もしも切嗣が喚んだセイバーがオルタ化してたら   作:ひきがやもとまち

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今回のは番外編となります。『ゼロの使い魔』と『ZERO切嗣』さんとのコラボ短編で、原作はゼロ魔です。
気分転換用に書いただけの代物ですけど、よければ楽しんで頂けるとありがたく思います。


ゼロの幼馴染みはTS転生『魔術師殺し』

「うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ」

 

 綺麗な月の夜。

 楚々と夜を照らす月明かりの中で、“あの日の地獄から”救うことのできた唯一の命である少年は、さりげない口調で衛宮切嗣に向かって誓いを立てた。

 

「爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。

 まかせろって、爺さんの夢は―――」

 

 かつて切嗣が憧れ、諦めたモノに“なってやる”と。

 かつて自分が大切な人に誓おうとして、その言葉を告げることができなかった想いを声に出して、今夜この綺麗な月の下で誓ってくれている。

 

「――俺が、ちゃんと形にしてやるから」

 

 ・・・それは正しく衛宮切嗣にとって“救い”であった。

 いつしか始まりの自分を忘れ、ただ磨り減っていくしかなかった切嗣にとって望むべくもない“救済”だったのである。

 

 

「そうか。ああ―――安心した」

 

 

 ――この子なら、たとえ自分と同じように生きようとも、自分のように過つことはないだろう。

 

 その理解に胸の内のすべての疵を癒やされていくのを感じながら、衛宮切嗣は―――ふいに腹立たさを感じて不機嫌になってきていた。

 義理の息子に腹を立てたのではなく、あまりにも不甲斐なく無責任な自分に腹が立ってきたのである。

 

 自分が“あの地獄から”拾ってきた養子の少年は、こうして義父である自分の心の疵を癒やしてくれていると言うのに、自分は今まで義理の息子に親らしいことを一つでもしてやったことがあっただろうか?

 周囲をおびえさせないようにと授業参観には行ったことがないし、自分が死んだ後に後見人になってくれるよう頼んだ相手は暴力団の組長で、ご近所付き合いは絶望的。魔術師殺しで荒稼ぎした金も屋敷の改築等に使ってしまって蓄えも残り少なく、身元を誤魔化すため魔術で隠蔽したせいで生命保険にも入った覚えはない。

 

 そもそも、自分の夢だった正義の味方を目指してくれるのは親としてホロ苦くも嬉しい限りではあったが、社会的地位で見た場合に正義の味方というのはどうなのだろうか?

 むしろ法律関係ぐらいに抑えておいた方が、合法的かつ経済的に苦しむ人々を救う事業を展開していけるような気がしてきたのだけれども・・・・・・。

 

 

 斯くして。

 その生涯を通じて何を成し遂げることもなく、何を勝ち取ることもなかった男は、たったひとつ最後に手に入れた安堵と―――それに付属して付いてきた義理の息子の将来に関する不安だけを胸に混在させたまま眠るように息を引き取る。

 

 彼の在り方を理解すると同時に、“親としての自分”の無責任さを理解して後悔し。

 自分と義理の息子の精神面では安堵と信頼を得ながら、気持ち以外の面では胸いっぱいの不安を友として、彼はこの世界で生きる住人たちと関わり合う機会を永遠に失ってしまったのである。

 

 自分は、彼にとって『良い目標』にはなれたのかもしれなかったが、『良い父親』にはなれなかったのだということだけを確かな事実として死の間際の記憶と脳みそに焼き付けながら彼は、夜空に輝く綺麗な月に見下ろされたまま永久の眠りについたのだった。

 

 

 そして―――『願望』が生まれる。

 ただ一度きりの命と人生に二度目はないと分かっていながら、それでも願わずにはいられなかったから。

 

 もう一度だけでいい、誰かにとっての親として振る舞える人生が自分に訪れる機会があったとしたら。

 今度こそ自分は、我が子に対して親としての責任を果たせる人生を生きてみせる、と。

 彼は願いながら、願望を抱きながら綺麗な月の下で眠りにつく。

 

 

 そんな彼の願望を――【この世すべての悪】にさえ屈しなかった男が死の間際に、無理を承知で願った願望を。

 

 『観測機たる万能の月』が、見逃してくれるはずもない事実を知る由もないままに、彼の魂は地上を離れ、遠い遠い宇宙の彼方へ、この世界のどこかへ、どこか違う平行世界の彼方へと旅だって行かされてしまった事実を知る者はこの世界にはもう誰もいない。いる訳がない。

