政略結婚をして、お家復興を目指す悪魔   作:あさまえいじ

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第30話 入部

ギャスパーにもう一つの部活を薦めた後、とりあえず明日説明することにして一度解散した。

他のみんなは帰宅した後、私は風紀委員室に戻り、職務を行った。

悪魔なので時間が遅くても問題なく、仕事を終えてから帰宅しようとして、あることを思い出した。

 

「あ、そうだ。忘れるところだった。」

 

私は一度パソコンを起動して、ギャスパーから連絡が来ていることを確認した。

 

「よし、来ているな。ではこれを彼に送ろう」

 

私はパソコンを操作し終えて、電源を切って帰宅した。

 

 

次の日、私はある部室に向かった。

 

「失礼する、部長はいるか」

「ああ、ゲーティアさん。どうなさいましたか」

 

そこに現れたのはヒョロっとした線の細い男だった。

私が会いに来たのがこの竹中部長だ。

 

「竹中部長、そちらに推薦したい新入部員候補が一人いるんだが、少々問題があってな。」

「ほう、どういう問題ですか」

「外に出ることが出来ない、いや外に恐怖心を抱いている。おそらく原因は過去のトラウマ、だと思われる。当人は現在、外に出ることは出来ないので、その症状を確認できない。だが、パソコンの操作には自信があるそうだ」

「なるほど、そういう案件であれば、うち向きの部員だと言えますね」

 

竹中部長は皮肉気な笑いを浮かべている。

 

「では、連絡したものを頼む」

「ええ、準備できていますよ。こちらです」

 

竹中部長が案内した先には、大きなダンボールが一つ置かれていた。

 

「では借りていくぞ。では今夜また連絡する」

「ええ、分かりました」

 

私はダンボールを抱え、とある部室を退出した。

 

 

その日の夜、今日も修行を終えた後に一誠と裕斗を抱えた状態で、大量の食糧を抱え、旧校舎にやって来た。

今日は更に、竹中部長から借りた物を入れたダンボールも持っている。

昨日と同じように器用に封印のテープを避けて、扉にたどり着く。

今日は態々、裕斗にノックしてもらう必要がないので、扉の近くで声を掛けた。

 

「ギャスパー、私だ。ゲーティアだ。扉を開けてくれ」

「はい、少し待ってください」

 

その言葉が扉の中から聞こえ、足音が聞こえてくる、そして足音が止まると、扉が開いた。

 

「お待たせしました。ん?何ですかそれ?」

 

私が持っているダンボールを見て、クビを傾げているギャスパー。

私は彼の疑問に答えた。

 

「新しい部活に使う機材だ。後で使うからな。それよりも今日のメシだ。早く食おう」

 

 

さて、今日の食事を終えた段階でギャスパーは神器を使っていない。

むしろ昨日よりは口数が多く、おかずも昨日より少し多く食べていた。

どうやら少しは打ち解けてきたみたいだ。

良い傾向だ。

さてこれで食事も終了だ。

 

「ご馳走様でした」

「「「「「ご馳走様でした」」」」」

 

今日はギャスパーも遅れずに言えたな。

明日もこの調子でいって欲しいものだ。

さて、今日の本題に取り掛かろう。

私は持ってきたダンボールを開き、中からいくつかの機材を外に出した。

 

「ゲーティア先輩、それってテレビ電話用の機材ですか?」

「ああ、そうだ。コンピュータ研究部から借りてきた物だ。ギャスパー、私が薦めた部活というのはコンピュータ研究部の事だ」

「コンピュータ研究部?」

「ああ、現在の駒王学園で文芸部と一、二を争う売り上げを上げている部活だ。このコンピュータ研究部は創部2年目ながら、文芸部に匹敵する利益を上げている部活なんだ」

 

