イナズマイレブンG 〜Grasp all!〜   作:杠葉

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 停滞して久しいあの部活に、『()()()()()』が咲くらしい。
 ()()()』も何もなければ来るだろう。もしかしたら『()()()()』も吹くかもしれない。

 ――ああ、面白くなる予感がするな。



まいごのやきとり

 

「マネージャーって結構大変らしいし……運動部は外から眺めてるのが一番。」

 

「てかサッカー部ってあったっけ?」

 

「あるよ!?」

 

 入学早々仲良くなれたクラスメイトたちとそんなやり取りをして別れた葵――『向日 葵(むこう あおい)』は、サッカー部の部室を目指していた。

 葵は、内面の明るさがにじみ出たような肩までのオレンジ色の髪と、その活発さとは逆の印象を与える日に焼けていない白い肌色の新入生だ。季節外れの麦わら帽子と、肩元の向日葵の刺繍と合わせてすでにトレードマークと認識されつつあるその明るい笑顔を振りまきながら、校外を進んでいる。

 

 事前準備もばっちり。更に先ほど綺麗な先輩におすすめのルートを聞いたので、改めて道順を繰り返し確認してもいるのだ。

 ただ、あの意味深な微笑みの理由はわからないけど……。

 

「(そういえばあの先輩、どこかで見たことあるような……。)」

 

 部室への道のりを教えてくれ、無記入の入部届をくれた女の先輩が何か引っかかるのか。向かう足は止めないままに、うんうんと悩み出す葵。

 そこに。

 

「おや、可愛らしいお嬢さん。何かお悩みかな?」

 

「! ……え!? もしかして私ですか? 私に言ってるんですか……?」

 

「ああ、そうだよ。差し色を見る限り、新入生ちゃんかな?」

 

「そうです! そういうあなたは先輩ですよね!」

 

「そうだねぇ。」

 

 背後からの呼びかけに振り向いた先には、1人の男子生徒――襟元のピンの色からみて2年生――がいた。

 黄色いツンツン頭に、センター分けではっきり見える赤い瞳はややタレている。葵が見上げなければ視線の合わないほど――そもそも葵が少々小柄ではあるが――の高身長だ。がっしりはしていないものの大きく見えるのは、身長もあるが骨太な印象を受けるためか。どことなく軟派そうだが、そこそこ整った顔立ち含め、それなりにはモテそうである。

 

 ――まあ、葵にそんなところまでわかったわけではないのだが。

 背の高い先輩が、間違いなく自分に、『可愛らしいお嬢さん』と声をかけてきた……と理解した葵の一言がこちら。

 

「わー! 私、ナンパって初めてです!」

 

「俺もナンパとわかっていて、真っ正直に喜ばれたのは初めてかな?」

 

 何はともあれ(閑話休題)

 困っているように見えた(女の子)を心配して声をかけてきたらしい先輩――『軽井 遊翔(かるい ゆうと)』に、葵は元気に返す。

 

「大丈夫です! さっきも親切な先輩が声をかけてくれて……部室への行き方はばっちりなので!」

 

「へえ、もしかして部活見学かい? 珍しいね。」

 

「珍しいんですかね……? でも、はい! そうなんです!

 ずっとずっと入りたかったので、もう待ちきれなくて!!」

 

 明るい笑顔全開で元気いっぱいに話す葵に、遊翔は少し眩しげに目を細めた。

 うちの部で見られなくなって久しい、女の子の素敵な笑顔だと。嬉しいような寂しいような気持ちになったのだ。

 

「(『元気いっぱい』と言えるのは、いまじゃうちの『太陽』くらいだからな……。)」

 

 その太陽だって、少しも陰っていないとは言えない。原因のほとんどは手が届かないところに行ってしまっているし、近くにいる『月』は動けない。

 

「(俺は『知っているだけ』だしね……何もして来なかったが、そろそろ動くべきかな?)」

 

 葵の話に相槌を打ちながら考える。溌剌としたおしゃべりはすでに、『どれだけその部に入りたかったか』から、より()()な道を教えてくれたという『親切な先輩』の話へ移っている。

 うんうん、晴れた日の空のような綺麗なショートヘアで、上品で、眼鏡をかけた、生徒会の女の先輩ね…………ん?

 

「あ! そうでした早く部室に行かないと!

