政略結婚をして、お家復興を目指す悪魔   作:あさまえいじ

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第19話 変態転生

どうも、ゲーティア・バルバトスです。

 

早いもので3年生に進級しました。

今年で学生生活も最後だと思うと少し寂しい思いがある。

だが、私は公爵家の当主だ。

本来ならこのようなところで学生をしていていい身ではない。

だが、今までの学生生活は私の財産だ。

決して回り道だったと思わない。

 

いかん、感傷に浸っている暇はない。

客人を迎える準備を急がないと。

私が風紀委員室の自分用の机に向かって作業をしていると、コンコン、と部屋のドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

私の返答で、ドアが開いた。

そこには一人の女生徒が入ってきた。

 

「失礼いたしますわ、ゲーティア風紀委員長」

 

入ってきたのはレイヴェルだった。

駒王学園に入学早々に風紀委員に私が任命した。

その後は私の秘書的な役割をしてもらっている。

また、彼女の可愛さに見惚れた輩は私の直属部隊である剣道部の勇士たちが始末している。

 

「ゲーティア風紀委員長、お客様がお見えですわ」

「分かった、ありがとうレイヴェル」

 

いかん、レイヴェルに見惚れて仕事を疎かにしては、色ボケしている場合じゃない。

レイヴェルが連れてきたのは3人の大人の人たちだ。

 

「どうも初めまして、私は警視庁捜査一課警部の目暮と申します。」

「同じく高木です」

「佐藤です」

 

入ってきたのは現役の警察、刑事さんだ。

率いているのは目暮さんのようだ。

恰幅のいい男性だ。

少し腹回りに気を付けたほうが良さそうな体型だ。

高木さんはすらっと背が高い若い男性だ。

佐藤さんはきりっとした女性の刑事だ。

 

「ご丁寧な挨拶頂戴致します。私は駒王学園風紀委員長のゲーティア・バルバトスです。本日はよろしくお願いします。」

「いえ、こちらこそ。所轄の署長である屯田さんからのご紹介とは言え、学生の貴方にお手伝いいただくことに警察官として恥じる思いです。」

 

目暮さんが私に頭を下げている。

だがそんなことを気にしてほしくない。

これはどちらかと言えばこちら、悪魔側のせいだ。

 

「目暮警部、頭をお上げください。私達が出来ることは地域の人たちと情報を共有して、危険な場所から退避してもらうことと退避場所を用意することだけです。そちらのお手伝いなど、何もできません。」

「ゲーティアさん、それだけで十分すぎる程です。市民を守るのが警察の役目です。危険な場所からの避難をしていただけるのは非常に助かります。」

「では、早急に話を始めましょう。一刻も早い解決こそ、皆の望みです。」

「分かりました、ゲーティアさん」

 

そもそも何故警察が、刑事が来ているかと言うと、駒王町で殺人事件が起こったからだ。

事の始まりは数日前、とある民家で起こった。

3人家族が一夜にして、亡くなった。

異変に気付いたのは子供の同級生だったそうだ。

通学の際、いつも一緒に行く友達が呼び鈴を押しても返事がなかったそうで、玄関の扉が開いていたので、中に入ってみると、中で友達のお母さんが死んでいた。

子供は悲鳴を上げ、近所の住人がその悲鳴で異常に気付いた。

そして分かったことは一家全員が亡くなってことだ。

これだけ聞けば殺人事件、人間の殺人事件にしか思えない。

だがこれは悪魔側の事件だ。

その理由は、一家の家長である旦那さんの死体だ。

その遺体は磔にされていた。

ただ、磔にされているだけでなく、逆さに、磔にされていた。

更に文字が書かれていた。

それはエクソシストが使う言葉だった。実際に現場を見た私にはそれが『悪いことする人はおしおきよー』というふうに読めた。

どうやら書いた人物はエクソシスト、それも真っ当なエクソシストではない、はぐれだと推測した。

だが、ことが起こった以上、人間の手が入るのは避けられなかった。

 