駒王学園では部活動の一環として、作品を販売しても構わない。

ただその場合は学園の上層部やPTAなど、多くの審査が必要である。

だが、その審査をクリアをしても実際に利益を出せる部活というのは一握りである。

また多くの部活は利益目的で行っていないため、このような審査がされることすら非常に稀である。

文芸部や美術部などの外に出展するようなことを目的にしている部活ならば、優秀な成績を収めて、副賞という形でもらう賞金などがある。

だが純粋に利益を上げることを目的とした、ある意味企業として設立されたのがコンピュータ研究部である。

私もこのコンピュータ研究部設立には関わっていた。

元々は細々とやっていたコンピュータ研究同好会が前身だ。

この同好会は一言で言ってしまえば、オタクの巣窟だった。

だが私は彼らの技術力に目を見張った。

自分たちでゲームを作り改良し続けていた。

それはとてもよくできていて、グラフィックやプログラムなど全て自分たちで作成したものだった。

彼らは自分たちが市販品のゲームでは満足できなかったようで、その思いをひたすらに詰め込んだ。

その結果、シナリオは支離滅裂だったが、やたらと技術力だけは高かった。

シナリオも中世が舞台なのに戦闘機がやたらと出たり、モンスターが機械改造されたりと、ハチャメチャであった。

私は彼らの独自の技術力は大変すばらしいものだが、互いに共存共栄することは出来なかった。

だから私は、やりたいことをやれ、というを助言した。

同じ部活だからと言って、同じことが出来ないといけないわけでなく、それぞれの分野を極める事を薦めた。

その結果、それぞれが好きな分野で技術力を高める結果に至った。

結果として、コンピュータ研究部の中で一番、互いに配慮出来たのが竹中だったので、部長に収まった。

そのため私はコンピュータ研究同好会をコンピュータ研究部に昇格させ、更に資材などのバックアップと審査に通すための根回しなどを行った。

その結果、コンピュータ研究部は無事に設立され、私はある意味株主のような立場に収まり、学園の卒業生達とのパイプ役を行い、寄付を募るなどをして資金を集め、機材を購入する際に便宜を図ってもらえるように交渉を行った。

これでも前世は商社のサラリーマンだったんだ。

商談の交渉は得意だ。

彼らはコンピュータ研究部が発足後、すぐにいくつかのアプリやグラフィックモデルを作成し、売り込む成果を出した。

またその当時、私が風紀委員を設立した際に通報用アプリを作成してくれたりして、学園での知名度も広めた。

その結果、昨年設立していきなり、文芸部が出した利益に匹敵する額を記録した。

学園側としても予想外だったようだ。

私としては当然、という気持ちだったが、学園側はこれだけの利益を出すなら規模拡大を、という考えに至ったがそこは私が抑えた。

あくまで部活動の範囲であること、学生であるためこれ以上の規模拡大は無理であること、それを理路整然と説明し、ご理解いただいた。

それにコンピュータ研究部の部員にはある特徴があったので、これ以上は無理だと私は思っていた。

それは対人恐怖症だ。

彼らは虐めなどを経験して、人に恐怖していた、だから彼らは極力、人に接したくないのだ。

だが彼らもこの一年でだいぶ変わった。

私も最初は恐怖されたし、逃げられた。

だが彼らも剣道部と同じく私に慣れてくれた。

今では気軽に声を掛けてくれるようにもなってきた。

何よりもこれだけの成果を上げたということが何よりの自信になったようだ。

それに体つきも大分変わってきて、線が細いながら、その実しっかりとした筋肉が付いてきたことも伺えた。

今では暴力にも屈しない心と体を得たことが嬉しいようで、筋トレにハマっているようだ。

豊臣と同じく筋肉への憧れがあるようで、部活終わりにジムに行くことが日課だそうだ。

 

「コンピュータ研究部はこのテレビ電話で活動していると言っていい。これならここから外に出ずに部活に参加できるからな」

「で、でも僕、その、他の人とは」

 

ギャスパーは戸惑っている。

いきなり返事も聞かずに用意したから無理もない。

 

