政略結婚をして、お家復興を目指す悪魔   作:あさまえいじ

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第7話 課題と説明会

どうもゲーティア・バルバトスです。

 

魔王様に引き渡しが終わり、バルバトス領に戻ってきた。

一度全員に今回の成果について共有する必要があるな。

 

「セバス、今回の成果を共有をする。全員を集めてくれ。」

「かしこまりました。ゲーティア様」

 

 

「ゲーティア様、全員揃いましてございます。」

「よしではまず、今回の成果だ。バルバトス公爵領から旧魔王派の影響は完全に取り払われた。これを魔王様が宣言して頂いた。そして、父上と母上の名誉回復を成し遂げた。」

「やりました、やりましたぞ、ゲーティア様。」

「セバス、苦労を掛けた。」

「いえ、なにをおっしゃいます。これからですぞ。」

「ああ、最後に魔王様に縁談の斡旋をお願いできた。これはデュフォーの作戦以上の成果となった。」

「主、俺の見通しが甘かった。申し訳ありません。」

「なにを言う。其方の作戦が上手くはまったんだ。其方の成果だこれからも頼むぞ。」

「主・・・はい、お任せください。」

「こちらからの報告は以上だ。ではこれからの課題について話し合うことにしよう。」

 

今回の成果はこれで終わりだ。

上々の結果に終わったがまだ問題は多い。

あまり悠長にしていると取り返しがつかなくなることもある。

早急に取り掛かることを決めないと。

 

「ゲーティア様、宜しいでしょうか。」

「なんだ?セバス。」

「私は経済の立て直し、他家との交流、治安維持の3点がこれからも課題になると愚考致します。」

「そうだな、私も同意見だ。まず経済の立て直しから考えてみよう。担当を誰にするか意見があるものはいるか。」

「はい。宜しいでしょうか。」

「楓。なんだ?」

「はい、担当は清磨、デュフォーのどちらかもしくは両方を推薦致します。早急に対応を行うべきと考えます。」

「なるほど。清磨、デュフォーはどう思う?」

「この場合、清磨か私のどちらかが主となり、もう一人はバックアップに回るべきだと意見します。現状、多くの手を打つ資金はありません。どちらか一方に絞り、資金が潤沢になれば、もう一人も参戦するべきと考えます。」

「主、俺もデュフォーの意見に賛成です。俺とデュフォーでは意見のぶつけあいになるかも知れません。ですが、現状は時と資金がありません。頭は一つの方が即対応が可能です。」

「二人の意見は分かった。では担当は・・・・清磨に頼みたい。いいか。」

「分かりました。お任せください。」

「デュフォーには、私の参謀役として領内の問題に取り掛かってもらいたい。」

「は。お任せください。」

 

まず、経済の立て直しについて話がまとまった。

今回少し無理をしたが、その結果、信頼を勝ち取った。

だが、このまま放置すれば信頼は得たが、詰みましたになる。

勝負に勝って試合に負けたになる。

私は勝負にも試合にも勝ちたい。

清麿が経済の立て直しを担当すれば、彼の能力で最良になるだろう。

デュフォーには参謀役として手を貸してもらえないと私が困るし。

 

「では次に他家との交流についてだが、担当は惣右介に頼んでいたが、状況はどうだ、惣右介。」

「は、私の方で検討しておりましたのがフェニックス家との交流です。フェニックス家はレーティングゲームの規模拡大と共に『フェニックスの涙』の販売で財を成しております。また、フェニックス家は子供が4人おり、三男のライザー・フェニックス殿はリアス・グレモリー殿と婚約しております。末の長女レイヴェル・フェニックス殿は主より2つ年下で婚約者はおりません。経済状況の改善と他家に嫁げる背景があります。」

「なるほど、他家に嫁げるだけ兄弟がいるのは稀だ。4人兄弟で兄が3人いるので、彼女が家を継ぐというの可能性はほぼ零だ。また、当家と違い経済面の心配もない。確かに理想的だ。私がもし彼女と結婚すれば、グレモリー家とも縁が出来るというのも魅力的だ。」