結果、今回の事に至った。

だが、可能な限りこちらで対応できるように手綱を握る必要があった。

相手がエクソシストであり、今回の殺され方から見て、被害者はおそらく悪魔の契約者だ。

今回の件はエクソシストが犯人である以上、真っ当な捜査では無理がある。

私としては警察に解決できないから、代わりに解決したい訳じゃない。

今回の事件が三大勢力の争いとなるのか、ただの偶発的な事件なのか、見極める必要があった。

 

 

「では目暮警部、今後ともよろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

 

今後の対応について話が終わり、目暮警部達と別れることになり、学園の外までお見送りすることにした。

今後はこちらからの情報を出来る限り提供していくことになった。

また、危険が無いよう最大限配慮された場所でのお手伝いという形に成った。

風紀委員通報用アプリの機能を一時的にアップデートし、位置情報を送信する機能を無断で取り付けた。

これは私と目暮警部達の一部しか知らないことだ。

表沙汰になれば、プライバシーの侵害だと騒がれることは確実だ。

だが私はプライバシーより安全を最重要視している。

批判など後で私が全て被ろう、無事に終われば好きに言えばいい。

3人の刑事が車に乗り込み去っていった。

 

さて、駒王学園の風紀委員長としての仕事は終わりだ。

これからは悪魔ゲーティア・バルバトスの時間だ。

私は一度情報交換のため、ソーナのいる生徒会室に行くことにした。

 

 

コンコン、と生徒会室のドアをノックする。

すると、中から声が届いた。

 

「どうぞ」

「失礼する」

 

私が中に入ると生徒会長のソーナと生徒会役員たちがそこにいた。

私はソーナの前まで歩んでいく。

 

「どうしましたか、ゲーティア」

「ソーナ、警察が動いている」

 

私の発言で全てを察したソーナは、ソファーを指さした。

座れと、行っているようだ。

長い話になりそうだ。

 

「ゲーティア、警察の動きはどうでしたか?」

「私の方から情報を流すこと、可能な限り危険なことがないような配慮をすることで合意した。そして私から提案したが、通報用アプリに位置情報を仕込むことを提案した。さすがにやり過ぎだ、と言われたが押し通した。安全には代えられないと言ってな」

「そうですか、予定通りの動きですね」

 

ソーナが悪い顔で言っている。

まさに悪魔の笑顔だ。

私も同じ顔をしているだろう。

だが、私はその顔を止め、ソーナに聞くべきことを聞いた。

 

「ところで、リアスの動きはどうなっている」

 

私がここに来た理由の半分はソーナへの報告、そしてリアスの動きの把握だ。

あの一件以来話していない。

修学旅行などのイベントでもすれ違う程度だ。

そのため、ソーナ経由で情報を仕入れている。

 

実はあの一件の後、駅までレイヴェルを送った後、ソーナにすぐに話した。

ソーナもリアスの考えは危ういことを理解している。

だが、ソーナもリアスの事を言えないことをやらかしている。

婚約破棄、したことがある。

これを聞いてソーナに説教した。

リアスのところで溜まったストレスを延々と吐き出した。

ソーナも負けじと言い合い、最終的には不毛な争いになっていた。

まあ、それは置いといて、ソーナはリアスの良き理解者になるだろう。

故にリアスはソーナには動向を話すだろうし、聞き出すことができる。

なので、ソーナにはリアスの動きを教えてもらっている。

情報の中継役をしてもらっているんだ。

ただ、中継役をお願いしている手前ソーナからは色々頼まれごともしている。

 

その一つが不良生徒の更生だ。

風紀委員が見つけた不良生徒を真っ当な道に戻している。

その更生した生徒を運動部や生徒会で引き取っている。

剣道部で引き取ろうとしたら、何故か不良生徒全員が拒否した。

それからは引き取り先の各部でエース級の活躍をしており、頑張っているようだ。

引き取り先の部長には、また何かやったら教えてくれるように頼んである。

怠けようとした元不良部員に、『更生プログラム行きにするぞ』というと死に物狂いで練習するようだ。

おかしいな、昔剣道部の土台を築いた、織田、豊臣、徳川にしたのと同じ練習メニューなんだが。

 

「会長、教官、お茶が入りました」

 

お茶を持ってきたのは匙という生徒会唯一の男子だ。

そして、私が更生した生徒でもある。

 

