IFの物語〜もし仮に、アインズ様が単独で型月世界に転移したら?〜 作:ヘルシング伯爵
原作:Fate/
タグ:R-15 残酷な描写 クロスオーバー クロスオーバー 転移 オリジナル設定 ナザリック陣営強化 ヤンデレ 不定期更新
その他ふたつ—計3つの世界征服を成し遂げた。
永遠を生きる彼等は、「世界征服」という旅の中で経験と知識を積み
更なる実力を付けていき、ナザリックの栄光と繁栄を求め、新たなる世界へと足を向ける。
そして、——もし、そんなアインズ・ウール・ゴウンを観ていた型月世界の抑止力がアインズ様欲しさに、先手必勝だ!と頑張って彼を『座』に登録してしまったら?という全てif物語。
※なお、世界が違えどアインズ様の支配者ロールと周りの勘違いは止まらないもよう。
参考資料 小説版オーバーロード
評価・感想オネシャス。
(付けてくれる際にはなるべくお手柔らかに、、豆腐メンタルなので
。)
※間違いを指摘してくださった方々、ありがとうございます。
ーー……ほう、ナザリック自体の転移は過去にあったが、私自身の転移——いや、召喚というのは初の体験だな。
ーーなかなかに面白い感覚だ、呼び出されるというのは。
そう自身の状況と未知の体験に、彼は驚愕するでも、戸惑うことでもなく、———只々面白そうに、表情筋があれば笑みを浮かべていたほどに、童子が新たな発見をしたとばかりに声を弾ませながら言葉を口ずさむ。
ーー…さぁ、問おうか。
一喜一変、声のトーンを落としながら、私たちの方に空虚な眼窩に映る濁った炎のような赤く揺らめく視線をこちらに向け、問い——と言うには言葉足らずな質問をこちらに投げかけ、再度
ーーーお前達は私に 、何を欲する?
ーーー私はこの日——超越者に出会った。
◆ ◆ ◆
とあるカルデアの最後のマスターside
私——藤丸立香は、幼い頃からある夢を見ていた。
幼少期から今いるこの場所——人理継続保障機関フィニス・カルデアに至るまでに変わらず決まってある人物の夢だった。
ーーー
正確に言えばヒトではない。
種族名で言えばスケルトンに近いーーといった方が正しいだろう。
だが、そんな生易しい存在ではない。
骨格は大柄。骨密度が高く、逞しい成人男性の骨格を持つ骸骨——骨の一つ一つは陶磁器の如く艶やかな純白であり、骨ひとつとっても頑強な印象を与え,
肋骨の下あたり——人間の肉体に当て嵌めるならば腰上の辺り、ちょうど腹筋に位置する場には赤黒い球体を内蔵している。
そして、身に付けている装飾品の数々は素人目に見ても一級品だと分かる逸品。
よくあるファンタジーに出てくるような魔法使いが着る金と紫で縁取りされた胸当てと肩当てが付く豪奢な漆黒のローブを身に纏い、足元からは時折禍々しい赤黒いオーラが立ち上がっている。
骨しかない十本の指には、左手の薬指以外系九つのそれぞれ違った指輪をはめ、
その手にはスタッフ——握りの部分は青白い光を放つ水晶のような透き通った材質で、七匹の絡み合った姿をしたのたうつ蛇の口にそれぞれ違った色の宝石を咥えている。
スタッフから揺らめきながら立ち上がる人の苦痛の表情を象ったどす黒いオーラ。それは一種の神々しさをも感じさせられ、
そしてネックレス、小手、ブーツ、マント、上着、サークレットなど
ドラクエなどのゲームの序盤辺りに出てくるような雑魚モンスターなどには到底見えず、どこからどう見てもラスボスーー魔王を自然と彷彿とさせる。
そうと他者が聞けば、夢の内容はバケモノの物語、すなわち悪夢と位置付けられてしまうだろう。
ーーだが、私にとってはそうではない。
確かに、始めの頃幼い為か夢の内容がアレなのでトラウマになりかけたのは否めないが年を重ねるに連れ、彼とそれに付き従う者たちが織り成す数々の偉業や出会い、そしてその深い叡智に感動と崇拝の念を抱き、いつしか私は夢を見る事が楽しみとなっていた。
その御方——アインズ・ウール・ゴウンが織り成してきた
ーーいま思えば、自身が今まで出会ってきた一騎当千、万夫不当の英雄達や古代の王ら。そして、人理を脅かさんとする者たちに真正面から向き合えてきたのは夢に出てきたかの御方の勇姿を見続けてきたからに違いない。
そうに違いない、そう自然と頭に浮かぶ。
だから、
ーー否、思いたくなかった。
酷く歯痒い思いだった。
いつしか、夢だけでなく、現実にて会いたいと。
会って話がしたい。夢などではなく、実際に彼の口から貴方のお話を聞きたいと。
私は考えた。どうすればかの御方に会うことが出来るのか、と。
であるならば、現在自分がいる場所
———人理継続保障機関フィニス・カルデアならば、彼の御方を呼び出すことは可能ではないのか?
