1932年に傀儡国家満州国を成立させる。日本の大陸の利権拡大を良しとしない列強国との対立から、ついに1933年には国際連盟及び国際労働機関を脱退。1934年には帝国弁護士会がワシントン海軍軍縮条約の破棄を求める声明を発表し、これも脱退を通告。1936年にはロンドン海軍軍縮条約からの脱退を通告。海軍軍縮についての条約は実質的に失効し、世界は制限なき軍艦建造競争の時代に突入していった。
日本、ドイツ、イタリアの三国間では連携を求める動きが顕在化し、1936年には日独防共協定、1937年には日独伊防共協定が結ばれた。
近衛文麿内閣は1940年に東京で国際博覧会と同時に開催される予定だった東京オリンピックの開催権を1938年7月15日の閣議決定により返上するなど、軍部の要求から国民総動員で臨戦体制を固めてゆく。
1939年9月のドイツのポーランド侵攻後、1940年中頃には同盟国のドイツ軍がフランス全土を占領したことに伴い、日本軍はフランス領インドシナへ進駐したものの、この進駐にアメリカやイギリス、さらに本国をフランスと同じくドイツに占領されたオランダなどが反発し、これらの国々と日本の関係は日に日に険悪さを増していった。1941年4月、日本は後顧の憂いを断つために日露中立条約を締結する。
1941年11月27日に、裏では日本軍による南方作戦準備が着々と進む中で、アメリカのコーデル・ハル国務長官から野村吉三郎駐米大使と、対米交渉担当の来栖三郎遣米特命全権大使、に通称「ハル・ノート」が手渡された。
内容的には日本側の要望はすべて無視したものであったことから、事実上の「最後通牒」と認識した大樹は大本営会議の席にて
「開戦やむなし。」
と発言し大樹傘下の各鎮台や妖怪軍各隊に臨戦態勢に入るように命令した。
12月1日の御前会議で日本政府は対英米蘭開戦を決定する。
「大樹様、南方のアカマタより今次大戦に大樹様の傘下として加わる旨が記された誓約書が届きました。」
「して、彼らは今どうしている。」
「英領ならびに蘭領の攻略に動いている頃かと・・・」
日本本土から比較的距離の近い対イギリスやオランダ植民地に対しても隠密裏に進軍を開始し、南方妖怪の軍勢がイギリス領マレー半島とオランダ領東インドを目指して動き出した。
東南アジアの南方妖怪を主力とした大部隊が脅威的な速度でマレー半島を進撃して行った。
『臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部12月8日午前6時発表。帝国陸海軍は本八日未明西太平洋においてアメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり。帝国陸海軍は本八日未明西太平洋においてアメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり。』
幻想郷のマヨイガでは八雲紫と藍の二人が炬燵に入ってお茶を飲みながら過ごしていた。
「紫様、始まりましたね。」
「そうね。」
真珠湾攻撃を伝えるNBCラジオ放送 。
『これは演習ではありません。本当の戦争です』
アメリカの拠点の一つに滞在していたベアードは日本皇国の開戦を知る。
「合衆国陸軍が北米諸藩領を越境を確認しました。」
ヨナルデの言葉にベアードは鷹揚に応じる。
「ついに動き出したな。我が軍団も動くぞ。まずは北米諸藩の妖怪たちと合流し統一戦線を形成、地下組織を形成させる。状況によっては欧州に戻ることも考慮しておけ・・・。」
「大本営が設置された市ヶ谷に大樹様が入ったそうですよ。ぬらりひょん様。」
「そうですか。大樹様が今次大戦の指導に入ったのですね。」
朱の盆の知らせを聞いたぬらりひょんは「よろしい」と言った感じで応じた。
「ぬらりひょん、連中に伝えるのか?あれに利することをするのも良いとは思えんが・・・。」
「そうですな。ですが邪骨婆、あちらにも知らせてあげなさい。大樹様が指導されるのはあちらも望むところでしょう。あれらの計画通りに行くほど日本妖怪は軟弱ではないですよ。そこまで心配する必要はありません。約束通り伝えてやりなさい。」
「そうかえ?ぬらりひょん、主がそう言うのならそうしよう。」
ぬらりひょんの言葉を聞いた邪骨婆は些か不服そうだがぬらりひょんの言葉に従った。
「あぁ、もう外に来ているようじゃ。」
「おや、そんなところにいらっしゃいましたか。デュナミスさん、ここで聞き耳を立てていらしたなら知っているでしょうが、大樹様が大本営入りしたそうですよ。色々手回しはしたのです。よろしく頼みますよ。」
顔を仮面で隠している長身のローブ姿の魔術師はぬらりひょんに声を掛けられたデュナミスと呼ばれ、ローブの下の表情は読めず。感情を読ませないようになのか無感情に返答する。
「これでマスターの計画の障害を排除できる。失礼する。」