誰とは言わないが、フォーブレイの伊達男よ!
これからは俺が来たからには、居る間は俺のテリトリーだ。
ふふふ、言動行動を気をつけるんだな!
フォーブレイ出張編、入りましたー
てきな?
やって来ましたフォーブレイ!
空間引き裂き出でましたり!俺の名前はアカシソラ!
ちょっと格好よさげな立ち姿で、トンと着地。
「な、何奴!?」
ん?鳥人間見たいなのと、お!他にも偉そうな服着た奴等が居るなぁ。
あ!いたいた、これがあの国、メルロマルクの女王か?影は影武者の仕事、マジで仕事してんのな。
「おい、こちらの話を聞いているのか!?と言うか、円卓の上に立つな!」
周りを確認していると、鳥さんご立腹のご様子、カリカリすると抜け毛が激しくなるぞ。いや、若そうだしふさふさだけどさ、早いうちからね?
あ?これはすまない、土足で机の上に立っていたか。
「すまんすまん、それであなたは誰さん?」
自己紹介しようと思って聞いてみたら、顔を真っ赤にしてぶるぶる震えてる。
腹でも壊したか?
そういや、こう言うときいつもノゾムがペコペコしながら謝ってたな。
なんでそんな事してたんだろうか?
だが残念、あいつは今ヘソマゲ核弾頭をあまりにもしばらく使わなかった為に、ご機嫌とりで戦闘任務出張中よぉ!
「す、すまないが!少々話がしたいのだが?」
隣の亀人間、亀さんが声をかけてきた。
「あぁ、突然ごめんな、亀のご老体。俺はメルロマルクの女王に話があって来たんだわ。そちらと話終わってからでも良いかい?ん?あぁ、話だけで、危害とか拉致とかする気は無いんだが」
ゆっくり円卓から降りて、照れ臭そうに頭を掻いておく。
内心『やっちゃったテヘペロ』である。
か わ い く は な い
「そうですね、煮詰まっていた頃ですし、明日に伸ばしてはいかがでしょうか?」
話のわかる出来る女な女王が言う。
「ふむ、まぁ、よかろうぶふふ」
おい、最後まで喋りきってから笑え、完全に語尾が豚だぞ、豚さん。
まあ、そいつの一言で解散となったから、そいつの国が一番発言権が強い、つまりこのフォーブレイの王な訳だ。
「それでは、あなた様もついてきてくださいますね?」
おっと、まだ事情も話して無いから、警戒心バリバリの視線だ。
まぁ、突然空間割って会議室に侵入してるんだから、怪しさはあるわなぁ。
「はいはい、どこへでも。その為に来たし?」
お付きの騎士が顔をしかめるが、夫の手綱を握れないんだ、仕方ない。
いや、エヴォリアの手綱は俺が掴まなきゃ不味いだろ?
「さて、ここが私に割り振られた部屋ですので、お入りください」
おっと、これはご丁寧に。
俺もしっかり挨拶しとこうか。
一応、この世界でもまともそうな協力者(仮)になりそうだし?
「先程は失礼を、少々遊んでしまい申し訳無い。俺の名は『明石 空』、前世の名は戦神オーデオスと言います。まぁ、前世は前世なのでソラと呼んでいただければ」
45度のお辞儀に、執事のように胸に手を当てて。
先程の雰囲気とは違った姿に面食らっているようだ。
「さて、それでは本題です。あなたの所にもメルロマルクから速達便かなんかで、情報くらいは来ていると思いますが?」
1日経った。
もちろん、普通1日で移動出来る距離ではないが、日本の歴史にもある方法。
大体は旅なので、途中の町などで各駅停車よろしく停まるだろう。
だが、部下は?
そう、各町で馬を確保して待機し、緊急の用事の為に昼夜問わず準備が出来ていれば?
1日、日が暮れ始めるまでなどたかが知れているが、馬はそうでもないし、馬を使い潰す勢いで使えば半日と持たない。
つまり、町に着いたらすぐに馬を変え、伝令も変わればあとは紙を持ち運ぶだけだ。
それと同じことをやって居れば、三日四日掛かる道程も、何倍にも早くなる。
そして、戦国時代の武士がやったのだ、この世界のまともな奴なら考え付くだろう。
「それは・・・」
女王が顔を曇らせる。
ありゃ?勘違いされたか?