 何故なら事は既にこの世界を離れて、異世界の事情になってしまっていたのだから・・・・・・。

 

 

 

 

 ザワザワ・・・、ザワザワ・・・。

 抜けるような青空をバックに、一人の少女が道行く人に感嘆のため息を漏らさせていた。

 年の頃は十二、三歳ぐらいだろうか。

 黒いマントの下に、白いブラウス、グレーのプリーツスカートを着ている。

 

 顔は可愛い・・・と言うよりも、綺麗という表現の方が適切なタイプだろう。万年雪のようなプラチナブロンドの長い銀髪と、雪の女王が持つ処女雪のように白すぎる肌。ルビーを溶かして流し込んだように赤い両眼。

 体を構成するすべてのパーツがあまりに整いすぎて、まるで人ならざる魔性のモノであるかの如く錯覚してしまいそうになるほどの圧倒的な美貌。

 

 

『キリツグ・アインツベルン・エ・ミヤ・ユスティーツァ』

 

 それが少女の持つ姓名である。

 そしてまた、彼女にはかつて地球という名の異世界で、衛宮切嗣と呼ばれていた男としての前世を持つTS転生者の少女でもあった。

 

 

「・・・遅いな。もう来てもいい頃合いのはずなんだが・・・」

 

 空に見える二つの月から、大凡の現在時刻を計測しながらキリツグは眉をひそめて溜息をつき、前に出していた足の左右を切り替える。

 彼女は今、背中を預けている建造物『トリステイン魔法学院』の制服をまとって、入学式に参加するため幼馴染みの少女を待ち続けているところであった。

 

 学園までは家族とともに馬車でやってくるのは当然としても、学園そのものは全寮制で所属する生徒たちに生まれや身分による待遇の違いは一切認めないという校則が存在するらしいので、仲のいい同い年の新入生少女二人がともに連れ立って式に参加した程度で目くじらを立てる大人もよもやおるまい。・・・と、キリツグ個人はそう信じていた。事実かどうかまでは今の彼もとい、彼女には知る由もない。

 

「・・・あり得ないとは思うけど、一応少し探しに行ってあげた方がいいかもしれないな。

 子供とはいえ男女共学の全寮制学校・・・不埒な連中が変態行為に及んでしまう可能性もないわけじゃない」

 

 仮にも貴族の子弟だけが通うことを許されている学校の同級生たちに抱いていい感想ではない言葉を口にしてからキリツグは、幼馴染みの少女を探すため動き始める。

 

 

 キリツグの幼馴染みである少女は、魔術が存在しない代わりに子供向けのお伽噺に出てくる奇跡のような魔法が実在しているこの世界『ハルケギニア』で、魔法が使える者たち・・・始祖ブリミルの血を引く者『メイジ』と呼ばれる貴族の一員であり、その中でもとりわけ尊い血筋を誇る名門貴族の家に生まれ落ちながら魔法の才能に全く恵まれておらず、そのことを幼い頃から強く意識しすぎるあまり、気が強いというよりかは強がりすぎてしまう悪癖を持った少女に育ってしまっている女の子だった。

 

 才能がなく、魔法が使えず、にも関わらず格上のメイジたちに馬鹿にされると言い返さずにはいられないプライドの高さと負けん気の強さを誇る・・・まぁ要するに、キリツグとしては庇護欲をそそられずにはいられないほど『子供っぽくて、子供らしい女の子』なのである。

 

 加えて彼女は正義感が強く、曲がったことが大嫌いで、理不尽に対しては場も状況も考えずに無理して突っかかって挑みかかろうとする、前世で救った養子の少年のような部分を多数備えており、代償行為としての『娘として見ている』彼ならぬ彼女にとっては目の離せない存在でもあった。

 目を離すと、どこで何に巻き込まれてしまうのか心配で仕方がなくなる可愛らしい女の子なのである。見えないところにいる間は、探し出して安全を確認するまでは安心できない。

 

「それにもし、もしもだ。彼女がチカンなどという許しがたい性犯罪者に狙われでもしていたら大変なことになってしまうからな。

 公爵家のご令嬢を傷物にしようなどと企む輩を許しておいては、大勢の罪なき人々に被害が及ぶ。即刻その場で殺しておくべきなんだ。もしその役目を他の誰もやりたがらない時には僕がやるしかないのだから、僕が彼女を探しに行くのは当然のことだな。うん、よかった。安心した」