「ギャスパーは人が怖いんだろう。彼らもそうだった」

「え?彼ら?」

「コンピュータ研究部の部員だ。彼らは虐められて、人を恐怖した。だが同じ境遇の仲間に出会って、共感した。他人はそれを傷のなめ合い、だと揶揄する者も少なからずいたが、彼らにとってはそれでも良かった。傷のなめ合い、大いに結構。傷のなめ合いが出来る仲間に出会えたことに彼らは感謝した。だがそれだけで彼らは満足できなかった。自分たちの力を社会に知らしめたくなった。その結果、彼らは成果、利益を成した。行く行くは大いなる発展をすることになるが今はまだ仲間が足りない。だから私はギャスパーをこの部に推薦したんだ。彼らと共に戦う仲間に、ギャスパー・ヴラディを推薦したんだ。君が悪魔だとか、吸血鬼と人のハーフだとか関係ない。彼らにはそんな些細なことはどうでもいい。ただ仲間かそうでないかそれだけだ。彼らが欲しているのは激戦を共に潜り抜ける仲間だけだということだ。ギャスパー、まずは話してみろ」

「‥‥‥はい」

 

私は組み立てを終えたテレビ電話のスイッチを点けた。

 

side ギャスパー・ヴラディ

「どうも、初めまして。私はコンピュータ研究部の部長をしています、竹中と申します」

 

画面の向こうに青白い顔の男の人がいた。

顔つきは女顔。

全体的に儚い印象だ。

何となく親近感がわく人だな。

 

「は、初めまして、ぎゃ、ギャスパー・ヴラディ、です」

「ふふ、初めまして。あまり緊張しないでください。ゲーティアさんに出会う前の自分を思い出すので、どうにも鏡を見ているような気持ちになりますので」

「は、はあ」

「まあ、初めましての挨拶だけで終わった方がギャスパー君的にはいいかもしれませんのが、私的にはそれだけではいけないので、少し話をさせてください」

「は、はい!」

「まあ、簡単な話です。ギャスパー君はパソコンは出来ますか?」

「は、はい。出来ます」

「そうですか。では昨日ゲーティアさんから君のメールアドレスを連絡して頂いていたので、少し、この問題を解いてもらえませんか」

「え、えええ!」

「まあ、簡単なプログラムなので、ちょっとやってみてください‥‥‥送れました。見れますか?」

「ちょ、ちょっと待ってください」

 

僕は自分のパソコンを立ち上げてメールを確認すると、『竹中半兵衛』という名前でメールが届いていた。

僕はそのメールを開くと、中には中途半端なプログラムが書いてあった。

 

「見れました。‥‥‥なんですかこの中途半端なプログラムは!」

 

僕はこのプログラムを見て、少し怒った。

途中というより、処理が中途半端でループを起こすし、無駄な処理も多い、非常に腹立たしい物だった。

 

「ええ、少し困っていて、ギャスパー君ならこれをどうしますか?」

「少し待ってください。これなら‥‥‥こうして‥‥‥ここをこうやれば‥‥‥よし。出来ました」

「では、そのプログラムを先程送信したメールに添付して返信してもらえますか?」

「はい。今送りますね‥‥‥送れました」

「分かりました。少しお待ち下さい、確認しますね。‥‥‥ふむふむ‥‥‥ああ、なるほど。流石ですね。ゲーティアさんがご推薦下さっただけのことはあります。では次です。こちらはどうですか」

「なるほど‥‥‥これなら‥‥‥」

 

僕はその後も竹中さんとメールとテレビ電話でやり取りを続けていた。

竹中さんは僕に問題を出しつつ、他の回答も教えてくれた。

今まで独学でやって来た僕にはなかった発想もあって、色々教えてもらえた。

初めてだな、誰かに教えてもらうのは。

ずっと一人だった。

パソコンも人に会わずに悪魔稼業をする方法のために覚えた。

自分一人で覚えた。

僕がそんなことを考えていると、竹中さんが自分の事を話してくれた。

 

