政略結婚をして、お家復興を目指す悪魔   作:あさまえいじ

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第10話 進級しました。

どうも、ゲーティア・バルバトスです。

 

入学してから、1年が過ぎ、2年生に進級しました。

 

学業は私の前世では習ったことがない分野が多くて、大変ですけど楽しい限りでした。

昔はなかった公式や違う呼び方をされて困惑することはありますが、概ね楽しいです。

友達も多くなり、クラスのみんなも声を掛けてくれるようになりました。

以前は不良だと思われていたみたいですけど、文芸部員や剣道部員と一緒にいるところを見て、大丈夫だと思ってくれたみたいです。

 

部活動も順調で、剣道部が正式に承認された後、多くの大会に出て、優秀な成績を治めました。

私と一護が出場してはさすがにまずいので、代わりになる選手を探し、色々勧誘を行ったところ、5人の新入部員が加入してくれた。

毛利元就、武田晴信、長尾景虎、北条氏康、島津義弘の5人だ。

設立メンバーの信長達の3人と新入部員の元就達の5人の合計8人で熾烈なレギュラー争いが行われました。

彼らは部内で切磋琢磨し続け、より強くなり、全国大会で優勝する快挙を成し遂げた。

創部一年目での快挙に学校中の話題になりました。

その後も男子生徒たちが入部してくれて、今や男子生徒の大多数が所属する学園屈指の規模を誇る部に成長した。

私と一護は指導に当たり、彼らの成長を促した。

今や、一護も私も気を抜けない程に成長してくれた。

一護も私もここまで強くなるとは想像していなかったが、立派な強者に育ち嬉しい誤算だった。

私も剣道界では有名になった。

部を今や全国屈指の強豪校に育て上げた手腕に期待され、私の指導を受けたい中学生が全国から我が駒王学園を受験することになった。

これには学園も嬉しい誤算だったようで、全校生徒の前で表彰されることになった。

 

side 黒崎一護

俺はゲーティア様の眷属の黒崎一護だ。

壇上で俺とゲーティア様が全校生徒の前で表彰されている。

俺とゲーティア様が作った剣道部が全国大会で優勝した。

二人で設立しようとして、部員の勧誘やルールの勉強をしたことを、信長達の指導の日々を思い出していた。

ゲーティア様がやろうと頑張る姿に俺も引っ張られていた。

最初は鈍らない程度に鍛錬しようと剣道部に行った。でもなかったから別にいいか、て思ってたのに、

 

「一護とりあえず部を作ることからしてみよう。」

 

その一言から始まった剣道部だった。

それから信長を勧誘しに行って、秀吉、家康と続々と仲間が増えていった。

部に昇格した後も勧誘を続けた。

元就、晴信、景虎、氏康、義弘の5人が仲間に加わった。

夏の大会直前に合宿をして、徹底的に鍛え上げたこともあった。

設立メンバーの3人は俺の本気とまではいかないが、それなりに楽しめるくらいの強さになった。

後の5人も下級悪魔といい勝負くらいには強くなった。

俺とゲーティア様が出なくても大丈夫だと思った。

これなら全国も夢じゃない、と思えるほどだった。

結果は全国に出場、そして優勝へ一直線だった。

 

その頃からゲーティア様に通り名が付いた。

『駒王の魔王』

全国大会を無敗で優勝したメンバーがひれ伏す存在、それがゲーティア様。

その圧倒的なまでの手腕、カリスマを兼ね備えた姿をそう評した。

 

「ゲーティア様、俺は貴方について行くぜ。どこまでもな。」

 

俺の主はどこまでもついて行きたくなる、そんな男だ。

 

side out

 

もう一つ掛け持ちしている、文芸部も順調だった。

文芸部は非常に暖かく迎えてくれ、私の絵をよく褒めてくれます。

たまに目つきが危ないときがあったが、問題はなかった。

楓も毎日楽しそうに笑っていた。

たまに笑い方がおかしい時があるが、楽しいならいいだろう。

 

去年の夏ごろ、私に絵を描いてほしいと部員全員に頼まれ、引き受けると大変喜んでくれた。

全部員が涙を流して喜んでくれた。

そこまで喜んでもらえると、私も嬉しくなり、張り切って描いた。

出来上がった絵を楓達部員が作った小説と合わせ、本を作っていた。

どうやら販売するようで、夏の時期限定で売り出すようだ。

その時期は剣道部の合宿があるので、参加できないことを謝ると

 

「いえいえいえいえ、とんでもございません。ここまでやっていただいただけで感無量でございます。後のことは私のお任せください。ゲーティア様のクイーンとして見事名代を果たして見せます。」