 

 ブツブツ独り言を言いながら歩くことで、不安を紛らわせるキリツグ・アインツベルン。

 ・・・親心に目覚めたことから月の聖杯に見初められ、異世界に生まれ変わるための回路を開かされた衛宮切嗣は、親馬鹿をこじらせすぎて変な方向に自分が行ってしまっていることに気付いていない。

 そしておそらく、気付いたとしてもやめないだろう。そういう男だった少女である、キリツグ・アインツベルンと言う名の転生少女は。

 

 

「あー! こんな所にゼロのルイズがいるぞー!」

「・・・ん?」

 

 どこからか聞き覚えのある罵り文句が聞こえた気がして、そちらの方へと視線をやる。――いた。

 桃色がかったピンクブロンドの、多すぎて豪奢すぎる髪を持ち。

 貴族らしく見せようと必死に背伸びしながら、でも実は他の誰より貴族らしさを持たないキリツグお気に入りの女の子が、悔しそうに歯がみしながら一人の新入生男子と睨み合っている姿を発見した。

 

「いっけないんだー。ここは魔法を教えてもらうための学校なんだからな~? 貴族の家に生まれた癖して魔法が使えないゼロのルイズは来ちゃ行けない場所なんだぞー、この学校は~」

「な、なによアンタ! たかが子爵家の息子の癖して、マイヤール公爵家の令嬢である私にそんな無礼な口をきいてただですむと思っているのかしら!? 捻り潰すわよ!」

「残念でしたー! トリステイン魔法学校は生まれや身分で差別しちゃいけない校則になってますー! ここでは僕もおまえも同じ生徒で平等な立場なんですー! 公爵家の娘だからって特別扱いはしてもらえませ~ん。ヘヘーンだ、ザマーミロー!!」

「ぐ・・・、ぐぬぬぬぅぅ・・・・・・っ!!」

 

 ・・・どうやら、他の貴族子弟と言い争っていたらしい。

 おそらく実家の屋敷で開かれていた園遊会などで知り合った経緯を持ち、キリツグにとっての幼馴染みの少女『ルイズ・フランソワーズ』が魔法を使うことができない事実を知っている、爵位の低い貴族のバカ息子が家柄に対するコンプレックスを発散させる口実を得て調子づいているのだろう。

 

 感情的になると校則など何のそのと力尽くでぶち破って反省もしないルイズではあるものの、感情的になっていないときの彼女はむしろ教条主義者めいた真面目さえを発揮してしまい、規則や伝統を額面通りバカ正直に遵守してしまう融通の利かない部分を併せ持っている少女でもあった。

 

 家柄を持ち出して校則を口実に使っている生意気少年の相手は、今の比較的落ち着いている彼女には荷が重すぎると言うべきであろう。

 

「やれやれ・・・、こういう時にはやはり大人が出張ってあげるしかないんだろうなぁ」

 

 肩をすくめてキリツグは、遠回しに二人を見ている見物客という名の野次馬をさり気なくかき分けながら誰一人気付かせることなく、暗歩を使って彼らのすぐ側まで音もなく移動していき、そして。

 

「どーせ、お前なんか二年の進級の条件になってる『春の使い魔召喚』のときに、変な生き物呼び出しちゃって皆からバカにされるに決まってるんだよ。やーい、やーい、魔法が使えない魔力ゼロのルイズー!」

「ぐ・・・ぐぬぬぅぅ・・・っ!! 人が大人しく下手に出てあげてれば付けあがってくれちゃってぇぇ・・・っ!!」

「はぁ~ん? お前がいつどこで下手に出た事なんてあるんだよぉ? お前っていつも偉そうで生意気な態度で、僕はそんなお前のことが昔から大嫌―――」

「よっこらしょっと」

「い―――痛たたたたたたたッ!? ちょっ、痛!? 腕が! 僕の腕がもげちゃうぐらい痛すぎるぅぅぅぅッ!? あだだだだだッ!?」

 

 とりあえず背後から音もなく忍び寄ってから、有無を言わさず投げ飛ばして転ばせて関節技を仕掛ける、日本古来の柔術を使って少年の生意気ぶりを注意してやることにした。

 言っても無駄そうな子供は、まず話を聞きたいと思わせることが重要であるとキリツグは、切嗣だったときに子育ての本で読んだ記憶がある。

 生まれて初めて男親だけで子育てしていく自信がなかったときに、古本屋で見つけて立ち読みした本の記述ではあったものの、子育ての専門家が書いた本だったらしいし間違ってはいないはずだ。

