すくつ廃人が少女をすくつに潜れるようになるまで鍛え上げるお話 作:ニカン
さて。
あのあと、闘技場の片付けをしたあと各々自分の拠点へ戻って可能な限りの準備をし、廃人総出ですくつへとやってきました。
そうして「本当の死」とやらを願ってみようと思ったのですが……先客がいたようです。
「来たか……待ってたぜぇ……!」
すくつ1階層。
入った途端に待ち構えていたのはあの金髪の男……いえ、金髪だった男、というべきでしょうか。
黒髪黒目。
顔立ちも、私と同じ人種……すなわち日本人のものでした。
いえ、まあ……だいたい予想はついてましたが。
トーナメントの名前がモロに日本人でしたし。
闘技場のときも髪の根元が黒くなってプリンみたいになってたので染料で染めてたんだろうなぁ、とは思ってましたし。
しかし、なぜこんなところに……と考えるのは野暮でしょう。
その目は強烈な殺意にギラついています。
なぜ、とは聞きません。
相手をミンチにする理由なんてムカついたから、以上の理由は必要ないからです。
ただ、これ以上この男にできることがあるのでしょうか?
いえ、一つだけありましたね。
日記に書かれていたことが、一つだけ。
「いくらお前らでもこれで終わりだ! 神相手に何もできずに死んでいけぇ!!!!」
何を望む?
カキザキ コウタは狂喜して叫んだ。
「本当の死!!!」
*本当に*それがお望みなら…
先制攻撃!衰弱の願い!
廃人たちの強化が立ち消える!
廃人たちの装備のエンチャントは封じられた!
廃人たちのHPが1になった!
「は?」
廃人たちの誰かが呆けたような声を上げました。
それはそうでしょう。
この私、《
全員わざわざダメージ完全無効のエンチャントをつけた装備をつけてきたようですがそれも私の前には全くの無意味。
「は!ははは!どうだ!いくらてめぇらでもこいつの前には誰も勝てねぇ!死ね!死んじまえ!あーっははははははは!」
しかし、この男。駒として転がす分にはそれなりに楽しめましたが眼の前にいると目障りですね。
「私の召喚という大任、ご苦労でした。あなたはもう用済みです。さようなら」
「ははははは、は?」
《The Over Wish》はカキザキ コウタの首をちょん切った!カキザキ コウタはミンチになった!
「さて……廃人の皆さん。私はずっと見ていましたよ。人の身で降臨させた神を楽々と殺害せしめるその力。もはやほんの少しのきっかけがあればすぐにでも神の
閉じられた目を薄く開き、視線を向ける。
「願いの神として、その力……*成就*、と言いましたか? それだけは許しては置けません」
黒髪の少女。真田 雪音。
「願いの神は1柱で十分……同じ神は2柱も必要ありません」
足元に浮かんだ宇宙をかたどった球体が煌めいて。
エメラルドのように緑に輝き、緩やかにウェーブを描く長髪がざわめき。
左手の杯と右手の杖が神々しい光を放つ。
「余分な機能は削除してしまえ」
そろそろ十一紀も終わりにしようと思っていたところです。
この世界を滅ぼして、新たな歴史を紡ぐとしましょう。
《The Over Wish》:
elonaSESTにおいて追加された隠しボス。
「紀」:
イルヴァの世界は数万年単位で誕生と滅亡を繰り返している。
その中には神々の手によってイルヴァの生物を一掃された紀も存在した。
この世界は未だ、神々の手の中である。