのか?」
「ちょ、ちょっと休憩したいですね」
弱音を吐いたのはモトヤスとイツキだな。
「いいけど、これまでの事を理解した上で聞いてもらわなきゃならん。このままだとお前達が死ぬんだよ」
そう言うと二人はギョっとした顔で目を見開く。
それにしても、弱音を吐かなかった尚文はまぁ、プチオタクですし?レンは・・・、あぁ中二病ね、そりゃ理解が早いわな。
「いいか、この世界の危機にはおそらくだが神剣が関わっている、それも俺が人間で、お前達が羽虫程度にしか感じないくらい強い奴だ、いわゆる時間樹外からの侵略者、神と同等の存在『エターナル』て奴だ」
そう言うと、流石にみな若干引きぎみで、レンだけはうつむきがちにだが確実に目を輝かせていた。
中二病おつ
「エターナルってのは永遠神剣の位階、第三位から第二位、第一位の神剣を所持する、いわゆる法則無視の超化け物、神と同等の存在だ。これにお前らが近づいたら一瞬だから逃げるように」
一拍おいて、
「そして、今回のこの世界と同じ様なことを起こした奴等が存在し、その世界は消滅寸前までいき、なんとか今は存続している」
「その同じ様なことって、この世界も!?」
「そうだとも、この世界と同じようにその世界では召喚が行われたのさ」
やっと本題に入れるな
「その世界はファンタズマゴリア、神剣を持った妖精を奴隷として使役する、腐った人間の世界さ」
「妖精?」
「そう、人間との違いは、魔法生物の様に死んだら光となって消えてしまうところと、神剣を持てるそこだけだ。見た目は人だし、食事も普通、しいて言うなら全員美しい少女の姿だってことかな?」
「そんな、そんな人たちを奴隷に?」
ワナワナと握りしめた拳を震わせるイツキ、こいつ大丈夫か?
「そこに召喚されたのは五人の高校生達だ」
そこからはみな静かに聞いてくれた。
若干1名小学生のように目をキラキラさせているが、まぁ、理解してついてきてる様で何より。
ようやくすると、五人は別々の国に召喚され、二人は兄妹だったせいか、同じ国に召喚された。
そして、その国に伝わる永遠神剣はこの世界で言うところの勇者武器と同じく4本あり、それぞれの召喚された国に1~2本ずつ保管されていた。
神剣を使える者は人間ではない、そうして奴隷のように扱われ、言うことを聞かせる為に妹を監禁されてしまう。
仕方なく、言われるがままに戦争に駆り出されたそうだ。
そして、転機が訪れる。
帝国による王の暗殺である。
それと時を同じくして、彼の妹は連れ去られてしまう。
これにより国が乱れるかと思われたが、腐った王と貴族の中、国を導いたのは王女でした。
その王女は彼に言った、これまでの仕打ちは許されるべきではない、だが、これからは人と妖精、お互いが助け合える国を作ると。
その時、永遠神剣第四位『求め』の勇者は、許さないが妹を助けるために協力してやる。
そう言って、志を共に戦うことを決意する。
その仮定として、帝国の間にある国に帝国に行くための国内通過の許可を求めたが、交渉が失敗し、その国とも戦争となる。
その国には彼の幼馴染みが二人、召喚されて戦士として相対する。
勇者は戦えないと懇願するが、そのうちの1人である女性は神剣に精神を乗っ取られ、もう1人のその男性はその神剣の支配を和らげるため、全てが終わったら愛するその女に殺されてやるために、戦争に出ていたのだ。
誰もが譲れない、永遠神剣は互いに引き合い、潰し会う性質があり、その女性の神剣は特にその傾向が強かったのだ。
救われない、誰もが救われないと思った最終決戦、勇者は諦めない!諦めない!と叫び続けて、なんとその女性と男性の神剣を力で捩じ伏せて、神剣の意思を砕き女性と男性を神剣の呪縛から解き放ったのである。
そうして、彼は幼馴染みの女性と男性を助け、戦争を終わらせた。
その勢いのまま、帝国との戦争になる。
3人は仲間となり、力を合わせて帝国に挑んでいく。
そこにいたのは、前の世界から勇者の妹に妙に執着する男が、同じように召喚されて神剣の勇者として、帝国の支配者に君臨していた。
最終戦、その男はすでに神剣に精神を食い潰されて、歪みに歪んだ性格となっていた。
結果、勇者の妹に執着していた筈の男は、その妹を盾にして勇者を追い詰めた。
やっとの思いで、勝利したかに見えたが、死に際に勇者の神剣を砕かれてしまった。
一瞬で一般人に戻された勇者だが、死に際にすべての精神を食われてしまったのか、男はもう誰にも反応していなかった。
いや、すべての勇者の神剣の要素を食らった彼の神剣『誓い』は、1段階の上の神剣、上位永遠神剣第二位『世界』となっていた。
それにより、エターナルとなっていたのだ。
そして。この時に助けに来たのが、カオス・エターナルのエターナルである。
エターナルにも所属が存在し、大きく2つに別れる。
ロウ(秩序)・エターナルとカオス(混沌)・エターナルだ。
ロウ、彼ら彼女らは神剣の意思である全ての力の統合、つまり、神剣によりつくられた世界だから、その世界を消滅させてそのエネルギーを神剣に還元しないとね?と言うグループ。
カオスは神剣自体が穏健派で、どんなあり方もそれぞれだろうと言う変わり者が多い。