「ギャスパー君、少し、私の昔話を聞いてもらえますか」

「あ、はい。僕も聞いてみたいです。竹中さんの話」

「私はこの学園に入学したとき、少し憂鬱でした。中学まで虐めに会っていまして、その結果、中学時代は引きこもりでした。人が怖かったんです。だから高校は地元とは無縁のこの場所に引っ越し、駒王学園に入学しました。そこで仲間に出会いました。同じように過去に虐めにあって、一度は引きこもりを経験している仲間でした。そして、ある人に出会いました。ゲーティアさんに、出会いました。衝撃でした。今まで外に興味がなかったのに、いつの間にか気になる人でした。最初は剣道部を創設したと思えば、瞬く間に全国優勝させた輝かしい実績を残した人でした。引きこもりだった私には縁のない人だと思っていました。ですが、人生とは面白いものでその人に出会う機会が訪れました。私たちコンピュータ研究部の前身である、コンピュータ研究同好会に彼が現れました。なぜ現れたのかはよく分かりません。ですが、彼は私たちが作った拙い作品を褒めてくれました。嬉しいものです、誰かに褒めてもらえることは‥‥‥私たちは彼に聞きました、どうすれば今以上に良くなるか、聞きました。彼は、やりたいことをやればいい、と言いました。私たちはそれぞれに得意分野が違いました。私はプログラミングを得意としていましたが、他の部員にはグラフィックを得意としている者がいましたし、ハードが得意な者もいました。それぞれ出来ることが違いました。だからゲーティアさんは私たちに、得意な事を絶対に誰にも負けない域に昇華させることを押されました。だから私たちはそれぞれの分野をひたすらに知識を経験を積み上げました。そうすると更に欲が出てきました。私はプログラミングを専門としているのに、グラフィックの分野にも興味が出ました。だから、グラフィックを専門にしている部員に教えを請いました。すると彼は不思議そうな顔をしながら、教えてくれました。‥‥‥実を言うとその彼とはあまり話したことがありませんでした。私、人見知りな質であまり誰とも話したことがなかったんです。そうすると不思議なもので、今まで見えなかった景色が見えた気がしたんです。話さなかった彼、黒田と言うんですが、話してみるとお互いに話が合うことが分かったり、他の部員の宇喜多とは好きなアニメが同じだったことが分かったり、他の真田とは、好きなラノベが同じだったりと、色々世界が広がったんです。ゲーティアさんが言った、やりたいこと、というのは本当はこういうことだったんだと後で思いました。好きな分野を伸ばすことは自分たちが、やりたいからしたことだったんです。でも、それも頭打ちだったんです。80点を100点にすることに疲れていたんです。だからその20点を増やすことを止めました。やりたいことではないから、です。だからそれよりやりたいと思ったグラフィックをやったんです。その結果、黒田の事を知りたいと思い、宇喜多の事を知りたいと思い、真田の事を知りたいと思い、その結果仲が良くなりたいと思い、今に至ったんです。仲間が出来たんです、一人と一人と一人と一人が1組の仲間になって、コンピュータ研究部になっていきました。その後に何人か新しい部員が増えて、ゲーティアさんが色々動いてくれて、現在の部になったんです。人の出会いとは面白いものです。一生を変える出会いと何時出会うのかそれは分かりません。私もあの時、ゲーティアさんがコンピュータ研究同好会に来なければ、こうならなかったのかも知れないし、来なくてもこうなったかも知れません。出会いは人を変えるんです。ギャスパー君、貴方も変わったんではないですか?」

「え?」

「突然の出会いが君の運命を変えたんではないですか、思い当たるんではないですか」

 

僕は竹中さんの言葉に、確かに思い当たった。

僕はこの部屋から外に出れない。

‥‥‥出れても出なかった。

だから会うのはグレモリー眷属だけだった。

でも昨日、初めての出会った人たちがいた。

同じグレモリー眷属の兵藤一誠先輩、アーシア・アルジェント先輩。

同級生のレイヴェル・フェニックスさん。

そして、ゲーティア・バルバトス先輩。

この出会いが僕に食事の楽しさを教えてくれた。

最初に出会った時には、失礼にも怯えて、怖がって、逃げて、神器で時を止めようとした。

なのに、その行為のどれにも怒らず、気にせず、挙句の果てには力が足りない、とまで言われた。

メシ、に誘ってくれた。

嫌いなものを言っても、代わりを出してくれた。

ゲーティア先輩は僕に無理を言わない。

神器をコントロールしろ、と言わない。

外に出ろ、とも言わない。

自分のスキにすればいい、そういうことを言う人だ。

そんな人との出会いが今日に続いている。

竹中さんと話しているなんて、昨日の僕には想像出来なかった。

ゲーティア先輩との出会いも、一昨日の僕には想像出来なかった。

この部屋から出れないと言うことは、ずっと前から想像出来ていたのに。

僕は竹中さんの方を見て答えた。

 