 

 ――ちなみに彼が養子を引き取ったのは、20世紀末の出来事であり、その本が古本屋に売りに出されたのは更に十年近く遡った時代だったりするのだが。

 子育ての基本が21世紀初頭から十数年で激変していることなど、家庭のことには無頓着すぎたまま異世界転生してしまっている切嗣さんとキリツグちゃんには知る由もない。

 

「キリツグ!? え、どうして!? なんで!?」

「そりゃあ、公爵令嬢様が格下貴族の小せがれに泣かされているみたいだったからね。爵位の序列上、助けに来ない訳にはいかないさ。一応僕はこれでも貴族の家の娘なんだぜ?」

 

 格好つけてそう言ってみるが、誤魔化しなのは言うまでもない。

 むしろ切嗣にとってハルケギニアの貴族たちは、魔法が使える者とそうでない者に人類を二分して、たまたま貴族の家に生まれて魔法が使える自分たち貴族を神によって選ばれた民と思い上がった末に、平民たちを動物か家畜のように思っている、外道魔術師どもを国が正式に認可してしまった殺すしかないクズどもだとさえ決めつけている程度の存在でしかなく、間違っても爵位の序列だけを理由に守ってやる必要を感じる相手では決してない。

 

 だが、この場合はこれでいい。もとより相手の少年に真実など何一つ教えてやる価値など認めていなかったし、ルイズは虐められてる可愛そうな女の子である。真実を言って傷つけるよりも守らなければいけない。何があっても、どんな敵からでも絶対に。

 

「な、なんだよお前!? こ、ここがトリステイン魔法学院で、生まれた家とか身分とかで差別しちゃいけないって校則で決められてること知らないのかよぉッ!?」

「おやおや、君こそ知らなかったのかな? 校則だの法律だのといったルールなんてものは単なる建前でしかなく、それを決めた奴ら自身が守ることはほとんどないという常識をね」

 

 キリツグは前世の記憶を思い出しながらハッキリと少年に向かって断言する。

 悲願成就のため外法魔術師である自分をアインツベルンの養子に迎え入れたアハト翁に、公平を期すため聖堂教会から派遣されていたはずの監督官である言峰璃正神父の遠阪陣営に対する肩入れ、魔術は隠匿するものという基本を守る気のなかったキャスターの英霊ジル・ド・レェ元帥と、数えだしたら切りがないほどだ。

 

 ルールだの規則なんてものを額面通りに守っていたら、一方的に不利になっていく一方ではないか、馬鹿馬鹿しい。

 

「く、クソゥッ! クソクソクソ糞がぁッ!! こうなったらお前、僕と勝負しろ! 決闘だ! 正々堂々一対一の決闘だぞ! まさか臆病風に吹かれて断って逃げたりしないだろうな!? 場所と日時は通達してやる! 分かったら手を離してそこをどけ、このクソ野郎! 今に見ていろよ! 決闘の日に実力の差ってヤツを思い知らせてやるからな!!」

「!!! ダメよキリツグ! 受けちゃダメ! そいつは性格はクズだけど魔法の才能だけはあって、魔法学院に入学する前からもうすでにトライアングル級の魔法を二つも使うことができるんだから!!」

 

 ルイズが幼馴染みを心配して悲痛な叫び声を上げ、キリツグに組み敷かれている少年は後日の決闘で華々しく勝利した後の自分と相手を想像して悦に入ったように下卑た笑いを浮かべており。

 キリツグは、そんな二人に頓着することなく相手をつかんでいた腕を左腕に変えてから、右手を服の下に突っ込んで中に隠し持っていた道具を取り出し、相手の後頭部に押しつけてから―――脅す。

 

 

 ゴリッ。

 

「分かるな? 今君の頭に押し当てられている物は、リボルバー式の拳銃だ。教師たちが駆けつけてきて君を救うため呪文を唱えようとしても、この距離なら火薬と鉛玉が君の頭蓋を貫通する方がずっと早い」

「・・・・・・」

「もちろん、僕だって人殺しになるつもりはない。せいぜい両手両足を撃ち抜いてやって、魔法で完治できる程度の傷と痛みを君に味あわせるのに使ってやろうというだけのことさ。