「ではこのまま進めてもよろしいでしょうか?」

「・・・・少し、時間を置くことは出来ないか?」

「やはり、そうおっしゃられると思いましたので調査と分析だけ進めておりました。」

「すまない。魔王様に縁談の斡旋を頼んだ以上、何かしら魔王様からアクションが来るまで当家が動くのは得策ではない。お願いした魔王様の顔を潰すことにも成りかねない。」

「では、この話は一時凍結と致しましょう。」

「ああ、だが他家との交流は別の方向からのアプローチに変えよう。特定の家ではなく複数の家に、狭く深くよりも広く浅くの方向でいこう。」

「わかりました。ではそのように行います。期限はいかがいたしますか?」

「フェニックス家に関しては最低3年、間を置こう。他家との交流は即日開始の上、継続的に行う。期限は設けない。」

「分かりました。そのように対応致します。」

 

他家との交流は引き続き惣右介に頼むことになった。

彼にお願いして、すぐに魔王様に縁談をお願いしたので、彼からすると振り回された結果になってしまった。

折角調査してもらったのに悪いことをした。

その上今度は広く浅くと言って、仕事を増やす結果になった。

我が家で唯一の外交官だ。

彼には苦労を掛けるな。

後で何か埋め合わせをしないとな。

 

「よし、では最後に治安維持だ。これに関してはケンシロウとラオウの二人を考えている。みんなの意見はどうだ。」

「ゲーティア様、宜しいでしょうか。」

「なんだ。楓。」

「はい、ケンシロウとラオウの二人以外に私は犬夜叉と殺生丸を推薦致します。」

「ほう、それはどうしてだ。」

「はい、今回の大掃除の結果、経済的には打撃を受けました。ですが、現状残った者たちは完全な白です。これを維持するために領内への出入りに関して気を配るべきと考えます。この場合、正規に出入りする者はケンシロウとラオウが対応し、不正に侵入しようとする者を捕らえるのは犬夜叉と殺生丸が対応するべきと考えます。」

「なるほど。確かに折角掃除したんだ、また大掃除しなくてもいいように維持する必要はあるな。よしではその意見を採用する。」

 

大掃除した後にしばらく放置するとまた大掃除することになる。

部屋を綺麗に保つコツは大掃除をした後にこまめに掃除をすることだ。

意外とこれが大変だからな。

 

課題と対応する担当者に関して議論は十分だろう。

一度整理してみよう。

 

「では意見をまとめよう。経済の立て直しは担当は清麿、即日対応してもらう。他家との交流は担当は惣右介で即日開始で継続的に行う。治安維持はケンシロウ、ラオウ、犬夜叉、殺生丸の4人に対応してもらい、正規の出入りはケンシロウとラオウが、非正規な出入りは犬夜叉と殺生丸が対応する。これを即日開始とすること。以上の内容で問題ないか?」

「は、問題ありません。」

 

これで領内の問題は大丈夫だ。

さて、あの話を切り出すか。

 

「・・・実はもう一つ、問題がある。」

「何でございましょうか?」

「実は魔王様、いや魔王婦人のグレイフィア殿から要請があった。人間界の学校に行け、と。」

「・・・魔王様からのご指示ではないとはいえ、断りにくい方ですね。ここは要請に応えた方が宜しいかと。」

「やはりそう思うか。だが、仕事に支障が出てしまう。何とかしなくては。」

「ゲーティア様、お任せください。これまでに比べれば大した問題ではありません。ですが、人間界でも仕事をしていただく必要がございますが。」

「それぐらいは問題ない。では、人間界の学校に行く件は問題ないな。」

「はい。ですが眷属の内、何人かは一緒に行くべきですね。」

「そうだな。だが、人間界の学校だ。そこまで、大人数で行く必要もないだろう。」

「そうですね。人選としては楓と一護、幽助、戸愚呂で問題ないかと。」

「今回の担当になっていない中で連れて行くと考えると、それがいいだろうな。ナツとゼレフを連れて行くのはまずいし。」

 

これで人間界に行く問題も解決だ。

そういえば、学校に行く件、どうすればいいんだ。

いきなり人間界の学校に転入するわけにもいかないし、その辺り聞いていなかった。

言われなかったし、どうするべきか。

聞きに行くか。

連絡先を交換していたわけでもないし、直接行くしかないか。

そんなことを考えていると、突然転移陣が現れた。

 

「ーー!なんだ!」

「これはグレモリーの紋章です。」

 

そこから現れたのはグレイフィア殿だった。

 

