すくつ廃人が少女をすくつに潜れるようになるまで鍛え上げるお話 作:ニカン
でも言い訳はしないでおじゃる!
このままEDまで一直線に投稿してくでおじゃろう!
廃人同士が向かい合う。
成就の魔法の使い手、真田雪音。
カオスシェイプ13手、ハインゼル。
砕け散った闘技場の中央で、攻撃が届かない距離を保って相対する。
「勝ち残ったのはあなたですか。真田 雪音」
「ええ。何の因果か勝ち残ることができました」
「正直スピーダーのほうが若干有利と思っていたのですが……なるほど、成就の魔法。非常に強力ですね。何が起こるかまるでわからない。一体どこまでのことが出来るのですか?」
「理論上は何でもできますよ。それこそ、想像力の許す限界まで。ハインゼルさんも使ってみてはいかがですか?」
「何度か使っては見たんですがね……制御が難しすぎます。相当に出力を下げないとあなた以外にはまともに使えないと思いますよ?一体どうやってあんなものをまともに運用しているのか……」
「コツがあるんです。できて当然という意識と全てを思うがままに捻じ曲げようという強い*意思*があれば意外と簡単ですよ?」
「根性論めいていて私にはちょっと向いてない気がしますなあ……」
「そうですか……残念です」
会話が途切れ、闘技場に乾いた風が吹く。
「では、そろそろ始めま……む?」
「これは……」
魔力の波が周囲の空気を震わせた。
まるで
明らかに普通ではありえないレベルの規模の魔法を使った時に特有の魔力の余波だ。
「*成就*……いえ、同クラスの魔法が発動したようですが少し違いますね……一体誰が?」
「むしろこの場合は*何が起こったか*のほうが重要では? 一体どういう効果の魔法が発動したかはわかりませんが*成就*と同じレベルとなれば……」
「ろくな効果ではないでしょうね」
私たちは周囲を警戒し、すぐに異常を見つけました。
私たち以外に動く者の無いはずの、メテオによって荒れ果てた闘技場内に動くものがありました。
廃人の中では最初にミンチになったはずの金髪の男の体が再生し、死の淵から這い上がりました。
「クッソがぁ……!俺は、弱くなんかねぇ……ッ!俺は、俺が、最強だ……!」
片手に長剣を、もう片方の手にはさっきまでは持っていなかった騎士盾を着けています。
どちらも先程までの装備とは違います。
「ルール違反、ですな。一時休戦して制圧ですかな?なんだか興奮しているようですし」
「ですね。私としては先程の魔力の波が気になりますが……」
「……この異常な速度での這い上がりによるものではないのですか?」
「それにしては効果が弱すぎます。あのレベルの魔力の波動はもっと強烈な……」
「てめえら俺を無視してんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!」
金髪の男は叫ぶと同時、先ほどと同じように私達に向かって突進してきました。
なんの工夫もなく先ほどと全く同じように。
過程が同じなら結果も同じ。
ハインゼルさんの射撃を受けてあっけなくミンチに……ならない!?
「ッ!?この感じ……100%ダメージ無効化!?」
「これは……ルール違反です! とにかく足止めします! ライトニングボルト!
手当たり次第に足止め用の魔法を連射してとにかく時間を稼ぎます。
私や、おそらくはハインゼルさんもルールの関係上必要なもの以外は四次元ポケットに仕舞っていますが
だから、なんとかハインゼルさんがポケットからそれを取り出す時間が稼げれば……!
「邪魔くせえええええええ!!!!!!!」
ダメだ。
間に合わない。
ハインゼルさんは相当な量のアイテムを四次元ポケットにしまっているようでかなりアイテムを取り出すのに手間取っています。
こうなったら……私は契約と成就の魔法を駆使して復活と這い上がりを繰り返すのを覚悟し、魔法を組み上げ始めました。
しかし、幸いにしてその覚悟は無駄になりました。
「ライトニングボルト!」
空から……いえ、高い位置にある実況席からライトニングボルトが連続で降り注ぎ、蜘蛛の巣に引っかかって動きが鈍くなった金髪の男に直撃します。
「……やる」
少女のシュナックは《罰に苦しむ患者》を誇らしげに構えた。
いつの間にか全身輝くアダマンタイト装備に着替えたシュナックちゃんが全属性付きの生きている武器で金髪の男を殴り続けます。
「シュナック! お前はそのまま殴り続けて動きを止め続けろ! ダルノ! マーレス! お前たちは願いの杖でもちを願え! 大量にだ!」
「りょーかーい!」
「了解であります!」
「ク、クソがッ! だが、麻痺さえ解ければテメェらなんざ……!」
「それなら解ける前に無力化するだけだ。ダルノ! マーレス! もってこい!」
ダルノさんとマーレスさんが先程から願いで大量に出していた餅を近くに運んできます。
そしてイリアスさんはおもむろにその餅を手に持って……
「そら、食え。喉につまらせるまでだ。いくらでもあるぞ。しっかりと味わうといい」
「モガッ!もぐ、ゴクッ!な、突然何を、グボッ!」
