これはかなり以前に書いた今となっては古いもので、私の処女作ということになります。

執筆は1999年10月なのでもう20年も前。ですが、『今となっては古い』というのはたんにそれだけの年月が経っているからばかりではありません。

むしろ内容に問題があって、これが銀塩フィルムのカメラで写真を撮る話だからです。前世紀の末と言えばデジタルカメラはまだ性能がごく低く、プロ用の一千万円の機材でさえ今の千円のトイデジカメに劣るものでありました。

そんな時代に〈アパチュア・アンド・シャッタースピード〉と題するシリーズの構想を得、書いてみたら書けてしまったという感じに出来上がったのがこの作です。実は当時に某大手出版社に送ってみると好意的に評価もしてもらえたのですが、出版には至らずに、その後の急速なデジタルカメラの発達もあって発表の機会を失くしてそれきりとなっていました。

とは言っても、過去に二度ほど別のサイトに出したこともあるのですが、諸々(もろもろ)の理由により削除しました。それを今回、またここで公開するわけですが、これが今では古いものであることを重ねてお断りしておきます。

これは困難な撮影に挑むカメラマンの話ですが、しかし……いや、この先は言いますまい。詳しくは私のブログに書いていますのでリンクをたどって読んでください。どうしてこれを今ここに出すかはどこにも書いていませんが、どうしてこれを今ここに出すかが読めばわかるでしょう。もしあなたが聡明(そうめい)ならば、とだけ書くにとどめておきます。

でも、私が思うのに、たぶんあなたはソーメーという言葉とは正反対の人でしょう。だからこの作を読むことも、私のブログを読むこともしないし、もし読んでも間違った受け止め方をするだけでしょう。

それが人間というものです。100人いれば99、千人いれば999、万で9999、十万ならば99999人までが愚劣極まりない。そんな存在のひとりというのに過ぎませんからそれでもたぶん問題ないです。

かく言う私も頭が悪いことではたいしてあなたと変わりませんが、それでも、ここに出すこれは、いつかはおれを勝たせてくれる気がするな。だって、よく言うでしょう。『処女作にはその作家のすべてがある』って。今こいつを読み直してみて、おれに関する限りにそれはたぶんほんとだと思いますから。
  01
  022019年08月23日(金) 12:00
  032019年08月23日(金) 12:00
  042019年08月23日(金) 12:00
  052019年08月23日(金) 12:00
  062019年08月23日(金) 12:00
  072019年08月23日(金) 12:00
  082019年08月23日(金) 12:00
  092019年08月23日(金) 12:00
  102019年08月23日(金) 12:00
  11
X(Twitter)  ▲ページの一番上に飛ぶ