 

楓が物凄い勢いで私の代わりを務めたいと言ってくれた。

ここは任せよう。

楓のことは信頼している。

 

side 秋野楓

ゲーティア様のクイーン、秋野楓です。

この文芸部での日々は充実していました。

文芸部に所属し、私は昔の自分を取り戻した。

かつて、忌み嫌われたこの力を再び取り戻すことになるなんて。

私は過去の自分と今の自分が融合し、真の力を取り戻した。

以来、過去に培った技術と悪魔の身体能力で圧倒的な生産スピードを手に入れた。

だが、そんなものはどうでもいい。

全ては我が主様の隠された力の前では、無に等しかった。

 

我が主は神を産みだす。

私は紙しか産みだせない。

例え速さが上がったとしても、意味がなかった。

私たちは神を奪い合い戦いを始めた。

だが、お優しいゲーティア様は私たちに新たな神をお与えになった。

私たちは争いをやめ、その神を崇め奉った。

 

だから他の道を模索した。シナリオだ。

部員たちと共にシナリオを作り、ゲーティア様が産み出した神と融合させる。

私たちはそのことをゲーティア様にお願いすると、快く了承してくださった。

 

私たちは困難の果てにようやく完成させられた。

それは夏コミの一週間前に完成した。

奇跡だ。

生前の私にはとてもできなかった。

仲間たちと、偉大なる主、前世では得ることが出来なかった絆を得て、この奇跡が成しえられた。

 

「来週は販売の日だったな。剣道部の合宿と重なってしまって申し訳ないな。」

「いえいえいえいえ、とんでもございません。ここまでやっていただいただけで感無量でございます。後のことは私のお任せください。ゲーティア様のクイーンとして見事名代を果たして見せます。」

 

来週はゲーティア様は合宿に行かれる予定なので、夏コミは私が取り仕切ります。

お任せください、ゲーティア様。

 

夏コミの当日、私は部長と共に部の看板を背負って戦った。

『駒王学園文芸部』

老舗サークルの一員として。

前世の私は個人で活動していたので、このような経験はなかった。

だが恐れはなかった、私たちにはゲーティア様が、神が付いている。

結果として、私たちのサークルは過去最高の売り上げを見せた。

ゲーティア様が作り出した絵を見て、人々は噂した。

『駒王学園文芸部に神がいる。』

 

ああ、転生させてくれた神様。

偉大な主、ゲーティア様がいるこの世界に転生させてくれて、ありがとうございます。

 

私は祈りのダメージがこの身を襲っても、祈ることを止めれなかった。

 

side out

 

 

今日は2年生となって、最初の剣道部活動日。

新入部員は全国から集まってきた。北は北海道、南は沖縄まで。

全国から私の指導を受けるために越境入学までしてきた、気合の入った者たちだ。

最初にビシッ言って、上下関係を教えないとな。

後、リアスの眷属が一人剣道部に入部するので、よろしくと言われていた。

木場というナイトだったな。

だが特別扱いはしない、と言っておいたが、リアスは微笑み、問題ないと言った。

ならば、一部員として扱うまでのこと。

我が剣道部は昨年全国優勝を成し遂げたが、それは過去のことだ。

今年も私たちにその席が用意されているわけではない。

ならば、今年もその場に行けるよう精進しかあるまい。

最初にそのことを言わねばならない。

 

side 木場祐斗

僕はリアス・グレモリー様の眷属、木場祐斗だ。

駒はナイトを頂いた。

今年、駒王学園に入学したので部活に入ることにしたけど、オカルト研究会だけでいいかと思ったけど、剣道部に興味が出た。

リアス部長と同い年のバルバトス公爵が設立した部活だからだ。

バルバトス公爵は上級悪魔、リアス先輩とは違い公爵の位を持つバルバトス家の当主だ。

学園内では最高位の悪魔といえる。

そんなバルバトス公爵は自身の眷属と剣道部を作った。

リアス部長と朱乃さんがオカルト研究部を廃部から再興させたのとは違い勧誘をして人間と共に作った。

 

剣道部は創部一年目で全国大会優勝を成し遂げた。

人間の大会だ。悪魔が出ればそうなって当然だ。

でも違った。

バルバトス公爵は指導を行い、選手としては出ていなかった。

映像を見て、驚愕した。

強かった。僕の目から見ても強かった。

悪魔に転生し、師匠のもとで剣を教わった僕より、強い。

 

僕はリアス部長に頼み込んだ。

 