「こりゃ失礼、さっきの道化芝居も当然今の状況の為。他のモノに知られる訳には行かぬでしょう?」
俺の言葉に肩の力が抜けた様だ、ふぅと一息ついていた。
深い溜め息だ。
「お話を伺いましょう」
「そうしてくれ」
そう言って、お互いが対面してソファーに座った。
いや、許可無く座るのは無礼だが、俺に地位とか意味無いしな。
本質を考えたら対等だ、こちらが勝ってるとまで言える。
「それじゃ、話させてもらう。一応言っておくが、名前は影から聞いているかな?」
首を横に振る。
ふむ、しょうがない。
俺はお付きの騎士に視線をやって、女王を見る。
「少し、席をはずしてください」
「へ、陛下!?」
と、そこから少し揉めたが、渋々騎士が出ていった。
どうせすぐ知れわたるだろうが、今は他国に知られるのは不味いからな。
その為に即来たわけだしな、うんうん。
「どうも」
「いいえ、それで、今メルロマルクはどうなっているのでしょうか?勇者さま」
うは、この人タリアかサレス、サツキくらいには頭良いかもな。
「始めに断っておく。俺は四聖勇者召喚で呼ばれるはずのない五人目だ。決して勇者じゃない」
目を一瞬瞬かせたな。
逆に勇者なら、物理法則を無視して来れるかもとか、そう言う推測か?
「俺は・・・」
ここからは尚文たちに話した内容なので、ある程度割愛する。
時間樹、創世記と神、転生体と我ら旅団の事、そして、この世界と酷似した世界での黒幕について。
ちなみに、4人の勇者にはあまり教えて無いが、『急な心変わり』についてもだ。
例えば去年は取れたリンゴも、全農家が一斉に急な心変わりで今年は作るのを止めようと決めた。
示し合わせた訳でも、その情報を聞いた訳でも無い。
ただなんとなく今年はリンゴは良いかな?なんて急にそう思い立っただけだ、その年はリンゴは取れなくなるだろう。
全農家がだが。
つまり、その急な心変わりは誰にでもあるため、操られているかもわからない。
それによって、逆にあの世界では、黒幕に気付けた者がいたのだ。
あと、一番重要な四聖の盾だけの差別などだ。
さすがに動きはあったが信頼させるために、あの赤髪の胡散臭い女も数日動かないだろう。
話終わると、女王は深い深いため息を吐いた。
そりゃ出るだろ?夫も黒幕に操られてるかも、なんて。
「つまり、夫は現状何かしらで隙を突かれて、良いように操られている可能性があると?」
「さぁな、それはわからない。だが、露骨過ぎるだろ」
俺の言葉に女王はうつむいた。
「あまり話すべきでは無いのでしょうが・・・」
そう言って語られたのは、あの王の生い立ちと状況だった。
妹以外の肉親を亜人に殺され、精一杯生きてメルロマルクで活躍したのに、その妹も亜人に殺された。
亜人との戦争中でもあったが、その戦争も終わって、娘が生まれ、息子も生まれた。
だが、和平が出来るとあって、叡知の賢王と言われた彼は我慢できていた。
唯一残った妻と子らを守るためだ。
だが、息子が亜人に殺された。
「そこからです。三勇教に傾倒し、娘のマルティを溺愛し始めたのは。」
「その三勇教って?」
「戦争中は四聖勇者を祭っていたのですが、戦争で亜人の信仰する盾の勇者を悪魔と、教義を変えてしまったのです。それが三勇教です」
なるほど、戦争の時に四聖は居なかったんだろうけど、亜人に信仰されてた盾は悪魔か、写しの世界とかの世界と同じだ。
敵の信じるものは悪魔である。
ソロモンの72柱の悪魔だな。
フェニックスは他の信仰だったが、他国のモノだったため、フェネクスと言う悪魔にされた様に。
「そこから、彼は七星の武器を持たなくなったのです」
あん?