ーー彼の了承も得ていないのに、不敬ではないのか?
ーー所詮は夢の話、自分が創り上げた創作物にすぎない。
そういくつもの消極的な想いが次々と浮かぶが、もはや私は我慢することはできなかった。
たとえ味方に強く頼りになる存在がいても、やはりどうしても自分がいつ死んでもおかしくない場に立っているんだ。
ーーならば多少のワガママを言ってもバチは当たらないだろう・・・
マイルームにある自分のベットに寝転びながら考えていた私は、自分の中でそう結論づけ早速ドクターとダ・ヴィンチちゃんに相談しに行くことにした。
たとえささやかな欲であろうと、溜めに溜め込んだ欲望は—————————ヒトを狂わせる代物になるということを。
彼女は知らない。
自分にそう結論付けてしまったことで、
◆ ◆ ◆
とある万能の天才side
「…なに?召喚ルームで夢の中に出てきた人物を呼び出すことは可能か、——だって?」
いきなりの突拍子な発言をしてきたのは、私達がいるカルデアの最後のマスターたる彼女——藤丸立香なのだが、本人は自覚がないのか純粋な目でコクリと頷いた。
(ちくせう、カワイイな。)
おっと、万能の天才たるこの私が一瞬でも思考が乱れてしまうとは…。
だが、確かにこの完璧なる造形美を持ち合わせる私でさえも、素直に綺麗だと思わせるこの子であるのだがいかんせん無口、無表情がスタンダードである故に、なかなかコミュニケーションがとりづらいというのが本音だったのだが、本当は御転婆らしく時折サーヴァント達にちょっかいやらイタズラを仕掛けて追いかけ回されている姿をちょくちょく見かける。
外見と内面は一致しない、とはよく言ったものだ。
まぁ、そのギャップが好ましいのだが…。
それがサーヴァント達に好かれる理由のひとつなんだろうな、ーーなんて考えを頭の片隅に置いておきながら先ほど立香が言ったことの内容について考える。
まず、思うのは何故いきなりそんなことを言い出したのかだが、まぁ別段気にしなくてもいいだろう。立香がお願いをしにくる、ということ自体が稀だからね〜。
そんな数少ない彼女のお願いを無下にできるはずもない。
だけど、はてさてどうしたものか…。解決案がないというわけではないのだけど、なにせ前代未聞の案件だ。私だけの提案だけでは確証がない故、この私といえど少しだけ不安がある。少しだけだからね?ーーホントだよ?
「そうだねぇ〜、ロマンはどう思うかい?」
「ーーうえっ?そこで僕にふるの?」
ーーう〜ん、そうだなぁ…
いきなり話をふられたからか、ロマンが情けない声を出したけど、それでもまじめに思案してくれるあたり彼の性格がよくわかる。
うんうん、そういうところは好感が持てる。
私のお気に入りポイントがまたグッと上がったよ♪
さて、ロマンも何か良い案を出してくれると嬉しいんだけど…、
ーー例えばなんだけどさ…
うん?何か思いついたのかな?
「夢の記録を触媒として使えないかなぁ?」
このロマンの提案に、私びっくり。
……全く同じで、、、
◆ ◆ ◆
とあるカルデアのドクターside
「そうだねぇ〜、ロマンはどう思うかい?」
「ーーうえっ?そこでぼくにふるの?」
いきなり話をふられた所為で、我ながら情けない声を上げてしまったことに恥ずかしさを感じた。
う〜ん、そうだなぁ…
立香ちゃんの稀なお願い事とはいえ、なかなかに難しい内容持ち込んできたなぁ…。
だけどここで分からないや——なんて言うのは簡単なんだけど、流石にそれは僕の心情に反するし、最近は特異点で立香ちゃん達の役にあまり立ててなかったから出来る限り応えてあげたいのが本音だ。
ぁ、そうだ…
「例えばなんだけどさ…」
二人の視線が僕に集まって、これから僕が言うことに耳を傾けてくる。
自分でも突発的な発言をすることを自覚しているからか、かなり緊張する。
覚悟を決めゴクリと、唾を飲み込みーー
「夢の記録を触媒として使えないかなぁ?」
そう言ったら、二人共目を見開いて固まってしまった。
うぅ、沈黙が痛い…。穴があったら入りたい、、、
えっ?どうゆうことかい、だって?
