どうも、ゲーティア・バルバトスです。
風紀委員長の最初の仕事として変態3人組を血祭りに上げ、幸先の良いスタートを切ることが出来た。
これを喜ぶべきか、悲しむべきか悩ましいところだ。
本来ならスタート自体切らないのがいいのだが・・・
だが、あの後女子バレー部のみんなに涙ながら感謝された時には設立に尽力したことは間違いではなかったと思った。
学園でも広く認知され、私たちの活動に協力してくれる生徒たちも増えてきた。
つい先日コンピュータ研究部が風紀員通報用アプリを作成し、生徒からの通報に即時対応できるようになってきた。
また、このアプリは学園内外問わず使用できるため、学園の生徒に対する悪質なナンパや街中での声掛け事案等にも対応が可能であり、実際に学園の生徒を風紀委員が助ける結果に至った。
この功績は警察からも感謝状を贈られ、風紀委員から駒王町の担当警察署へのホットラインを開設でき、警察からは不審者の情報や警戒地域の連絡を、私たち風紀委員からは町内の見回り結果を報告できることになった。
ただ、あくまで私たちは学生のため、緊急時を除いて極力手を出さないよう釘を刺されている。
もちろん私としても、生徒に危害が及ばない様に配慮すると共に、情報の連絡は最優先にした。
また、学園の剣道部の強さは剣道関係者の中で有名なようで、最近では警察署の剣道部と月に1度、稽古を行えるようになった。
風紀委員の大多数を構成する剣道部が夏の合宿及び全国大会に出場した場合、人手が足りなくなることも相談すると、警察からも激励と見送り、そして学園の治安維持に非公開ながら協力してくれることになった。
外部から風紀委員を任命できるようにしたため、警察署長を風紀委員に任命したところ、快く受けてくれた。
また、風紀委員にも将来の職業を警察官を志望するものを出てきた。
これは署長さんも嬉しいようだが、生徒に無理強いをしないよう警察署員全体に発令された。
ただ、署長さんは定期的に警察の仕事に関して講演をしている。
私も講演に頻繁に参加している。
その手法や制度には学ぶところも多く、領地での治安維持にも取り入れることを考えている。
ここ一か月の風紀委員としての仕事は現状はこのような感じだ。
ここからは変態3人組はについての対応だ。
変態3人組はあの後、一週間の停学処分になった。
復学後は変態3人組にはマークを付けて行動を監視している。
彼らに敢えて気づかせるようにしているため、最近では大人しくなった。
事件は起こってから対応では、たとえ解決しても被害者は悲しい思いをする。
起こる前に鎮圧した方がいい。
問題児だからといって、監視を付けるのは人権侵害だと言われるかも知れないがこの学園の平和を守るためなら鬼となることも厭わない。
それが被害者に涙を流させた、私の責任だ。
□
風紀委員としての仕事はここまでだ。
今の私は学園にいない。
剣道部の部内対抗戦を見届け、文芸部の新入部員との交流が終わり、一度バルバトス家に帰ってきた。
何故帰ることになったか。
それは・・・・・・・・お見合いだ。
side サーゼクス・ルシファー
ようやくこの日を迎えた。
ゲーティア君に縁談をお願いされ、一年以上かかってしまった。
だが、許してほしい。
私も彼にお願いされた手前、下手な相手は紹介できない。
彼が私に示してくれた忠誠を失うことは契約を重んじる悪魔として死んでも守るべきものだ。
そして何より、個人的に気に入っている彼を裏切ることは出来ない。
だが一年以上かかったのはそれが理由のすべてではない。
全てはこの二人が原因だった。
「グレイフィア、ゲーティア君はこちらに向かっているんだね。」
「はい、お義父様。事前に向かわれる前にご連絡を頂けました。なにぶん学生の身としても、公爵としても多忙を極めております。ここに来るまで睡眠をとる、とのことでした。」
「何!それはいかん!今日の見合いを延期してもらおうか?何よりも彼の体が大事だ。先方には私から頭を下げてでも許しを得るぞ。」