「ナナセイ?」
「はい、七星勇者の武器、杖の勇者でした」
うぇーい、まだ7本あるんかーい。
だが、納得行きました。
神剣には意志がある。
この世界の第十一位相当の武器たちは、元々精神も薄い。
だが、神剣の特性、使用者の精神に左右されるところが、今回悪い方向に出ている。
つまり、意思の薄い神剣は所有者を乗っ取る気は無く、だが、神剣に飲み込まれてなきゃおかしいくらいの精神状態。
こりゃ聞きざわりの良い事言われたら、操られるの簡単や。
ロウ・エターナルが使いそうな手ですなぁ。
「おーけー、簡単に説明する」
永遠神剣とは、時間樹で生まれた転生体は特殊で、神剣は守護神獣が意思を代弁しているが、基本神獣等ではなく、剣自身の意志があり、第四位から第八位くらいまでは、本能に忠実だ。
すべてのマナを集めて、すべての神剣を砕き、すべてを吸収して1つの永遠神剣に戻る。
それがあるため、所有者を操ろうとするのだ。
だが、この世界の聖武器たちは、意志が薄く、そして元々操る気も無い。
操る気が無いから、所有者の怒りは所有者の思うがままに、神剣には浮かされた状態で、精神の歯止めがなくなっているのだ。
手から離れないと言う聖武器が、あの王から手放されているところを見るに、所有権は残したまま、まだ見限りもせず、使用権を凍結させてなるべく力の暴走を止めているようだ。
ある意味、見限ってくれてたら、心に歯止めをする自分の理性が働いていたかもしれない。
いや、それだけその杖が王を気に入ってたのか?
「とにかく、操っている敵の尖兵に心当たりは?」
ちなみに、エターナルがミニオン、兵士をマナから作り出して、敵の所に送り込む話をしている。
例えば酷似した世界では、護衛としてリュトリアムガーディアンの様に。
「・・・・・・・・・・、ふぅ・・・娘の、マルティです」
長い沈黙のあと、女王はうつむいて、涙を溜めた目尻を拭うことはなく、ただただ扇子を膝の上で握りしめている。
「気持ちはわかるが、ハッキリ言うと、監禁するか処分が妥当だ。もちろん、そいつは操られている気は無いだろう。そいつは送られて来るか操られているかは別にして、こちらに来てから自分の意思や精神が確立しているから、そいつをその黒幕から遮断することで、そいつも助かるかも知れない。決めるのはあんただ」
まぁ、聞いたこれまでの話の通りじゃ、今の操りやすい王にするために、弟の暗殺まで手引きしてそうなのがなぁ。
本人も本来の性格があって、今の女王が即答出来るようなほど悪いなら、俺なら目が覚めても自分から死にますわ。
「わかりました、少し・・・、お時間を頂きたく」
「そりゃ構わない。どんな世界にも存在する。だが、世界の危機を救うために必要な存在を、召喚して数日で殺そうなんて、"狂って"でもいなきゃ出来ないだろ?だから、数日は待てるさ」
「そう、ですね。ではすみません。他に聞かせたいことはございますか?アカシ殿」
「うーん、そうだな。あの王を元の理性が働く状態に戻せるかも知れないから、そこから戻ったときにかける言葉を考えといてくれ。きっと叡知の賢王とか呼ばれる奴が、正気を取り戻したら自殺したくなると思うし」
キョトンとした、まるで無垢な少女の様な表情を女王がした。
そのあと、また涙を溜めた目尻を拭くこと無く、とても、輝くようなとてもいい笑顔で、
「ありがとう、ございます」
深々と頭を下げられた。
"狂って"居ることを忘れていたのは、後の祭と言うのだったか?
女王の笑顔にちょっとドキッとしたのは、エヴォリアには絶対に言わないようにしよう。
えっと、感想を書いて頂いた方には感謝を、更新速度上がらんけど。
自己満足作品に感想くれただけでも嬉しかったです、クオリティ上がらんけど。
真面目な話し、失踪したらメンゴな(
続き書きますわぁー
見かぎられない程度に続き書くわ~