何か書き方変だとか、そもそもこれは小説の体をなしているのか甚だ疑問ですが、前言どおりとりあえず書けたので投稿しました。
数こなせば上達するって誰かが言ってた! しかしこの世には下手の横好きという言葉があってな……がはぁっ。
ということで本編どうぞ。
クラスごとのオリエンテーリングが終わり、生徒たちは思い思いに動き始める。
かくいうオゾン――
「なあ! お前も一緒に行かね?」
「……用事があるので。」
「もしかして部活見学? オレら回ってみるつもりだけど……。」
「もう決めているんです、僕。……失礼しますね。」
「おー、じゃーな!」
そそくさとリュックをまとめるオゾンも声をかけられるが、短いやり取りで断り、そのまま盛り上がりの止まない教室をあとにした。
「ちょっとそっけなさすぎね……?」
「ほっとけって。それよりこのあとさ……。」
愚痴を少しこぼしたあと、話題は放課後のことへ移る。既にいなくなった相手を気にする者はいなかった。
クラスのオリエンテーリングが終わってすぐに教室を飛び出し、入部届を出そうと職員室にやってきた。
何故なら仂弥は、サッカー部の部室の場所を知らなかったからだ。だから直接顧問へ入部届を出さなければならない……と、思い込んでいた。
しばらく会っていないが、サッカー部には仂弥の知り合いが数名いる。彼か彼女かに渡してもらう、という手段は頭になく、ただただ入部届を受理してもらいたい一念で職員室へ特攻したのだ。ついでに部室の場所も教えてもらいたかった。
職員室にたどり着いた仂弥は、新たな壁にぶつかった。
そう――顧問が誰か知らなかったのだ。知らないことが多すぎる、だって新入生だもの。新入生のくせして根拠のない自信でもって突っ走ったのがこやつである。
聞けばいい、そう思う人は多いだろう。
ここは職員室。教師の集まる場所であり、現在も数名がこの部屋にいる。サッカー部の顧問はどの先生か、と尋ねれば何かしら返してくれるに違いない。
しかしそうはいかない事情がある。
言葉にするのが苦手で、声は小さいしよく詰まる。色々あって、人と会話することが苦手だ。一時期よりも回復しているものの、1年くらい家族としかまともに会話を交わせていないのだから筋金入りである。
はやく入部届を出し、サッカー部に入りたい。ようやく中学に上がり、そして約束を果たす最初で最後の1年なのだ。少しの時間も無駄にしたくない。
はやくサッカーがしたい。あの人たちと、もう一度。もう一度、11人で――。
そのためにも、はやく顧問を見つけなければならない。しかし忙しなく動く教師への呼びかけはタイミングが合わない。「……あ、の。」の『……』のうちに遠ざかってしまう。
「……あの。」
「……?」
「用がないのなら、どいてもらえません?」
ふと。自分のものではない呼びかけを拾った仂弥は、声の方へ振り向く。
幾分か目線を下げた先に、男子生徒がいた。
彼の第一印象は『緑』だ。ゆるふわとした短髪は明るい緑色であるし、フレームの太い眼鏡は濃い緑色をしている。瞳は灰色だけども。
どことなく冷たく感じるな、と自分を棚に上げながら彼のツリ目を評価する。ぐぐぐと下げた視線が上履きを捉え、
そこまで確認してからようやく、出入り口をふさいでしまっていることにも気づいた。仂弥は慌て、すまないの意味を込めた目礼をしつつ斜め前方へ一歩進んだ。
仂弥に声をかけた緑の彼――オゾンは思った。
職員室の入口を塞ぐ高身長の銀髪野郎に、何だこいつすっごい邪魔、と。上履きを確認して同学年だとわかり――先輩だろうと結論は変わらないが――、声をかけることにした。
振り向いた銀髪野郎は銀髪イケメン野郎だった。同じツリ目なのに目つきの悪さではなくクールさをかもし出す彼に、顔面格差を感じた。悔しくなんかない。
全体的に髪は長めだし、前髪なんて片目を隠してしまっている。不良か。学ランの首元のフックも第一ボタンも開けられている。不良なのか。すごく視線を感じる、見られている。やべぇ、目つけられたか。
気安く声をかけてしまったことに、早くも後悔するオゾン。なお、普段からフックまできっちりしめている学生なんてそういない。オゾンはちょっとおつむのお固い昭和タイプの中学生だった。ちなみに不良疑惑をかけられている仂弥は、ちょっとおつむの弱い雛鳥タイプの中学生である。