「いえ、お義父様。ゲーティア君も今回の縁談に非常に前向きで是非とも、と言われています。少し睡眠をとるのは先方の前で欠伸などの不作法を少しでも無くしたいとのことです。」
「そうか、流石ゲーティア君。惜しいな、リアスが婚約していなかったら是非とも結婚させたかったが・・・」
「ですが、お義父様、その辺りも踏まえての今回の縁談です。」
「そうだったな。ハハハハハ」
「そうですよ。ウフフフフフ」
父上とグレイフィアだ。
ゲーティア君に縁談を頼まれた後、父上とグレイフィアは全貴族の情報を集めてきた。
家格、家族構成、経済力などのありとあらゆる情報を集めた。
父上は積極的に交流を行い、相手の印象、令嬢の容姿といった情報を、グレイフィアは私の秘書として得た、他貴族からの情報といった内と外の情報を集めていた。
その情報を一日、朝昼夜の3回情報交換を行い選定を進めていた。
私も当然それに付き合い、貴族の情報を事細かに知り、弱みを握るという副次的な効果があったほどだ。
だが一年以上一日3回の情報交換は1000回を軽く超え、100回毎に総集編と言わんばかりにここまでの情報の洗い直しをし、500回、1000回は一日がかりの超大作になっていた。
だが、その結果二人が認める相手にたどり着いた。
私としてもこの結果に賛成で、ゲーティア君に胸を張って紹介できると確信している。
ただ、先方にお願いに上がったところ、父上が猛烈に押し込んでいた。
父上のこの行動がゲーティア君の悪印象にはならないでほしい、お願いした。
先方も笑って許してくれたことが救いだった。
「お待たせ致しました、魔王様。ゲーティア・バルバトス参りました。」
「おお、バルバトス公爵。待っていたよ。」
「バルバトス公爵、車中ではお休みになられましたか?」
ゲーティア君が来たことに父上とグレイフィアが盛大に出迎えている。
最近、リアスよりもゲーティア君のことを気にする頻度が圧倒的に多い二人だ。
直接会えて、まるで里帰りした息子のような扱いだ。
二人には悪いが私もそろそろゲーティア君と話をさせてもらおう。
「バルバトス公爵、よく来てくれた。会えてうれしいよ。」
「サーゼクス様、本日は私の願いを聞いていただき感謝に堪えません。」
「いやいや、私の方もお願いされておきながら、一年以上掛かってしまい、大変すまないと思っている。」
「とんでもございません。今日を迎えられ大変うれしい限りです。」
「さあ、早速会いに行こう。」
私が先導して道を歩く。
出来れば彼と彼女の出会いが最良の出会いであってほしいと願って。
□
私たちは用意された部屋にたどり着いた。
先方はもう見えている。
「お待たせしました。お互い初めての顔合わせだ。こちら、バルバトス公爵だ。」
「お初にお目にかかります。ゲーティア・バルバトスと申します。」
「そしてこちらが、フェニックス侯爵だ。」
「お初にお目にかかります、バルバトス公爵。こちらは娘の・・・」
「レイヴェル・フェニックスですわ。御逢い出来て光栄ですわ、バルバトス公爵。」
side out
かわいい。
第一印象はそれだった。
魔王様ありがとうございます。
今ならご命令頂ければ天界にでも他勢力の本拠地にでも、単騎で特攻する次第です。
いかん冷静にならねば。
フェニックス家は当初から惣右介が我がバルバトス家に必要だと判断した家だ。
その意見は清麿、デュフォーの二人も同様だった。
フェニックス家はレーティングゲームの普及に伴い、フェニックスの涙で財を成している。
確かに我がバルバトス家に必要な経済力を期待できる家であること、そして彼女は4人兄弟の末の子であり唯一の女の子。
他家に嫁げる子だ。
・・・・・・でも、そんな考えはもうどうでもいい。
偉そうに説教したリアスが言っていた好きな相手と結婚したいという願いも理解できる。
私はバルバトス家の当主。
だが私は前世でしたことがなかった結婚というものをしたかった、それだけであった。