今話したのは持ち主の話ではなく、契約した神剣の精神なのだ。
つまり、位階が高ければ高いほど精神が強くなる神剣に、持ち主も少なからず影響は出る。
その結果、守る側と破壊する側に別れてしまっている。
ちなみに何故破壊側がロウ(秩序)なのかと言えば、神剣の本能では、すべてを統合するのが自然だ。
つまりその法則に抗っているのがカオスの穏健派なのである。
話がそれてしまったが、カオス・エターナルが現れて窮地を脱出、全員助かったが、勇者の剣だけは折れて力を失い、戦うことが出来なくなってしまった。
しかも、元の世界に帰れる期間は数日後の数時間だけ、その一回だけしか挑戦出来ないと言う。
力を持たない勇者は足手まといだ。
これからエターナルとの戦争が起こるなか、幼馴染み達は残ると言う。
そこで、勇者にだけ選択が迫る。
助けに来たカオス・エターナルが、あなたはエターナルになる資格がある、と。
しかし、同時に代償も伝えられる。
永遠の命と死ぬまで戦う運命となり、同時にエターナルとなったなら、運命から切り離されて、あなたの大切にしていたすべてからあなたは存在さえしなかった事になるでしょう。
これはつまり、死と同じだ。
存在したことさえ無かったこととなる。
思い出せるのは同じエターナルとなるか、その力に抗うだけの力を有したものだけだ。
この戦いが終わっても戦い続ける未来があると知って、それでも、この世界を救うためにエターナルとなるか?と聞かれているのだ。
勇者でなくなった男は、悩みはしたが妹の励ましに力をもらって決意する。
そして、力を手に入れるために、上位神剣の眠る遺跡へと踏み込む。
そこまで話すと、
「どうして、どうしてそんな事が出来たんですか・・・、大切な唯一の肉親すら置いて、どうしてそこまで戦えたんですか!?」
なにやらイツキが悲痛な面持ちだ。
「なんでって、お前そりゃ惚れた女の世界を救わなくて、負けっぱなしで、友人を置いて、ライバル放って自分だけ帰れるか?寂しそうに不安になりながら、それでも応援してくれた妹に兄として最高に格好いい姿見せたいだろ?」
そこで、ズバリと答えてやった。
「命を張るのに難しい理由なんかいるかボケ。様は男の意地だ。本当の覚悟ってのはこれまでの積み重ねてきた行いで備わるもんなんだよ」
説明は続く、ある意味本題だ。
「とにかく、その男は愛する人と共にエターナルとなり、その世界を守るために戦い始めたが、そこから先はまぁ重要じゃない。」
「えぇ・・・」
ここまで話してエンディングだけ見れない感じだが、そこは仕方無いだろ、スカタン。
「その男と女がエターナルになった事以外は、永遠神剣『世界』とロウ・エターナル達が裏で操っていたことだと言うことさ。つまり、その世界に召喚されることも、戦争も友人と殺し会うのも、王族貴族が腐っていたのも、世界自体が壊れかけて居たことも、全てロウ・エターナルの策略だったってことだ」
「嘘だろ?」
「そう言う因果率を操作できる神剣だっている、そして今回はそれだろうな」
「今回?」
「そうだ」
全員の顔を見回す。
「この世界も、ロウ・エターナルの手が関わっている可能性がある。
やつらは主に精神にくる出来事を起こして、自分達の存在を知られないように、あの手この手で精神的な余裕を無くさせたり、考える力を削ぐために慢心させたりと、凄まじく巧妙だ。
明日から全員気を着けろよ、絶対に取り乱さず冷静に考えればわかることばかりなんだからな」
とりあえず必要な事ぐらいは説明できたか?
「とりあえず、伝えるべきところは伝え終わったな、何か質問はあるか?」
「永遠神剣には位階があるようですが、あなたの位階は?そして僕たちのこの武器は?」
「俺のは中位永遠神剣第六位『灯火』だ。お前らのは低位永遠神剣の・・・、11位くらいだな。たぶん、第六位くらいの神剣の欠片かそこらな感じだな」
こらこら、そうなんとも微妙そうな顔するなよ。
「推測だが、その4つとも、お前らを通して世界に繋がっている感じだ。つまり話からして、この四つの武器は健在であれば、世界を守る何かが働いている。と考えるべきだな。ふむ、そうすると、この世界の常識と黒幕の手先が居る可能性を考えると、お前らが誰か1人死んでも世界に良くない事がおきる。ふむ、ふむふむ、お前達が死んだらヤバイのにその危険を大きくする様な事をするやつが出てきたら、そいつは手先だな。」
全員が緊張した面持ちだ。
「つまり、ぼく達に精神的な負荷で余裕を無くさせたり、1人でも死んだら不味いのに、その危険を軽く強いてくると言うのですか?」
「そう言う流れがあるかも知れないから、冷静に考えろよ?ってことだ」
皆はここまででだいぶおとなしくなり、いつしかしっかりと頷くのだった。
「ちなみにモトヤス、女の言葉だからってホイホイ信じるなよ?」
「な、なんで俺だけ!?」
「え?違ったか?」
「まぁ・・・」
「ふん」
「あっはは・・・」
そこからも色々と説明を求められたところは割愛しよう。
煮えたぎった頭で全員は眠りについたのだった。
うわぁ、説明だらけ。
ついてこれるかーーーーー?
って、どっかの決め台詞をここで使うべきじゃないよな。