そのタイプ:雛鳥は観察か値踏みだかが終わったのか、一言も発することなく斜め前方へ一歩進んだ。
オゾンは思った。
いや声発してくれませんか、と。
確かに通り路は空いたし、これでオゾンも職員室へ来た用事を果たせるだろう。でも無言はどうなんだ。そのゆっくりとしたまばたきはもしや目礼か。声に出せ。決して一歩で十分な距離が稼げる長身への嫉妬ではない。
オゾンは思った。
まあいいか、と。どうせこの場限りの関係だろう。もう気にしないことにして、さっさと用事を済ませてしまおうと。
世の中ではそれを、フラグと呼ぶらしい。
ちょうど近くを通りかかった教師にオゾンが声をかける。
「すみません、サッカー部の顧問の先生はいらっしゃいますか。」
仂弥のツリ目が輝いた。
焦る仂弥の前に現れた緑の彼は救世主だったらしい。これで入部届が出せる、というかもしかして未来のチームメイトなのか。
あっち、と指さされた方へ進むオゾン。その後ろほくほくとした心地でついて行く仂弥に、怪訝そうに振り返るオゾン。嫌な予感がもたげ、もしやと問いかけると。
目の前に広げられる入部届。空欄にはしっかりと『サッカー部』、『鳥羽 力弥』と書かれている。
完全にフラグだったと気づいたオゾン。だから話せよと思ったが、それはこの短時間で既に諦め気味であった。
「えぇ〜、入部希望? 2人共サッカー部なの?
えぇ……弱ったな。」
サッカー部の顧問だという中年男性は、どこか困った様子だ。いまにも弱ったなんて言いそうだと思ったらすぐに口に出されていたぐらい弱った様子だった。
仂弥も、オゾンも、ここ水雲中にサッカー部があることは知っているし、なんなら知り合いが所属しているはずである。部活紹介用のプリントにしっかり書いてあることも確認した。
まさか人数制限や入部試験なんてものがあるんじゃあるまいな……いやあるなら乗り越えるだけだけど、なんてことを考えるオゾン。早く受け取ってもらえないかな、と入部届を差し出したままの仂弥。仂弥は空気が読めないタイプの脳筋だった。オゾンは空気が読めると思っているタイプの脳筋である。脳筋しかいねぇ。
「サッカー部はねぇ、あまりおすすめできないなぁ。いまの部長になってからは活動してなくてね、なんだったかな……そう、『無期限活動自粛』なんて掲げているんだよ。」
脳筋2人は顧問の言葉をすぐには理解できなかった。噛み砕いて噛み砕いて、粉々にしたあと味がなくなるまで噛みしめてようやく飲み込んだ。それから、一呼吸。
意図せずそろった叫び声は、狭くはない空間でハウリングする。間近で聞いた顧問の耳はキーィンとするし、離れた場所にいた教師も耳を押さえながら何事かと発生源へ視線を向けている。
「ちょっ……どういうことですか先生っ!」
「……な、んで、だ? ……で、すっ!」
「(……えっ? しゃべった……!?)」
その発生源は発生源で、周囲に目を配れる状態ではなく。強い困惑の中顧問へ詰め寄った。
とても困惑していたが、先程まで一言も発しなかった仂弥が話したことにオゾンは驚き、より深い混乱に陥った。
「詳しいことは当人たちしか知らないんだよねぇ。私は結論を受け取っただけだからねぇ、理由が知りたいなら部長の『
困惑と混乱の中にあった2人の脳筋の頭には、その部長に話を聞かなければ、という思いしか残っていない。思い立ったら即行動とばかりに2人は動き出した。
がたがたがた。どたばたキュッキュ、おっとっと。デスクにぶつかったり教師にぶつかりかけたりお互いにぶつかったりしながら、出入り口へ急ぐ。
特にドアの前では、盛大にぶつかった2人が「ちょっいたっ、どいてくださいっ!」「……っ!」「(いやだから話してくださいよっ!)」と我先に出入り口を抜けようとし、おしくら饅頭のようになって、最終的に心太のようににゅるん飛び出た。饅頭になったり心太になったり忙しない。
飛び出た勢いでたたらを踏みながら、2人して足速に職員室をあとにしたのだった。廊下は走ってはいけません。
なお、2人とも部長の居場所も部室の場所も知らないでの行き先は不明である。のうきん!