「ありがとう、匙」

「いただくよ、匙」

 

匙は姿勢正しく、一礼をして、下がった。

その姿は執事のようだ。

 

「うまくやっているようだな」

「ええ、ゲーティアのおかげです」

 

初めて会ったときはただの不良だった。

だが彼にも事情があった。

真っ当な道に戻った後は弟妹とも楽しそうにしているところ見ている。

 

「それに彼は眷属になってくれました。私の誇る眷属です。ありがとうございます、ゲーティア。匙と出会わせてくれて。」

 

ソーナは嬉しそうに笑い私に礼を言う。

私はクビを振り、返答をした。

 

「引き取ったのはソーナだ。それに私がリアスの件を頼む代わりに受けたことだ。それに匙が決めたことだ。私は彼の生き方を尊重するだけだ」

 

私はただ依頼をこなしただけだ。

気にすることは何もない。

眷属にしたことも匙とソーナの間の話だ。

私が入る理由はない。

私がそう考え、ふと目の前にあるが匙が入れてくれたお茶を一口飲む。

すると、あることに気付いた。

 

「うまくなっている。アイツあれからの頑張ったんだな」

「ええ、今では生徒会で一番お茶を入れるのが上手くなりました」

 

ソーナが誇らしそうに笑った。

 

「ああ、そうでした。リアスの事でしたね」

「そうだったな、匙の話で盛り上がってしまったな」

 

ソーナが顔を赤くし、照れている。

どうやら眷属を自慢したくて、しょうがなかったようだ。

 

「リアスは現在、眷属を探しているようです。」

「それは、今までと同じだろ?ソーナだって眷属を全員集めていないだろ」

「ええ、そうです。ですがどうやら人間、それも神器持ちを考えているようです」

「神器持ち、か。私の眷属だと楓だけだな、神器持ち」

 

人間だけが神器を持つ。

その特異性は身体能力が劣っていても、異形に勝てる程だ。

 

「悪魔にするなら、特殊な能力を持つ者、強い者を眷属にした方が後々役に立つ。そう考えたんだろう、私も同じだったし。だが、リアスが探していると言っても、そう簡単には見つからないだろう」

「・・・・・・一人、見つけています。ゲーティア、貴方が見つけた者がいます。」

「・・・・・・兵藤一誠、か」

 

兵藤一誠は以前、覗きの現行犯で捕まえた変態3人組の一人だったな。

一度更生プログラムを受けさせようかと、提案したところ女性陣は却下した。

理由は強化された覗き魔は始末が悪い、という意見だ。

確かに、思わず納得した。

その結果、更生プログラム行きは無くなったが、以後も監視が続けられている。

 

「あれからもう一年経つが、未だ神器が目覚めた気配はない。だが・・・」

「どうしました?」

 

一年前に感じた気配は目覚めていないにも関わらず、ディアボロスが反応した。

ディアボロスは強者にしか反応しない。

私の眷属は全員、ディアボロスが反応した者たちだ。

つまり、私の眷属クラスの強さを秘めているということ。

実は匙にも反応していた。

この事はソーナに教える前に転生させていた、後で教えても特に気にもしていなかった。

だが、それほどの強者が二人、近くにいる。

いかん、考えていると笑いが込み上げてくる。

たのしそうだ、そう思ってしまう。

私は口角が上がらない様に、努めて冷静に振舞った。

 

「いや、何でもない。だが、あの変態3人組の一人を引き取るのはどうかと思うが・・・」

「何も考えていないようです。朱乃も心配していました。貴方と事を構えることになるんではないかと」

「それは・・・・・・これから次第だ」

 

私にはそれしか言えない。

ゲーティア・『バルバトス』として判断した以上、後はリアス次第だ。

 

 

生徒会室を出て、風紀委員室に戻ってくるとレイヴェルが仕事をしていた。

せっせと、書類を私が処理しやすいように、分類分けしてくれているようだ。

レイヴェルは私が戻ってきたことに気付いて、笑顔で迎えてくれた。

 

「ゲーティア様、お帰りなさいませ」

「ああ、ただいまレイヴェル」

 