「なかなか詰まらないな。確率的にはそろそろのはずなんだが……おっ」
「ッ!む、むぐぐ……!」
電撃で動けない金髪の男の口に次から次へともちを詰め込み……そして金髪の男は何度目かのもちを喉につまらせ窒息、完全に動けなくなりました。
「よし、無力化完了だ。雪音、無事だったか?」
「はい。でも、これだとバトルロワイヤルは一旦やり直しですね……」
「だな……。そうなるとこいつをこのまま放置するわけにもいかないな。どれ、窃盗は……だめか。スリ防止のエンチャントがついてるようだ」
流れるように窃盗を試しますが効かなかったようです。ただし、どうやら左手に持っている盾に100%攻撃無効のエンチャントがついていることがわかりました。
「しょうがない……適当にミンチにしてしまうか。」
そう言ってイリアスさんは四次元ポケットからある武器を取り出しました。
魔法の威力を107200%ほど高める、生きている武器です。
イリアスは
カキザキ コウタは回復した。カキザキ コウタは粉々の肉片に変えられた。
金髪の男が全身から血を吹き出し、ミンチになりました。
……殆どのダメージを無効化する100%無効化のエンチャントがついた防具ですが無力化したり、あるいはその効果を無視してダメージを与える方法はいくつか存在します。
まずは先程イリアスさんがやってみせたもちを喉につまらせること。
たとえ完全耐性を持っていても電撃による瞬間的な麻痺は防御できないので、それで動きを止めているうちにもちを詰め込み無力化しました。
盗んでそのエンチャントがついた装備を無効化する方法もありましたが今回はできませんでした。スリ防止のエンチャントを持っていましたからね。
他にも、呪われた肉体復活のポーションをいくつか投げつけたあと祝福された肉体復活のポーションを投げつけて体力を減らしてから首狩りする、と言った方法もあります。
そして、今しがたイリアスさんが使った回復
極限まで効果を高めた魔法によりダメージを与える方法です。
通常であればそんなことは起こり得ないのですが……極限まで鍛え上げた癒しの手とおよそ魔法の威力を107200%ほど高めるエンチャントがあれば発生させることができます。
これは攻撃行動ではなく回復なのでダメージ無効を貫通します。ダメージ無効を貫通してダメージを与えることのできる数少ない手段です。
……おや?
「イリアスさん……これって」
「これは……日記か? 流石にこのタイミングでこれは作為的なものを感じるが……ふむ」
イリアスさんが血溜まりの中に落ちていた日記を拾い、読み始めます。
「……なるほどな。とりあえず最後のページだけでいい、読んでみろ」
「一応聞いておきますけど……途中のページは何が書いてあったんですか?」
「恨みつらみと妬みと逆ギレ」
「ああ……」
あの男の言動から容易に想像がつきます。
読んでも大した意味はないでしょう。
そういうわけで、最後のページだけ目を通してみます。どれどれ……?
────────────────
準備は整った。
廃人とか言うあのクソどもをぶちのめすために思いつく限りの強化を願った。
あまり考えたくねぇがこれでダメなら……ヤツらの「本当の死」をすくつに行って願うしかないかもしれない。
まあいい。
とにかく、これで俺が最強であることを今度こそ証明して見せる。
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「わかりやすいですねぇ……。「すくつに行って「本当の死」を願え」ってことですよねこれ? 願いの杖無しで願いを使い放題してるみたいですし明らかに……」
「まあ、十中八九黒幕は願いの神だろうな。一体何を考えているのかわからないが……まあ、やることは変わらん。気に入らないマネをするやつが居たならば……」
「とりあえず、ミンチにしてから考えましょう。ハインゼルさんも願いの神相手なら歯ごたえのある戦いができるでしょうし一緒に殺りに行きませんか?」
「そうですね……今回のバトルロワイヤルの結果はともかくとして、私の攻撃は当たりさえすれば廃人すら耐えきれないことが証明できましたし概ね満足です。ですが、その上でこれ以上ないくらい面白そうなエキシビジョンがあるというのなら乗らないわけには行きませんね! ……それに、みなさんもこんな舐めた真似をしたやつをそのままにしてはおけないでしょう?」
そう言ってハインゼルを含めた私たちは闘技場を振り返ります。
そこには当然のように這い上がり、新たな殺意と闘志を燃やした廃人たちが勢ぞろいしています。
さあ、拠点に帰って準備をして、新たな冒険へ向かいましょう。
相手は、《願いの神》。
相手にとって不足はなし。
楽しい冒険が……戦いが、できることでしょう。
回復オーバーフロー:
魔法の威力を107200%ほど高めるエンチャントと、極限まで鍛えた癒しの手を使うと使った相手の無敵を貫通してダメージを与えることができる。
本文でも触れたように回復ダメージをオーバーフローさせて事実上のダメージにしているので攻撃行動ではなく、無敵を貫通する。
数少ない無敵貫通手段。