それはね、ーーー
◆ ◆ ◆
とあるカルデアの最後のマスターside
ロマンが言っていた事は難し過ぎて内容の半分も理解できなかったけど、ダ・ヴィンチちゃんが要点を噛み砕いてくれたからなんとか分かった。
私なりにロマンの内容を改めてまとめてみると、つまるところカルデアの召喚では英霊を呼び出すための触媒を必要としない…、そんな無茶なことで召喚ができるのかと疑問に思ったが、確かに今までもそれで召喚出来てきたのだからそれもそうか…。
(ーー理解するのを諦めたな、だって?…そんなことないもん。)
故に、本来は呼び出すことのできない英霊や神霊、疑似サーヴァントなどを召喚することができる。なんともガバガバな設備である。見境なしか。
…イタい、ダ・ヴィンチちゃんアイアンクローやめて。頭が割れる……。
だが、別に触媒を使用しての召喚が不可能なわけではない。むしろその方が確実性が高い。ではなぜそうしないのかと問うと、オトナの事情があるらしい。多分経済面的に厳しいのだろう。
うん、私大人だから何も言わないでおいてあげよう…。
—ゴホン。だからこそ今回の場合、
夢の内容を『英霊の記録』と仮定し、記録を触媒として使い、私の見た英霊を実際に呼び出そうとするらしい。……なんかダ・ヴィンチちゃんの目がすごく楽しげにキラキラしているのは気のせいだろうか
?新しい実験ができるから凄く楽しみなのかもしれない。
でも…もしかしたら、というほんの僅かな希望でも抱けるのだからダ・ヴィンチちゃんやロマンには感謝しかない。
ーーあぁ……早く、はやく。
ハヤクアイタイナァ…
◆ ◆ ◆
Dr.ロマンによる提案を試すために藤丸立香とマシュ・キリエライトの二人は、カルデアの召喚システムを起動させようと召喚ルームに来ていた。
ロマンとダ・ヴィンチの二方は、不測の事態が起きてもすぐに対処できるようモニターにて召喚システムの起動にかかる膨大な魔力と電力供給に異常が起きていないか観測し続けている。
「魔力の充填および電力供給率ともにO.Kだ、いつでもいけるよ。」
「じゃあ、始めてくれたまえ。こちらの準備は整ったよ。」
ロマンとダ・ヴィンチちゃんからの連絡を聞き、逸る気持ちを抑えながら召喚を行おうとする立香とそれを見守るマシュ。なんとなく——上手くは言えないが、いつもとはどこか違う危うさを孕んでいる彼女を見守るマシュには、どうしても不安と心配の気持ちを隠せずにいた。
今回は異例の為、召喚起動時の安全性と確実性を考慮し詠唱を唱えることを推奨された立香は、詠唱呪文を唱え始める。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
立香の凛とした声が召喚ルームに響き渡り、
魔力が充填しサークルを築き始める。
いつも以上に膨大な魔力とカルデアの電力が召喚サークルに供給され続け、召喚が始まった。
「
光が点り、爆発的な魔力が集束し、英霊召喚システム起動によるカルデアの電力が唸りをあげる。
ここまではいつもと変わらぬ状況であったが、
突如——闇が広がる。
魔力が築く光輪の束が深みある漆黒に侵食され、徐々に楕円の下半分を切り取ったような形を形成し始め地面から浮かび上がった。
その召喚光景はどこか神秘的であると同時に、彼らに言葉にできないような強い不安を感じさせるものだった。
普通ならばその時点で召喚を止めるべきなのだが、いつもとは異なった雰囲気に皆一同その光景に魅入り止めに入る者は誰もいなかった。
「―――――
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
ーーー立香は願う
想いよ、———届いて‼︎
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーー!」
そして、召喚はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー成功した。
そして———絶望を見た。
闇の中から零れ落ちたのは異形の姿
「ーーーサーヴァント・ビースト。
・・・ほう、キャスター 、ではないのか。
まぁ、キャスターとは魔術師を指すのであって
えて似て妙な話だ。
彼は自身の言葉に含み笑いを洩らし、召喚されるという未知なる体験に興味を隠しきれない様子だった。
そんな彼の愉快げな表情?とは裏腹に、英霊の召喚に成功した四人の心境はバラバラだった。
マスターの立香は、かの御方の召喚に成功したことへの歓びに身を震わせながら自分の夢の存在は間違ってなどいなかった、と涙し
自分が心配していたことが現実になってしまったことに絶望感を抱きながらも、この未知なる存在ーーどう見ても真っ当な英霊・・・いや、反英霊ですらないもっと別のナニカから立香の身を守るため震える足を引きずりながら盾を構えるマシュだが、
ーーカラダが重い…。彼が言葉を発すると同時に身に掛かる重圧と、彼の身に纏う『死』の気配とが相まって彼女に重くのし掛かってきた。
あまりの威容と威圧に足元が竦み、思うように動かない自身の身に苛立ちが積もるが、なによりも先にマスターの身を守らねばと意識を飛ばされぬよう必死に盾を持つ手に力を込める。
だが、そんな息苦しさと身に掛かる重圧にはふと覚えがあった。
それは、カルデアにいる英雄王ギルガメッシュとウルクの危機に応じて参上した賢王。それとどこか似たものを感じる。
種類は違えど、紛れもなく彼の身に纏うは王者としての覇気。
もしかしたら、彼も王の名を冠する者なのか?