ああ、実に良い。

生前にしたことがないやり取りだ。

思わず顔が緩みそうになったが、何とか引き締めた。

そのまま、私は自分の椅子に座った。

その私の様子を見て、レイヴェルはお茶を用意してくれた。

 

「どうぞ、ゲーティア様」

「ありがとう、レイヴェル。」

「はい」

 

レイヴェルは笑顔を浮かべてくれた。

私の顔が赤く、温度が上がるのを感じた。

 

入学して早々、風紀委員になってくれたが、学園での生活はどうだろうか。

彼女はうまく学園に馴染めているだろうか、いやな思いはしていないだろうか、不安になった。

一度聞いてみよう、もし困っているならば力になろう。

幸い私は権力を持っている。

風紀委員長、剣道部部長、文芸部部長、不良更生指導教官長、後は生徒指導教員とのパイプも生徒会長とのパイプに学園の卒業生たちとのパイプもある。

レイヴェルが不快に思う生徒の一人や二人、余裕で消せる。

 

「レイヴェル、少し聞いてもいいかな」

「はい、何ですかゲーティア様」

「学園で困ったことはないか、何かあれば言って欲しい。人間界で慣れないこともあるだろうし、とにかく困ったことを教えて欲しい」

「そうですわね、大体が慣れればどうということはありませんですし。」

「そうか、だが何か困ったことがあれば言って欲しい。私はレイヴェルより長く人間界にいるので、不便だと思うことが少なくなっていった。だが本来はそう言った疑問や不便を解決することで、他にも波及できるはずだ。」

「はい、分かりましたわ。ゲーティア様」

「後は、クラスには馴染めたか?」

「はい・・・・・・大半とは・・・」

「ん?、大半?」

 

大半とは馴染めたが一部とは合わなかったと言うことか。

よかろう、私の力を見せてやろう。

その生徒には悪いが、レイヴェルの笑顔のためだ、悪く思うなよ。

私が権力を使うことに躊躇いを無くした。

 

「その生徒は誰なんだい?」

「その生徒は・・・・・・塔城小猫さんですわ」

 

塔城小猫、その名前は聞き覚えがあった。

 

「確か・・・・・・リアスの眷属のルークか」

「ええ、そうですわ」

 

レイヴェルが気まずそうに言った。

確かに気まずい。

リアスが義兄殿の婚約を気に入っていないことは分かっている。

私もレイヴェルも・・・・・・義兄殿も。

 

去年の話の後に、義兄殿にレイヴェルが伝えたそうだ。

その時帰ってきた言葉は『好きにさせろ』だった。

義兄殿の言葉は貴族としての責務のために自分を殺した言葉だと理解した。

それ以来、私とレイヴェルは口に出せなくなった。

 

「ゲーティア様、小猫さんのことはリアス様とは関係ありません。私が解決致します。」

「レイヴェルがしたいなら、すればいい。困ったときだけ相談してくれ。」

 

レイヴェルが決意に満ちた眼をしている。

私はレイヴェルに思うようにしてほしいと思った。

 

 

警察と打ち合わせをした日から何日か経った、今日は休日。

時刻は夕刻、私は今、とある公園の近くに来ている。

 

最近おかしな気配が近くにあるようだ。

 

「異形、光の気配、天使か・・・・・・いやこれは堕天使か」

 

どうも近くに光の気配があり、落ち着かない。

そこまで強くはない。

精々が中級、と言った程度だ。

私は最近時間があれば探している、堕天使を。

だがうまく見つからない。

私は感知というものが得意ではない。

力が強すぎて、弱い者の感知が不得意だ。

楓と一護にも探してもらっているが、どうもこの中には感知が得意な者がいないので、発見に時間が掛かる。

 

それに、他にも問題が起きた。

はぐれ悪魔だ。

そちらの対応を幽助と戸愚呂に任せている。

だが、この問題は本来ならリアスが担当する案件だ。

彼女の領地だ、私が手を出していいわけではない。

だが、つい先日学園の生徒が被害に遭った。

私は被害に遭った生徒の名前もクラスも何も知らなかった。

・・・・・・でも、その生徒の友達を私は知っていた。

泣いていた。ただひたすらに、泣いていた。

だから、その子のためにも、その子の友達のためにも、はぐれ悪魔を倒してやりたかった。

だがそれは出来ない。

もしそのはぐれ悪魔が見つかったら・・・・・・この町ごと消してしまいそうだ。

ああ、イライラする、この衝動をぶつけたい。

私の中にある怒りが、憎しみが、力が、溢れる寸前だった。

もし、何か衝撃が加われば・・・・・・

そんな私に声を掛けた、掛けてしまった愚か者がいた。

 

