イッセーたちは一般市民であり、本来なら異形にかかわることがなかった存在でもある。

だがしかし、悪魔は人間と契約することが基本なので、チラシを配って欲望が強いものと契約している。

ならこう考えることもできるのではないだろうか。

………魔法使いが一般市民をスカウトしても、やり方次第じゃ問題なくね?

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魔法使いイッセー

 

 それは、小規模な魔法使いの集団の思い付きだった。

 

 悪魔は一般人にチラシをまいて契約を結んでいる。なら、自分達が「一般人をスカウトして魔法を学ばせる」事もやり方次第ではいいのではないかと。

 

 魔法とは計算によって行われるものだ。つまり、どんな人間でも努力すればある程度はできる。

 

 発展の為に新しい風を時折取り込む必要があるというものだ。ましてや、小さな組織なら尚更だろう。

 

 ゆえに、チラシをまいて募集する事にした。

 

 もちろん、意味もなく無造作にばらまくなどといった真似はしない。流石にそれをすると様々な勢力に滅ぼされてしまうだろう。

 

 と、いうわけで狙ったのは強い欲望の持ち主だ。

 

 悪魔の契約でもそういった者を狙うが、こっちの方が得だと思わせれば行けるかもしれない。

 

 なにせ悪魔の契約には代償が伴う。下手をすれば現代でも死ぬ事だってある。そも、個人個人で対価が異なり、願った事が必ずしも叶うとは限らない。

 

 なら、努力する事で様々な手段を使えるようにする魔法を勉強する方が得だと思うも入るかもしれない。

 

 そうしよう。そうしよう。

 

 新たな風を取り込んで、新たな未来を作り出そう。

 

 そうと決まれば早かった。彼は、すぐにチラシを大量に作ると、弟子の募集を行ったのだ。

 

 そして、三人の応募が来た。

 

 彼らは凄かった。願いを叶える為に一生懸命努力して、そして形にする事に成功した。

 

 この目論見、決して見当はずれなものではなかったのだと確信できる。

 

 だがしかし、一つだけ問題があった。

 

 彼らは、とてつもないスケベだったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は、屋上で女子の着替えを覗いていた。

 

 だけどそれがばれる事は決してない。隣の部屋にいるわけでも、隠しカメラを作ったわけでもない。

 

 そして、これは誰にでも真似できるものでもない。

 

 そう、ナゼナラ―

 

「イッセー。やはり魔法はいいものだな」

 

「ああ、そうだな元浜」

 

「うぉおおおおお! 二人とも、あのおっぱい凄いな!!」

 

 俺達は目を閉じながら、女子の着替えをガン見する。

 

 そう、そこは体育館の近くにある女子部員の着替え部屋。

 

 そこに俺達は魔法で視界を繋げたのだ。だから決してばれない。

 

 最高だな、魔法。これがあれば普通なら入れない場所も覗く事ができる。エロ映画館とか、ストリッ〇バーとか。

 

 この力で俺達は、一生懸命女の子の裸を見まくっている。

 

 ああ、素晴らしきかな魔法。教えてくれた師匠には感謝感激だぜ。

 

 この力があれば、俺達はまだ見ぬスケベを堪能する事ができる。

 

 いざ本番になってエッチな事をする為の魔法も開発した。これがあればあんなプレイやこんなプレイをしても、同意さえあれば警察に捕まる事はない。

 

 ああ、夢が広がる!!

 

 広がるよ!!

 

 広がるんだ!!

 

 広がる……のに……!

 

「「「なんでモテないんだぁあああああ!!!」」」

 

 なんか途中で虚しくなって、俺達は叫んだ!!

 

 マジで虚しいよ!! なんでだよ!!

 

 俺達は魔法の力を習得した。ライターとか懐中電灯とか必要ない、便利な魔法を習得したんだ!!

 

 だけど、それを堂々と使う事ができない!

