艦娘会話劇ー(天)ー特別完全版   作:司薫

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第弐章 時計仕掛けの鎮守府

 一通り鎮守府内を見て回った後、俺と龍田は浴場の脱衣所へとやってきた。

「腹も減ってるんだけどな、まずは入渠だろやっぱ」

「そうねぇ~。天龍ちゃんずいぶんお腹空いてるのねぇ~」

 服を脱ぎつつ、ふと、近くの籠に赤と白の服が入っているのが目に入った。

「龍田、あの服は?」

「誰でしょ~」

 クイズごっこをしたいのか、それとも単に答えるのが面倒だったのか、ともかく龍田がその答えを知っているだろうことはなんとなくわかった。まぁ、別に構わない。浴場に入ればわかることだしな。

「わぁあ、天龍ちゃんその傷どうしたのぉ~?」

 龍田が俺の背中の大傷のことを尋ねた。大傷といっても、今はただの傷跡だ。少しも痛まない。

「ちょっと無茶しちまったみたいでさ。ま、艦娘の勲章ってやつだな」

「勲章ならわたしがいくらでもあげるから、無茶はしないでねぇ~?」

「ああってるよ。ほら行こうぜ」

 タオル一枚を手に浴場の扉を開ける。すると、聞き慣れたメロディが耳に入ってきた。

「海~ゆ~かば~、見~尽~くか~ば~ね~。山~ゆ~か~ば~、艦む~す、かば~ね~。大~君の~、屁に~こそ死舐~め~。帰~り身は~せじ~」

「その歌詞なんかおかしくないか?」

 俺は歌の主に声をかけた。そいつは複数ある浴槽の一据えで湯につかり、ゴム蓋が括り付けられた徳利で酒を飲んでいる。近くにはお猪口を載せた桶が浮いていた。いや逆だろ、お猪口で飲めよ。

「ん~?……いいや、おかしくないと思うよー? ってか、あんた新入りぃ?」

「ああ。今日ここに配属になった、天龍だ。第二艦隊の旗艦をすることになった」

「ほえ~、あんたがそうなの。後ろの龍田に聞いてるかもしんないけど、あたしも第二艦隊さー」

「そうなのか。よろしくな。えーと」

「隼鷹。軽空母隼鷹だよ天龍~。まぁー気楽にやっていこうやー。ほら、入りな入りなー」

「おう」

 俺は軽く湯を浴び、隼鷹と同じ湯に浸かった。龍田も俺に続く。

「歓迎会しないとね~、歓迎会。とりあえずほら、あんたも飲みなよぉ。ちょうど、何故かお猪口も空いてるしさぁ」

 隼鷹はそう言ってお猪口を差し出した。徳利を天に向け、咥え飲みながら。牛乳じゃねぇんだぞそれは。

「いや、俺はいい」

 隼鷹が徳利を口から離し、ししおどしのように頭を振る。

「なんでさぁ」

 酒臭い息が俺の顔を撫でた。

「ん~その、なんつーか、俺はいつ来るかもわからない出撃に備えて」

「天龍ちゃんお酒苦手なのぉ~」

「おおいっ! 言うなよ龍田」

「あ~ら、下戸ちゃんなのね~。それじゃあ仕方ないかぁ」

 酒臭い口が離れていく。

「わ……悪いな」

「ん~? 気にするこたぁないよぉ。旗艦の意識がはっきりしてるのは悪いことじゃあないだろうしさぁ。ねぇ~龍田ぁ?」

「そうだよぉ~」

「う~ん」

 隼鷹が空になった徳利を風呂の外に置く。って何本目だよ。既に六本置いてあるぞ。あれ全部空か?

