すくつ廃人が少女をすくつに潜れるようになるまで鍛え上げるお話   作:ニカン

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あなたは感想中毒だ。


elona最強の生物、その名は──

「…………」

「流石に2回目で3日間耐久バブル工場は辛かったようだな……他の廃人共に比べればまともなつもりだったがやはり俺も基準がだいぶずれているな。修正しておかねば」

 

「…………」

「だが、必要なことではあるんだ。通常の乗馬バブル工場ですら魅力と魔力以外のすべての主能力を上げられる非常に効率的な鍛錬方法である上に、他のバリエーションを用いれば魔力育成特化のグレネード武器キューブ工場や店で見せたような金策バブル工場、更には10sバブルを吊るした信仰稼ぎ用工場や高レベルバブルを吊るしたレベル上げ工場など様々な応用が効く、とても奥の深い鍛錬法でな……」

 

「………………」

「……とりあえず1週間ほど休みにしておこう。餓死しないようにシュナックたちに時々様子を見るよう言っておかねば」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ううう、ひどい目に遭いました……」

「いきなり3日間耐久乗馬バブル工場はひどいよねー。いくら一番効率がいいからって限度ってものがあるよー」

「とはいえ遺伝子合成やサンドバッグマナ吸収よりはマシな方法ではありますし……あ、おかわりくださいであります!!!!」

「*もぐもぐ*」

「名前だけでも凄まじく嫌な予感がします……」

「それにしても割と復活するの速かったよねー。3日ぐらいかかるかと持ったけど1日休んだだけで普通に出歩けるようになったしー」

「その精神力は見習いたいであります!!! 私達はどうやっても這い上がるのに3日はかかりますからな!!!」

「*ごくごく*」

「それにしても……みんなで買い物するためだけに1億gpポンと渡すなんてあの人の金銭感覚は一体どうなってるんでしょうか……もし暇なら交易店に行って売買を繰り返して来い、とは言ってましたが」

「*ごくっ* ……魅力が、支配と収穫の魔法に必要だから、だと思う」

「魅力ですか? 魔法にはあまり関係ないイメージがあるんですが……あ、シュナックちゃん、口の周りにミルクが付いてますよ?」

「*ごしごし* ん……あの魔法は魅力がないと魔法書を読むこともできない、から」

「それがよくわからないんですよね……支配はまだわかるんですが。あれは支配の魔法といいながら魅了のようなものでしょうし」

「金貨を降らせる神様も、魅力的な人のほうが貢ぎたくなる、よね?」

「うわぁ……そんな即物的な」

「ノースティリスの神様は、みんなそんな感じ、だよ? ……地球の神様は、違うの?」

「だいぶ違いますねぇ……そもそもここみたいに直接干渉してこないというか……降臨もしないですし」

「世界が違うと神の有り様も違うのでありますなぁ……おや? 主殿(あるじどの)?」

「え、どこどこー?」

「*きょろきょろ* ……いた。あそこ」

「あの人がポート・カプールにいるのは珍しいですね。一体何のよう、で……ッ!?」

 

真田 雪音は絶句した。

なぜなら、ブラックマーケットで買い物をしているイリアスの隣にはイルヴァの地でもなかなか見ないような異形の生物が鎮座していたからだ。

 

その生ものは、

円柱の胴体の上部に半球状の頭と思われる器官をくっつけたようなシルエットをしていて、

それに羽と蹄と1~6個の関節がついた腕を13個くっつけたどう見ても人間には見えない姿をしていた。

 

「……! な、なんですかあの……あの、なんて表現したらいいかわからない異形の生物……生物? は!」

「おー、カオスシェイプ13手くんだー。しばらく見なかったけどどこ行ってたんだろー」

「ハインゼル殿ですな。昔、主殿が面倒を見ていたのでありますよ」

「今は、独り立ちして……ご主人さまと同じ、廃人」

 

「え、ええと……その、ハインゼルさん? という方は友好的な人……人? なんですね?」

「それはもう。それどころか、廃人と呼ばれる人種の中でも1、2を争うほど紳士的であります」

「まーあの見た目じゃそうは思わないよねー。実際廃人はヤバイの多いしー」

「ひさしぶり、だし……あいさつ、しよう?」

 

「ふむ、私も顔を合わせるのは何年ぶりでありましょうな……ここは皆で行くべきですな!!!!!」

「ほ、本気ですか!? えっと、まだ心の準備が……!」

「急がないとどこかに言っちゃうかもしれないよー。ほら、速く速くー」

「ああ! ひ、引っ張らないでください! 行きます、行きますから……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん? お前たちもこのあたりに来ていたのか」

「おお、お久しぶりです皆さん。その節はどうも…………おや? 見ない顔ですね。はじめまして。(わたくし)、カオスシェイプのハインゼルと申します。お名前を伺っても?」

 

「は、はい……魔術師の真田 雪音といいます。よ、よろしくおねがいします」

「なるほど、魔術師ですか。一体どのような研究をしているか聞いてもよろしいですかな?」

 

「えっと、異世界と……転移に関する研究を主にしています」

「ほうほう、ここ十年ほどは師匠もムーンゲートなどに代表される異世界の研究をしていたと聞きましたが……その関係で?」

 