あらら、とおしくら饅頭を観戦し、1人残された顧問は思う。
もしかして
もしかして
もしかしてあの2人が、あの日から停滞したままのサッカー部が動き出すきっかけとなるのではないか、とか。
サッカー部の『無期限活動自粛』を告げられた時、顧問たる教師はただ受け入れただけだった。
『彼女』がここを去ると告げた時も、ただ受け入れただけだった。
2年前のいま頃、白紙の創部届を手渡して、ほぼ埋まったそれを受け取った。顧問になってくれと頼まれて、それも受け入れた。
最後の空欄を埋めた教師は、その日からサッカー部の顧問だった。
『復活した』サッカー部の行く末を、顧問はただ見守ってきた。
「……はてさて、どうなるかねぇ。」
うちの部員が失礼しました、と教室内のあちこちへ頭を下げてから自席に着く。そうしてようやく、そういえば受け取ってないなぁ、と入部届に思いを馳せる。そして、一つのことに気づいてしまった。
一応書類で確認して、やっぱりなとため息を一つ。
そうだ、せめてこれだけは聞いていってほしかった。
「自分の名前を間違えるのは、少しまずいと思うなぁ。」
ずっと差し出されていたものの、結局受け取ることなく本人が持っていってしまった仂弥の入部届。その空欄にはしっかりと『サッカー部』、『鳥羽 力弥』と書かれていた。
さて、時は巻き戻り。
オゾンがあとにしてからも、教室の騒がしさは変わらない。校内を回るグループがあれば、街にくり出すグループもある。男女で盛り上がるグループがあれば、同性同士で計画を立てるグループもある。オゾンに声をかけたのは、男女入り交じる遊びに出ようというグループだった。
そのうちの、部活見学に行こうとする、とある女子グループにて。
「まずどこから回るー?」
「調理部とかは? 差し入れで運動部のイケメンゲットとか(笑)」
「あんたにそんな繊細なことができるの?(笑)
――あっ、葵ちゃんはどこがいいとかある?」
「うん! もう決めてるんだっ!」
太陽へ向けて大輪を咲かせる夏の花のような少女が、嬉しくてたまらないとばかりの笑顔を浮かべていた。
事実、彼女は嬉しくて嬉しくて、この短時間で仲良くなった友人がいなければすっとんで行きそうなほどだ。
ずっと昔から、この部に入ると決めていた。昨年の試合を見て、ここの部に入りたいと強く思った。
それがようやく叶おうかというのだから、心が浮つくのも無理はない。
彼女が小さく掲げた入部届は、言葉通りに記入済みだった。
現時点の合計文字数の倍近く書いたのに全然進まない……。文章の半分くらいは職員室の出入り口で繰り広げられたほぼ無言のやり取りです。……あれ?
※本作の主人公ずはよそ様のところへ送っているバージョンよりも色々悪化してます。しゃべらないっぷりとか荒んだ思考とか。参考にしすぎないでくださいね……。
ようやく主人公ずが話し終わった(プロローグまで消化できた)ので、次回からは募集させていただいた子たちをメインに動かす予定。部室前だよ全員(はいないけど)集合!の巻、までいけたらいいな巻きで。
ちなみに。ぐだぐだというか、こんな感じで内面とか行動とかを逐一突っ込んでのたのた進むのと。テキパキと、とんとん展開進んで行くのどっちがいいですかね?
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新旧水雲イレブンが無事……?決定いたしました。ありがとうございます!
現在募集中。
『ライバル校・十依路中イレブン』
→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=223074&uid=125597
こちらも募集継続中……。
『ご当地選手』
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募集予告
→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=229351&uid=125597
えありのかちゅぜちゅ
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ん〜、わかりやしゅい方がいいにゃ〜
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加減にゃんていりゃにゃいいりゃにゃ〜い
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……ほどほどが一番、かな