 

 この世界には魔法使いはもちろん、神も悪魔もいる。

 

 彼らは基本的に「人間世界に情報を不用意に広めない」を原則にしてる。

 

 だから! 俺達が魔法で格好つけようとしても、できない!!

 

 そんな事をした瞬間に、この学園に住まう二人の上級悪魔が眷属を連れて殺しに来る!!

 

 嫌だ! 俺達は童貞のまま死にたくない!!

 

「畜生! 魔法という新たな力でモテ街道を開きたかったのに!!」

 

「なんで早死にしちまったんだ、師匠!!」

 

 元浜と松田が絶叫しながら床を叩く。

 

 ああ、気持ちは分かるぜ、二人とも。

 

 師匠は俺達を弟子に取ってから、二年で死んだ。

 

 その二年で教えてもらったことはいっぱいあるけど、何故か凄い勢いで疲れ果てて、そのまま死んでしまったんだ。

 

 畜生! なんでだ師匠!!

 

 俺達が弟子になった時は、あんなに喜んでくれたのに。それなのに元気にならずに弱っていくなんて、どうしてなんだ!!

 

『いや、どう考えてもお前達を弟子にしたのが遠因だろう』

 

「「「うるせえよ、ドライグ!!」」」

 

 俺達は一斉に、俺の左腕に対して文句を言う。

 

 ……こいつはドライグ。ブリテンの赤き龍こと、世界でもトップクラスに強いドラゴン、二天龍の片割れらしい。

 

 師匠がこれに気付いた時には卒倒したぐらい凄い事だっていうから、驚きだ。

 

 ドライグは聖書の教えに由来する三大勢力の戦いに、ライバルである白い龍アルビオンと一緒に喧嘩をしながら乱入。結果フルボッコにされて神器に封印された。

 

 そしてその神器が、巡り巡って俺に宿ったんだ。

 

 でもさ、ドライグ。お前役に立ってないんだけど?

 

『失礼だな、相棒。さっきも魔法の出力を倍加してやっただろうが』

 

「そっちじゃねえよ、ドライグ」

 

 ドライグの反論に、松田がそうたしなめる。

 

 松田の言うとおりだ。役に立ってないのはそこじゃない。

 

 ドライグが宿った赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の能力は、十秒ごとに所有者の力を倍加して、必要に応じて他者に譲渡すること。

 

 この力で俺達は魔法の出力を大幅に高めている。二年足らずの修行の成果を、二十年ぐらいにまで高める事もできるってわけだ。

 

 だが、それは魔法の補助具としてだ。

 

 このドライグの真価はそこじゃない。

 

 そう、ドライグの真価は―

 

「何時になったらイッセーに女が集まってくるんだと言っているんだ、ドライグ!!」

 

 元浜の激昂の通りだ!!

 

 ドライグはこう言っていた。

 

 ―ドラゴンは異性を引き付ける。かつての俺の保有者達は、異性に困っていなかった―

 

 ………困ってるんだよ!! 俺達は今、現在進行形で!!

 

 どういうことだドライグ!! 少なくとも、俺はモテるんじゃなかったのか!?

 

 松田や元浜だって、俺のおこぼれにあずかろうと一生懸命頑張ってきた。

 

 松田は体を鍛えて鍛えて、身体能力強化魔法と併用する事で将来はオリンピックも狙えるという身体能力を発揮した事もある。……生徒会のシトリーに怒られて魔法による強化は封印したけど!!

 

 元浜はネタ枠で笑いを誘おうと、眼鏡ビームを開発したんだ!! ……これまた生徒会長のソーナ・シトリーに怒られたけど、しかも松田以上に!! 眼鏡が悪かったのだろうか?

 

 畜生が!! 俺達は、何時になったらおっぱいが揉めるんだ!!

 

 何時になったら、童貞を卒業できるんだ!!