「リアス部長、お願いがあります。」

「どうしたの、祐斗?」

「僕を剣道部に入部させてください。」

「剣道部・・・ああ、ゲーティアの作った部ね。いいんじゃない。貴方がしたいならそうすればいいわ。ゲーティアには私の方から言っておいてあげるわ。」

「リアス部長、ありがとうございます。」

「ただし、いいこと祐斗。私の眷属である以上、剣道部で一番になりなさい。」

「っ!はい!リアス部長のナイト、木場祐斗、主の命、必ずや成し遂げて見せます。」

 

僕はリアス部長のためにもこの剣道部で一番になると約束してここに来た。

 

男子剣道部は第二剣道場で行われることになっている。

第二剣道場は学校側が急遽新設した、男子剣道部専用の練習場だ。

昨年の剣道部の活躍と匿名からの寄付で建てられたようだ。

 

「すごい人だ。」

 

駒王学園は元々女子高で去年から共学に変わった。

だから男子の数は女子に比べて圧倒的に少ない。

だけどこの剣道場にはその男子が殆どがいるんではないか、と思うほどの人がいる。

これは確かに剣道場を急いで建てる必要があったな、と理解してしまうほどだ。

 

突然、場の空気が引き締まった。

圧倒的な威圧感。

少しずつ近づいてくる、圧力。

周りの新入部員も理解したようだ。

先輩たちは、平然としている。

悪魔である僕が圧倒され、人間である先輩が平然としている。

威圧感の主が姿を現した。

あれがゲーティア・バルバトス公爵

 

「ほう、随分集まったようだな。最初に言っておく。我が剣道部の目標は全国制覇だ。その意思がないものはこの場を去れ!」

 

なんて威圧感だ。思わず逃げたくなった。

でもおかしい。周りにいる新入部員は誰一人逃げていない。

あんな圧力を受けて人間が耐えれるなんて。

 

「ふむ、いい覚悟だ。では諸君の入部を認めよう。我が剣道部は実力主義だ。年齢の別なく、只強い者を求めている。人は平等ではない。生まれつき足の速い者、美しい者、親が貧しい者、病弱な身体を持つ者、生まれも育ちも才能も、人間は皆違っておるのだ。 そう、人は差別されるためにある。だからこそ人は争い、競い合い、そこに進化が生まれる。常に進化を続けておる。我々は前へ、未来へと進んでおるのだ!競い、奪い、獲得し、支配しろ、その果てに未来がある!!」

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

熱狂。

ここにいる部員全員に火をつけた。

バルバトス公爵の演説はこの場にいる部員全てを支配した。

これが『駒王の魔王』

これからこの剣道部内では熾烈な戦いが起こる。

上級生、下級生の区別なく、ただ強いということだけを求めて、全国という目標を目指して戦いが始まる。

 

「だが、今はまだお前たち新入部員は我ら上級生の敵ではない。故に準備期間を設ける。上級生1人の下に4人の下級生を付ける。上級生の指導を受け、来月の部内対抗戦を団体戦として行う。チーム分けはこちらで行ったので、発表する。チーム織田、柴田、丹羽、滝川、明智、次にチーム豊臣、石田、加藤、福島、大谷、次にチーム徳川、酒井、本多、榊原、井伊、・・・・以上だ。」

 

チーム分けが終わり、それぞれの上級生の下に集まっていく。

だけど僕の名前は呼ばれなかった。

 

「あの、僕は誰の下に付けばいいですか。」

「木場祐斗だな。お前は俺に付け。俺は黒崎一護だ。」

「はい。よろしくお願いします。」

 

黒崎一護さん、バルバトス公爵の眷属悪魔だ。

以前、リアス部長に見せてもらったバルバトス公爵のレーティングゲームでは大きな剣を使って戦っていた。

戦い方やスピードでナイトだと思った。でもポーンだった。

そしてレーティングゲームの時にはプロモーションをしていなかった。

素の速さでナイトの僕以上だ、

リアス部長の眷属として、いつかバルバトス公爵とはレーティングゲームで戦うことになるかもしれない。

その時のためにも色々盗ませてもらいます。

 

side out

 

我が剣道部にも多くの新入部員が来てくれた。

それにこの新しくできたこの剣道場だ。

新しい建物は気分が良くなるな。

これも文芸部のOGの人たちのおかげだ。

私の絵を気に入ってくれて、寄付してくれたからだ。

だが、前の剣道場にも思い入れがあった。

女子剣道部がルールや打ち込みの仕方を教えてくれた。

大切な場所だ。

私たちがこちらに移るときには泣いて引き留めてくれた。

彼女たちが困っていたら是が非でも助けたいものだ。

 

「ゲーティア君、助けて!」

 

女子剣道部員が私に助けを求めてきた。

 

「どうした!」

「の、覗きよ!」

 


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