「ってか、それじゃあ龍田、あんたは配置換えどこよー?」

 隼鷹が浴槽の底からゴム蓋付きの徳利を取り出す。温めてんのか? つか置いてある六本はやっぱり空かよ。マジかよ。

「わたしは天龍ちゃんに旗艦を譲って、でもそのまま第二艦隊よぉ~」

「ん?」

「そかそかぁ」

「龍田、おまえ旗艦だったのか?」

「そうよぉ~。言ってなかったかしらぁ~」

「言ってねぇよ」

「あはっ、ごめんねぇ~?」

「別にいいけどよ」

「まぁまぁ飲みなって~」

 再びお猪口を差し出してくる隼鷹。

「いやだから飲めねぇって」

「んじゃ龍田」

 隼鷹の視線が俺から龍田に移る。つか……なんだ、今気付いたけど、こいつの目……すっげぇ虚ろだぞ。思わずぞっとしちまった。酒の飲み過ぎで目が据わってるとか、そんなんじゃない。まるで……死人の目だ。

「わたしは後でいただくねぇ~」

「なぁ~んだよー……まっ、あたしひろっりーで飲っんじゃうかぁらいーいけっろれ~」

 隼鷹は呂律が回らなくなってきた口調でそう言うと、徳利の酒を水のように飲みだした。おいおいおい、死ぬぞこいつ。

「お口がぽっかり開いてるよぉ~?」

「んえ? あ、ああ」

 開いていた口を閉じる。

「天龍ちゃん、背中流してあげるぅ~。傷跡触らせてぇ~?」

 そう言いながら龍田は浴槽を出た。

「おう、いいぜ」

 俺も浴槽を出る。

「うっひゃ~! すっごい傷跡だねぇ~」

 隼鷹が俺の背中を見て言った。

「ああ、自慢の勲章だ」

「ヒャハハハハ!」

 隼鷹の大袈裟な笑いに少し違和感を覚えたが、俺はそれ以上は考えずに身体を洗うことにした。

.

「放っといて良かったのかよ?」

 浴場を出て廊下を進みながら、前を歩く龍田に尋ねた。依然湯に浸かりつつ酒を呷っていた隼鷹のことだ。

「大丈夫よぉ~。いつもあの調子だからぁ~」

「いつもって……マジかよ」

「マジマジぃ~」

 龍田は軽い調子で言うが、俺にはとても大丈夫には思えない。大丈夫か第二艦隊。

「天龍ちゃん、ここが食堂だよぉ~」

 龍田が止まり、身を翻して言った。

「おう」

 俺もいったん立ち止まり、食堂部屋を覗き込む。浴場もそうだったが、前にいた鎮守府よりも規模は小さめだ。それでもまあ、押し込めば三艦隊は座れる大きさだが。今はまだ、誰もいないな。

「ここの艦隊って第何艦隊まであるんだ?」

「う~ん、第三、かなぁ~」

「艦娘の数は?」

「二十人、か、もしかするともっといるかもぉ~。わたしもあまり把握できてないんだぁ~」

「そうか」

 遠征任務がないなら、まぁそんなとこか。

「龍田~? その子が新しいウチらの旗艦なん~?」

 廊下の先から声が聞こえてきた。声のする方を見ると、廊下の凹んだ区画から一人の艦娘が顔を覗かせている。

「そうよぉ~」

 龍田が歩き出し、俺は後に続いた。

 廊下の凹んだ区画に着くと、そこは簡単な売店のようになっており、携行食から雑誌、酒、トランプなど様々なものが置かれていた。そして賑やかな勘定台を挟んで向こう側には、鉄製バイザーを頭に載せた小柄な艦娘が立っている。

「天龍ちゃん、ここがこの鎮守府の酒保で、彼女が酒保番兼第二艦隊所属艦の龍驤ちゃんだよぉ~」

 龍田に紹介され、龍驤はバイザーを手でくいと上げると、親しげな笑顔を俺に向けた。

「天龍ゆうんやな。ウチは軽空母の龍驤や。よろしゅう」

 小さな手が差し出され、俺はそれに応えて握手をした。

「おう、よろしくな。酒保番ってのは、いつも酒保番なのか?」

「せやで。それに酒保番はウチ一人。せやから出撃中は酒保もお休みや。まあ同じ第二なんやからそれは気にする必要もないけどな。必要なものあったら何でも言うてや。あんパンからこけしまでなんでもあるで」

