バトオペ2一周年おめでとう短編。

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一周年おめ っ花火


MS?最近のゲームは進化してんな()

 25歳、独身、実家住み。

 生活費は払っているので文句は言わせない。一人暮らし未経験は情けなく思ってはいるが。

 

 PS4を初任給で買い、平日の夕方と休日をゲームに費やしている日々を過ごしてきた俺は、2chや公式Twitterアカウントにアンテナを広げ、それなりにやり込んでは良ゲーを消費していった……トロコンは、空虚なものだと考えている。とまぁ、よくいるインドア派だろう。

 

「バズN下キャンセルBN下が間に合うのか……」カチャカチャ

 

 今プレイしているゲーム“機動戦士ガンダムbattle operation 2”、通称バトオペ2は基本無料のPS4のゲームで、ソシャゲのような気楽さで始めたのだが、クオリティが高く面白かったので、一年間継続してプレイしているゲームだ。前作はPS2であったらしいが、よくは知らない。壁を跳ねて戦うらしい。

 ともあれ、新機体の性能テストを終えて、ランクマッチに潜る。コスト無制限はたまに味方にいる蟹(ズゴックE)に殺意が湧くこともあるが、今回はそんなこともなく、支援1強襲1汎用4のよくある編成で、汎用に新機体が多めかな? という程度だった。

 無人都市のB拠点。前線が停滞しやすく、高所の強ポジに陣取った支援機が鬼強いマップ故に汎用乗りにとっては不人気マップではあるが、イフリート・ナハトが唯一輝くマップなので自分は嫌いではない。

 今は汎用なのでナハトはさておき、初動は左に、ビルの間をスラを噴いて抜けてローリング、建物で敵の射線を切った位置からMSを脱出、中継地点を確保し、自機に戻る。

 初動は何百回とやっているので、安定している。前線のビル影に追いついて、隙あらばバズーカで敵によろけを付与し、支援に火力を任せる。相手が飛び出してくるまで我慢の時間で、ピリピリとした緊張感がたまらない。ちなみに、飛び出すとヘイトが集まり数的有利で即爆散、場合によっては味方から煽りチャットのオマケ付きだ。

 緊急回避に備えてスラスターを温存しつつ、削り合い、目の前で起きた敵支援機のFFのタイミングで味方の下格闘が伸びる。それに合わせて前線が上がり、膠着状態がとける。

 飛び出した味方を狙うケンプファーにバズーカを当ててカット、下格闘まで繋げてダウンさせたが、ミニマップに映る敵アイコンの矢じりの一つが自機を向いており、追撃は諦めて敵支援機の死角へとスラスターを噴いて移動する。

 旋回しながら乱戦模様から抜け、無敵が付与される前にケンプファーの脚部へビームを当てておく。

 これが悪手で、迫っていた敵影ステイメンのバズーカの爆風に絡め取られ、脳死連打の緊急回避を誘われてしまい、タックルコンボからのN下格闘で爆散してしまった。

 

「あーくっそ……相手冷静だったな」

 

 コントローラーを机に置き、待機画面で戦況をみていると、スコアは微有利だが味方も支援機以外はだいぶ損耗しており、五分五分といったところか。再出撃のタイミングは合わせる必要もないし、ミリ残りを確実に仕留めにいくべきだと判断する。

 味方ザメルが前に出てミリ残りを倒しきってくれたようだが目の前で落ち、そのまま敵のヘイトが自分へと向く。数的不利になる前に緊急回避を出しつつ下がり、ミリ残りで敵支援に絡んで孤立している味方汎用は見捨ててリスポーンする味方を待つように思考を切り換える。

 ショットガン持ちのケンプファーから逃げつつ、バズーカは外し、ビームを盲撃ちするが苦しい。

 孤立したケンプファーを駆けつけた味方強襲がよろけを取り、餅つき格闘で倒し切ると、少しでもリペアツールで機体を修理する。予想外に降りて修理を手伝ってくれた味方に、今支援砲撃されたらどうすんねんと思いつつ、早々に修理を切り上げて、建前では『ありがとう!』とチャットで感謝しておく。

 スコア的にはまだ有利だが、ここから負けは全然あるので、油断は出来ない。だが、精神的にアドバンテージがあるので、無理をする必要がないのはいいことだ。

 

 ゲームに熱中している最中、脈絡なく轟音が鳴り響き、モニターが刹那的に白く輝く。

 そして画面は暗転。どころか、室内から明かりが全て奪われて、中洲に取り残されたサンダルのように、薄暗い部屋で椅子に掛けて動けないでいる俺は、落雷が起きたと事態を飲み込むに連れて徒労感に襲われていき、自分の命が助かったことよりも、安くはないゲーム一式が、壊れていないかが心配になった。

 あれほど強く発光したモニターはおそらく駄目だろうと思いつつ、顔を近づけると、暗いモニターはなんだが闇が渦巻いている(?)ように見えた。

 なんだこれ、と考えていると不意打ちに背後から誰かに蹴られ、あわやモニターに接吻──することはなく、訪れるはずの画面に触れた抵抗感は永遠に失われ、俺は暗闇の中を落下し続けた。

 

 落下、とは言ったが、空気抵抗も加速も感じないし、宇宙空間に放り出されたよう、と形容した方が正確だろう。どのぐらい時が経ったのか、俺には知る術が無く、「一生、餓死するまでこのままなのでは?」等の不安が募っていく。

 

 落雷も、暗闇への落下も突然だったが、視界が緑になるのも突然だった。

 

「っ!? い゛って──な」

 

 グンッ、と重力を強く感じたかと思えば、緑の野原が眼前に迫り、まともな受け身も取れずに地面に激突した。

 

「パイロット君、大丈夫!?」

 

 悶絶して転がった俺が青い空を見上げると、目がクリクリとした黒い髪の少女が手を伸ばして見下ろしていたのだった。


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