「急な訪問、申し訳ありません、バルバトス公爵。」

「これはグレイフィア殿、いきなりどうされました。」

「大変申し訳ありません。学校の件に関してお伝えしないといけないことがありましたので参りました。」

「ちょうどよかった。私も学校に通うにあたり、どこの学校で何時から通うかについてお聞きしていなかったので、どうすればいいか悩んでおりました。」

 

グレイフィア殿が現れたのは学校の件だった。

いや、どうしようか悩んでいたから良かった。

最悪またルシファードに言って、直接聞くかどうしようか困ったし。

この際だ、色々必要なものとかも聞いておこう。

あと、連絡先とかも聞いておいた方がいいかも。

 

「では、説明会場に案内致します。こちらの転移陣に乗ってください。」

「あ、少々お待ちいただけますか。一緒に通う者たちも連れて行きたいのですが宜しいですか。」

「ええ、構いません。」

「ありがとうございます。楓、一護、二人は私と共に来てくれ。セバス、幽助と戸愚呂に説明しておいてくれ。」

「分かりました。お気をつけて行ってらしてください。」

「お待たせしました。グレイフィア殿」

「はい、では参ります。」

 

私と楓、一護はグレイフィア殿の転移陣に乗り、説明会場に到着した。

 

「どうぞ、こちらです。」

 

私たちを案内するグレイフィア殿に道すがら質問してみた。

 

「人間界の学校に通われるのは私以外にリアス殿だけではないんですか?」

「いえ、もう一人いらっしゃいます。シトリー家のソーナ様です。」

「シトリー家・・・現魔王レヴィアタン様の一族の方ですか?」

「はい。レヴィアタン様の妹になられます。」

 

人間界の学校に魔王ルシファー様とレヴィアタン様の妹が通われるとは驚きだ。

いいのか?冥界の教育が遅れてると言ってるようなものではないのか?

現政権のトップの血族こそ、冥界で教育しなくて、他への影響とか大丈夫なのか?

私がそんなことを考えていると、着いたようだ。

 

「どうぞ、お入りください。」

 

入ってきた私を見て、声を上げた人がいる。

 

「ゲーティア・バルバトス!」

 

リアス殿だ。

一応私は現公爵で彼女は次期当主の間柄なので、呼び捨てはまずいんだが・・・

そう思っていると、一瞬で彼女に近寄った影に口を塞がれた。

 

「お・じょ・う・さ・ま、目上の方になんという口の利き方ですか!」

「~~~~~~~~~~~~」

 

グレイフィア殿だ。

あまりの速さでかろうじてしか見えなかった。

後ろを見ると、楓も一護もかろうじてしか見えなかったようだ。

足運びや立ち居振舞いからも強者だとは思っていたが、これほどとは・・・一度戦ってみたい。

私がそんなことを思っていると、リアス殿の顔色が変わっていく。

そろそろ止めたほうがいいか。

 

「グレイフィア殿、その辺で放してあげてください。」

「ゲーティア殿、大変申し訳ありません。」

「いえ、気にしておりませんので。」

「お恥ずかしいところをお見せしました。どうぞこちらです。」

 

私たちは席に案内された。

リアス殿を放置して。

ここで助けたほうがいいのかも知れないが、グレイフィア殿の興味がリアス殿に向くとまた締められるかも知れない。

ここはリアス殿とグレイフィア殿の間に入り、リアス殿を守った方がいいと判断した。

 

 

side ソーナ・シトリー

 

私の名前はソーナ・シトリー。

シトリー家の次期当主です。

私には夢があります。

階級・身分に関係なく子ども達がレーティング・ゲームを学ぶことが出来る学校を設立し、子ども達を指導することです。

駒王学園に通っているのも、教育において冥界よりはるかに進んでいる日本の教育を参考にするためというのが理由です。

本日はその説明会に私の眷属、女王の椿姫と参加していました。

 

「リアス、ごきげんよう。」

「あらソーナ、ごきげんよう。」

 

友人のリアスに出会った。

彼女もこの説明会に参加するのは知っていた。

 

「もうすぐ日本に行けるのね。ああ楽しみだわ。是非とも京都に一度行ってみたかったのよ。ソーナはどこに行きたいのかしら?」

「私は教育に興味がありましたので、日本の高校に通えるだけで十分です。」

 

彼女はただ、日本に行きたい、観光したいというだけでした。

私が心配することではないですが、そんな甘い考えでこれからの将来は大丈夫でしょうか?