「天龍ちゃんにあんまり変なもの売らないでねぇ~?」

「変なもの? はて、なんのことやろ?」

「なんか変わったもの売ってんのか?」

「ん~、思い当たらんなぁ~」

「ふぅ~ん」

 龍田が意味ありげな表情を浮かべる。なんだ気になるぞ。

「ま、ええやん。それよりその荷物を見るに、まだ寮室には行ってないんやろ? ちゃっちゃと肩の荷降ろして寛ぎぃや。今日からここがキミの家になるんやさかい」

「そうだな、腹も減ったし。行こうぜ龍田」

 俺は第二艦隊寮室があるらしい方へ向かって歩き出した。後ろで龍田が何やら小声で言う声が聞こえたが、大して気にはならなかった。

.

「邪魔するぜぇ!」

 第二艦隊寮室の扉を開けると、二組の三段式寝台の間にある畳の空間で優雅に紅茶を飲む一人の艦娘の姿が目に入った。その栗色のポニーテールの艦娘はこちらを向かず、窓の外の大雨の音に耳を傾けるようにして澄ましている。

「なんだぁ? 耳遠いのかよ?」

 俺がそう尋ねるとその艦娘はこちらを向き、紅茶のカップを卓袱台に置いた。

「あまり、大きな声を出さないでいただけるかしら? 鈴谷が眠っていますの」

 そいつが左の寝台の方を見、俺がその視線を追うと、二段目の寝台にはもう一人艦娘が横になり眠っていた。こんな時間に就寝とは、夜番でもしてたんだろうか。

「天龍ちゃん、彼女は最上型航空巡洋艦の熊野ちゃん。眠ってるのはその姉妹艦の鈴谷ちゃんだよぉ~」

 龍田が俺の後ろから二人を紹介した。

「熊野に、鈴谷か。よろしくな。俺の名は天龍。龍田の姉妹艦だ。今日からこの第二艦隊の所属になった」

「そう……」

 熊野はそっけなく言い、紅茶を啜る。こいつとは気が合わないな。そう思った次の瞬間、熊野は上品な笑顔を浮かべ、俺を見た。

「歓迎いたしますわ。お上がりになって」

 俺はそれまでの流れから予想もしていなかったその微笑みに、むしろ徹底的なよそよそしさを感じた。けど、いや、俺の勘違いだよな。敵意は感じないし。敵意を感じ取るのは得意だ。

「おう」

 靴を脱ぎ、畳に上がる。

「右の、三段目でよろしくって?」

「ああ、文句なしだぜ」

「天龍ちゃん高いところ好きだもんねぇ~」

 龍田は畳には上がらず、靴も履いたまま腰だけを畳に落ち着かせる。俺はとりあえず荷物を三段目の寝台に投げ込み、寝床の具合を調べる為に梯子に手を掛けた。

「熊野ちゃん、旗艦もわたしから天龍ちゃんに変わるみたいだから、よろしくねぇ~」

「まぁ、そうですのね。承知しましたわ」

 寝床に上がると、おお、なかなかいい感じだ。小さな電気もついてるし、思ったよりも幅がある。寝返りを打つには十分だ。

「あーれ、もう夜になってんじゃん」

 荷解きをしていると反対側の寝台から初めて聞く声がした。鈴谷、だったか。そいつが目を覚ましたらしい。

「鈴谷、起きましたのね」

「起きたよー」

 挨拶をするため、俺は寝台から顔をのぞかせた。

「おはよう熊野、と龍田、とえーと……」

 鈴谷は俺の顔を見て目を細める。変わった髪の色だ。翡翠色っつーのかな。

「天龍だ。今日から第二艦隊の旗艦を務めることになった。よろしくな」

「はぁー……え? じゃあ五十鈴は?」

 五十鈴?