「思い当たります。ゲーティア先輩との出会いが僕の運命を変えた、と思います。」

「そうですか、やっぱり彼は面白い方です」

 

竹中さんは面白そうに笑い、一息入れてから、僕を真っ直ぐに見て、こう言った。

 

「ギャスパー・ヴラディ君、私は君の力を欲しています。先程のプログラムは我が部の部員が作った物です。ですが、先程見ていただいた通り、さしてレベルは高くありません。ですが、君の力は私に匹敵する程だと考えています。なので我が部に、コンピュータ研究部に力を貸してはもらえませんか?」

 

僕はその意見に答えた。

 

「はい。僕をコンピュータ研究部に入部させてください」

「ありがとう、ギャスパー君」

 

竹中さんが応えてくれた後、僕の背後に気配があったので振り返ると、そこにはゲーティア先輩が立っていた。

 

「話は終わったか。ギャスパー、竹中」

「ゲーティアさん、ええ、今終わりました。ギャスパー君も我がコンピュータ研究部に入ってくれました」

「そうか、では‥‥‥これに名前とクラスと出席番号を記入してくれ。明日、生徒会に提出に行ってくる」

 

ゲーティアさんが出したのは、入部届け、だった。

初めて見たな、そういえばオカルト研究部の時には書いたことがなかったな。

 

「はい‥‥‥書けました」

 

僕が書いた入部届けをゲーティア先輩が確認していた。

 

「よし、OKだ。竹中、これで問題ないな」

「‥‥‥はい、確認しました。では生徒会提出をお願いします」

「確かに承った。ギャスパー、コンピュータ研究部でもがんばるんだぞ」

「はい!竹中部長、よろしくお願いします」

「ええ、歓迎しますよ。ギャスパー君」

 

僕もコンピュータ研究部の部員として、何時か竹中部長みたいな仲間を見つけるんだ。

なんだか今日はよく寝れそうだな、何となくそんなことを思った。

 

side out

 

 

ギャスパーに入部届けを書いてもらった次の日、私は依頼された通り生徒会に入部届けを提出に来た。

 

「失礼する」

 

私が生徒会室に入ると、ソーナが私に気付き声を掛けてきた。

 

「ゲーティア、どうしたんですか。報告の時間には早いようですが、何か問題ですか?」

「いや、入部届けを提出に来たんだ」

「入部届け?こんな時期に?貴方が提出に?最近転校生も来ていなかったはずですが」

「ああ、この学園の生徒で外に出れないその生徒に代わって、私が提出に来たんだ」

 

私が入部届けをソーナに渡すと、その名前を見て、ソーナが驚いた。

 

「ギャスパー・ヴラディ!旧校舎に封印されている彼がどうして、コンピュータ研究部に入部できるんですか!」

「テレビ電話とパソコンがあればコンピュータ研究部の部活には問題ない。だから、封印されていても問題ない」

「ですが、リアスの眷属です。一応彼女の了解がいるのでは?」

「連絡するなら、ソーナに任せる。当人の了解があるとは言え、保護者の同意が必要だと言うなら、それに従おう。だが、校則にそんな規則はなかったはずだが?」

「‥‥‥確かにその通りです。はぁ~、私は止めましたよ。後でリアスが文句を言っても知りませんよ」

「私が好きでやったことだ、それぐらい受け入れる」

「‥‥‥分かりました。では入部届けを受理します」

 

ギャスパーの入部届けは無事に受理された。

 

さて、もうすぐ対決の日だ。

どれ程、義兄殿に裕斗と一誠が食い下がれるか、楽しみだ。

 

そうだ忘れていた、今日は部内対抗戦の日だったな。

どれ程裕斗の実力が上がったか、序列が語ってくれるな。

楽しみにさせてもらうぞ、裕斗。

 




一部修正します。


旧)「何をやっても、リアスは私に文句を言うんだ、それぐらい聞き流す」

新)「私が好きでやったことだ、それぐらい受け入れる」


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