相手は誰でも良かった、ただ転生したとき貴族に生まれたから、婚約者くらいいるだろうと思ったらいなかった。
家に利点がなかった。だから立て直した。
全てただ結婚を体験したい、という私の知的好奇心からだ。
だから、結婚を体験するために、家に都合がいい相手であればそれでよかった。
だから、政略結婚を望んでいた。
そこには私の気持ちというものは全くなかった。
政略はただの打算だった。
結婚はただの好奇心だった。
だが不思議だ。
ただ、言いたいことがあると一つだけ
「貴方が欲しい!結婚してください!」
この思いをぶつけるしかない。
事前に相談しておいたことなど全て消し飛んだ。
ただ思いの丈をぶつけるしかこの衝動は抑えられない。
side レイヴェル・フェニックス
私はレイヴェル・フェニックス。
フェニックス家の長女ですわ。
私は今、お見合いに来ております。
来ることになった理由は魔王様とグレモリー公爵様にお願いされたからですわ。
□
先日、当家を訪れたグレモリー公爵様、そして・・・魔王ルシファー様。
グレモリー公爵様と魔王ルシファー様は昔からよく存じておりました。
お兄様、ライザー兄様の婚約者のリアス様のご家族の方たちですから。
お二人が当家を訪れたのはお兄様の事だと当初思っておりました。
ですが、お父様に呼ばれたのは・・・私でした。
最初はよく分かっておりませんでした。
何故私が呼ばれたのか。
ですが、すぐに分かりました。
縁談の話でした。
「フェニックス侯爵、レイヴェル殿、お久しぶりです。」
「これは魔王ルシファー様、グレモリー公爵、ようこそ当家にいらっしゃいました。本日は如何致しましたか?」
「フェニックス侯爵、あなたとは旧知の仲、私の娘と貴方の三男が婚約しております。本日はそのこととは全く関係ない件でお伺いしました。」
「グレモリー公爵、それは一体?」
「父上、その先は私が。フェニックス侯爵、私は先日ある貴族から頼み事をされた。これは私からその貴族に対して、願いはないか、と聞いた上で言われたことだ。」
「その頼み事とは?」
「縁談だ。」
「縁談?」
「ああ、その貴族は純血悪魔で貴族だ。今や少なくなった純血悪魔を、家を残すために他家との婚姻を結びたいと考えていた。」
「ほう、素晴らしいお考えの貴族ですな。」
「ああ、もちろんそれも素晴らしい考えだが、なによりもこの私に、魔王ルシファーにお願いをしてきた。ならば何よりも悪魔界の将来のためにも良縁を結ばせたいと考えている。それに私も個人的に彼のことを気に入っているんだ。」
「なるほど、先程彼、とおっしゃられたと言うことは、娘のレイヴェルをその貴族の伴侶にとお考えに。」
なんと魔王様直々の縁談でした。
ですが一体どこの貴族なんでしょう?
直接魔王様に縁談をお願いするだなんて。
「ええ、私も誰でも等とは考えておりません。彼に最もふさわしいのは誰かをこの一年に渡り、探しました。魔王として今後の悪魔界を考えても、その貴族の家を残したいという考えも、理解したうえで、そして何より私自身も彼に最もふさわしいのは貴方の娘さんを置いて他におりません。」
「魔王様・・・。」
そこまで言われると、恐れ多いですわ。
魔王様直々のお願いであり、その上一年も探して、私を選ばれるとはお目が高いですわ。
「決して強制ではありません。例えフェニックス侯爵が断っても、決して不利益なことはありません。私が契約しても構いません。せめて一度でもお会いして頂きたい。」
「私からもお願いする。フェニックス侯爵、レイヴェル殿、どうか彼と一度会ってほしい。」
「あ、頭をお上げください。グレモリー公爵。レイヴェルお前はどうする。」
お父様、聞かないでください。
この状況で断る勇気はありませんわ。
「お受けいたします。」
「ああ、良かった。本当に良かったですね。父上。」
「ああ、サーゼクス。良かった。本当に、ううううう・・・」
何ですか!この状況!