「五十鈴は第二艦隊から外されましたわ」

「え~そうなんだ。木曾っちの命令に背いたとか?」

「まぁ……そんなところですわね」

「あはは、五十鈴らし~。そっか、じゃあまあ、天龍だっけ? よろしくね」

「おう」

「てか雨すご! ざんざん降りじゃん。こんな中でよく船出たね。船で来たんでしょ?」

「ああ。どうやらここの提督さんは一度決めたことは変更したくないらしいな」

「あはは、だね~。木曾っちはそういうところあるよ。ていうかお腹減ったぁ~。みんなで食堂行こーよ。もうそういう時間でしょ?」

「そうですわね。お二人もよろしくて?」

「おう、いいぜ」

「行きましょう~」

 腹減ってたしな。俺達は四人で食堂へ向かうことにした。

.

「おお、けっこう色んなメニューあるんだな」

 さっき見た時は大雑把にしか見なかったからわからなかったが、この鎮守府の食堂の仕様は少し変わっていた。まず、壁に大きなメニュー表が掛けられていて、それぞれのメニューの下のポケットには番号が書かれた木の札が複数枚入れられている。食いたいもんを選んだらこの札を取り、メニュー表の隣の四角い壁穴に落とすらしい。するとそのさらに横、数メートル離れた場所にある受け取り口から食い物が差し出されるという仕組みなんだそうだ。変わってるな。食器の返却も受け取り口横の返却口からだ。

「天龍ちゃんの大好物の天ぷら蕎麦もあるよぉ~」

「おおマジか! あーいや、でも、鎮守府食堂のレベルはカレーでわかるっていうしな、悩むな」

「わたしカレーにするから、天龍ちゃん味見するぅ~?」

「いいのか? じゃあそうする!」

「ふふふ、はぁい」

 天ぷら蕎麦の札を取り、壁穴に落とす。すぐにカコンッという音がし、次いで札が回収される気配がした。

「わたしも今日はカレーにしようかなぁ」

「それがいいと思いますわ。インドの方は毎日毎食カレーを召し上がるそうですし、きっと栄養も偏りなく摂ることができますの」

 受け取り口まで移動し、天ぷらそばを待つ。隣の返却口もそうだが、本当に物を受け渡しする為だけの造りで、壁に鉄製の引き出しが取り付けられているだけだ。つまり料理を作っている奴や、厨房の様子が一切見えない。少しだけど、前の鎮守府にいた愛想のない食堂のおっさんが懐かしくなった。

「天龍ちゃ~ん」

 急に龍田がおぶさってきた。

「な、なんだよ!?」

「ちょっと寂しそうな顔してたからぁ~」

「ししてねぇよ」

「うふふ」

 ゴトッ、と受け取り口が押し出され、茶色のペーストと肌色のペースト、黄土色の個体がそれぞれ器に盛られたプレートが出てきた。

「おお!」

 天ぷら蕎麦だ! なんか自販機みたいだな。

「これこれ、これが欲しかったんだよ~。ご苦労さん!」

 俺は壁の向こうの奴にそう言って、天ぷら蕎麦を受け取った。返答はない。代わりに受け取り口が引っ込み、白いペーストと褐色のペーストが盛られたプレートを載せた状態で押し出された。本当なんか、機械的だな。俺は肩を竦め、龍田と共に適当な席へ向かった。

.

