すくつ廃人が少女をすくつに潜れるようになるまで鍛え上げるお話   作:ニカン

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またちょっと短め
頭痛とかで調子悪かったんで許してヒヤシンス!


開幕!廃人バトルロワイヤル!

──あっという間に一年経って、とうとう廃人バトルロワイヤルが始まりました。

 

ルールは単純。

 

完全無効装備禁止。

ペットの参加も可。

事前にバフをかけるのも良し。

全員が一箇所に集まって最後に残った者の勝利。

 

以上です。

 

 

……ええ、本当にこれだけです。

 

イリアスさんによるとトーナメントにしても良かったのですが、どうでもいいやつの試合がグダグダと続くと飽きるから、という理由ですべてが一戦で終わる乱戦形式にしたそうです。

 

確かに有象無象の低レベルな戦闘が続いてもつまらないですし。

 

しかし、それにしても……

 

「……思ったよりたくさん集まりましたね」

 

イベント用に用意されたパルミアの闘技場はかなり広いですが、すでにその半分ほどを埋めています。

およそ1000人ぐらいでしょうか。

 

そう。

私は今現在、すべての準備を終えて闘技場にいます。

もうすぐバトルロワイヤルが始まります。

 

大々的に宣伝しすぎたんでしょうか。

ちょっと腕に自身がある、という程度の人たちも参加しているようです。

一応全員が這い上がれることを自称していますし、何かあっても自己責任という事になっているので問題はないはずですが。

 

 

 

 

さて。

もうそろそろ始まる頃合いでしょうか。

 

私の準備は万端です。

すでに超強化した魔法強化生き武器で最大限の加速を掛けて、英雄やホーリーヴェイル、契約の魔法なども掛けています。

 

 

ハインゼルさんは魔法威力強化武器と思われる剣を鞘に収め、すべての手にクロスボウを持っています。

 

ガリクソンはグウェンちゃんと同じ見た目の少女を3人引き連れ、ひとりひとりに加速を掛けています。

……そのためにいちいち乗馬するのはなんとかならないのでしょうか。

いたいけな少女に中年の男性が乗馬するとか見た目が最悪です。

 

エーテミアさんは……思ったより静かです。

と言うか武器も持っていないですし微動だにしません。

さっきポーションを飲んでいるのは見たんですが。

 

スピーダーさんは、まあ……いつもどおりです。

 

 

 

…………あ、イリアスさんが壇上に上がってきましたね。

予定では試合開始前の挨拶が終わったらすぐに始まるそうです。

 

「諸君、よく集まってくれた。主催のイリアスというものだ」

 

よく通る声でイリアスさんが挨拶を始めます。

流石に魅力2000あるだけのことはあります。いい声です。

……もしかして変異で[よく通る声]でもつけたんでしょうか? いつもよりいい声のような気がします

 

 

「……つまらん御託を述べるつもりはない。戦え。他の者全てをなぎ倒し、自らが最強の廃人であることを証明して見せてくれ。では、始めよう」

 

 

 

試合開始の合図のホイッスル。

イリアスさんはそれを口に咥えて……。

 

 

 

*ピーーーー*

 

 

 

 

 

試合開始。

 

同時に。

 

 

 

 

 

スピーダーはスピードスターの魔法を詠唱した。

ハインゼルはシューティングスターの魔法を詠唱した。

真田 雪音はウィッシュスターの魔法を詠唱した。

カキザキ コウタはマジックメテオの魔法を詠唱した。

エーテミアはめておすとらいく!の魔法を詠唱した。

ガリクソンは降り注げ!私の可愛らしいグウェンたちの魔法属性の肉の塊!の魔法を詠唱した。

 

 

魔力の塊が落ちてきた!

 

 

 

 

廃人たちが唱えた魔法属性のメテオが、闘技場を粉々にしていきます。

 

降り注ぐ魔法属性のメテオ。

消し飛ぶ地面と有象無象の参加者たち。

 

しかし、私たち廃人のあまりの速度に悲鳴さえ上がりません。

めくれ上がる地面と瓦礫さえ、私たちにとっては宙に浮いた障害物と変わりないのです。

次々と地面に着弾した魔力の塊が爆裂し体感時間的にはたっぷり30秒ほど掛けて地面がゆっくりとひび割れ砕けていくのを横目に、私は他の参加者を手に持ったルビナス製の長剣で切り裂いていきます。

 

 

私以外の廃人も、およそ速度2000万の領域によりまるで動きが止まっているかのように見える参加者たちを切り捨てていきます。

動いている連中は後回しです。

 

動いて見える、という時点で我々廃人の領域に踏み込んでいるのは確実です。

まずは後顧の憂いを断ってから、廃人同士の戦いに集中できるようにしなければなりません。

 

 

一人、また一人とスウォームに、クロスボウのボルトに、鋭い爪に、長剣に、大剣に、切り裂かれ、撃ち抜かれ、ミンチにされて、死んでいきます。

 

 

 

そして────廃人たちの動きが止まります。

 

 

 

残ったのは、9人。

 

 

 

私。

 

 

13の手にクロスボウを構えた人外、カオスシェイプのハインゼル。

 

 

 

羽根と翼と甲殻を身にまとった怪物、エーテル病のエーテミア。

 

 

 

小太りの中年男性とそれを取り巻く3人の銀髪少女、ガリクソンとグウェンたち。

 

 

 

制服のような青い服を着た()()()()()()()()()()妹猫(加速狂い)のスピーダー。

 

 

 

機械化した両手に大剣をもった金髪の男。

 

 

 

それらが一斉に動きを止め、代わりに辺り一帯の地面が砕け、強烈な炸裂音と幾百もの悲鳴が辺りに響き渡りました。

 

 

 

 

 

…………さあ。ここからが本当の戦いです。

 

廃人の戦いが、始まります。

 

 

 




魔法属性メテオ:
ooから可能になった魔法作成(スペルメイキング)により作られた魔法属性のメテオ。それ以上のことはない。

全域魔法属性攻撃なので雑魚散らしにはもってこいなのだが、廃人でなくとも全属性耐性など当然もっているので本当に雑魚散らしにしかならない。

ちなみに、SESTでは媚薬属性の魔法も作れる。


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