 とは言え、いくら魔法で傷も痛みも消えてなくせるとは言え、呪文を唱えて魔法で治してもらえるまでに感じる痛みと傷はなかったことに出来るものじゃないし、感じないことも出来ない」

「・・・・・・・・・」

「さて、君はどちらを選ぶのかな? 正面切っての決闘にこだわって今“おめでたい騎士サマ”らしい撃たれ方をされて藻掻き苦しむか、全てをなかったことにして水に流すと約束して誰かに漏らした瞬間には寝込みか背中を僕に襲われるかもしれない恐怖に怯えながらの誠実な生か・・・二つにひとつだ。好きな方を選ぶといい」

「・・・・・・・・・・・・ッ!!!!!!(ダンダンダンッ!!!)」

 

 

 ――と、この様にしてキリツグ・アインツベルンは幼馴染みで、実の娘のように思っている女の子と自分の安全を当面は確保することに成功し、代わって周囲から遠巻きに見ていた見物客たちが口々に噂し合っている雑談の中に“ゼロのルイズ”という単語を散見して不愉快になる。

 どうやら自分は結果論とは言え、幼馴染みの少女にイヤな思いをさせてしまう渾名作りに一役買ってしまったらしい。感情に流されて行動すると、こういう羽目になるから本当にろくでもない行為だとあらためてキリツグは思い知らされずにはいられない。

 

 

「まったく・・・内実のないちっぽけな優越感を満足させたいだけのために、僕の可愛いルイズを利用しないでほしんだけどね。

 ・・・って、あれ? どうしたんだいルイズ? おーい、もしもーし?」

「・・・“可愛いルイズ”・・・“僕の可愛いルイズ”・・・・・・ワルド子爵様以外の人に言ってもらえたのはじめてかもしれない~・・・・・・♡(デレ~♡♡♡)」

 

 

 

 斯くして―――

 ゼロの幼馴染みとなった『魔術師殺し』の物語は、こうして再び幕を上げる。

 

 

 

オリジナル主人公設定

 

『キリツグ・アインツベルン・エ・ミヤ・ユスティーツァ』

 

 今作における衛宮切嗣がハルケギニアに少女貴族として生まれ変わった転生体の姿。

 見た目はアイリスフィールを幼くした姿と酷似している。

 イリヤとも似ているが、凹凸に雲泥の差があるのは愛娘には内緒の話である。

 メイジとしての才能は、そこまで高くないが、メインの武器が銃器で戦う戦闘スタイルに変わりがない彼女にとっては大した問題とも思っていない。

 

 属性は『火』。・・・と思われているが、実は『火』と『土』の二重属性。

 ハルケギニアには二重属性という概念自体が存在しなかったため、判別のために魔法を使っても発見する機能が与えられておらず、より強い方の属性を彼女の属性として認定させてしまった結果。

 

 ハルケギニア貴族の性は、長いほど爵位が上という決まりが存在しており、ルイズのフルネームよりも二つ少ないアインツベルン家の爵位は伯爵家。

 

 実はアインツベルン伯爵家は、トリスタニア王国を裏から守ってきた影の貴族の元締め一族であり、諜報活動や破壊工作といった公には出来ない任務を着実にこなすことで歴代国王からの厚い信任を得てきた経緯が存在している。

 あくまで『トリスタニアのため』『国全体のために尽くす一族』のため、一時期は彼の悪名高き悪の宰相【エスターシュ大公】が最も信頼する忠実な駒であったという忌まわしい黒歴史も内包しており、この事件が元で稼働していた全組織の活動を一時休眠させる必要に迫られてしまい、最近になって立て直しを始めているものの一度断たれた根を張り巡らすのに苦慮している。

 原作で起きた様々なイベントを止められないのは、これが原因というオリ設定の一族です。

 

 

 なお、女体化した理由は『世界愛の人』から『家族愛の人』になったことにより経済的なお金の問題に比重を置くようになったことが主な原因です。

 家族を守り養うためには、夢よりお金の方が大事ですからね(苦笑)

 そのため夢追い人な男から、現実的経済観念を持つ女性へと性別と性質が変化したというオリ設定の女オリ主です♪




*本当なら『試作品集』の方だけに出すべき作品だと思っていたのですが、思ってたよりギャグ調にできたことと切嗣さんがZEROからの移籍という設定でしたので両方に投稿させていただいた次第です。
もしシリーズ化する場合にはどちらか一方だけに限定しますので、今回は短編読み切りと言うことでご納得いただけたら幸いです。

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