 それじゃあ先輩! 声をかけてくれてありがとうございました! 失礼しますね!」

 

「おや、思ったより速い……っとそうだ。

 ――ねえ、お嬢さん! そんなに君を魅力してやまない、光栄な部活はどこかな?」

 

 足早に立ち去る後ろ姿に呼びかける遊翔。ぱっと振り返った葵は、やはり嬉しくて仕方ないという思いを隠さない、満面の笑みで答えた。

 

「――サッカー部です!」

 

 それでは! と立ち去る背中を消えるまで見送ったあと、遊翔は軽く息を吐いた。

 この場所はいないわけではないが人通りが少なく、また少々迷いやすくもある。だから、入学したての新入生がわざわざこんな所にいるなんて迷子かと思い声をかけたのだ。……まあ、女性である限りそうでなくとも声をかけただろうが。

 この道を教えたらしい『親切な先輩』の意図が読めなかったが……あのお嬢さんがサッカー部への入部希望者なら話は別だった。

 ここは部室へ向かう際に()()()()()()()()()ルートに含まれている。そして件の先輩の特徴に当てはまるサッカー部関係者を、遊翔は知っていた。

 

「やれやれ、あの人は何を考えているのやら……。」

 

 どこからか、フフッという愉しそうな女性の声が聞こえてくるようだ。

 果たしてあの先輩が何を思って自分と彼女を引き合わせたのかはわからないけれど。自分が動くまでもなく、どうやら我らがサッカー部には変化の時が訪れるようだと遊翔は笑う。

 それと同時に、あのお嬢さんの名前を聞き忘れたことにも気づいた……が、まあまたすぐに会うのだから大丈夫だろう。何を隠そう――遊翔もサッカー部であるからして。

 

 上機嫌に踵を返して歩き出したが、ふと思い立って立ち止まる。

 そういえば、あの子の進んだ先はサッカー部の部室とは反対だな、と。

 

「……さて、あの子はいったいどこに導かれているのかな。」

 

 裏表のない元気で素直なあの子に、いい先輩の皮を被ったドS嬢がたじろぐ姿は容易に想像できるが…………反対に、新たな餌食にされていないことを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃の主人公たち。

 

「……中々着かねぇな、サッカー部。」

「……流石に遠すぎませんか?」

「そうなのか? 俺は判らねぇけどさ……なんとなくここ、グランドから遠のいてる気がするんだよなぁ。」

「…………待ってください。(2回目※前回おまけ参照)

 大地、貴方まさか……知らないで進んでいるんですか?」

「ん? いやいや、オゾンがわかってるなら大丈夫だろ?」

「……。」

「……え、まさか。」

「…………わかりませんけど何か?」

「いやいやいや……じゃあお前、どこに向かって全力疾走してたんだよ。

 ……待て、マズいことに思い至ったんだが。」

「(……そういえ、ば…………俺も、わからない、な。…………連絡、とっていれば……よかったの、か?)」

「……あの時の僕は、ただこの人を追いかけていただけですし…………大地が知ってるものとばかり……。

 …………まさか鳥羽くんまでわからないとか、言いませんよねえ……?」

「フルフル(…………ん……いや。……次に会うのは、水雲中学(ここ)だと……約束、したから、な。)」※考え事中で聞こえてない

「、そぉだよな! 流石に目的地がわからんのに全力で走り出したり――」

「(…………しまった、な。……さっき……職員室、で。)……聞けば、よかった、な。」

「――2人揃って大馬鹿かよっ!! いや俺たち全員馬鹿だろ!?」

「っああもう! なんで僕は話の途中で動き出してしまったんだ……!」

「(……どうすれ、ば……いい……だろう、か。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――んあ? ……いまなーんか、声が聞こえなかったか? ……馬鹿、とかなんとか!」

「え、えっと……誰かが噂でもしてるん、ですかね?」

「あー、俺がサッカー馬鹿ってか! なるほどな! …………んなわけねーわ! コンニャロ……そりゃその通りだけどさ!」

「す、すみませんっ……(別にぼく『あなたの』とか『あなたが』なんて言ってないんだけどなぁ……しかも認めちゃうのかぁ、先輩。)」

 

 

「――よっし! さっきの声の方、覗いてみようぜ『ジュン』!」

「え!? は、はやく部室に行かなくていいんですか!? 『斗真(とうま)』先輩っ!」

 

 




※長いです。



 前回出せるかもって言ったので出しました。……2人はおまけでですが。申し訳ないです!