そう思うマシュ・キリエライトであったが、その正体は彼の特殊能力『絶望のオーラ』によるものだということを彼女が知るはずもなかった。
そして、その様子をモニターにて見守っていたロマ二・アーキマンは自身の提案した召喚の成功に喜びの声を上げそうになったが現れたその存在に思考が止まり、
万能の天才たるレオナルド・ダ・ヴィンチは隣の間抜けな同僚の姿に注意する余裕もなく、観測していたモニターに映る存在を観て———、そのパラメータに表示された『Error 』の値にロマンと同様思考が停止。
また一方で、召喚が成功した際の各々の錆陣営はというとーーー
ある最古の英雄王は、今尚鮮明に頭の中に残っている盟友 エルキドゥを失ったときに感じた強烈な喪失感と焦燥感——即ち、濃密なまでの『死』の気配を彷彿とさせる存在がこのカルデアに現れたことを感じ、未だ見ぬ存在にその美貌を不快げに歪め、
完全に予想外の展開だった。
立香以外の全員が、まさかこの『死』の存在を立香が呼び出したかったとはつゆにも思っていないために、実験は失敗したと皆が思った。ーーいや、寧ろそれ以上に最悪の展開だった。
なによりも最悪なのが、あまりの恐怖に涙を零す立香の身を守る存在がマシュただ一人ということ。加えて、頼みの綱のマシュも恐怖からカラダが竦んでいる。考えうる限り最悪の展開だと言っても過言ではない。
デミサーヴァントたるマシュ・キリエライト—真名ギャラハットの持つ大楯は、所持者の純然なる想いが強ければ強いほど、その宝具の真価を発揮する。それ故に、マスターの藤丸立香のシールダーとしていつも最前線に出張っているのだが、今はその真価すら発揮できないだろう。
完全に詰みの状況である。
だが、そんな皆の絶望感とは裏腹に立香は俯けていた顔を上げ、彼の方に歩み寄り
「——私の名前は藤丸立香。貴方のお名前は?」
律儀に自分の名前を提示し、剰え味方かどうかすらわからないナニカに名を聞くという始末。
あまりの立香のマイペースさに皆一瞬気が抜けてしまうが、彼の視線が立香ただ一人に向く。マシュ・キリエライトという存在には関心がなくなったのか、先程までの心臓を握られていたかの様な悪寒は鳴りを潜めた。
もはやこの空間を占めるのは彼と立香の二人のみとなり
「ーーー藤丸立香、か。」と彼はゆっくりと彼女の名を噛みしめる様に口にし、
—————そして、
「‥‥‥我が名を知るが良い。
我こそが——アインズ・ウール・ゴウン そのひとである!」
ーー…さぁ、問おうか。
ーーお前たちは私に、何を望む?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
さぁ、平伏せよ。そして至高なる存在ーーーアインズ・ウール・ゴウンを讃えるがいい。
コレは、サーヴァントとマスターによる人理修復の物語などではない。
ーーこの物語は、至高なる存在とそれに付き従うマスターによって紡がれる人理改変の物語である。
ーータイトルは、そう。
『Fate/Over Alteration』
「ーー人理修復の旅といこうか。
君たち人間の輝きを、私に見せてくれ
人理を救わんとする英雄よ」
Q無駄に長くね?
Aそんなことは分かっているんだよぉぉぉ!!
取り敢えずアインズ様の設定等のプロフィールまでは
書くつもりですが、評価が良ければ続き書けるかも?