 

 うぉおおおおおおおおおお! おっぱぁああああああああい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺達の人生に変化が訪れる。

 

 将来モテる為の魔法の研究に精を出していたら、俺達は堕天使に絡まれてしまった。

 

 どうやら俺の神器が危険かどうか確かめる事が目的だったらしい。

 

 だけど不幸中に幸い、その時は俺が師匠から魔法を習っていたおかげで、かろうじてセーフと判断してもらった。

 

 ちなみにその時神器の隠匿関係の魔法を教えてもらっていたので、そのレイナーレとかいう堕天使は龍の手(トゥワイス・クリティカル)って普通の神器だと勘違いしたみたいだ。なんでもばれると監視されるから隠した方がいいって言われたんだ。師匠、ありがとう!!

 

 そしてその時見たおっぱいに興奮して寝付けなくて、俺は遅刻した。

 

 そして慌てて走りながら公園に近づいたその時―

 

「―あいた!」

 

 -外国語で転んで痛がっている女の子をに出会った。

 

 魔法の研究で外国人でもナンパできるように、通訳系の魔法を師匠に教わって正解だった。なんでも悪魔の力の再現が魔法の多くの根幹で、悪魔は人間の言葉なら普通に全部分かるらしい。羨ましい!!

 

 そして、俺は彼女を教会に連れて行って―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兵藤君、あなたに聞きたい事があるんだけど」

 

 うっひょぉおおおおおお!

 

 この学園の二大お姉さまの1人にして、上級悪魔グレモリーの次期当主、リアス・グレモリーにお声を掛けられたぜぇえええええ!!!

 

 そんなハイテンションは、すぐに打ち砕かれた。

 

「廃教会にシスターを連れ込んだって情報が届いたんだけど、どういうことかしら?」

 

「え? 廃教会……!?」

 

 その言葉に嫌な予感を覚えて、俺はすぐにでもとその教会に様子を見に行き―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、あの時のクソガキが何の用かしら?」

 

「げ!? レイナーレ……っ!」

 

 あの時の、堕天使がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの、兵藤君、そんなにボロボロになって!?」

 

「おい、イッセー、どうした!?」

 

「しっかりするんだ、イッセー!!」

 

「……頼む、松田、元浜……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺を、人でなしにさせないでほしい。力を……貸してくれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神滅具が一つ、赤龍帝の籠手であっても! 数を頼みにして短期決戦を挑めば!!」

 

「させるかよ、堕天使!!」

 

「俺達のダチには手を出させないぜ!!」

 

 そして始まる激闘の数々。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁん? たかが十把一絡げの魔法使い如きが、72柱の悪魔のレーティングゲームに関わる気か?」

 

「グレモリー先輩には世話になった! その恩を返す為なら、俺達は悪魔にだってなってやる!!」

 

「べ、別に悪魔になれば上級悪魔を目指せて、ハーレムを作れる可能性があるからじゃないんだからな!!」

 

「……中々着眼点が違うな、そこの眼鏡にハゲ。いいだろう、俺は認めてやる!!」

 

「「「認めちゃったよこの人!!」」」

 

 いけ好かないけど良いところもある焼き鳥とも戦い、その為に俺達は転生悪魔になり―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、歴代の赤龍帝には魔法に関わった者もいたと聞いたが、まさか出会う事になるとは思わなかったぞ」

 

「おいおい、悪魔になって二月も経たないうちに堕天使の幹部だよ」

 

「上等だ!! 倒してハーレムの為の上級悪魔出世の餌にしてやるぜ!!」

 

「覚悟しな、コカビエル!! 俺達はハーレムを作る為に、お前を倒す!!」

 

 そして、駒王町を守る為に、最上級堕天使とも戦ってやる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハーレムが作りたいのか? だったら俺に仕えれば、適当に見繕ってやってもいいぞ?」

 

「「「えっマジで!? ……いやいやいや」」」

 

 た、戦ってやるんだからね?




ちなみに活動報告で、短編集のネタを募集しております。

短編に使えそうなネタを思いついたら、アンチ・ヘイトにならないものを送ってくれると嬉しいです!!

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