「この鎮守府、遠征はないって聞いたけど」

 俺は二種のペーストを適度に混ぜ合わせて口へ運びながら、この鎮守府について三人に尋ねてみることにした。天ぷらは始めに食っちまった。

「なんでなんだ? 資源は必要だろ?」

 白いペーストと褐色のペースト、つまりカレーライスを食べていた龍田が手を止め、ナプキンで口を拭く。さっき味見したらなかなか美味いカレーだった。

「そういえば、提督は詳しいことは明日、天龍ちゃんに話すって言っていたけどぉ……知りたい~?」

「うん。まぁ、一応」

「一応知りたいなら、教えてあげなくちゃねぇ~。簡単に言うと、わたし達が集めてくる必要がないのぉ~」

「必要がない?」

「そうだよ~。この島はね、一見鎮守府以外何もない小さな島だけどぉ~、地下に大きな貯蔵施設があるのぉ~。人類軍全体の貯蔵庫が」

「へ~。つまりそこに貯蔵してあるわけか、他の鎮守府から集めてきた資源とかが」

「そういうことぉ~」

「来るときは全然わからなかったぜ」

「貨物船用の港は島の裏側だし、カモフラージュしてあるからぁ~。だからねぇ~、わたし達の一番の任務は、この島に敵を近づけないことなんだよぉ~」

「なるほどな……もしかしてこの鎮守府に名前がないのもそれと関係あるのか?」

「天龍ちゃんどうしたの~? 凄く頭が冴えてるねぇ~」

「へへ、まぁな」

 風呂入ってスッキリしたからかな。

「すごいすごい。そう、この鎮守府はね、関係者以外には存在自体が極秘にされてて、間違えても存在を漏らさないように名前自体がないの。通称を作るのも禁止なんだよぉ~」

「へ~。つまり、あれか……万が一、本土の貯蔵施設がやられた場合の、予備の貯蔵施設ってわけだ」

「ご名答~。だから何があっても深海棲艦に知られちゃいけないのぉ~。敵意の有無に関わらず、近づいて来たら、こ・ろ・す♪」

「わかりやすくていいぜ。てか、そういう目的だとかなりでかい貯蔵施設なんじゃないか? 一回見に行ってみるかな」

「それは、いけませんわ」

 緑色のペーストを食べていた熊野が手を止め、口を開いた。

「自分達が守る場所を見ておくのは必要なことだろ?」

「ええ。ですけれど、規則で禁じられていますの。わたくし達艦娘は、貯蔵施設とその出入口がある島の反対側には近づくことも許されていませんわ」

「……変な規則だな」

「変だよね~」

 鈴谷が同感の声を上げつつ、カレーのペーストを掬ったスプーンを口に含み、うんうんと頷く。

「木曾っちによれば、鈴谷達の仕事はあくまでこの島に敵を近づけないことで、貯蔵施設を守ることじゃないから、とかなんとか。でもだからって近づくのを禁止する理由にはならないじゃん?」

「だよなー」

「ただ、まったく理由がないかといえば、少し、違いますわ」

「理由があるのかよ?」

「ええ。というのも、この鎮守府では人間と艦娘の接触も禁じられていますの。面と向かって会うことはもちろん、話すことも。ですから、食事の受け渡しもあのような形になっていますのよ。気になられましたでしょ?」

「ああ……そうか、そういうことか。でもなんでそんな規則が必要なんだ?」

「それは知らされていませんわ」

 熊野の思考停止とも言える反応に、俺は思わず知らないのかよ! と言いたくなったが、うん、堪えた。

「きっと男子との恋愛を防ぐ為だよ」

 口の端にカレーを付けた鈴谷が人差し指を立てて言う。

「前に何かあったんだと思うなー。恋に落ちた男子と艦娘が駆け落ちして島から逃避行とかっ。ふひひっ」

 何故か楽しそうだ。人間と艦娘が恋仲になるなんてことあるのか?

「案外そうかもしれませんわね。どうしても知りたければ、提督に直接尋ねてみるしかありませんわ。納得のいく答えが得られる保証はありませんけれど」

「うん……そうだな」

 最後の一口を掬い集め、喉に通す。この時はまだ、違和感というよりはただ疑問を感じているだけだった。




第2話あとがきです。

 隼鷹ちゃんがお風呂で歌っていたのは軍歌「海行かば」の替え歌ですね。どうしてあんな替え歌になってしまったのやら。酔っ払いの妄言はまともに受けちゃいけない。ほとんど音の響きで喋ってるからね。最早鳥獣の鳴声と変わらぬそれでございます。

 さて次回、ちょっと怖い夢を見て、その内容は思い出せないけどしばらく寝付けなくなる、そういうことありますよね。そういうお話です。それから艦これの顔とも言える彼女が登場。また一週間以内には、投稿したいと思います。第三話「渦中の影」。お楽しみに
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