 

「最近、あの一件以来、家に居づらいのよね。早く日本に行きたいわ。」

「あの一件?・・・ああ確か、バルバトス公爵に言い負かされた、と言っていた件ですか。」

「そうよ!そうなのよ!あれからお父様もお母様も事あるごとに、彼を見習え、貴族としての政略結婚に意味ついて考えろ、とか毎日おっしゃるのよ。」

「・・・・そうですか。」

 

リアスが嘆いているが、バルバトス公爵の考えを聞いてみたが、間違っていないと思う。

彼女の価値観と噂のバルバトス公爵の価値観は真逆だ。

片や恋愛を重視し、家のことより当人の気持ちが大事だというリアス。

片や家を重視し、当人の気持ちより家のことが大事だというバルバトス公爵。

一悪魔として、公私の私を取るリアスと一貴族として、公私の公を取るバルバトス公爵。

二人は対極の考えを持っている。

私個人としてはリアスの考えを支持してあげたい、でも貴族としてはバルバトス公爵の考えを支持すべきだと頭では理解する。

 

リアスから話を聞いて、私なりにバルバトス公爵について調べてみた。

バルバトス公爵は私たちと同い年だった。

8歳で公爵位を継ぎ、7年務めている。

同年代では頭一つ抜けた存在だと言える。

だが、彼の生い立ちはあまりに悲惨だと言える。

普通は8歳で跡を継ぐなどありえない。

何故継ぐことになったのか。

彼は家族を亡くしている。父と母を亡くしている。

何故か、調べて驚愕した。

彼の母は旧魔王派に所属していたということ。

彼の父は領内の産業で旧魔王派に援助していたということ。

そして、それが公になり鎮圧された。そのとき彼の父と母は亡くなったそうだ。

私は旧魔王派に所属していたのに、幸せになった人を知っている。

グレイフィアさんだ。

サーゼクス・ルシファー様の伴侶となり、ミリキャス君を産んだ。

彼の両親と変わらない。唯一違う点は魔王かそうでないか、それだけの違いしか私には分からない。

 

確かに旧魔王派は許されない。

現政権に弓を弾き、争乱を産みだす集団だ。

でも、その結果、彼は不幸になったと言えるのではないか。

現政権と旧魔王派の争いに巻き込まれた被害者ではないのか。

その結果が家を第一とする考えに至ったんではないだろうか。

私には推測することしかできないが・・・

 

私はバルバトス公爵に会ったことはない。

調べただけで得た情報から推測しただけです。

だというのに、目の前の彼女は実際にバルバトス公爵と会い、言葉を交えています。

私にはなぜ彼女が、バルバトス公爵を悪く言えるのか理解できません。

貴方の身内に最も彼に近い存在がいるのに、もしかしたら貴方のかわいい甥が辿ったかもしれない境遇にいるというのに、どうしてそういう考えが及ばないのか、私には残念でなりません。

 

「どうぞ、お入りください。」

 

私が思考していると、扉が開き、グレイフィアさんが入ってきた。

一緒にいる大きな人は先程から思考していた人だ。

 

「ゲーティア・バルバトス!」

 

そうだ、あれがゲーティア・バルバトス公爵だ。

後ろに二人いるけど眷属かしら。

私がそんなことを考えていると、グレイフィアさんがリアスの口を塞いだ。

物理的に塞いでいる。

 

「お・じょ・う・さ・ま、目上の方になんという口の利き方ですか!」

「~~~~~~~~~~~~」

 

苦しそうだけど、自業自得だと思う。

私たちと同い年ではあるけど、あちらは立派な公爵、私たちは次期当主。

立場には明確な差がある。

それをいきなり、呼び捨てにするとか、彼女は少し頭が残念なんでしょうか?

 

「グレイフィア殿、その辺で放してあげてください。」

「ゲーティア殿、大変申し訳ありません。」

「いえ、気にしておりませんので。」

「お恥ずかしいところをお見せしました。どうぞこちらです。」

 

彼がグレイフィアさんを宥めて、リアスは救出された。

間近で見ると、大きい体と引き締まった筋肉が分かる。

体つきからして同い年とは思えない。

それに振る舞いも堂に入っている。

同い年だというのにその熟練さに敬服してしまう。

 

まさか現公爵の彼がここに来るとは思っていなかった。

日本の学校に通うということがまた楽しみになったわね。

 

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