 今回登場したのは『ヒマワリ』ちゃんと『天地を駆けるナンパ野郎』くんです!
 ヒマワリちゃんは明るくて元気前向きな子。大地くん共々1年組を明るくしてほしい……。でもそのまっすぐさでほかのメンバーを引っ張り回すこともありそう……物語やサッカー部が停滞しそうになった時、動き出すきっかけになってくれそうです。初期唯一の1年女子、しばらくヒロインポジはこの子かな……フラグが立つかは未定です!
 前略ナンパ野郎くんは、キャプテン(彼は『部長』ですが)の幼馴染みポジは勿論イナイレ自体にも珍しい(と思う)、その名の通り軟派なキャラクターをしています。彼の口説き文句はキャラ的に面白い部分なのですが、実際書こうと凄く頭と気を使いますね。あんまり大仰にしたり比喩使うのはなんか違いますし、かといって省き過ぎ直接過ぎも駄目だし、ただの女たらしでもアカン…………違うんだ彼はもっと紳士的に女神たちを口説くんだっ!(床ダン) いつかちゃんと女神って口説かせたい。(願望)面白さを求めてあえてひっかき回したりするタイプだと思うので……養殖の騒動の発端(トラブルメーカー)その○になりますね! あとは……固めな幼馴染みたちをいい感じにほぐしてあげてほしいです。いっぱい口説かせたい。(2回目)

 因みに、最後に出てきた先輩後輩は予定が変わらなければ次回登場します。(ネタバレ)
 『太陽』とか『月』とかはそのうち……。ドS嬢は(少なくとも本文には)まだ先です。3年生は中々登場しませんので……。(ネタバラシ)



 初期プロットだと、前回までで初期1年組(−1)で合流して部室わっかんないぞどうする!? ってなってからか、大地くんがしっかり場所把握してたから部室へGO! の途中で残りの1年+αで先輩初登場……ってなってました。お馬鹿の1人にしてごめんね大地くん……(一応、場所を確認する前に爆走する2人を見てあっ知ってんだなって思った的な理由付けはいましました)。←
 それからヒマワリちゃんを職員室組とは別ルートに分け、その理由にちらっと先輩の話題が出て……今度こそ主人公たちと合流する予定でしたが。あまりにキャラが出ないので誰か出せないかなと思って、選ばれたのが前略ナンパ野郎くんでした。というかここで出さないと彼にナンパさせるタイミングが遠のく気がしたので急遽抜擢です。
 ひたすらヒマワリちゃんのお話を聞いてくれた前略ナンパ後略くん。そのまま一緒に行くかと思いきやとある先輩のせい()で分かれることに……。ごめんね先輩、勝手に眼鏡(伊達)かけさせて……。←
 と、まあ……こんな感じで。なんとなく作っていたプロットは時と場合により無意味と化する運命なのです……。そしてやっぱり進まない! もう、ひと場面一話だと思うべきですかね……。

 ヒマワリちゃんナンパくんもですが、最後に出てきた2人、文中で匂わされた3人含めて、キャラが違うんだが……という点とかあればご指摘くださいませ。
 ナンパくんの女性向けの話し方(口説き文句)とか、ビビリくんの親しい先輩に対する接し方とか、企んでる感じのドS嬢(伊達眼鏡のすがた)とか……諸々。





 さてさて。今回のお話は、前のとどっちを先にするか悩んで、以前より書き始めてはいたためこんなにはやく(※1週間)投稿できました……あと『なんとなくプロット』に追加はあれど書いてる部分には変更がなかったので……。
 はやく書けたので前書きをいままでと違う使い方してみました。

 あと。なんとこの小説の二次?小説書いてくださった方がいて……! めちゃくちゃ嬉しくって捗りました。改めて、ありがとうございました!
 皆さんにも読んでほしいくらいのクオリティ…………あ゛あ゛ぁあっ!! リストラしてなければ! もう少し説明増やしていれば!! …………ちょっと設定違うけどもうこれが正史でよくね? と定期的に思い浮かぶ過去編でした。仲良し3年生が可愛すぎた……。
 いずれ葉っぱも過去編を書きますが……書いてくださったお方が、公開についてはお任せくださるそうなので。もしこちらの小説も読みたいって方が多くいらっしゃるなら、公開をご依頼させていただこうかな、なんて……。
 だって! このカワイイを共有したい! でもひっそり大切にしたい気持ちもある! でもでも明るさがほしい! でもでもでも設定一部違うし、こっちの書く予定の過去編のハードルがもっと上がる(既に自分で上げてしまっている)のはこわい! ひえぇ……。

 ということで。アンケートなる機能を使うてみるなり。
 よろしければご参加ください。


 ……えっ? タイトル?
 鳥+風+炎=風に煽られた炎で炙られた鳥、ですね。
 もしくは、鳥+雲?+炎=鳥の燻製でも可。
 迷子なのは葵ちゃんではなく彼らの方ですね! それだけです。


***
 現在募集中。

『緊急募集:花』※3/25 23:59〆
 →https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232637&uid=125597

『ライバル校・十依路中イレブン』
 →https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=223074&uid=125597

『ご当地選手』
 →https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=221350&uid=125597

えありのかちゅぜちゅ

  • ん〜、わかりやしゅい方がいいにゃ〜
  • 加減にゃんていりゃにゃいいりゃにゃ〜い
  • ……ほどほどが一番、かな
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