「そのようなものだ。研究の協力者でもある」

「共同研究ですか! 今回は一体どのような発見をしたのでしょう、気になりますなぁ!」

 

「今回はなかなか興味深い魔法を作れた……研究の副産物に過ぎないがな。レポートはレシマス最深層の書庫にこれからまとめて提出する予定だ。それを見てくれ」

「なるほど、後で確認させていただきます。私もレポートを提出せねばなりませんし……」

 

「レポート?」

「ああ、説明したことはなかったな……レシマスというダンジョンの最深層に廃人共の研究所があってな。俺も研究結果をそこに定期的に提出しているんだ」

 

「研究所……随分辺鄙な場所にあるんですね?」

「理由がないわけではないんだ。あそこには……あの場所から移動できない、廃人にとって非常に重要なアイテムがあるからな」

 

「師匠が所有している『常闇の眼』がなければ生きている武器の育成もできませんからね……私もかなり参考にさせてもらったものです」

「廃人たちの研究レポートですか……一度目を通してみたいですね。あの、私もそれを見ることは……?」

「別にいいぞ。誰も存在を知らないだけで閲覧を禁止しているわけではないからな」

 

「ふむ……では今すぐレシマス廃人研究所まで行きますかな? (わたくし)もブラックマーケットの商品をひと通り見終わったので」

「あー、私は研究とか興味ないからパスー」

「私も買ってきた食料品などを主殿の家まで持っていかねばなりませんので……」

「*ふるふる*」

 

「おや、そうですか……では帰還に指定するのはこの3人にして……帰還(リターン)!」

 

ハインゼルは帰還の魔法を唱えた。周囲の大気がざわめき始めた。ハインゼルは次元の扉を開いた。

 

 

「ここは……」

「おや新顔ですねようこそレシマス廃人研究所へイリアス氏も久しぶりですねハインゼル氏は何年ぶりでしょうちょっと覚えてないので資料を確認してきますねあったあったこれです最後のレポート提出から15年ほど経ってますね今回は一体どのようなレポートなのでしょう速く提出してください速く速く待ちきれない!」

「ひっ」

 

「……今日はお前しか居ないのか? 加速狂い(スピーダー)

「ええそうですね他の方はだいたいシェルタータイムマシンに籠もってるかハンマーの材料を集めてるか皮をひたすら叩いてますね自分はたまたま研究レポートの提出と確認のために来てたのでそうそう常闇の眼も特に変化はありませんでしたよおやその手にあるのはレポートですねイリアス氏のレポートはどんな内容なのでしょう速さに関するレポートなら嬉しいですね見せてください待ちきれない!」

「相変わらずせっかちなやつだな……ほら。読み終わったら俺の棚に入れておいてくれるか?」

「はいありがとうございますなるほど願いの魔法の変形ですか具現に成就とはなるほどなるほどこれはなかなか面白いですね色々応用がききそうな興味深い魔法ですねではまた機会があれば帰還(リターン)!」

 

加速狂いのスピーダーは帰還の魔法を唱えた。周囲の大気がざわめき始めた。加速狂いのスピーダーは横になった。加速狂いのスピーダーは次元の扉を開いた。

 

 

「な……何だったんですか……あの人」

加速狂い(スピーダー)と名乗っている廃人だ。速度を極限まで上げることにこだわったヤツでな……」

「速度を上げるにしても限度がありませんか!? 動きが早すぎて残像しか見えませんでしたよ!?」

「あれでも加減している方なのですよ……本気で動いたら速度にして2000万を超えるそうですからね」

「2000万って……私、速度70しか無いんですけど……」

「一応言っておくが廃人は大抵はあんな感じの奴ばかりだからな? 俺たちのようなある程度常識を意識してる奴のほうが珍しいんだ」

「しかし、(わたくし)のレポート読むの忘れていきましたね……速度には関係ないので多分大丈夫でしょうが」

「そういえばそうだな。本当にせっかちなやつだ……ハインゼル、そのレポート置いてくるから読ませてもらってもいいか?」

「ええ、どうぞ。今回のレポートは自信作です!」

「よし……雪音、レポートの保管庫に行くぞ。着いてこい」

「あ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……すごい量のレポートですね」

「そう思うだろう? 実際にはこの資料の9割が同じ内容の研究資料だ」

「同じ内容って…一体何の資料なんですか?」

「生きている武器の銘と、付くエンチャントの関係を調べたリストだ」

「それは……一体何の意味があるんですか? ここに保管されている以上何かの役には立つんでしょうが……」

「後でこの資料の使い方と必要な理由を教えてやる。……行くぞ、ハインゼルの個人資料の棚は向こうだ」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………なるほどな。アイツが自信作と言うだけのことはある。これならここ最近の最強種族議論にも終止符が打たれるだろうよ……」

 

最強の種族はカオスシェイプだ。

依然、変わりなく。

 




カオスシェイプ13手:
elonaにおける最強の生物。
安定版においては「ダメージを稀に無効にする」エンチャントがついた盾を13個装備することで餓死やマナの反動を含めたあらゆるダメージを無効にする、いわゆる「13盾」が唯一可能な種族であることから最強の種族とされていた。

そしてそれは、完全無効盾や完全無効矢弾が開発されたelona oomSESTにおいても変わっていない。

依然として、elona最強の生物はカオスシェイプ13手である。

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