私まだ会うと言っただけですわ。
でも、この状況で会う、と言った以上どんな方にお会いすることになるのは分かりませんが、・・・おそらく即結婚ということになるでしょうね。
「ところでその貴族というのは誰ですか?」
「ああ、肝心なことを言い忘れていた。バルバトス公爵だ。」
「バルバトス公爵!」
お父様が驚いていらっしゃいます。
なんなんでしょう?
「ああ、昨年の旧魔王派一斉逮捕の功績で今回の縁談をお願いされた。無論先の一斉逮捕の結果、前バルバトス公爵並び前バルバトス夫人の名誉は回復されている。ただ、現公爵は16歳で、昨年までその状況だった。だから他家と婚姻を結ぶことが出来る状況ではなかったんだ。」
「なるほど、そうでしたか。確かに一時騒動になりましたな。あの公爵の婚約者をレイヴェルに、と。」
「ああ、是非ともお願いする、フェニックス侯爵。私はゲーティア君が昨年までの7年、彼が苦労していても見て見ぬふりをしてきた。彼は苦しんだ。もう彼が幸せになってもいいじゃないか。私には・・・親友に報いる為には・・・頭を下げてお願いするしかない。」
「グレモリー公爵、頭をお上げください。レイヴェルも会うと言っております。」
「レイヴェル殿、よろしく頼む。」
「はい、レイヴェル・フェニックス、改めてそのお話、お受けいたします。」
ああ、良かった。
最悪、どこかのずっと歳の上の貴族の後妻か、と身構えてしまいましたわ。
でも、実際どのような方かしら。
私より二つ上の現公爵様というのは。
□
「貴方が欲しい!結婚してください!」
会って早々に告白されましたわ!
確かに縁談の話を聞いたとき、当初は受けると言った時点で即結婚とは考えましたが、一言目がそれですか!
それに私が欲しいと言われましたわ。
貴族の婚姻とは家と家を結びものと思っておりました。
ですが、このようにストレートに言われるとは全く考えておりませんでしたわ。
最初に見た印象は体が大きく、筋肉に覆われた方でしたわ。
率直に言って怖いと思いましたわ。
事前に調べていた限りでは昨年の旧魔王派を一斉逮捕を行ったところ、経済状況が一気に悪化しましたわ。
ですがそれは魔王様、現体制に対する裏表のない証でしたわ。
過激なことをやる人だと思いましたわ。
でも、今何をすべきかを分かる人だとは思いましたわ。
それにレーティングゲームの出場経験もあり、出場して即優勝という圧倒的な力を見せた方でしたわ。
私の分析ではこの方は力押しのパワータイプだと思いましたわ。
そして今も・・・
この告白の仕方からして女性との付き合いも乏しいと推測できますわ。
それに外堀も完全に埋まっていてこの場で断る場合、フェニックス家は魔王様を敵に回すことになります。
そして、お兄様の結婚もなくなるかもしれませんわ。
ああ、完全にチェックメイトですわ。
挽回のしようもない程、完璧でしたわ。
ならば、せめて私に出来る、最大限の抵抗をするしかありませんわね。
「はい、宜しくお願い致しますわ、ゲーティア様。幾久しく。」
この方に気に入ってもらえるようにするしかありませんわね。
side out
明日から更新が遅くなると思いますが、今後とも宜しくお願いします。