「これは数奇なものだ。地方の市街で貴様のような存在に出会うのだものな。」

 

くすんだ光のような感覚、間違いない堕天使だ。

電柱の上に立つ男、堕天使が降りてきた。

私が探していた存在・・・か分からない。でも、何か分かるはずだ。

こいつだけか、それとも他にもいるのか・・・・・・でもいい。

コイツでいいや。

 

「さて、貴様は・・・ッ!あ、あ、あ、あ、あ、あ・・・・」

 

その堕天使は何故か怯えている。

少し力をぶつけただけで、こうなった。

消化不良だ、この怒りどう晴らそうか。

しょうがない、情報を抜き出すことにするか。

 

「お前、グリゴリ所属か。答えろ」

 

私は努めて冷静に聞いた。

 

「あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 

壊れたラジオのようだ。

ノイズが酷い。

正気に戻すため、私はコイツの右足を切り落とした。

 

「あああああああああああああああああ!!!!」

「質問に答えろ。お前はグリゴリ所属の堕天使か」

「い、いいいいえ」

「次だ、他に仲間はいるか」

「・・・・・・」

 

仲間は売らない、という表情だ。

個人的には気に入った、でもいい。

私は右腕を引きちぎった。

 

「ぎゃああああああああああああ!!」

「答えろ」

「あ、ああ、あ、あ、な、仲間は、あと、3、人」

「そうか、目的は」

「あああ、あああ、あ」

「そろそろ、落とす場所がなくなるな」

 

私は淡々と左足を切り落とした。

 

「ぎゃああああ、あああ、あああ、あ!」

「目的は」

「あ、ああ、あああ、あ!」

 

どうやら痛みと恐怖で喋れないようだ。

あと落とせそうなのは左腕だけか・・・・・・仕方がない。

 

「おい、目的は」

「あ、あ、あ、あ、・・・・・・」

「喋らない、いや喋れないか、なら喋れるようにしてやる」

 

私はポケットから一つの小瓶を取り出した。

それには以前レイヴェルから貰ったフェニックスの涙が入っており、私はその小瓶の栓を開けた。

そして、それを降り掛けた。

 

「ああ、ああああ」

 

みるみる、と体の欠損が治っていく。

そして私はその堕天使に告げた。

 

「もう一度繰り返すか、喋るか、どちらか選べ」

「あああああ」

 

目的を話したのは、両腕を失った時だった。

 

「目的がアーシア・アルジェントから神器の摘出、か。堕天使にはそんな技術があるのか。だがそうすれば持ち主はどうなる、答えろ」

「も、持ち主、は、死ぬ」

「だろうな」

 

神器は生まれつきのものだ。

失えば深刻なダメージだとは思っていたが、死ぬことになるとは・・・・・・

私はそんな技術を作った者に嫌悪感を抱いた。

 

「・・・ッ!」

 

堕天使の気配だ。

これがさっき言っていた、仲間か。

私が堕天使の気配を感じて、気配の方向を見る、すると今度は光の柱が上がった。

あの光は・・・・・・リアスか!

あちらは任せよう。

なら、こちらはこちらで出来ることをしよう。

 

「おい、お前。死ぬ前に私の憂さ晴らしに付き合ってもらおう」

「わ、私、は、は、、話した」

 

私は左手をその堕天使の顔の前にかざし、右手を引き絞った。

堕天使は何かを察したようだ。

私は足、腰、肩の順で全力で右手を打ち出した。

その後、堕天使がいた場所には何もなかった。

 

 

堕天使を消滅させた次の日、兵藤一誠の気配が違った。

魔力は少ないが、間違いない。

悪魔だ。

 

変態3人組の一人、兵藤一誠が悪魔になっていた。

 

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